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【就活の業界研究】就活のはじめに、化学メーカーの現在、課題、未来を俯瞰してみよう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では化学業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

化学メーカーの7つのポイントを押さえよう

  • 化学メーカーのビジネスモデルを理解しよう
  • 化学メーカー、業界の現状と課題・未来
  • 化学メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 化学メーカーに働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
  • 化学メーカーに向く人、向かない人はどういう人か
  • 化学業界の構造
  • 総合化学メーカー主要各社の概況
この記事では化学メーカーの現在の状況と課題、そして未来について分析しています。化学工業や化学素材メーカー、化学業界への就活を検討する皆さんにとっては、重要な情報になりますので、化学業界入門編としてぜひ活用してください。

化学メーカーの現状

世界の需給動向

化学製品の大半を占める石油化学製品に関しては、2018年3月に経済産業省が日本の主要化学製品メーカーとともにまとめた「世界の石油化学製品の今後の需給動向」というレポートが全世界の石油化学製品の需要と供給のトレンド(対象期間:2009年から2022年)をまとめています。

基礎化学製品、誘導品ごとに需要と供給(生産能力)の実績と予測を地域、国ごとにまとめたレポートです。

就活用の資料としては専門的過ぎますが、簡単にダウンロードできるので、ざっとでも目を通して概況を理解しておくことをお勧めします。

概況としては、急激に工業化が進んでいる中国を先頭に、インド、アセアンのアジア地域、経済が好調なアメリカの需要は堅調に増加していきますが、製品によっては中国の生産供給力の過剰が予測され、需給ギャップが懸念されています。

アメリカもシェールガスによるメガコンプレックスの稼働が始まり、国内のみならず、米国産シェール由来原料(含むメタノール)をベースにした石化プラントが、 欧州・インド・ブラジル・中国でグローバルに展開され始めているため、グローバルな需給と均衡していればよいのですが、需給バランスの変化次第では市況への影響がでる可能性もあります。

日本の石油化学産業の状況を国内の需要のトレンド及び輸出競争力からみると、汎用品の生産の能力が過剰であり、石油化学業界ではプラントの停止を含めた生産設備の統廃合を進めていきました。

現在ではアジアでの誘導品需要が好調であったこと、ナフサとエチレンの価格差が拡大していること等から、エチレンプラントの稼働率は高めで推移しています。2021年4月のエチレン生産設備の稼働率は95.3%であり、フル稼働に近い状況です新型コロナウイルスの影響から復調し、好不況の目安となる90%は11カ月連続で上回っています。

しかしながら内需という意味ではエチレン換算需要はほぼ横ばい、プロピレン換算需要では微増という状況です。長期的には「減少トレンド」と予測されています。

生産設備の統廃合

石油化学産業の主原料のナフサは原油価格の動きに連動し、日本のメーカーは原料を輸入に頼っています。国内で生産した製品の輸出もしているため、為替の影響を受ける産業です。

円安になれば原料は高騰します。円高になれば原油価格が同じであれば原料は安く調達できますが、輸出による採算は悪化します。

原油価格と為替はコントロールできないため、メーカーができることは需要予測と生産調整、生産設備の統廃合によるコントロールということになります。もちろん個々の営業努力も必要ですが、汎用品事業に関しては営業で解決できることは限られています。

安価な原料を調達できる場所での生産

石油化学産業の汎用品製造に関しては、原料を安く調達できるところで生産し、その地域の需要を吸収するか、そこから近隣諸国へ輸出するという戦略があります。

しかしながら、この戦略はその地域の有力石油化学企業との競合になるため、簡単ではありません。生産工程での独自技術で競争優位が保てれば為しうる方法です。この戦略をとっているのが、信越化学のアメリカでのエチレンプラント建設や住友化学のサウジアラムコとの合弁事業です。

