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【就活の業界研究】電子部品業界の構造と主要電子部品メーカーの概況をチェックしてみよう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では電子部品業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

電子部品業界の7つのポイントを押さえよう

  • 電子部品業界のビジネスモデルを理解しよう
  • 電子部品業界の現状と課題・未来
  • 電子部品メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 電子部品メーカーに働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
  • 電子部品メーカーに向く人、向かない人はどういう人か
  • 電子部品業界の構造
  • 主要電子部品メーカー各社の概況

この記事では電子部品業界の構造と、主要な電子部品メーカー7社の概況をまとめています。

電子部品業界の構造と強さの理由

電子部品には非常に多くの種類がありますが、業界としてはそれらを一社で手掛けている総合企業が数社、または多数存在している構造ではなく、ある特定領域に強い企業が集合している業界の構造になっています。

もちろん複数の部品分野を扱っている企業はありますが、その分野の専門性を重視した経営を行っています。

この得意分野の専門性を重視している点が、日本の部品メーカーの強さの要因になっています。部品メーカー同士でみると、一部競合する製品は有っても基本的には違う機能の製品を製造しているため、他の業界のように同じ製品での競合は比較的少ない業界です。

自社の得意分野での専門性を徹底的に鍛え上げ、その市場でのシェアを占有していくのが基本的な戦略です。

セットメーカーのために存在する業界

部品は、他の部品と組み合わせて最終製品の機能を実現しているために、最終製品を製造するセットメーカーのために存在する業界です。戦後日本のメーカーが成長し、世界で競争していくためには、日本の家電メーカ―をはじめ、数多くの製造業、セットメーカーの厳しい機能と品質、コストへの要求がありました。

部品メーカー各社はその厳しい要求に応え、それを苦しみながらなんとか実現していく過程で得意分野と専門性を磨き、部品によっては圧倒的な強みを持つまでに成長してきたのです。

現在では日本企業のみならず、欧米のメーカーやアジアのEMS企業のために高品質の部品を供給しています。

半導体産業との違い

半導体も電子部品の一部ですが、一般的には電子部品と区別されて語られます。半導体は半導体素子(ダイオードやトランジスタ)と半導体集積回路(IC)に分けられ、半導体産業の90%を占めているのが集積回路のビジネスとなります。

集積回路は半導体素子を使用し、数mmから数cmという小さい面積の中に複雑な回路を描き込む集積度が要求されるため、半導体を製造する半導体製造装置が必要であり、製造には規模が重要となるため半導体製造装置も一つの産業として成立しています。

このことは半導体装置を使用すれば半導体を製造できる事に繋がっていく為、技術の平準化や流通がなされることを意味します。

半導体の種類は違っても、基本的な製造方法は同じになっていくため、独自の専門性が確立し難い構造の産業と言えます。更に半導体は汎用性がある部品であるため、その販売は専門商社を介して行っているのが特徴です。

電子部品メーカーの製造はその電子部品を製造する製造装置産業が成立するほど大きくないため、製造装置も部品メーカー自らが設計、開発する構造になっています。

この自社で全てを賄って部品を製造し、販売まで手掛けることによって、生産技術も含めてすべて自社に技術とノウハウが溜まる構造、専門性、独自性が磨ける構造をつくっているのです。

その結果、ニッチの分野であっても世界一のシェアを持っている企業が数多く存在する業界リーディング企業は高収益を実現し、時価総額も高い優良企業が多数存在する業界になっています。

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電子部品業界主要各社の概況

就活生に特に人気の高い大手電子部品メーカー7社の現況を直近年度の有価証券報告書や中期経営計画を基に概要を解説していきます。

京セラ株式会社

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高 (百万円)1,526,897
税引前利益 (百万円)117,559
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)90,214
親会社の所有者に帰属する当期包括利益(百万円)210,784
従業員数(人)78,490
連結子会社294社
持分法適用関連会社13

