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【就活の業界研究】小売業界上位企業の概況をチェックしておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では小売業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

小売業界の7つのポイントを押さえよう

  • 小売業界の業態を把握しておこう
  • 小売業のビジネスモデルを理解しよう
  • 小売業界の現状と課題・未来
  • 小売業界にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 小売業界に働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
  • 小売業界に向く人、向かない人はどういう人か
  • 主要小売各社の概況

小売業界主要各社の概況

多くの業態があり、また多くの企業が存在する小売業界。それでも売上上位企業の業績を把握することでその業界、業態のリアルな現状がみえてきます。

この記事では売り上げの大きい企業5社の有価証券報告書や中期経営計画から、各社の概況を解説します。個別の企業研究に進む前に、上位企業の現状を把握して小売業に対する理解を深めて下さい。

イオン株式会社

2021年2月期連結決算 (2020年度)

売上高 (百万円)8,603,910
経常利益(百万円)138,801
親会社株主に帰属する当期純利益・純損失(百万円)-71,024
包括利益(百万円)-32,311
従業員数(人)155,578
外、平均臨時雇用者数(人)252,989
連結子会社287社
持分法適用関連会社27社

イオンはグループの営業収益、8兆6,039億円を誇る、小売業としては日本最大の企業です。まさに全国の買い物ニーズを満たし、インフラと言っても良い総合小売業を事業展開しています。

イオンの事業セグメントの概要は以下の通りです。

  • GMS事業: 総合スーパー、弁当惣菜専門店
  • SM事業:スーパーマーケット、ディスカウントストア、コンビニエンスストア、小型スーパーマーケット
  • ヘルス&ウエルネス事業:ドラッグストア、調剤薬局等
  • 総合金融事業:クレジットカード事業、フィービジネス、銀行業、保険業
  • ディベロッパー事業:ショッピングセンターの開発及び賃貸
  • サービス・専門店事業:総合ファシリティマネジメントサービス業、アミューズメント、外食、ファミリーカジュアルファッション・婦人服・靴等を販売する専門店
  • 国際事業:アセアン地区及び中国における小売事業
  • その他事業:モバイルマーケティング事業、デジタル事業

イオンの2021年2月期におけるグループ連結業績は、営業収益が8兆6,039億10百万円(前期比100.0%)という結果でした。

利益面では、営業利益が1,505億86百万円(前期比同69.9%)、経常利益が1,388億1百万円(同67.4%)、親会社株主に帰属する当期純損失は710億24百万円(前期より978億63百万円の減益)の減益という結果になりました。

2021年3月期の事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2021年2月期連結決算 セグメント別業績概要

セグメント名外部顧客営業収益(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
GMS2,865,84333.2%-15,689-10.8%
SM3,248,83037.6%50,68734.8%
ヘルス&ウェルネス955,89311.1%41,53228.5%
総合金融438,8705.1%42,64829.3%
ディベロッパー250,5322.9%35,73824.5%
サービス・専門店466,1725.4%-17,690-12.1%
国際410,9024.8%6,0684.2%
その他7,0890.1%2,3571.6%
合計8,644,135100.0%145,653100.0%
セグメント間取引調整他-40,2254,932
連結合計8,603,910150,586

決算の状況を売上構成比率でみるとGMS(ゼネラル・マーチャンダイジング・ストア:総合スパー)は33.2%、SMは37.6%であり二つの事業をあわせると売り上げの約7割を占めていることが分かります。しかしセグメント利益構成比をみていくと2021年2月期の決算では損失 (事業としては赤字) を計上しています。SM事業では利益を出していますが、二つの事業を併せてもグループ全体の利益の24%しか産んでいない苦しい状況がみえてきます。

反面総合金融とディベロッパー事業は収益の規模は小さいですが、利益面の貢献は金融事業29.3%、ディベロッパー事業は24.5%と利益の5割以上を稼いでいます。

イオンは各種、多様な小売業を展開しつつ金融やディベロッパー事業とシナジーをつくり、大きなグループ経済圏をつくっていく事業モデルなのです。

当然各事業が適正な利益を上げることは重要であり、とくにGMS事業の改革は長年の課題になっています。

食を取り巻く環境変化に対応し、健康志向や低価格志向の高まりに対応したプライベートブランドの強化や食のSPA化、衣料品や住居用品のSPA化、Eコマース事業のさらなる強化などに注力しています。

