注意:
厚生労働省が定めている「公正な採用選考」では、採用選考にあたっては「応募者の基本的人権を尊重すること」及び「応募者の適性・能力に基づいて行うこと」としており、公正な採用選考を行う基本は、「応募者に広く門戸を開くこと:雇用条件・採用基準に合った全ての人が応募できる原則を確立すること」及び「応募者の適性・能力に基づいて行うこと:応募者のもつ適性・能力が求人職種の職務を遂行できるかどうかを基準として採用選考を行うこと」としています。
就活の面接における「あなたが最近読んだ本を教えて下さい」、「最近興味深かった本はありますか?」「お勧めの本はありますか?」を聞く質問は、適性や能力に関係ない本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握)」の「購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること」に抵触する可能性がある質問です。
しかしながら「公正な採用選考」を行うコンプライアンスが徹底されてない企業、もしくは担当する面接官によっては、「購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること」及び類似する質問をする場合があります。
就活生は面接官を選べないため、偶然担当した面接官から該当する質問をされた場合は、回答を拒否するべきという考え方もありますが、回答拒否した場合には面接官の心象を概して次の選考ステップに進めないリスクも高まります。そのような場合でも就活生が不利にならないように以下の解説を行っています。ただし、「公正な採用選考」を逸脱する面接を受けた場合は、たとえ志望意欲が高い場合でも、再度ご自身で慎重に見極め、判断することをお勧めします。
Contents
面接で「最近どんな本を読みましたか?」と聞かれたら、上手く答えられますか?
就活の面接であなたが読んだ本に関して聞かれることが良くあります。「あなたが最近読んだ本を教えて下さい」、「最近興味深かった本はありますか?」「お勧めの本はありますか?」などのパターンで質問されます。
あなたが読書家で、何の苦も無く「就活の面接で紹介できる本」が頭に浮かび、その内容と感想を簡潔に答えられるのであれば、この記事を読む必要はありません。他の事に時間を使いましょう。
「日ごろから本はあまり読まない」、「漫画や雑誌なら読むが、それを答えられないし・・・」「小説は読んだが、就活の面接で答えていいのかな・・?」など、「困ったな・・」と思った学生へ、この質問への対応方法を解説していきます。先ずは質問の意図から確認していきましょう。
質問の意図:「最近読んだ本」、「おすすめの本」など本に関する質問
面接官がこの質問をする意図は以下の5点に集約できます。
- 面接の早い段階で質問して、学生の緊張を和らげる
- あなたが、どんな本を読んでいるかを知ることで、知的好奇心、興味・関心を知って、あなたを理解したい。また、読書が習慣化されているかをチェックしたい
- 本という大きなコンテンツを、ポイントをうまく要約して人に説明する能力があるかどうかをチェックしたい
- 自分の意見を言えるか、本から学んだこと、感じたことを上手く人に伝えられるかをチェックしたい
- 就活の面接という機会を活かした答えができるかを見極めたい
回答のポイント:「最近読んだ本」、「おすすめの本」など本に関する質問
Point 1: 難しく考えないで、肩の力を抜こう
面接官はこの質問は「答え易い質問」と考えています。あくまで、あなたの読んだ本に関するコメントを求めているだけなので、就活の合否判定に、「この質問の答だけでは直結しない」質問だからです。そのため面接の初めの方で、学生の緊張を和らげるために聞く場合が多いのです。
この質問には肩の力を抜いて、リラックスして答えましょう。緊張して普通に答えられない場合、「ストレス耐性のない学生」と受け取られてしまいます。喫茶店で話すような話題なだと思って答えましょう。
Point2:適切な本を読んでいない場合は、適切な本を読むこと。ただそれだけです。
本を読んでおらず、何も頭に浮かばなければこの質問には答えられません。誰もが漫画や雑誌を答えるべきではない、と思いますよね。漫画や雑誌は止めておきましょう。