京セラの主な事業セグメントは産業・自動車用部品、半導体関連部品、電子デバイス、コミュニケーション、ドキュメントソリューション、生活環境、その他となっています。

  • 産業・自動車用部品:
    • アルミナやジルコニア等の様々なセラミック素材を用い、セラミックの特性である耐熱性、耐摩耗性、耐腐食性等の特長を活かしたファインセラミック部品や、光学レンズ技術、センシング技を活用したカメラモジュール、中小型サイズを中心とした液晶ディスプレイを、主に産業機械や自動車市場向けに供給。また、金属加工用の切削工具や空圧・電動工具等の機械工具を、自動車や一般産業市場、建築市場へ供給
    • 金属加工用の切削工具や空圧・電動工具等の機械工具を、自動車や一般産業市場、建築市場へ供給

 

  • 半導体関連部品:
    • スマートフォンや通信インフラ、自動車関連市場等、幅広い市場で使用される水晶部品やSAWデバイス、CMOS/CCDイメージセンサー等の電子部品やASIC(Application Specific Integrated Circuits)用等の、無機材料(セラミック)や有機材料を用いたパッケージ及びボードの開発・製造・販売

 

  • 電子デバイス
    • 情報通信機器や産業機器、並びに自動車関連市場等、幅広い分野へのコンデンサや水晶部品をはじめとする様々な電子部品やデバイス等の開発・製造・販売

 

  • コミュニケーション:
    • 独自の機能を搭載したスマートフォンや携帯電話の開発・製造・販売、及び自動車搭載用やIoT(Internet of Things)社会での需要拡大が見込まれる通信モジュール事業、並びにICTソリューションやエンジニアリング事業等の情報通信サービス事業

 

  • ドキュメントソリューション:
    • アモルファスシリコンドラムを搭載した長寿命で低ランニングコストを実現するプリンター及び複合機の供給、商業用インクジェットプリンターの開発・製造・販売
    • モバイル機器やクラウド環境、顧客が所有するドキュメント管理システムとの連携を可能にするアプリケーションソフトウェアの提供、顧客のドキュメント環の最適化をサポートするドキュメントソリューションをグローバルに展開
    • 企業内の情報を電子化し、包括的かつ効率的に管理・運用するECM(Enterprise Contents Management)事業

 

  • 生活・環境:
    • 公共産業用及び住宅用の太陽電池モジュールに加え、蓄電池やエネルギーマネジメントシステム等のソーラーエネルギー関連製品や、人工関節や人工歯根等の医療機器、宝飾品、セラミックナイフ等のキッチングッズ等、生活や環境に関わる製品の開発・製造・販売

2021年3月期の事業セグメント別業績の概要は以下の通りです。

2021年3月期 連結決算 事業セグメント別業績概要

事業名外部顧客売上高(百万円)売上構成比税引前利益・損失
(百万円)
利益構成比
 産業・自動車用部品358,24323.5%18,14220.6%
 半導体関連部品263,55017.3%28,26032.1%
電子デバイス302,18519.8%25,26828.7%
コミュニケーション212,65713.9%14,59716.6%
ドキュメントソリューション315,78520.7%28,75932.7%
 生活・環境59,5263.9%-23,952-27.2%
その他14,9511.0%-3,102-3.5%
合計1,526,897100.0%87,972100.0%
本社部門損益及び持分法による投資損益29,587
調整額
計上額1,526,897117,559

京セラの2021年3月期における業績は、新型コロナウイルス感染症の拡大による景気悪化の影響を受け、前連結会計年度に比べ減収減益の決算となりました。

連結売上高は、1,526,897百万円となり、前連結会計年度の1,599,053百万円と比較し、72,156百万円(4.5%)の減少、利益面では、営業利益が70,644百万円となり、前年度の100,193百万円と比較し、29,549百万円(29.5%)減少した結果となっています。

京セラの事業戦略

京セラはセラミック等の素材技術から部品、デバイス・機器、システム・サービスまでの多岐にわたる経営資源を有しています。

「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」という経営理念の追求のため、「人間として何が正しいか」を判断基準とした企業哲学である「京セラフィロソフィ」と、独自の経営管理システムである「アメーバ経営」の実践を通して、持続的な売上拡大と高い収益性の実現を目指している企業です。