イオンの事業戦略

イオンだけではありませんが、2020年からの新型コロナウイルス感染症拡大により、人々の行動・意識・価値観は大きく変容し、さらに、人口動態の変化、気候変動に伴う行動変化、環境・健康意識の高まり、デジタル技術のあらゆる生活への浸透、業界の垣根を超えた競争環境の構造的変化等、経済的な格差拡大や、消費に対する意識の変化など、社会変化のスピードがコロナ禍において一層加速しています。

イオンではこれらの経営環境の変化をグループの飛躍的成長を遂げるための好機と捉え、2030年に向けた持続的成長への移行を目指し、イオングループ中期経営計画(2021~2025年度)を策定し、事業を展開しています。

イオングループ中期経営計画(2021~2025年度)の骨子:

これまで取り組んできたリージョナル、デジタル、アジアとそれらを支える投資の4つのシフトをさらに加速するとともに、2025年以降の持続可能な成長を実現する事業基盤の構築に向け、グループ共通戦略として以下に記載する「5つの変革」を打ち出しています。

グループ各事業は既存の事業モデルの革新を図り、新しい成長モデルを確立するとともに、収益性を高め、生み出した経営資源を新たな成長領域へ集中的に投下することで、グループ一体で新しい成長機会を獲得する方針です。

  1. デジタルシフトの加速と進化
  2. サプライチェーン発想での独自価値の創造
  3. 新たな時代に対応したヘルス&ウエルネスの進化
  4. イオン生活圏の創造
  5. アジアシフトの更なる加速

また人が財産でもある小売業として、人材の活躍・ダイバーシティの推進、女性活躍にも注力して事業を展開しています。

上記は骨子のみですが、イオンのようなマルチフォーマットを有する総合小売業にとっては、事業の成長に必要な深い内容、施策になっています。

就活でイオングループを目指す皆さんは、今後の小売業の進む方向、成長のヒントになると思いますので、中期計画の内容を理解しておくことをお勧めします。

株式会社セブン&アイ・ホールディングス

2021年2月期連結決算 (2020年度)

営業収益 (百万円)5,766,718
経常利益(百万円)357,364
当期純利益(百万円)179,262
包括利益(百万円)169,315
従業員数(人)58,975
外、平均臨時雇用者数(人)76,357
連結子会社148社
持分法適用関連会社25社

セブン&アイ・ホールディングスグループは、国内47都道府県に約22,600店舗以上、世界では17の国と地域に約74,000店を超える店舗網を展開している巨大な流通・小売企業グループです。

セブン&アイ・ホールディングスの事業セグメントの内容は以下の通りです。

  • 国内コンビニエンスストア事業:株式会社セブン‐イレブン・ジャパン等が展開するコンビニエンスストア事業、中国事業
  • 海外コンビニエンスストア事業:北米の7-Eleven, Inc. 等が展開する事業等
  • スーパーストア事業:株式会社イトーヨーカ堂、株式会社ヨークベニマル等が展開するGMS, PB開発、ショッピングセンターアリオ、中国事業、株式会社ヨークベニマルの食品スーパー事業、中国事業等
  • 百貨店事業:株式会社そごう・西武等が展開する百貨店事業等
  • 金融関連事業:株式会社セブン銀行等が展開する、主にATMビジネス、セブン・カードサービス等による決済サービス
  • 専門店事業:株式会社赤ちゃん本舗、株式会社ロフト、バーニーズジャパン、オッシュマンズ・ジャパン等、株式会社セブン&アイ・フードシ ステムズはレストラン「デニーズ」、通信販売のニッセンホールディングス、FrancFranc、タワーレコード等の事業
  • その他事業:グループのシステム開発、出版、文化教室、旅行、ディベロッパー、不動産、ホテル運営、チケット事業等

セブン&アイ・ホールディングスの2021年2月期におけるグループ連結業績は、営業収益が前連結会計年度に比べ877,641百万円減少の5,766,718百万円(前年同期比86.8%)となり、減収という結果でした。

利益面では、営業利益が57,936百万円減少の366,329百万円(前年同期比86.3%)、経常利益は、前連結会計年度に比べ60,508百万円減少の357,364百万円(前年同期比85.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比で38,923百万円減少の179,262百万円(前年同期比82.2%)となり、減収減益の決算という結果でした

2021年2月期のセグメント別の業績概要は以下の通りです。

2021年2月期連結決算 セグメント別業績概要

セグメント名外部顧客営業収益(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
国内コンビニエンスストア事業919,52315.9%234,25859.7%
海外コンビニエンスストア事業2,189,32738.0%98,09725.0%
スーパーストア事業1,802,62531.3%29,6837.6%
百貨店事業419,1837.3%-6,248-1.6%
金融関連事業167,2592.9%48,07712.3%
専門店事業262,7364.6%-13,572-3.5%
その他の事業5,9760.1%1,9440.5%
合計5,766,631100.0%392,241100.0%
セグメント間取引調整他86-25,911
連結合計5,766,718366,329