特に小説はだめという事ではありません。もちろんライトノベルや、ホラー小説など就活の面接には適さないジャンルは止めておきましょう。「ここで、敢えてそれを答えるか・・」と、あなたは就活の準備が出来ていない幼稚な学生になってしまいます。
あなたが純文学や大衆小説を読んでいて、そのエッセンスと感動したポイント、自分の意見を言える内容ならそれでも構いません。正直に語ってください。
本を読んでいない学生や、どうしても上手く話せそうもない学生は、至急本を選んで読むしかありません。これから読む場合は、なるべく就活に適した内容のものを選びましょう。以下の3カテゴリーをあたってみましょう。
- あなたが興味のある人やビジネスの啓発本
- あなたが志望する業界に関連する本
- マクロトレンドの解説本
2冊目は「他にはありますか?」と、掘り下げられた場合の対策です。
アマゾンで検索して探す方法ももちろんありですが、世の中には他にも便利なWEBサービスがあります。本の要約を知ることが出来るサイトです。「本 要約」で検索してみてください。
まず、要約を読んで、自分が「最も」興味が湧きそうな本、就活の面接で話せるような本を荒く選び出してから、最低2冊は選んで購入して読みましょう。1週間あれば2冊程度は十分読み込めます。
Point 3: 本の内容の要約の要約をつくり、最重要ポイント3点を頭に入れよう
本の要約サイトや書評を更に以下の3点に絞って短くまとめておきましょう。
- 誰が、何について、どういう視点で書いているのか
- 究極の結論は何か
- 結論に対する自分の意見(感想)
Point 4: 本から学んだこと、今後に活かせそうなことをピックアップして加えよう
最後は物事に「学ぶ姿勢」をアピールします。
本から学べたこと、今後の仕事に活かせそうなポイントを抽出して、それを最後に加えて完成です。
Point 3とPoint 4は、一度に全て話そうとせず、面接官との会話の中で自然に伝えましょう。
初めから全部話そうとすると、どうしても暗記してきたものを読んでいるように聞こえてしまいます。この質問の意図の一つは、あなたの緊張を和らげることでした。肩の力を抜き、さりげなくアピールしましょう。
Point 5:就活の面接という機会を活かし、自己PRや志望動機とリンクさせよう
「最近読んだ本」を言葉通りにとらえて、世の中の注目を集めた本を正直にそのまま答えてもプラス評価に結びつきません。
面接官は「正直な学生」と思う反面、就活の面接というTPOを理解していない学生という評価をします。就活の面接は、「あなたがどんな人で、何ができるか」を評価するために行われています。
そこででる質問に対する答えは、「あなたを就活の目的に即して間接的にアピールする」こと、もしくは「志望動機に間接的にでもつながる」ような書籍を選ぶべきです。
誰もが取り上げる可能性が高い話題の本を選んで話す場合は、印象を残すためにはあなた独自のアングルで切り込む必要があります。
本の選び方も、答え方も「就活の目的」に沿ったものにするべきなのです。
小学校の先生が、生徒に質問している訳ではないことを頭と心に刻んでおきましょう。
ベストセラーやスポーツ選手、あるいはタレントの自伝等で、「勇気をもらいました」、「〇〇を学びました」という、自分のアピールに殆ど繋がらない小中学生のような答えはしないようにしましょう。
「最近読んだ本」、「おすすめの本」に関する質問への回答例
就活中ということもあり、日本の社会がどう変わっていくのかを知る上で非常に参考になりました。
日本の人口減少、少子高齢化が引き起こす「不都合な真実」を、データをもとに解き明かしてく可視化している本です。
一例ですが、現在日本の人口は1億2700万人ですが、約50年後に 8800万、100年後には5000万程度になると予測しています。「静かなる有事」が進行中でこの有事は日本人全てに降りかかるため、一人一人の意識改革からはじめるべきというのが大まかな結論でした。
社会に出たら、もちろん目前の目標を達成することは必須だと思いますが、あわせて長期のスパンで物事を考えて戦略を立てていくことの大切さを学びました。その意識を個人でも大切にしていこうと思いました。
自分の面接力はどのレベル? 面接力診断をしてみよう
面接の本番前に、自分の面接力をチェックしてみませんか?
就活の選考で最も難しいのが面接選考です。
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