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【就活の業界研究】電子部品業界の構造と主要電子部品メーカーの概況をチェックしてみよう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では電子部品業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

電子部品業界の7つのポイントを押さえよう

  • 電子部品業界のビジネスモデルを理解しよう
  • 電子部品業界の現状と課題・未来
  • 電子部品メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 電子部品メーカーに働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
  • 電子部品メーカーに向く人、向かない人はどういう人か
  • 電子部品業界の構造
  • 主要電子部品メーカー各社の概況

この記事では電子部品業界の構造と、主要な電子部品メーカー7社の概況をまとめています。

電子部品業界の構造と強さの理由

電子部品には非常に多くの種類がありますが、業界としてはそれらを一社で手掛けている総合企業が数社または多数存在している構造ではなく、ある特定領域に強い企業が集合している業界の構造になっています。

もちろん複数の部品分野を扱っている企業はありますが、その分野の専門性を重視した経営を行っています。

この得意分野の専門性を重視している点が、日本の部品メーカーの強さの要因になっています。

部品メーカー同士でみると、一部競合する製品は有っても基本的には違う機能の製品を製造しているため、他の業界のように同じ製品での競合は比較的少ない業界です。

自社の得意分野での専門性を徹底的に鍛え上げ、その市場でのシェアを占有していくのが基本的な戦略です。

セットメーカーのために存在する業界

部品は、他の部品と組み合わせて最終製品の機能を実現しているために、最終製品を製造するセットメーカーのために存在する業界です。

戦後日本のメーカーが成長し、世界で競争していくためには、日本の家電メーカ―をはじめとして、数多くの製造業、セットメーカーの厳しい機能と品質、コストへの要求がありました。

部品メーカー各社はその厳しい要求に応え、それを苦しみながらなんとか実現していく過程で得意分野と専門性を磨き、部品によっては圧倒的な強みを持つまでに成長してきたのです。

現在では日本企業のみならず、欧米のメーカーやアジアのEMS企業のために高品質の部品を供給しています。

半導体産業との違い

半導体も電子部品の一部ですが、一般的には電子部品と区別して語られます。

半導体は半導体素子(ダイオードやトランジスタ)と半導体集積回路(IC)に分けられ、半導体産業の90%を占めているのが集積回路のビジネスとなります。

集積回路は半導体素子を使用し、数mmから数cmという小さい面積の中に複雑な回路を描き込む集積度が要求されるため、半導体を製造する半導体製造装置が必要であり、製造には規模が重要となるため半導体製造装置も一つの産業として成立しています。

このことは半導体装置を使用すれば半導体を製造できる事に繋がっていく為、技術の平準化や流通がなされることを意味します。

半導体の種類は違っても、基本的な製造方法は同じになっていくため、独自の専門性が確立し難い構造の産業と言えます。更に半導体は汎用性がある部品であるため、その販売は専門商社を介して行っているのが特徴です。

電子部品メーカーの製造はその電子部品を製造する製造装置産業が成立するほど大きくないため、製造装置も部品メーカー自らが設計、開発する構造になっています。

この自社で全てを賄って部品を製造し、販売まで手掛けることによって、生産技術も含めてすべて自社に技術とノウハウが溜まる構造、専門性、独自性が磨ける構造をつくっているのです。

その結果、ニッチの分野であっても世界一のシェアを持っている企業が数多く存在する業界でありリーディング企業は高収益を実現し、時価総額も高い優良企業が多数存在する業界になっています。

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電子部品業界主要各社の概況

就活生に特に人気の高い大手電子部品メーカー7社の現況を直近年度の有価証券報告書や中期経営計画を基に概要を解説していきます。

京セラ株式会社

2023年3月期連結決算 (2022年度)

売上高 (百万円) 2,025,332
税引前利益 (百万円) 176,192
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 127,988
親会社の所有者に帰属する当期包括利益(百万円) 223,978
従業員数(人) 81,209
連結子会社 287社
持分法適用関連会社 10社

京セラは、ファインセラミック技術をベースに新技術、新製品開発や新市場創造を進めている企業です。

具体的には、素材・部品からデバイス、機器、システム、サービスに係るグループ内の経営資源を活用して事業の多角化により成長を図るとともに、情報通信、産業機械、自動車、環境・エネルギー関連等の市場において、多種多様な製品の開発・製造・販売及びサービスをグローバルに提供しています。

2021年4月からは、事業間シナジーの追求及び成長力強化等を目的に組織を再編し、「コアコンポーネント」、「電子部品」、「ソリューション」の3つの事業セグメントに変更して事業を展開しています。

  • コアコンポーネント:
    • 半導体製造装置用部品等の各種ファインセラミック部品や車載カメラモジュール、電子部品やICを保護するセラミック・有機パッケージ等を産業機械や自動車関連、情報通信市場向けに展開
    • その他、医療機器、宝飾・応用商品
  • 電子部品:
    • コンデンサや水晶部品、コネクタ等の各種電子部品やデバイス等を情報通信や産業機器、自動車関連、民生市場向けに展開
  • ソリューション:
    • 機械工具事業では、自動車や一般産業・建築市場向けに切削工具や空圧・電動工具を展開
    • ドキュメントソリューション事業では、オフィス用・商業用プリンターやドキュメント管理システム等のソリューションサービスを展開
    • コミュニケーション事業では、スマートフォン等の通信機器や情報通信サービス等を展開
    • その他:ディスプレイ、プリンティングデバイス、スマートエネルギー関連製品・サービス

