就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。
「就活の答え」ではクレジットカード業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。
クレジットカード業界の7つのポイントを押さえよう
- クレジットカード業界のビジネスモデルを理解しよう
- クレジットカード業界の現状と課題・未来
- クレジットカード会社にはどんな仕事があるのか、職種の情報
- クレジットカード会社に働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
- クレジットカード会社に向く人、向かない人はどういう人か
- クレジットカード業界の構造
- クレジットカード主要各社の概況
Contents
クレジットカードの普及率
マイナビが2017年9月に大学生1005人(男性503人、女性502人)を対象に、クレジットカードの保有状況を調査した結果によると、調査した学生全体の57.5%にあたる578人保有していると答えています。
同時期に株式会社ジェーシービーが全国3500人(20代から60代の男女、学生含む)を対象に行った「クレジットカードに関する総合調査」では、全国でのクレジットカードの保有率は85%であり、その中で男女20代の保有率は男性69.2%、女性73.3%という結果でした。
全体の傾向としては20代、特に大学生というステイタスではクレジットカードを使った消費行動は、ほとんどの人がカードを持っていて、それを使っているとは言えない状況です。
クレジットカードを持っていない学生も4割存在していることを併せて考えると、クレジットカード業界の構造とビジネスモデルを理解していくことは、クレジットカード会社への就活を検討するための始めの一歩になるでしょう。
クレジットカードを日常的に使っている人でも、詳しくは理解していない業界の構造やクレジットを支えている仕組み、ビジネスモデルを分かり易く解説します。
クレジットカードの仕組みを支える役割分担
日本クレジット協会の「クレジットカード発行枚数調査:2020年3月末」によると、2億9,296万枚のクレジットカードが調査回答社数 253 社から発行されていました。クレジットカードを発行している会社は国内に277社*もあるとされています。
(*2020年末クレジットカード契約数の対象となった社数)
しかし、そのクレジットカードをよく見ると、VISA、MaterCard、JCB、Amexなどのロゴが印刷されています。これらの企業と、自分が持っているクレジットカードの関係はどうなっているのでしょうか?
クレジットカードを使用した際、自分の銀行口座から引き落とされる金額はどういう経路で、支払いが行われるのでしょうか?
1回払いの場合、その場で料金を支払わなくても追加料金が加算される訳ではないので、だれがどうやって、どこで収益を得ているのかが不思議だと思いませんか?
このクレジットカードの仕組みと役割分担を理解していきましょう。
- カード会員:
- カード発行会社にクレジットカードを申し込んで、審査を受け所有を許された人です。非常に分かり易く言うと、利用限度枠内(与信の枠内)のつけ払いを認められた信用がある人
- 国際ブランド:
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- 国際ブランドとは、国際的な決済網を持った数少ないクレジットカードブランドのことで、VISA、MasterCard、JCB、American Express、 Dinners Club、銀聯(ぎんれん)、ディスカバーの7大ブランドを指します。
- ブランドホルダーとも呼ばれ、このうち、VISAとMasterCardは自社でクレジットカードを発行せず、カード発行会社へ決済システムを提供しています。クレジットカードには必ずこれらのロゴの一つが表示されています
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- カード発行会社(イシュア):
- カード会員にクレジットカードを発行する会社です。尚、様々な業界の多くの企業が、自社のブランドのついたクレジットカードを発行していますが、クレジットカードの発行は、国際ブランドのブランドホルダーとライセンス契約したカード発行会社にしかできません
- 加盟店開発・管理(アクワイアラー):
- カードを利用できる店やサービスの提供者(加盟店)を開発して契約し、クレジットインフラ導入のサポートや教育、アフターフォローを担当
- 加盟店:
- カードを利用できる店やサービスの提供者
- データ処理センター:
- 処理センターは、加盟店管理会社(アクワイアラー)とカード発行会社(イシュア)の決済業務のデータ処理を行っています。カード決済をする場合、加盟店の端末から取引データがデータ処理センターに送られてカード利用者の情報と照合、計算、集計が瞬時に行われ、決済の可否が判定します。集計後の取引データはイシュアとアクワイアラーに送付されます
- 決済代行会社:
- 「決済代行会社」とは、決済ツールを導入したいネットショップとクレジットカード会社等の間に立ち、一括してクレジットカード決済や口座振替等様々な決済手段を提供するサービスを行う会社です
役割分担による収益モデル:
上記のようにカード会員がクレジットカードを持ち、クレジットのサービスを受けるたねに様々な役割をしている企業が存在しています。次に、それぞれの企業はどう収益を得ているのかをみていきましょう。
国際ブランドの収益モデル:
VISA、MasterCard、JCB、American Express、Dinners Club、銀聯(ぎんれん)、ディスカバーの7大ブランドは、カードを発行するイシュアと加盟店サービスを行うアクワイアラーに国際的なクレジット決済網を提供することで、両者から手数料収入、ライセンス使用料収入を得るビジネスモデルとなっています。(ディスカバーカードは日本では発行されていませんが、JCBと加盟店開放契約を結んでいるためJCB加盟店なら使用可能です)