セブン&アイ・ホールディングスは純粋持株会社であり、各事業会社が事業を展開しています。グループ連結の売上規模は5兆7,667億円を誇る国内第二位の巨大小売グループを形成しています。

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、2021年2月末時点で21,167店舗(日本国内)を展開しており、コンビニ業界の断トツ首位企業です。国内コンビニ事業はグループ全体の利益の59.7%を稼ぎ、北米の海外コンビニ事業をあわせると、なんとグループ全体の利益の8割以上を稼いでいることになります。

スーパーストア事業(GMS,SC,食品SM)は売上収益の31.3%を構成していますが、利益の構成比は7.6%でしかありません。長年イトーヨーカドー(GMS)の改革に取り組んでいますが、顕著な効果が出るまでには至っていません。

セブン&アイ・ホールディングスはコンビニからGMS,スーパー、百貨店、通販などを展開しており、グループの販売力を背景にPBや独自MDの開発に注力しています。

またコンビニという非常に強力なインフラを使用し、ATMを中心とした決済や生活に必要なサービスを開発して、グループ全体のシナジーを一層発揮することに注力しています。コンビニでの新しいサービスのほとんどが、セブン・イレブンから生まれてきました。

オムニチャネルを標榜したECは、現状成功しているとは言えないため、グループとしてECを含めた消費者への価値創出に取り組んでいます。

セブン&アイ・ホールディングスの事業戦略

セブン&アイ・ホールディングスグループは、新型コロナウイルス感染症による人々の消費行動の変化が一過性のものではなく、今後へとつながる「消費の潮目」であるととらえ、新型コロナウイルス感染症によって生じた消費・価値観・労働環境・産業構造の変化を徹底的に分析し、グループ全体で迅速な対応に向けた取り組み行っています。

中長期の経営課題として、グループの事業領域と親和性の高い社会的な課題を以下の5つに設定して、その解決を図りながら企業価値の向上を目指しています。

5つの重点課題(マテリアリティ)

  • 高齢化、人口減少時代の社会インフラの提供
  • 商品や店舗を通じた安全・安心の提供
  • 商品、原材料、エネルギーのムダのない利用
  • 社内外の女性、若者、高齢者の活躍支援
  • お客様、お取引先を巻き込んだエシカルな社会づくりと資源の持続可能性向上

また成長のために以下のグループ成長戦略を掲げています。

  1. 海外コンビニエンスストア事業戦略 ~新たな『成長領域』への挑戦~
  2. 国内コンビニエンスストア事業戦略 ~次の『便利』の扉を開く~
  3. グループ食品戦略 ~いま求められる『食』への挑戦~
  4. 大型商業拠点戦略 ~豊かな『生活拠点』の創出~
  5. ラストワンマイルへの挑戦
  6. DX・金融戦略 ~お客様接点の拡大とセキュリティ基盤の構築~

上記は骨子のみですが、米国でのM&Aや国内事業のDX加速、大型商業拠点での店舗構造改革、金融戦略などの重要な施策が展開されています。

就活でセブン&アイ・ホールディングスのグループ企業を志望する皆さんは、グループ全体の課題や成長戦略を理解して、志望意欲を固めていきましょう。

株式会社ファーストリテイリング

2020年8月期連結決算

営業収益 (百万円)2,008,846
営業利益(百万円)149,347
税引前利益(百万円)152,868
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)90,357
親会社の所有者に帰属する当期包括利益(百万円)110,134
従業員数(人)57,727
外、平均臨時雇用者数(人)70,765
連結子会社134社
持分法適用関連会社4社

ファーストリテイリングは、グループ企業と共に衣料品販売を主として、「国内ユニクロ事業」、「海外ユニクロ事業」、「ジーユー事業」、「グローバルブランド事業」セグメントとして事業を展開しています。

  • 国内ユニクロ事業 :日本で展開するユニクロ事業(衣料品)
  • 海外ユニクロ事業 :海外で展開するユニクロ事業(衣料品)
  • ジーユー事業 :日本・海外で展開するジーユー事業(衣料品)
  • グローバルブランド事業 :セオリー事業、プラステ事業、コントワー・デ・コトニエ事業、プリンセス タム・タム事業、J Brand事業(衣料品)

ファーストリテイリングの2020年8月期(2019年9月1日~2020年8月31日)におけるグループ連結業績は、売上収益が2兆88億円(前期比12.3%減)となり、減収という結果でした。