2023年3月期(2022年度)連結業績の概要

京セラの前期2022年3月期(2022年度)における業績は、売上高がスマートフォン向け部品の需要減の影響を受けたものの、高水準の需要が継続した先端半導体向け部品の増産に加え、ドキュメントソリューション事業及び機械工具事業等での販売の増加、また円安による効果もあり、かねてより目標としてきた売上高2兆円超えを達成しています。

しかしながら、利益面については、増収及び円安による効果はあったものの、原材料及びエネルギーの価格や物流コスト等の高騰及びコミュニケーション事業の大幅な売上減を主因に減少しています。

また一時的な費用として、訴訟関連費用、年金債務に係る追加費用、並びに構造改革費用等の合計約190億円を計上したことにより、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益はいずれも減少となっています。

2023年3月期における連結業績の概要は以下の通りです。

  • 売上高売上高は2,025,332百万円となり、前連結会計年度(以下、前年度)の1,838,938百万円と比較し、186,394百万円(10.1%)増加
  • 売上総利益:売上総利益は564,944百万円となり、前年度の513,643百万円と比較し、51,301百万円(10.0%)増加 (売上総利益率は前年度と横ばいの27.9%)
  • 営業利益:営業利益は128,517百万円となり、前年度の148,910百万円と比較し、20,393百万円(13.7%)減少(営業利益率は前年度の8.1%から1.8ポイント減少し6.3%)
  • 税引前利益:税引前利益は176,192百万円となり、前年度の198,947百万円と比較し、22,755百万円(11.4%)減少(税引前利益率は前年度の10.8%から2.1ポイント減少し、8.7%)
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益:親会社の所有者に帰属する当期利益は127,988百万円となり、前年度の148,414百万円と比較し、20,426百万円(13.8%)減少

2023年3月期の事業セグメント別業績の概要は以下の通りです。

2023年3月期 連結決算 事業セグメント別業績概要

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 税引前利益・損失
(百万円)
利益構成比
コアコンポーネント 591,662 29.2% 89,475 60.9%
電子部品 377,687 18.6% 44,064 30.0%
ソリューション 1,043,731 51.5% 42,239 28.7%
その他の事業 12,252 0.6% -28,795 -19.6%
合計 2,025,332 100.0% 146,983 100.0%
本社部門損益及び持分法による投資損益 29,209
調整額
計上額 2,025,332 176,192

京セラの事業戦略

京セラはセラミック等の素材技術から部品、デバイス・機器、システム・サービスまでの多岐にわたる経営資源を有しています。

「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」という経営理念の追求のため、「人間として何が正しいか」を判断基準とした企業哲学である「京セラフィロソフィ」と、独自の経営管理システムである「アメーバ経営」の実践を通して、持続的な売上拡大と高い収益性の実現を目指している企業です。

各々の事業における連携を強化し、グループの総合力を最大限に発揮することで、既存事業の拡大及び新規事業の創出を図っています。

目標とする経営指標は明確で、高成長・高収益企業の実現に向けて、売上高及び税引前利益の持続的な2桁成長を目指すというものです。

既存事業の拡大に向けては、ロボットやAI(Artificial Intelligence、人工知能)、クラウド等先端技術の活用による生産性の改善及びプロセス改革による原価低減に取り組み、新規事業の創出に向けては、技術面での一層の社内シナジーの追求及びM&Aや外部協業により、新たな製品開発や、事業領域の拡大に取り組んでいます。

AI技術や5G通信技術の進化とともに社会全体のデジタル化が加速しており、今後も半導体関連産業や電子部品産業の更なる拡大が見込まれます。

また、技術の進化と併せて、脱炭素等の環境対応や労働人口減少に対する生産現場のスマート化の進展等、様々な社会課題の解決に貢献する技術やサービスへのニーズが高まっています。

中期経営計画:

中期経営計画では、これらの環境変化を事業機会と捉え、京セラの強みである幅広い事業領域と多様な技術、強固な財務基盤を活用し、社会課題の解決に貢献する製品やソリューションの展開を通じ、事業拡大を図る方針です。

現在は、2024年3月期から2026年3月期までの中期経営計画を策定し、事業を展開中です。

中期経営計画における主要な施策:

  • 長期的な展望に基づいた先行投資の集中実施
  • 高成長の実現に向けたグループ内経営資源の競争優位分野への統合・結集
  • 事業の選択と集中の推進、及び低成長・低採算領域における構造改革の実施
  • 社会課題解決型の新規事業創出に向けた研究開発体制の強化

2026年3月期財務目標:

  • 売上高: 2兆5,000億円
  • 税引前利益: 3,500億円
  • 税引前利益率:14.0%
  • ROE:7.0%以上

就活で京セラを志望する皆さんは、企業を貫いている哲学を理解するとともに、社会のニーズと京セラの役割を堀下げて、自分の言葉で語れるように企業研究を深めて下さい。

ニデック株式会社(旧社名:日本電産株式会社)

日本電産株式会社は、2023年4月1日、社名をニデック株式会社に変更しています。

2023年3月期連結決算 (2022年度)

売上高(百万円) 2,242,824
税引前当期利益(百万円) 120,593
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 45,003
親会社の所有者に帰属する包括利益(百万円) 153,845
従業員数(人) 106,592
外、平均臨時雇用者数 21,410
連結子会社 343社
持分法適用関連会社 4社

ニデックグループは「世界No.1 の総合モーターメーカー」として、高成長、高収益、高株価、高技術、高待遇を長期的に維持向上することを基本方針としている企業です。

ニデック及びグループ企業は精密小型モータ、車載用製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子・光学部品等の製造・販売を主に事業を展開しています。