各々の事業における連携を強化し、グループの総合力を最大限に発揮することで、既存事業の拡大及び新規事業の創出を図っています。

既存事業の拡大に向けては、ロボットやAI(Artificial Intelligence、人工知能)、クラウド等先端技術の活用による生産性の改善及びプロセス改革による原価低減に取り組み、新規事業の創出に向けては、技術面での一層の社内シナジーの追求及びM&Aや外部協業により、新たな製品開発や、事業領域の拡大に取り組んでいます。

中期経営計画では、「情報通信市場」、「自動車関連市場」、「環境・エネルギー市場」並びに「医療・ヘルスケア市場」を重点市場と捉え、この4つの市場での既存事業の拡大、及び新規事業の創出により、売上及び利益の拡大を目指すとしています。

尚、2021年4月より、16ある事業部門・主要子会社を「コアコンポーネント」、「電子部品」、「ソリューション」の3つのセグメントのもとに再編するとともに、管理部門を「コーポレート」に集約する組織改革を行っています。それぞれに経営トップの権限を大幅に委譲した担当役員を新たに任命し、より迅速かつダイナミックに事業を展開しています。

新しいセグメントによる主要事業・子会社

  • コアコンポーネント:ファインセラミック部品、自動車部品、光学部品、セラミック材料、有機材料、医療機器、宝飾・応用商品
  • 電子部品:電子部品、AVX Corporation
  • ソリューション:機械工具、情報機器(京セラドキュメントソリューションズ(株))、通信機器、情報通信サービス(京セラコミュニケーションシステム(株))、ディスプレイ、プリンティングデバイス、スマートエナジー
  • コーポレート:総務人事、資材、経営管理、法務知的財産、関連会社統括、経営推進

日本電産株式会社

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高(百万円)1,618,064
税引前当期利益(百万円)152,978
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)121,977
親会社の所有者に帰属する包括利益(百万円)192,705
従業員数(人)112,551
外、平均臨時雇用者数23,635
連結子会社330社
持分法適用関連会社3社

日本電産は「世界No.1 の総合モーターメーカー」として、高成長、高収益、高株価、高技術、高待遇を長期的に維持向上することを基本方針としている企業です。

日本電産及びグループ企業は精密小型モータ、車載用製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子・光学部品等の製造・販売を主に事業を展開しています。

事業セグメントごとの以下の主要製品は日本電産及び連結子会社各社が製造・販売しています。

  • SPMS: HDD用モータ及びその他小型モータ
  • AMEC:車載用製品
  • ACIM:家電・商業・産業用製品
  • 日本電産サンキョー:機器装置、車載用製品、電子部品及びその他小型モータ
  • 日本電産テクノモータ:車載用製品
  • 日本電産シンポ:機器装置
  • その他:車載用製品、機器装置、電子部品及びその他小型モータ、その他

2021年3月期のセグメント別の業績概要は以下の通りです。

2021年3月期セグメント別業績概要

事業名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント損益
(百万円)
利益構成比
SPMS(HDD用モータ及びその他小型モータ等)364,26222.5%59,07734.2%
AMEC (車載用製品)181,92511.2%-481-0.3%
ACIM (家電・商業・産業用製品)530,96132.8%42,285#REF!
日本電産サンキョー(機器装置、車載用製品、電子部品及びその他小型モータ)129,3778.0%12,81024.5%
日本電産テクノモータ (家電・商業・産業用製品)68,5664.2%10,8117.4%
日本電産モビリティ(車載用製品)88,8035.5%8,1336.3%
日本電産シンポ(機械装置)65,9024.1%10,1344.7%
その他188,26811.6%29,98617.4%
合計1,618,064100.0%172,755#REF!
消去又は全社-12,744
計上額1,618,064160,011

日本電産製品別売上 (2020年度)

売上高(百万円)構成比
精密小型モータ443,59827.4%
車載358,07522.1%
家電・商業・産業用601,61137.2%
機械装置150,5759.3%
電子・光学部品60,8243.8%
その他3,3810.2%
連結売上高1,618,064100.0%