付加価値が高い化学素材の生産

日本の化学メーカー、特に素材メーカーは高付加価値をもつ素材、世界シェアNo.1の素材を生産している実績のある企業が沢山あります。

このように独自で開発した製品に関しては他の国のメーカーが容易に追随することが難しいため、ニッチでも世界シェアを独占していく戦略は有効です。もちろん市場規模が大きい基礎化学製品でも高い世界シェアを持っていれば尚良いことは言うまでもありません。

日本企業が得意とする分野は多岐に渡っています。エレクトロニクス分野、自動車分野、繊維、リチウムイオン電池、インクやフィルム、各種樹脂や膜、フィルターなどの製造に於いて世界No.1やNo.2のシェアを持っている製品は沢山あります。

画期的な新素材の研究、開発は化学メーカーにとって非常に重要な分野であり、各社とも比較的大きな研究開発費を計上しています。しかしながら画期的な新素材開発は簡単ではなく、長い時間がかかります。また欧米の巨大化学企業は莫大なコストを研究開発に振り向けているため、必ず先に開発できるとも限りません。

各メーカーは現状でのシェアの優位性、強みを最大限活かしつつ、新しいものを開発していく戦略をとっています。

医薬品・ヘルスケア領域への進出

化学メーカーと医薬品・医療、ヘルスケア領域は非常に近い領域にあります。

創薬は一種の有機合成化学とも言えるため、大手化学メーカーは、比較的参入しやすい業種なのです。就活生の皆さんでも富士フィルムが医薬品メーカーを買収してアルツハイマー治療薬や再生医療、バイオ医薬品に注力しているのはご存知の方も多いでしょう。また化粧品も製造・販売しています。

帝人、東レ、旭化成、積水化学といったメーカーも医薬品分野に参入しています。

薬だけでなく、医療用器具に化学素材を応用していることや、もともと化学メーカーが医薬品の原料を製造している場合も多いのです。先進国は高齢化社会を迎え、その先頭を走る日本は医薬品・ヘルスケア領域の需要は今後も拡大がみこまれているため、この分野に注力していくことも重要な戦略の一つです。

デジタル トランスフォーメーションへの対応

いままでの化学産業は、石油化学工業のように産業全般を支える汎用素材を供給し、また他の産業に求められたものを製造するという構造と、自社で研究開発した素材を他社に売り込んで製品の一部、もしくは部品に採用してもらうといった、今ある需要を満たすというスタイルでした。

この営業構造は素材メーカーである以上今後も続きますが、今後はそれ以上に「自ら最終製品メーカーに提案をしていく」という構造への変革が求められています。

自社の技術の応用範囲をビックデータから読み解き、消費者が望んでいるものをメーカーに提案して新しいものを「協創」するという、デジタルデータ分析を基にした事業構造の改革がそのひとつです。

また、デジタル・プラットフォームを顧客に共有して基幹システムの一部を開放し需要、供給を最適化したり、受発注の自動化によって業務を効率化して、それ以外の営業活動に付加価値をつけるなどの業務改革が求められています。

分かり易くイメージしやすいのは、東レとユニクロ(ファーストリテイリング)によるヒートテックの開発です。

ユニクロと東レは戦略的パートナーシップを2005年から結んでおり、ヒートテックという画期的な大ヒット商品を産み出しました。今後も「グローバル化とデジタル化による、新しい産業の創出」として、●IoT(Internet of Things)を活用し両社でEnd to Endのビジネスを実現、●生産のさらなるスピードアップ、●生産拠点のより一層のグローバル化・多極化、●市場別最適生産の推進、●グレーターチャイナ(中国、香港、台湾)事業の成長を支える生産拠点の拡充をテーマとして更に関係を進化させています。特に東レを志望される方はぜひ深堀りをしておきましょう。

このように化学メーカーの守備範囲、事業分野、またその発展・応用の可能性は広く、企業毎に事業内容(製品)も大きく違うため、この業界に興味を持った方は、個別の企業研究を深く掘り下げていくことが絶対に必要です。

化学メーカーの現状と課題、そして未来の概要を理解した上で、化学メーカーの職種や「やりがい」、向き、不向きも把握しておきましょう。

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