事業セグメントごとの以下の主要製品はニデック及び連結子会社各社が製造・販売しています。

  • SPMS HDD用モータ及びその他小型モータ
  • AMEC車載用製品
  • MOEN: 家電・商業・産業用製品
  • ACIM家電・商業・産業用製品
  • 日本電産サンキョー:機器装置、車載用製品、電子部品及びその他小型モータ
  • 日本電産テクノモータ:家電・商業・産業用製品
  • 日本電産モビリティ:車載用製品
  • 日本電産シンポ:機器装置
  • その他:車載用製品、機器装置、電子部品及びその他小型モータ、その他

2023年3月期(2022年度)連結業績の概要

2023年3月期(2022年度)におけるニデックグループの連結業績の概要は以下の通りです。

  • 継続事業からの連結売上高:
    • ロシアによるウクライナ侵攻の影響や顧客における半導体等電子部品の調達困難な状況が続く中、トラクションモータシステム(E-Axle)をはじめとする車載製品や工作機械事業への参入を含めた機器装置での増収により、為替の影響(前期比約2,709億円の増収)を含め、前期比16.9%増収の2兆2,428億24百万円となり、過去最高を更新
  • 営業利益:
    • 構造改革費用を計上した結果、営業利益は、為替の影響(前期比約245億円の増益)を含め、前期比41.3%減益の1,000億81百万円
  • 税引前当期利益:
    • 為替差益約200億円を計上した影響も含め、前期比29.1%減益の1,205億93百万円
  • 継続事業からの当期利益:
    • 法人所得税費用約750億円を計上した影響も含め、前期比66.4%減益の457億4百万円
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益は:
    • 非継続事業からの当期損失約20億円を計上した影響も含め、前期比66.9%減益の450億3百万円

2023年3月期のセグメント別の業績概要は以下の通りです。

2023年3月期セグメント別業績概要

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント損益
(百万円)
利益構成比
SPMS(HDD用モータ及びその他小型モータ等) 339,379 15.1% 17,089 14.9%
AMEC (車載用製品) 304,733 13.6% -64,663 -56.2%
MOEN (家電・商業・産業用製品) 392,807 17.5% 38,581 33.5%
ACIM (家電・商業・産業用製品) 428,193 19.1% 21,349 18.6%
日本電産サンキョー(機器装置、車載用製品、電子部品及びその他小型モータ) 158,675 7.1% 18,000 15.6%
日本電産テクノモータ (家電・商業・産業用製品) 89,187 4.0% 10,680 9.3%
日本電産モビリティ(車載用製品) 118,361 5.3% 11,410 9.9%
日本電産シンポ(機械装置) 173,947 7.8% 19,121 16.6%
日本電産リード 60,321 2.7% 16,101 14.0%
その他 177,221 7.9% 27,358 23.8%
合計 2,242,824 100.0% 115,026 100.0%
消去又は全社 -14,945
計上額 2,242,824 100,081

ニデック製品別売上/営業損益(2022年度):

売上高(百万円) 構成比 営業損益(百万円) 構成比
精密小型モータ 425,333 19.0% 26,680 23.2%
車載 519,654 23.2% -42,291 -36.8%
家電・商業・産業用 913,986 40.8% 70,817 61.7%
機械装置 296,482 13.2% 45,538 39.7%
電子・光学部品 83,011 3.7% 13,582 11.8%
その他 4,358 0.2% 474 0.4%
合計:連結売上高/営業損益(全社費用・消去前) 2,242,824 100.0% 114,800 100.0%

ニデックの事業戦略

ニデックは、2023年7月に創業50周年を迎えました。

それを機に100年を超えて成長し続けることを展望して「新企業理念」を制定しています。

ニデックグループの成長の目的や存在意義を「使命(Mission)」として明確にし、またNo.1に拘る中で、ニデックグループの事業を通じて地球環境の保全や世界の人々の豊かな生活に寄与するソリューション企業集団を「目指す姿(Vision)」としています。

「使命(Mission)」: 世界一高性能なモータで地球に貢献する

  • 全社員の弛まざる努力により、ニデックが世に送り出すモータを中心とした製品を通じて、地球環境の保全を始めとする様々な課題を解決すると共に、世界の人々のより良い生活の実現に貢献する

「目指す姿(Vision)」:

  • 100年を超えて成長し続けるグローバル企業
  • 人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団

ニデックの中長期的な経営戦略

ニデックでは2025年度をターゲットとする新中期戦略目標(Vision2025)を設定しており、事業環境変化に力強く適応する成長企業を目指し、以下の期間目標を設定しています。

2021年度~2022年度:

  1. 連結売上高目標 2兆円
  2. 生産性向上:従業員一人当たりの売上高と営業利益を3割増(2020年度比)
  3. ROIC(投資資本利益率) 10%以上
  4. ESGで評価される企業に

2023年度~2025年度:

  1. 連結売上高目標 4兆円
  2. 生産性向上:従業員一人当たりの売上高と営業利益を倍増(2020年度比)
  3. ROIC(投資資本利益率) 15%以上
  4. ESGで評価される企業に

2023年度から2025年度で、現在の連結売上を倍増させるという非常に高い目標となっています。

ニデックグループが人類共通の課題に対してソリューションを提供出来ると考えている分野として「脱炭素化」、「省人化」、「省電力化」、「サーマルソリューション」、「デジタルデータ爆発的増大」の5つがあります。「クルマの電動化」、「ロボット活用の広がり」、「高効率モータへの需要増加」といったCO2排出抑制、労働力不足、省電力化といった人類共通の課題へのソリューションが求められている分野に経営資源を集中的に投下する方針です。