利益面では、営業利益が1,493億円(同42.0%減)、税引前利益は1,528億円(同39.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は903億円(同44.4%減)となり、減収減益の決算という結果でした。

減収減益の主な要因は、2020年2月からの新型コロナウイルス感染症拡大の影響で各国・各エリアで数ヶ月間におよぶ店舗の臨時休業を行ったことや、外出自粛による客数減で大幅な減収減益となったことが響いたことでした。

新型コロナウイルス感染症により業績が悪化したことで、店舗などの減損損失を通期で230億円計上したことも減益の一因となっています。

2020年8月期の事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2020年8月期連結決算 セグメント別業績概要

セグメント名売上収益(百万円)売上構成比セグメント利益/損失*(百万円)利益構成比
国内ユニクロ事業806,88740.2%104,64864.1%
海外ユニクロ事業843,93742.0%50,41730.9%
ジーユー事業246,09112.3%21,58113.2%
グローバルブランド事業109,6335.5%-13,226-8.1%
その他2,2950.1%-790.0%
合計2,008,846100.0%163,341100.0%
調整額-10,473
連結合計2,008,846152,868

*税引前利益又は損失

ファーストリテイリングの事業戦略

ファーストリテイリングは「情報製造小売業」として世界No.1のアパレル小売企業となることを中期ビジョンに掲げ、特に海外ユニクロ事業、ジーユー事業、Eコマース事業の拡大に注力しています。

ユニクロは小売業に分類されますが、SPA業態の独自MDのアパレルメーカーでもあり商品の品質も高くコンセプトも明確なため、今後一層のグローバルブランド、グローバル企業化を進めています。

各国において、ユニクロの出店を継続すると同時に、世界主要都市にグローバル旗艦店、大型店を出店し、ユニクロブランドの更なるグローバル化を図っています。

ファーストリテイリングはLifeWear(究極の普段着)というコンセプトを大切にした服づくりを進めています。

LifeWearは、あらゆる人の生活をより豊かにする、生活ニーズから考え抜かれたシンプルで上質な服です。(ユニクロだけでなく、ジーユーをはじめとするグループブランドでも、生活ニーズにあったLifeWearを開発)

現在は以下の分野での取り組みを加速し、事業を展開しています。

  1. 新型コロナウイルスへの取り組み
  2. 「グローバルワン・全員経営」による経営体制を推進
    • ユニクロ、ジーユー、セオリーなどのグループ事業をグローバルで強化する「グローバルワン・全員経営」の経営体制を推進
  3. LifeWear(究極の普段着)の進化
  4. 有明プロジェクトを推進
    • 「お客様が今求めているものを理解し、すぐに商品化し、ご提供すること」をめざし、全社改革を推進
    • お客様の声に基づく商品開発、需要予測や在庫コントロールの精緻化、追加生産のリードタイムの短縮、自動化倉庫の導入による物流改革、店舗とEコマースが融合する仕組みづくりやサービスの拡充・加速
  5. 海外ユニクロ事業のさらなる拡大
  6. 国内ユニクロ事業のさらなる成長
  7. ジーユー事業の成長
  8. サステナビリティ活動の推進

2019年8月期の決算発表のプレゼンテーションで柳井会長兼社長は、資源大量消費型の社会への問題意識と、永続的繁栄に対する疑問符が付けられる時代背景から、サステナブルであることが何よりも優先されるとして今後の展望としてブランドコンセプトをLifeWear = Sustainabilityと定義しています。

優れた個人・企業と志を共にし、サステナブルな社会を実現する企業、「ファッションとしての服」から「上質な生活のための服」を実現するブランド、服を変え、常識を変え、世界を変えていく企業となることを標榜しています。

決算発表のプレゼンテーションのビデオはファーストリテイリングのWebサイト(IR情報)で公開されています。ファーストリテイリングに就職を目指す皆さんは必見の内容になっていますので、是非参考にしてください。

またファーストリテイリングの年度決算は8月期なので、2021年8月期の業績も11月末までには発表されるので、ファーストリテイリングを志望する皆さんは業績動向をチェックしておきましょう。

株式会社ヤマダホールディングス

2021年3月期連結決算(2020年度)

営業収益 (百万円)1,752,506
経常利益(百万円)98,875
親会社株式に帰属する当期純利益(百万円)51,798
親会社株式に帰属する包括利益(百万円)53,442
従業員数(人)24,300
外、平均臨時雇用者数(人)9,258
連結子会社53社
非連結子会社19社
持分法適用関連会社2社
持分法非適用関連会社4社