尚、JCB、American Express、Dinners Clubは自らイシュアになりカードを発行を行っています。
この単独ブランドのカードをプロパーカードと呼び、取得難易度、ステイタスが高いカードになります。この場合は会員から年会費というかたちのフィーも収益になります。その代わりに会員へは旅行や娯楽、飲食関連のエクスクルーシブな付加価値、サービスが提供されます。
カード発行会社(イシュア)の収益モデル:
カード会員からの年会費、分割払いやリボ払いの場合の金利、キャッシングサービスの金利・手数料が収益源となります。
尚、ショッピングの際の分割払いを認めるか、認めないか、分割かの場合は何回まで認めるか、年会費は徴収するのか、無料にするのか、初年度のみ無料にするのか、ポイントは付与するのか、付与する場合どういう条件なのか等々、カード発行会社の戦略により異なります。
カード発行会社は自社でサービス内容を決定して、年会費無料のサービスや、ポイントサービス、割引サービスなどを提供して自社の商品やサービスの利用を促進しています。
またクレジットカードの取引ごとにアクワイアラーからの手数料収入を得ます。この手数料をインターチェンジ・フィー(売上交換手数料)と呼んでいます。カード会社が一社でアクワイアラーとイシュアを兼ねている場合は、国際ブランドに対してのみインターチェンジ・フィーが発生するかたちになります。
アクワイアラ―の収益モデル:
アクワイアラーはクレジットカードを利用できる店舗や、通信販売、Webサービスなどサービス提供会社を加盟店と呼び、その加盟店を開拓して契約し、クレジットカード決済ができるシステムの導入・教育する役割を担っています。また契約後は契約した加盟店から売上記録(データ)を取得し、加盟店に対して入金を行うのもアクワイアラーの業務になります。
収益は加盟店からの加盟店手数料(個別契約条件により異なりますが一般的には3%~7%程度)ととなります。アクワイアラーは加盟店でクレジットカードが使用されるたびに、加盟店から加盟店手数料を受け取ります。
お金の流れでは、ある加盟店でカード会員がクレジットで何かを購入するか、サービスを受けた場合、カード会員→イシュア→アクワイアラー→加盟店となりますが、実際はアクワイアラーはイシュアから入金された金額から加盟店手数料を差し引いた金額を加盟店に支払うことで決済しています。そこからインターチェンジ・フィーをイシュア、その他フィーを国際ブランドに支払った残りが収益ということになります。
日本では、提携カード以外のクレジットカード専業企業の場合、イシュアがアクワイアラーを兼ねている場合が殆どです。
JCBの場合は国際ブランドでありながら、イシュアもアクワイアラーの業務を行っています。アクワイアラーを専門に行っている会社としてはUCカードがあります。UCカードは加盟店業務を行い、イシュアはクレディセゾンが行っています。
データ処理センターのビジネスモデル
クレジットカード決済データを常時受け付け処理するクレジットカードシステムを提供しており、イシュアやアクワイアラーからのデータ処理代が処理センターの収益となります。
この業務を提供している企業は株式会社日本カードネットワーク、ソニーペイメントサービス、NTTデータ、GMOペイメントゲートウェイ株式会社という企業になります。
決済代行サービス会社のビジネスモデル
クレジットカード決済業務に関わる個人情報などを取り扱うために必要なセキュリティシステムを構築し、本来であればクレジット会社ごとの契約による、煩雑な手続きを一手に引き受けることによって決済手数料金をネットショップから得るビジネスモデルです。
ネットショップは、決済代行会社を通じてカード会社に与信調査を行います。与信結果は決済代行会社を通してネットショップに送られます。
取引の流れは、カード会社は商品代金の請求明細を発行し、カード保有者の口座から商品代金を引き落とします。決済代行会社はカード会社から商品代金を回収し、決済手数料を差し引いてネットショップの口座に入金するフローになります。
実際には決済代行サービス業者はクレジットカード業務のみではなく、口座振替やコンビニ決済、電子マネー決済など、あらゆる決済サービスを提供しており、近年は実店舗へ営業展開している企業も出てきています。
加盟店:
加盟店はクレジットの取引ごとにアクワイアラーへ加盟店手数料を支払わねばならないため、常に損をしてしまうように思われますが、商品の購入やサービスの提供に対して、その場、その時に現金が必要ないということは、集客や消費の拡大に効果が期待できるのです。
クレジット機能の提供による販売量の増加というプラス効果が、取引ごとの加盟店手数料や導入のイニシャルコストのマイナスを上回ればよい訳です。
カード会員に対する付加価値の提供:
最終消費者であるカード会員が一回払いの場合は、商品やサービスを現金で購入するのと全く同じ支出になります。その場、その時の決済は必要なく支払日までにその金額が決済できれば良い訳です。
しかも使用するカードが年会費無料のカードの場合は実質のロスはありません。それに加えカード会員はポイントの獲得や割引、提携サービスの優待、優遇などのメリットも享受できます。多額の現金を持ち歩く必要もなく、盗難や紛失のリスクも低減できるという価値をカード会社が提供しているのです。
また分割払いやリボルビング払い(クレジットでの使用額に対し毎月一定額を払い続けるカタチの決済方法)により、一回当たりの支払額を低くするというメリットも受けられます。
リボ払い手数料(15%程度)やキャッシングの金利(一般的には15~18%程度)は払わなければなりませんが、使い方やタイミングによってはカード会員にとって便利なサービスです。
以上がクレジット業界の構造と、役割分担、そしてそれぞれの価値提供と収益モデルの概況です。大枠を理解した上で、現在のクレジットカード業界の現状と課題、そして未来についても概況を俯瞰しておきましょう。
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