これらの5分野は二酸化炭素排出や交通事故、高齢化といった世界が直面している課題の解決に向けて強く求められている有望な成長市場と定義しています。

脱炭素に関しては、以下の取り組みを自ら強化しています。

マテリアリティ推進の大きな軸の一つとして「2040年度カーボンニュートラルの実現」

  • 自社事業のエネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの積極導入により、まずは現在日本電産が事業を通じて直接排出しているCO2(Scope1)と事業活動で使用した熱・エネルギーの生産段階で排出しているCO2(Scope2)の大幅な低減を図る

再エネ主導のCO2排出抑制基盤を確かなものとした後、省エネ・低炭素燃料へのシフトやカーボンオフセット投資などの手段を用いることで、2040年度に事業活動のカーボンニュートラル化を達成する計画を打ち出しています。

ニデックが育んできた要素技術にM&Aを組み合わせることで、これらの技術革新分野の大波全てを制し、世界の持続的な発展に貢献していくことを標榜しています。

ニデックはかねてよりM&Aを企業発展の手段にするなど、最もグローバル化が進んだグループ経営型電子部品メーカーと言っても良いでしょう。

2023年7月には、工作機械メーカーであるTAKISAWA(旧名:滝澤鉄工所)を株式公開買い付け(TOB)により買収することを発表しています。

グループとしての先行開発体制を強化すべく、CTO(最高技術責任者)が中心となり、新規事業への取り組みを推進しており、社外の研究機関との積極的な交流も図っている日本を代表する電子部品メーカーのひとつです。

就活でニデックグループを志望する皆さんは、名経営者として著名な創業者である永守重信氏の経営哲学や中長期の戦略も理解して就活に臨んで下さい。

株式会社村田製作所

2023年3月期連結決算 (2022年度)

売上高 (百万円) 1,686,796
税引前当期純利益 (百万円) 314,895
当社株主に帰属する当期純利益(百万円) 253,690
当社株主に帰属する当期包括利益(百万円) 310,777
従業員数(人) 73,164
連結子会社 86社
持分法適用関連会社 1社

村田製作所の事業セグメントは、コンポーネント(コンデンサ、インダクタ、EMI除去フィルタなど)、デバイス・モジュール(高周波モジュール、表面波フィルタ、リチウムイオン二次電池、センサなど)及びその他(ヘルスケア機器、ソリューションビジネスなど)の3つの事業別セグメントに分類され、グループ企業とともに事業を展開しています。

尚、2023年度からは、以下のように事業区分を再編しています。

事業セグメント 売上区分 主な製品
コンポーネント 積層セラミックコンデンサ
インダクタ・EMIフィルタ インダクタ、EMI除去フィルタ
デバイス・モジュール 高周波・通信 表面波フィルタ、高周波モジュール、多層デバイス、コネクタ、コネクティビティモジュール、樹脂多層基板
エナジー・パワー リチウムイオン二次電池、電源モジュール
機能デバイス センサ、タイミングデバイス(発振子)
その他 ソリューションビジネス、ヘルスケア機器、機器製作など

2023年3月期(2022年度)連結業績の概要

エレクトロニクス市場の部品需要概況としては、前年度比で自動車生産台数の増加もありモビリティ向けは増加しましたが、スマートフォンやPCの市場低迷と在庫調整の長期化により全体としては減少しました。

このような環境下、村田製作所の連結業績は、売上高が為替変動(前連結会計年度比23円10銭の円安)の影響もあり、樹脂多層基板がスマートフォン向けで増加したほか、リチウムイオン二次電池がパワーツール向けで増加しました。

一方、積層セラミックコンデンサがコンピュータやスマートフォン向けで減少したことに加え、表面波フィルタや高周波モジュールがスマートフォン向けで減少する結果となりました。

2023年3月期(2022年度)における村田製作所の連結業績の概要は以下の通りです。

  • 売上高:売上高は、前連結会計年度比(以下、前年度比)6.9%減の1,686,796百万円

利益面では、円安やコストダウンなどの増益要因はありましたが、操業度の低下や固定費の増加により、過去最高を記録した前期との比較では減少する結果となっています。

  • 営業利益:前年度比29.8%減の297,887百万円
  • 税引前当期純利益:前年度比27.2%減の314,895百万円、
  • 当社株主に帰属する当期純利益:前年度比19.2%減の253,690百万円

2023年3月期でのセグメント別の業績概要は以下の通りです。

2023年3月期セグメント別業績概要

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント事業利益
(百万円)
利益構成比
コンポーネント 914,165 54.2% 280,121 94.0%
デバイス・モジュール 760,980 45.1% 20,582 6.9%
その他 11,651 0.7% -2,816 -0.9%
合計 1,686,796 100.0% 297,887 100.0%
計上額 1,686,796 297,887

村田製作所の中長期計画

村田製作所ではセラミック材料などの電子材料技術をはじめ、高周波技術、回路設計技術、 薄膜・微細加工技術などのプロセス技術、生産設備の開発技術などの各種要素技術の研究開発に注力しています。

その成果を融合して、通信機器、情報・コンピュータ関連機器からカーエレクトロニクスに至る様々な電子機器に不可欠な積層セラミックコンデンサや圧電製品、ノイズ対策製品、高周波デバイス、回路モジュール等の電子部品の創出を行っています。

世界シェアの40%を握っていると言われているセラミックコンデンサやスマートフォンに欠かせないSAWフィルタ(世界シェア推定45%)、高周波部品が代表的な製品です。

長期構想 Vision2030:

村田製作所グループは、新たな長期構想として「Vision2030」と、2022年度を初年度とした3か年の取り組み計画である「中期方針2024」を策定、発表しています。