2021年3月期における日本電産の連結売上高は、家電、IT、ゲーム機等の新規需要を次々に取り込み、前期比5.4%増収の1兆6,180億64百万円となり、過去最高を更新しています。

利益面では、営業利益が前期比47.4%増益の1,600億11百万円、税引前当期利益は前期比45.5%増益の1,529億78百万円、継続事業からの当期利益は前期比63.0%増益の1,228億45百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比108.7%増益の1,219億77百万円となり、増収増益を達成しています。

日本電産の事業戦略

日本電産は、2023年に創業50周年を迎えます。

それを機に100年を超えて成長し続けることを展望して「新企業理念」を制定しています。

日本電産グループの成長の目的や存在意義を「使命(Mission)」として明確にし、またNo.1に拘る中で、日本電産グループの事業を通じて地球環境の保全や世界の人々の豊かな生活に寄与するソリューション企業集団を「目指す姿(Vision)」としています。

「使命(Mission)」: 世界一高性能なモータで地球に貢献する

  • (全社員の弛まざる努力により、日本電産が世に送り出すモータを中心とした製品を通じて、地球環境の保全を始めとする様々な課題を解決すると共に、世界の人々のより良い生活の実現に貢献する。)

「目指す姿(Vision)」:

  • 100年を超えて成長し続けるグローバル企業
  • 人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団

日本電産の中長期的な経営戦略

日本電産では現在、以下の技術革新の5つの大波に乗るべく、経営資源を集中投下する戦略です。

  1. クルマの電動化
  2. ロボット活用の広がり
  3. 家電製品のブラシレスDC*化
  4. 農業・物流の省人化
  5. 5G通信に起因する次世代技術

*ブラシレスDCモータ:回転子が永久磁石、固定子がコイルになっていて、コイルが回転しないので、ブラシと整流子は必要とせず、半導体素子を用いた駆動回路を用いて、機械的な接点を使わずにコイル電流を切り替えて駆動させるモータ

これらの5分野は二酸化炭素排出や交通事故、高齢化といった世界が直面している課題の解決に向けて強く求められている有望な成長市場と定義しています。

日本電産が育んできた要素技術にM&Aを組み合わせることで、これらの技術革新分野の大波全てを制し、世界の持続的な発展に貢献していくことを標榜しています。

日本電産はかねてよりM&Aを企業発展の手段にするなど、最もグローバル化が進んだグループ経営型電子部品メーカーと言っても良いでしょう。

グループとしての先行開発体制を強化すべく、CTO(最高技術責任者)が中心となり、新規事業への取り組みを推進しており、社外の研究機関との積極的な交流も図っている日本を代表する電子部品メーカーのひとつです。

就活で日本電産を志望する皆さんは、名経営者として著名な創業者である永守重信氏の経営哲学や中長期の戦略も理解して就活に臨んで下さい。

株式会社村田製作所

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高 (百万円)1,630,193
税引前当期純利益 (百万円)316,417
当社株主に帰属する当期純利益(百万円)237,057
当社株主に帰属する当期包括利益(百万円)293,766
従業員数(人)75,184
連結子会社88社
持分法適用関連会社1社

村田製作所の事業セグメントはコンポーネント、モジュール、その他に分かれています。コンポーネントの中はコンデンサ、圧電製品、リチウムイオン二次電池など、モジュールは通信モジュールなど、その他は、機器製作、従業員の福利厚生、ソフトウェアの販売を主に事業を展開しています。

2021年3月期でのセグメント別の業績概要は以下の通りです。

2021年3月期セグメント別業績概要

事業名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント事業利益
(百万円)
利益構成比
コンポーネント1,143,48270.1%312,99883.5%
モジュール484,09929.7%54,27714.5%
その他2,6120.2%7,7782.1%
合計1,630,193100.0%375,053100.0%
本社部門費-61,813
計上額1,630,193313,240