Vision2030では「ムラタのイノベーションで社会価値と経済価値の好循環を生み出し、豊かな社会の実現に貢献していく」ことをありたい姿として掲げています。

また、「基盤事業の深化とビジネスモデルの進化」及び「4つの経営変革の実行」を成長戦略として位置づけ、これらをビジョンとして示すことで2030年までの取り組みに一貫性を持たせ、「ありたい姿」を実現していくことにより、お客様や社会にとって村田製作所グループが「最善の選択」であり続けることが、「Global No.1部品メーカー」としての「めざす姿」としています。

基盤事業の深化とビジネスモデルの進化では、1.標準品ビジネス(EI):コンポーネント、2.用途特化型ビジネス(ASC):デバイス/モジュール、3.新たなビジネスモデル創出による3層構造のポートフォリオを用いた経営を行うとしています。

更に、通信(モバイル通信機器向けの高機能、高付加価値部品の供給を継続、5G、6G、IoTやDX領域)、モビリティ自動車分野)、環境(気候変動、サーキュラーエコノミー、クリーンテック)、ウェルネス(ヘルスケア・メディカル分野)を事業機会ととらえ、注力していく市場とし、新たなビジネスモデルや顧客価値を創出することで、市場の多様化と成長を目指しています。

特に自動車向けは新たに収益の柱として注力する計画です。

顧客に安心安全をもたらす「高信頼性」を共通価値とし、センシング、通信、小型、ノイズ対策など、村田製作所グループの強みを活かした幅広いラインナップを揃えてビジネス基盤を強固なものにしていくとともに、電装化・電動化によって自動車に組み込まれる部品需要だけでなく、自動車IoT化やスマートシティなど、モビリティとして広がる領域を事業機会として注力しています。

4つの経営改革の柱は、以下の通りです。

  • 経営変革1:「社会価値と経済価値の好循環を生み出す経営」
  • 経営変革2:「自律分散型の組織運営の実践」
  • 経営変革3:「仮説思考にもとづく変化対応型経営」
  • 経営変革4:「デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」

上記は中期経営計画の骨子のそのまた一部に過ぎません。

理系の学生には特に人気の高い、村田製作所を就活の対象とする皆さんは、企業研究を深めるとともに、ビジョンや中長期の計画を理解しながら、将来的な成長の機会を自分自身の志望動機にも活かして下さい。

TDK株式会社

2023年3月期連結決算 (2022年度)

売上高 (百万円) 2,180,817
税引前当期純利益(百万円) 167,219
当社株主に帰属する当期純利益(百万円) 114,187
当社株主に帰属する包括利益(百万円) 194,903
従業員数(人) 102,908
子会社 140社
持分法適用関連会社 6社

TDKは以下の5つセグメントで事業を展開しています。

  • 受動部品:
    • セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクティブデバイス(コイル、フェライトコア、トランス)、高周波部品、圧電材料部品・回路保護部品
  • センサ応用製品:
    • 温度・圧力センサ、磁気センサ、MEMSセンサ
  • 磁気応用製品:
    • HDD用ヘッド、HDD用サスペンション、マグネット
  • エナジー応用製品:
    • エナジーデバイス(二次電池)、電源
  • その他
    • メカトロニクス(製造設備)、スマートフォン向けカメラモジュール用マイクロアクチュエータ 等

2023年3月期(2022年度)連結業績の概要

2023年3月期(2022年度)におけるTDKの連結業績は、売上高が2,180,817百万円(前連結会計年度1,902,124百万円、前連結会計年度比14.7%増)となっています。

利益面では、営業利益168,827百万円(同166,775百万円、同比1.2%増)、税引前利益167,219百万円(同172,490百万円、同比3.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益114,187百万円(同131,298百万円、同比13.0%減)という結果でした。

為替変動(前年度と当年度の平均為替レート差による)による増収は約2,922億円、営業利益では約689億円の増益要因となりました。

2023年3月期における事業セグメント別業績の概要は以下の通りです。

2023年3月期 連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益/損失(百万円) 利益構成比
受動部品 575,939 26.4% 95,519 48.5%
センサ応用製品 169,543 7.8% 10,726 5.4%
磁気応用製品 200,573 9.2% -56,392 -28.7%
エナジー応用製品 1,173,355 53.8% 147,389 74.9%
その他 61,407 2.8% -434 -0.2%
合計 2,180,817 100.0% 196,808 100.0%
調整額 -27,981
連結合計 2,180,817 168,827

セグメント別の連結業績を前年度比でみると、以下の概況となります。

  • 受動部品セグメント:
    • 売上高は575,939百万円 (同507,826百万円、同比13.4%増)、セグメント利益は95,519百万円 (同76,804百万円、同比27.4%増)
  • センサ応用製品セグメント:
    • 売上高は169,543百万円 (同130,769百万円、同比29.7%増)、セグメント利益は10,726百万円 (同損失281百万円)
  • 磁気応用製品セグメント:
    • 売上高は200,573百万円 (同248,466百万円、同比19.3%減)、セグメント損失は56,392百万円 (同利益4,522百万円)
  • エナジー応用製品セグメント:
    • 売上高は1,173,355百万円 (同965,345百万円、同比21.5%増)、セグメント利益は147,389百万円 (同123,212百万円、同比19.6%増)
  • その他:
    • 売上高は61,407百万円 (同49,738百万円、同比23.5%増)、セグメント損失は434百万円 (同1,432百万円)

TDKの中期経営計画

TDKでは2022年3月期を初年度とする中期3か年計画(中期計画)を策定し、事業を展開しています。

この計画の柱は、エレクトロニクスを取り巻く大きな変革期をDXとEXと捉えています。

IoTやAI(人工知能)といったデジタル技術が社会のあらゆる領域に浸透することによりもたらされる変革(デジタルトランスフォーメーション、DX)及び、化石燃料から再生可能エネルギーをベースとする社会への転換(エネルギートランスフォーメーション、EX)であり、このEXとDX領域に対してTDKの価値提供を行い、貢献することが骨子となっています。