村田製作所の2021年3月期の連結業績は、売上高が前連結会計年度比6.3%増の1,630,193百万円となり、過去最高を更新しています。

利益面では、製品価格の値下がりや為替変動の影響などの減益要因はあったものの、生産高増加に伴う操業度益やコストダウンなどの増益要因により、営業利益が前年度比23.7%増の313,240百万円、税引前当期純利益は同24.6%増の316,417百万円、当社株主に帰属する当期純利益は同29.5%増の237,057百万円となり、それぞれ過去最高を更新し、増収増益を達成しています。

セグメント別では、コンポーネントは、コンデンサ、インダクタがPC向けやスマートフォン向けで増加し、モジュールは、高周波モジュールがスマートフォン向けで増加し、また、コネクティビティモジュールがPC向けで増加しています。

村田製作所ではセラミック材料などの電子材料技術をはじめ、高周波技術、回路設計技術、 薄膜・微細加工技術などのプロセス技術、生産設備の開発技術などの各種要素技術の研究開発に注力しています。

その成果を融合して、通信機器、情報・コンピュータ関連機器からカーエレクトロニクスに至る様々な電子機器に不可欠な積層セラミックコンデンサや圧電製品、ノイズ対策製品、高周波デバイス、回路モジュール等の電子部品の創出を行っています。

世界シェアの40%を握っていると言われているセラミックコンデンサやスマートフォンに欠かせないSAWフィルタ(世界シェア推定45%)、高周波部品が代表的な製品です。

モバイル通信機器向けの高機能、高付加価値部品の供給を継続すると同時に自動車、エネルギー、ヘルスケア・メディカル分野を注力していく市場とし、新たなビジネスモデルや顧客価値を創出することで、市場の多様化と成長を目指しています。

特に自動車向けは新たに収益の柱として注力する計画です。

顧客に安心安全をもたらす「高信頼性」を共通価値とし、センシング、通信、小型、ノイズ対策など、村田製作所グループの強みを活かした幅広いラインナップを揃えてビジネス基盤を強固なものにしていくとともに、電装化・電動化によって自動車に組み込まれる部品需要だけでなく、自動車IoT化やスマートシティなど、モビリティとして広がる領域を事業機会として注力しています。

理系の学生には特に人気の高い、村田製作所を就活の対象とする皆さんは、企業研究を深めるとともに、ビジョンや中長期の計画を理解しながら、将来的な成長の機会を自分自身の志望動機にも活かして下さい。

TDK株式会社

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高 (百万円)1,479,008
継続事業税引前当期純利益(百万円)121,904
当社株主に帰属する当期純利益(百万円)79,340
当社株主に帰属する包括利益(百万円)186,729
従業員数(人)129,284
子会社140 社
持分法適用関連会社5社

TDKは以下の5つセグメントで事業を展開しています。

  • 受動部品:セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクティブデバイス(コイル、フェライトコア、トランス)、高周波部品、圧電材料部品・回路保護部品
  • センサ応用製品:温度・圧力センサ、磁気センサ、MEMSセンサ
  • 磁気応用製品:HDD用ヘッド、HDD用サスペンション、マグネット
  • エナジー応用製品:エナジーデバイス(二次電池)、電源
  • その他:メカトロニクス(製造設備) 等

2021年3月期における事業セグメント別業績の概要は以下の通りです。

2021年3月期 連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
受動部品407,12627.5%40,20127.9%
センサ応用製品81,3455.5%-24,872-17.2%
磁気応用製品199,25313.5%-2,382-1.7%
エナジー応用製品740,22750.0%147,375102.2%
その他51,0573.5%-16,058-11.1%
合計1,479,008100.0%144,264100.0%
調整額-32,729
連結合計1,479,008111,535

2021年3月期におけるTDKの連結業績は、売上高が1,479,008百万円(前連結会計年度1,363,037百万円、前年度比8.5%増)と増収となりました。

利益面では、営業利益が111,535百万円(前連結会計年度97,870百万円、同期比14.0%増)、税引前当期純利益121,904百万円(同95,876百万円、同期比27.1%増)、当社株主に帰属する当期純利益79,340百万円(同57,780百万円、同比37.3%増)と増収増益を達成しています。

TDKの中期経営計画

TDKでは2022年3月期を初年度とする中期3か年計画(中期計画)を策定しています。

この計画の柱は、エレクトロニクスを取り巻く大きな変革期を、IoTやAI(人工知能)といったデジタル技術が社会のあらゆる領域に浸透することによりもたらされる変革(デジタルトランスフォーメーション、DX)及び、化石燃料から再生可能エネルギーをベースとする社会への転換(エネルギートランスフォーメーション、EX)ととらえ、このEXとDXに対してTDKの価値提供を行い、貢献することが骨子となっています。

  • DXに対しては、高速通信ネットワーク、センサ、自動運転、ロボット用の製品等の供給を通じて、デジタル技術による社会の変革に貢献
    • 成長機会:5Gの普及、自動車におけるADAS(先進運転支援システム)の実用化、IoT・ウェアラブル製品やクラウドサービスのさらなる普及等
  • EXに対しては、高効率なエネルギー社会の実現に必要なエネルギーの蓄電、変換、制御に関わる製品や、電気自動車・再生可能エネルギー関連の製品等の供給により、脱炭素社会の推進に貢献
    • 成長機会:再生可能エネルギーや電気自動車の普及等

就活でTDKを志望する皆さんは、技術・製品分野は当然として、TDKの長期ビジョンや中期経営計画を把握して、自身の就活の軸や志望動機の作成に活かして下さい。

ミネベアミツミ株式会社

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高 (百万円)988,424
税引前利益(百万円)49,527
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)38,759
親会社の所有者に帰属する包括利益(百万円)68,166
従業員数(人)83,011
外、平均臨時雇用者数(人)20,202
子会社122 社

ミネベアミツミはミネベア株式会社とミツミ電機株式会社が2017年に経営統合してできた企業です。

2019年4月に公開買い付けによって、株式会社ユーシンを子会社化し経営統合を行い、その後8月には株式併合により完全子会社化をしたため、連結決算のセグメントにユーシン事業を加え、現在は以下の4つのセグメントで事業を展開しています。

  • 機械加工品事業:ボールベアリング、ロッドエンドベアリング、ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアセンブリー等のメカニカルパーツ、及び航空機用ねじ
  • 電子機器事業:電子デバイス(液晶用バックライト、センシングデバイス(計測機器)、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、エアームーバー(ファンモーター)及び特殊機器、等
  • ミツミ事業:半導体デバイス、光デバイス、機構部品、高周波部品、電源部品、エイブリック社 (2020年4月に経営統合) の製品
  • ユーシン事業:キーセット、ドアラッチ、ドアハンドル等の自動車部品のほかに、産業機械用部品、住宅機器用部品(ビル・住宅用錠前その他)
  • その他事業:自社製機械

2021年3月期における事業セグメント別業績の概要は以下の通りです。

2021年3月期 連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
機械加工品事業157,41115.9%31,21848.1%
電子機器事業363,84736.8%17,63427.2%
ミツミ事業361,00436.5%19,76130.5%
ユーシン事業105,13310.6%-1,850-2.9%
その他1,0290.1%-1,909-2.9%
合計988,424100.0%64,854100.0%
調整額-13,688
連結合計988,42451,166

2021年3月期のミネベアミツミの連結業績は、売上高が988,424百万円と前連結会計年度に比べ9,979百万円(1.0%)の増収となり、創業以来の過去最高を更新しています。

利益面では営業利益は51,166百万円と前連結会計年度に比べ7,481百万円(△12.8%)の減益、税引前利益は49,527百万円で前年比8,562百万円(△14.7%)の減益、親会社の所有者に帰属する当期利益は38,759百万円と前年度比7,216百万円(△15.7%)の減益という結果でした。

ミネベアミツミの事業戦略

ミネベアミツミでは”Passion to Create Value through Difference”をスローガンに常識を超えた「違い」で新しい価値をつくって、他社にない強みを発揮していくことを基本方針としています。