  • DXに対しては、マテリアルサイエンスとプロセス技術にソフトウェア技術を加え、社会のデジタル化を促進
    • 強靭なコミュニケーションネットワークインフラ構築を支える製品・ソリューションの提供
    • 人の能力強化と補完を促進するための、ロボット化、モビリティ化を支える製品・ソリューションの提供
    • TDKのデジタル化推進
  • EXに対しては、電子デバイスでムダ熱とノイズを最小化し、エネルギー環境問題に貢献
    • 2050年CO2ネットゼロ実現に向けたエネルギーの有効利用と再生可能エネルギーの利用拡大
    • 脱炭素社会を実現するためのクリーンエネルギーを創出する製品・ソリューションの提供
    • エネルギーの蓄電、変換、制御によって効率的なエネルギー社会を実現する製品・ソリューションの提供

上記は骨子のみですが、中期経営計画では、EX、DX領域市場におけるビジネスチャンスに則したTDKの具体的な電子部品を知ることができます。

例えば、DXにおいては高速通信ネットワーク、センサ、自動運転、ロボット用の製品等の供給を通じて、またEXにおいては、高効率なエネルギー社会の実現に必要なエネルギーの蓄電、変換、制御に関わる製品、電気自動車・再生可能エネルギー関連の製品があげられています。

就活でTDKを志望する皆さんは、技術・製品分野は当然として、TDKの長期ビジョンや中期経営計画を把握して、自身の就活の軸や志望動機の作成に活かして下さい。

ミネベアミツミ株式会社

2023年3月期連結決算 (2022年度)

売上高 (百万円) 1,292,203
税引前利益(百万円) 96,120
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 77,010
親会社の所有者に帰属する包括利益(百万円) 107,167
従業員数(人) 87,752
外、平均臨時雇用者数(人) 23,505
子会社 144社

ミネベアミツミはミネベア株式会社とミツミ電機株式会社が2017年に経営統合してできた企業です。

2019年4月に公開買い付けによって、株式会社ユーシンを子会社化し経営統合を行い、その後8月には株式併合により完全子会社化をしたため、連結決算のセグメントにユーシン事業を加え、現在は以下の4つのセグメントで事業を展開しています。

  • 機械加工品事業:
    • ボールベアリング、ロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアセンブリー等のメカニカルパーツ、及び航空機用ねじ
  • 電子機器事業:
    • 電子デバイス(液晶用バックライト、センシングデバイス(計測機器)、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、エアームーバー(ファンモーター)及び特殊機器、等
  • ミツミ事業:
    • 半導体デバイス、光デバイス、機構部品、高周波部品、電源部品、スマート製品
  • ユーシン事業:
    • キーセット、ドアラッチ、ドアハンドル等の自動車部品のほかに、産業機械用部品
  • その他事業:自社製機械

2023年3月期(2022年度)連結業績の概要

2023年3月期(2022年度)におけるミネベアミツミの連結業績は、売上高が前連結会計年度に比べ(以下、前年度比)15.0%増収の1,292,203百万円となり、創業以来の過去最高売上高を更新しています。

利益面では、営業利益は10.2%増益の101,522百万円、税引前利益は、5.9%増益の96,120百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は11.7%増益の77,010百万円となり増益を達成しています。

2023年3月期における事業セグメント別業績の概要は以下の通りです。

2023年3月期 連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益/損失(百万円) 利益構成比
機械加工品事業 197,300 15.3% 42,951 39.9%
電子機器事業 366,275 28.3% 922 0.9%
ミツミ事業 530,464 41.1% 42,740 39.7%
ユーシン事業 194,699 15.1% 22,302 20.7%
その他 3,465 0.3% -1,290 -1.2%
合計 1,292,203 100.0% 107,625 100.0%
調整額 -6,103
連結合計 1,292,203 101,522

セグメント別の連結業績を前年度比でみると、以下の概況となります。

  • 機械加工品事業:
    • 売上高は197,300百万円と前連結会計年度(以下、前年度)に比べ19,830百万円(11.2%)増収、営業利益は 42,951百万円と前年度に比べ 2,766百万円(-6.1%)の減益
  • 電子機器事業:
    • 売上高は366,275百万円と前年度に比べ4,748百万円(-1.3%)の減収、営業利益は922百万円と前年度に比べ20,639百万円(95.7%)の減益
  • ミツミ事業:
    • 売上高は530,464百万円と前年度に比べ101,348百万円(23.6%)の増収、営業利益は 42,740百万円と前年度に比べ 894百万円(2.1%)の増益
  • ユーシン事業:
    • 売上高は194,699百万円と前年度に比べ49,122百万円(33.7%)の増収、営業利益は22,302百万円と前年度に比べ21,570百万円の増益
  • その他の事業:
    • 売上高は3,465百万円と前年度に比べ2,511百万円(263.0%)の増益、営業損失は1,290百万円と前年度に比べ49百万円の改善

 

ミネベアミツミの事業戦略

ミネベアミツミでは”Passion to Create Value through Difference”をスローガンに常識を超えた「違い」で新しい価値をつくって、他社にない強みを発揮していくことを基本方針としています。

ミネベアが培ってきた機械加工技術とミツミ電機の電子機器製品技術、ユーシンの車載技術、ミツミ・エイブリックの半導体技術との融合により、次世代に向けた新製品開発、複合製品事業の拡大を推進していく戦略をとっています。

また大規模な海外生産工場の展開とグローバルな研究開発体制を整備し、M&Aやアライアンスを通じて収益力の向上、企業価値の拡大を積極的に進め、2029年3月期売上高2.5兆円、営業利益2,500億円を目指す方針です。