ミネベアが培ってきた機械加工技術とミツミ電機の電子機器製品技術を融合した複合製品事業を拡大していく計画です。

また大規模な海外生産工場の展開とグローバルな研究開発体制を整備し、M&Aやアライアンスを通じて収益力の向上を目指し、「売上高1兆円 and/or 営業利益1,000億円をめざしています。

2019年4月には自動車部品製造の株式会社ユーシンと経営統合を実施しており、ユーシンが持つ車載技術との融合によって、自動車メーカーへの販路拡大や等の積極的な事業展開をすすめています。

コア技術の強化としては、強みの源泉である「超精密機械加工技術」と「垂直統合生産システム」「グローバルネットワーク」をさらに強化することで、ベアリング、モーターをはじめとする主力事業において圧倒的なシェアを獲得し、収益力の向上を進める計画です。

具体的には多角化とニッチをコンセプトに選択と集中を行い、1.ベアリング、2.モーター、3.アクセス製品、4.アナログ半導体、5.センサー、6.コネクタ・スイッチ、7.電源、8.無線・通信・ソフトウエア)を8本の槍製品として、各事業との相合によるシナジーを創出・強化する方針です。

アルプスアルパイン株式会社

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高 (百万円)718,013
経常利益(百万円)13,227
当社株主に帰属する当期純利益又は純損失(百万円)-3,837
包括利益(百万円)23,725
従業員数(人)38,471
外、平均臨時雇用者数(人)5,211
子会社86 社
関連会社6社

アルプスアルパインはアルプス電気がアルパイン株式会を完全子会社とする経営統合を行い、2019年1月にアルプス電気の商号をアルプスアルパイン株式会社に変更して子会社86社及び関連会社6社のグループで、電子部品、車載情報機器、物流、その他の4セグメントで事業を展開しています。

  • 電子部品事業:各種電子部品の生産を行っており、世界各国の子会社、主に米国、ドイツ、韓国、中国、台湾、マレーシアの現地法人が生産した製品と合わせて販売

 

  • 車載情報機器事業:自動車用音響機器及び情報・通信機器を生産・販売
    • 生産は国内ではアルパインマニュファクチャリング(株)が行い、海外では主として欧州、中国、アジア及び北米の生産会社が行う体制
    • 販売は国内では主としてアルパインマーケティング(株)が行い、海外ではアメリカ、ドイツ、中国の現地法人を経由して現地販売会社が行う体制

 

  • 物流事業:(株)アルプス物流は、運送・保管・フォワーディング等のサービスを一貫して提供する総合物流サービス及び包装資材等の商品仕入販売、またアルプス電気及びグループ関係会社に対しても物流サービスを提供

 

  • その他事業はグループ各社に対するシステム開発やビネスサポート、シニアサポート事業、ファシリティ事業、金融・リース事業等

2021年3月期における事業セグメント別業績の概要は以下の通りです。

2021年3月期 連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
電子部品事業396,04255.2%11,40886.2%
車載情報機器事業240,61633.5%-3,947-29.8%
物流事業69,2139.6%4,72535.7%
その他12,1401.7%1,0417.9%
合計718,013100.0%13,228100.0%
セグメント間取引調整他-118
連結合計718,01313,109

2021年3月期におけるアルプスアルパインの連結業績は、特に世界的に自動車市場が減速し、車載市場向け各種製品が低調となった影響を受け、売上高7,180億円(前期比11.4%減)、営業利益131億円(前期比51.1%減)、経常利益132億円(前期比29.1%減)、親会社株主に帰属する当期純損失38億円(前期における親会社株主に帰属する当期純損失は40億円)という減収減益の結果でした。

アルプスアルパインの事業計画

アルプスアルパインでは2019年4月から2022年3月末まで3年にわたる第1次中期経営計画がスタートしています。

電子事業ではエレクトロニクスの重要性が高まる自動車市場、成長は鈍化したものの高機能部品の需要は高いスマートフォン市場、また新たにVR市場への拡大に向け、HMI(Human Machine Interface)、センサ、コネクティビティの三つの技術領域から優位性の高い製品を継続して生み出し、これらニーズに応えていく方針です。