経営戦略の概要は以下の通りです。

  • コア事業の強化
    • コア事業の強化としては、強みの源泉である「超精密機械加工技術」と「垂直統合生産システム」「グローバルネットワーク」をさらに強化することで、ベアリング、モーターをはじめとする主力事業において圧倒的なシェアを獲得し、収益力の向上を進める計画
  • 多角化でニッチ(8本槍)
    • 具体的には多角化とニッチをコンセプトに選択と集中を行い、ベアリング、2.モーター、3.アクセス製品、4.アナログ半導体、5.センサー、6.コネクタ・スイッチ、7.電源、8.無線・通信・ソフトウエア)を8本の槍製品として、各事業との相合によるシナジーを創出・強化
  • 相合(そうごう)によるシナジー創出
    • 更に、「相合(そうごう)によるシナジー創出」として、ミネベアミツミのコア技術である「超精密機械加工技術」、「大量生産技術」、「センサー技術(荷重・圧力など)」、「光学技術」、「MEMS技術」、「高周波技術」、「電気回路技術」、「半導体設計技術」、「機構設計技術」、「システム設計技術」を融合し、8本槍製品を進化させるとともに、その進化した製品を相合することで、自動車、航空機、ロボティックス、介護・医療、インダストリー、情報通信、インフラ、住宅設備といった分野でのシナジーを創出し、新たな価値提供を行っていく戦略

ミネベアミツミフループ企業へ志望する方は、日本企業の中でも特徴のある、ミネベアミツミの哲学や歴史、経営方針をしっかりおさえておきましょう。

アルプスアルパイン株式会社

2023年3月期連結決算 (2022年度)

売上高 (百万円) 933,114
経常利益(百万円) 34,940
当社株主に帰属する当期純利益又は純損失(百万円) 11,470
包括利益(百万円) 19,805
従業員数(人) 29,926
外、平均臨時雇用者数(人) 1,788
子会社 57社
関連会社 33社

アルプスアルパインはアルプス電気がアルパイン株式会を完全子会社とする経営統合を行い、2019年1月にアルプス電気の商号をアルプスアルパイン株式会社に変更した企業です。

現在では子会社57社及び関連会社33社のグループで、コンポーネント事業、センサ・コミュニケーション事業、モジュール・システム事業のセグメントとその他の事業を展開しています。

尚、連結子会社であったアルプス物流は、2022年6月にアルプスアルパインの連結対象から外れ、親子上場を解消し、持ち分法適用会社になっています。

  • コンポーネント事業:
    • スイッチ類、アクチュエータ、ハプティック®等の電子部品を製造、販売
  • センサ・コミュニケーション事業
    • センサ、通信デバイスの電子部品を製造、販売
  • モジュール/システム事業
    • 車載モジュール、インフォテインメント、ディスプレイ、サウンドの製品を製造、販売
    • その他
      • グループ各社に対するシステム開発やビネスサポート、シニアサポート事業、ファシリティ事業、金融・リース事業等

2023年3月期(2022年度)連結業績の概要

2023年3月期におけるアルプスアルパインの連結業績は、売上高が9,331億円(前期比16.2%増)、営業利益335億円(前期比4.6%減)、経常利益349億円(前期比13.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益114億円(前期比50.0%減)という結果でした。

アルプスアルパインでは部材や物流費高騰への対応、部品在庫の確保による計画的な生産及び売上高の維持等、計画達成に向けて活動した年度でした。

2023年3月期における事業セグメント別業績の概要は以下の通りです。

2023年3月期 連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益/損失(百万円) 利益構成比
コンポーネント事業 329,040 35.3% 38,322 113.7%
センサ・コミュニケーション事業 85,525 9.2% -1,588 -4.7%
モジュール・システム事業 481,384 51.6% -6,619 -19.6%
その他 37,162 4.0% 3,603 10.7%
合計 933,114 100.0% 33,718 100.0%
調整額 -123
連結合計 933,114 33,595

セグメント別の連結業績を前年度比でみると、以下の概況となります。

  • コンポーネント事業:
    • 売上高は3,290億円(前期比25.5%増)、営業利益は383億円(前期比13.9%増)
  • センサ・コミュニケーション事業:
    • 売上高は855億円(前期比6.9%増)、営業損失は15億円(前期における営業利益23億円から悪化)
  • モジュール・システム事業:
    • 売上高は4,813億円(前期比30.6%増)、営業利益は66億円(前期における営業損失83億円から改善)

アルプスアルパインの事業計画

アルプスアルパインでは2022年4月から第2次中期経営計画をスタートさせています。

2022年度からは事業セグメントの変更を行い、収益基盤の維持・拡大を目指す「コンポーネント事業」、今後の成長領域と位置付けて伸ばす「センサ・コミュニケーション事」、改善により収益体質の良質化を図る「モジュール・システム事業」へと再整理して、事業を展開してきました。

中期経営計画では、経営統合時に掲げた全社の目指す姿「革新的T型企業“ITC101”」への取り組みを継続し、コアデバイスを深耕して製品力を高める「縦のI型」と、広範なデバイスや技術をシステムに仕上げる「横のI型」を合わせた革新的な「T型」企業へと進化することを方針としています。

アルプスアルパインでは、エレクトロニクスの重要性が高まる自動車市場、成長は鈍化したものの高機能部品の需要は高いスマートフォン市場、また新たにVR市場への拡大に向け、HMI(Human Machine Interface)、センサ、コネクティビティの三つの技術領域から優位性の高い製品を継続して生み出し、これらニーズに応えていく方針です。