車載情報機器事業では、自動車業界の100年に1度とも言われる大きな変革の時代に対応するため、特にCASE(Connected、Autonomous、Shared & Services、Electric)と呼ばれる4つの領域に関して、車載情報機器事業との統合シナジーにより生まれた「デジタルキャビン」製品群の開発活動や、スマートフォンの高機能化に対応した高付加価値領域の新製品開発を進めています。

これらコア技術を組み合わせた独自の製品開発とともに、他社との協業による開発スピードの加速、更に「モノ」から「コト」へとニーズが変化する中で、新たなソリューションビジネスの確立にも注力していく計画です。

株式会社キーエンス

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高 (百万円)538,134
経常利益(百万円)286,594
当社株主に帰属する当期純利益(百万円)197,289
包括利益(百万円)203,293
従業員数(人)8,380
連結子会社29 社
非連結子会社1社
関連会社1社

キーエンスは主にファクトリー・オートメーションのための電子応用機器の製造および販売を行っており、キーエンスが商品の開発、製造及び販売を行っているほか、キーエンスソフトウェア(株)はキーエンス製品のソフトウェア開発、キーエンスエンジニアリング(株)は商品の製造を行なって事業を展開しています。

1974年の会社設立以来、FA(ファクトリー・オートメーション)用センサをはじめとする高付加価値製品を通じて、生産現場の生産性・品質向上に貢献しています。

自動車、半導体、電子・電気機器、通信、機械、化学、薬品、食品など、製造業のあらゆる分野において25万社以上の取引先を持つ優良企業です。その意味ではファクトリー・オートメーションの総合メーカーという唯一無二のポジショニングで事業を行っています。

特に利益率の高さでは電子部品業界の中でも断トツの存在です。

また、海外においても1985年のアメリカ現地法人設立を皮切りに、現在では45カ国200拠点で事業を展開しているグローバル企業です。

世界初を連発する“企画開発力”と、顧客に密着した“コンサルティングセールス”で、世界の“ものづくり”をサポートしており、市場の評価も高く株式の時価総額でも常に上位にランクされる優良企業です。

特に重視しているのが”企画開発力“であり、世界初、業界初の商品の持続的な創造を行い、ファクトリー・オートメーション向けのセンサ、測定器、画像システム機器、レーザマーカだけでなく、研究開発向けのマイクロスコ―プ、物流、小売向けのコードリーダを開発するなど、市場の変化に応じて企画開発を展開しています。

キーエンスは電子応用機器の製造および販売単一セグメントで事業を行っているため、セグメント別の情報はありませんが、地域別の売上のシェアは以下の通りです。

地域売上(百万円)売上構成比
国内236,90544.0%
米国77,42114.4%
中国86,16516.0%
その他海外137,64125.6%
合計538,134100.0%

キーエンスは超高収益企業でるため、年収もずば抜けて高い企業として有名です。そのため就活での人気も非常に高く超難関企業の一つです。

就活でキーエンスを志望する皆さんは、OB/OG訪問やインターンシップを重視して、入念な企業研究を行って臨んで下さい。

まとめ

以上、アウトラインのみですが電子部品業界の構造と大手電子部品メーカー7社の概況を解説しました。電子部品業界は裾野が広く、特徴や強身を持つ分野がある企業が沢山あります。

従ってこの業界を目指す就活生は大枠のあたりをつけたあと、企業毎の詳細な研究が不可欠になります。専門分野や自分の強みを活かし、説得力のある志望動機をつくるためには避けては通れません。真剣に研究すればするほど理解も深まり、志望意欲も高まっていくものです。

世界のハイテク製品や製造技術を根底で支えている、日本の電子部品メーカーはすでにグローバル企業も多く、社会的な評価も高まっています。有力企業はかつての「下請け」的なイメージも薄まり、益々存在感を増しています。

生産設備から自前で作る企業も多く、本当の意味でモノづくりの楽しさや奥深さを体現している業界なのです。また海外志向の強い学生にもチャンスは広がっています。しかも優秀な中堅企業が全国に存在しています。ぜひ今後の企業研究を徹底して行い、自分にベストな選択をしてください。

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