車載事業における開発活動では、2022年から車室内空間全体を快適かつ高級感のある空間として提供する未来のモビリティ提案、「Digital Cabin」の実用化を目指し、米国Qualcomm Technologies, Inc.と協業するなど、具体的な取り組みを開始しています。

これらコア技術を組み合わせた独自の製品開発とともに、他社との協業による開発スピードの加速、更に「モノ」から「コト」へとニーズが変化する中で、新たなソリューションビジネスの確立にも注力していく方針です。

中期経営計画の財務目標としては、第3次中期経営計画期間の2027年度において売上高1兆円、営業利益率10%、ROE(自己資本利益率)10%を目指す計画となっています。

株式会社キーエンス

2023年3月期連結決算 (2022年度)

売上高 (百万円) 922,422
経常利益(百万円) 512,830
当社株主に帰属する当期純利益(百万円) 362,963
包括利益(百万円) 378,990
従業員数(人) 10,580
連結子会社 28 社
関連会社 1社

キーエンスは主にファクトリー・オートメーションのための電子応用機器の製造および販売を行っており、キーエンスが商品の開発、製造及び販売を行っているほか、キーエンスソフトウェア(株)はキーエンス製品のソフトウェア開発、キーエンスエンジニアリング(株)は商品の製造を行なって事業を展開しています。

さらに北米・中南米ではKEYENCECORPORATION OF AMERICAほか3社、欧州ではKEYENCE DEUTSCHLAND GmbHほか4社、アジアではEYENCE(CHINA)CO.,LTD.ほか11社の子会社等を通じて販売を行う体制です。

1974年の会社設立以来、FA(ファクトリー・オートメーション)用センサをはじめとする高付加価値製品を通じて、生産現場の生産性・品質向上に貢献しています。

自動車、半導体、電子・電気機器、通信、機械、化学、薬品、食品など、製造業のあらゆる分野において30万社以上の取引先を持つ優良企業です。その意味ではファクトリー・オートメーションの総合メーカーという唯一無二のポジショニングで事業を行っています。

特に利益率の高さでは電子部品業界の中でも断トツの存在です。

また、海外においても1985年のアメリカ現地法人設立を皮切りに、現在では46カ国230拠点で事業を展開しているグローバル企業です。

代理店を介さない直販体制を整備しており、これがキーエンスの信頼関係を築く「グローバルダイレクトセールス」によるコンサルティングを可能にしています。

世界初を連発する“企画開発力”と、顧客に密着した“コンサルティングセールス”で、世界の“ものづくり”をサポートしており、市場の評価も高く株式の時価総額でも常に上位にランクされる優良企業です。

特に重視しているのが”企画開発力“であり、世界初、業界初の商品の持続的な創造を行い、ファクトリー・オートメーション向けのセンサ、測定器、画像システム機器、レーザマーカだけでなく、研究開発向けのマイクロスコ―プ、物流、小売向けのコードリーダを開発するなど、市場の変化に応じて企画開発を展開しています。

2023年3月期(2022年度)連結業績の概要

2023年3月期(2022年度)におけるキーエンスの連結業績は、売上高が922,422百万円(前年同期比22.1%増)となり大幅な増収となっています。

利益面では、営業利益は498,914百万円(同19.3%増)、経常利益は512,830百万円(同18.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は362,963百万円(同19.6%増)となり、驚異的な増収・増益を記録した前年度を更に超える業績となっています。

キーエンスは電子応用機器の製造および販売単一セグメントで事業を行っているため、セグメント別の情報はありませんが、地域別の売上のシェアは以下の通りです。

地域売上高 売上(百万円) 売上構成比
国内 348,079 37.7%
米国 152,190 16.5%
中国 153,475 16.6%
その他海外 268,676 29.1%
合計 922,422 100.0%

キーエンスの経営方針

キーエンスグループは「会社を永続させる」、「最小の資本と人で最大の付加価値を上げる」という考えのもと、全社員が一丸となり「付加価値の創造」と「事業効率」を追求しています。

社会における役割を的確に把握し、世の中の役に立つ付加価値の高い商品を生み出すことで社会に貢献し、持続的な成長と高い収益性の実現を常に目指していくことを経営における基本方針としています。

中長期的には様々な技術革新に加え、自動化、品質の向上、研究開発投資などの需要拡大が期待されており、キーエンスグループがこれらの変化や需要を的確に捉え、持続的な成長を続けるためには、人材の育成に加え「企画開発力の強化」、「海外事業の拡大」が不可欠との認識のもとで、新たな付加価値を創出しています。

キーエンスは超高収益企業でるため、年収もずば抜けて高い企業として有名です。そのため就活での人気も非常に高く超難関企業の一つです。

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まとめ

以上、アウトラインのみですが電子部品業界の構造と大手電子部品メーカー7社の概況を解説しました。電子部品業界は裾野が広く、特徴や強身を持つ分野がある企業が沢山あります。

従ってこの業界を目指す就活生は大枠のあたりをつけたあと、企業毎の詳細な研究が不可欠になります。

専門分野や自分の強みを活かし、説得力のある志望動機をつくるためには避けては通れません。真剣に研究すればするほど理解も深まり、志望意欲も高まっていくものです。

世界のハイテク製品や製造技術を根底で支えている、日本の電子部品メーカーはすでにグローバル企業も多く、社会的な評価も高まっています。有力企業はかつての「下請け」的なイメージも薄まり、益々存在感を増しています。

生産設備から自前で作る企業も多く、本当の意味でモノづくりの楽しさや奥深さを体現している業界なのです。また海外志向の強い学生にもチャンスは広がっています。

しかもグローバル市場で高い製品シェアを持つ優秀な中堅企業が全国に存在しています。ぜひ今後の企業研究を徹底して行い、自分にベストな選択をしてください。

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