ヤマダホールディングスは、2020年10月1日に持株会社体制へ移行し、経営の管理・監督と業務の執行を分離することで、今まで以上にグループガバナンスを強化する体制を構築し、以下のセグメントで事業を展開しています。

  • デンキ事業:テレビや冷蔵庫、洗濯機等の家電、パソコンや携帯電話といった情報家電等の販売及びリフォーム、家具・インテリア等の住まいに関する商品販売
  • 住建事業:戸建て住宅を中心とした住宅販売及びバスやキッチン等の住宅設備機器の製造・販売
  • その他:環境事業、金融事業、その他(製本・印刷、人材派遣、食品卸、商品販売等)

ヤマダホールディングスの2021年3月期におけるグループ連結業績は、売上高が対前年同期比8.7%増の1兆7,525億6百万円となり、増収という結果でした。

利益面では、営業利益は対前年同期比140.2%増の920億78百万円、経常利益は対前年同期比114.6%増の988億75百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、新宿東口店や秋葉原店の閉店損失など将来を見据えた資産効率向上への改革費用を特別損失で計上した上で対前年同期比110.5%増の517億98百万円となり、増収増益の決算となっています。

2021年3月期における事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

事業セグメント別の業績概

セグメント名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
デンキセグメント1,503,27185.8%85,67095.7%
住建セグメント178,15810.2%4,9575.5%
その他71,0764.1%-1,107-1.2%
合計1,752,506100.0%89,520100.0%
調整額2,557
連結合計1,752,50692,078

ヤマダホールディングスの事業計画

ヤマダホールディングスは、家電販売だけに頼らない新しい収益モデルへの改革の継続、ネットと店舗網、物流網の強みを活かしたネット販売の強化・推進と店舗の融合等、これまでの取り組みを継続して実践しています。

家電販売を中心に家電と親和性の高い住宅、リフォーム、住宅設備機器、住空間の家具雑貨関係等を提案する「暮らしまるごと」の拡充や、循環型社会の形成に向けた家電リユース品を取り扱うアウトレット店の拡大、ネットと店舗網、物流網の強みを活かしたネット販売の強化・推進と店舗の融合等を行い、他社との差別化を図っていく方針です。

2021年度は以下の具体的な施策掲げて事業を展開しています。

  1. 「暮らしまるごと」をコンセプトとした新規出店目標年間30店舗
  2. リアル店舗の強みを活かした当社独自のEコマース事業の拡大
  3. 電子棚札をはじめとする店舗DX推進
  4. 家電や家具インテリア等の幅広のSPA商品開発拡大
  5. 各事業セグメント間のシナジー最大化
  6. 13支社制から新11分社制への移行により、さらに地域別のきめ細かい経営による売上高、シェアの拡大及び競争力強化、コスト低減
  7. ホールディングスの効率経営各施策に取り組むことで売上高は、前期同様基準で増収、親会社株主に帰属する当期純利益は増益を目指す

また、グループ内組織再編によりデンキ事業に関わる主な関係会社は、株式会社ヤマダデンキへ吸収合併しています。(2021年7月1日付)

株式会社 三越伊勢丹ホールディングス

2021年3月期連結決算(2020年度)

売上高 (百万円)816,009
経常利益/経常損失(百万円)-17,171
親会社株主に帰属する当期純利益又は純損失(百万円)-41,078
包括利益(百万円)-39,528
従業員数(人)11,588
外、平均臨時雇用者数(人)8,419
連結子会社38社
持分法適用関連会社9社
非連結子会社22社
持分法非適用関連会社2社

三越伊勢丹ホールディングスの事業は、百貨店業、クレジット・金融・友の会業、不動産業等で構成されています。

  • 百貨店業:衣料品・身廻品・雑貨・家庭用品・食料品等の販売
  • クレジット・金融・友の会業:クレジットカード・貸金・損害保険代理・生命保険募集代理・友の会運営等
  • 不動産業:不動産賃貸・テナントマネジメント・建物内装等

三越伊勢丹ホールディングスの2021年3月期のグループ連結業績は、連結売上高が816,009百万円(前年度比27.1%減)となり大幅な減収という結果でした。

利益面では、連結営業損失は20,976百万円(前連結会計年度は営業利益15,679百万円)、連結経常損失は17,171百万円(同、前年度は経常利益19,771百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は41,078百万円(同、前年度の当期純損失11,187百万円)という結果で、損出計上(赤字)の決算という結果になっています。

減収減益の主な要因は、新型コロナウイルス感染症拡大により、店舗休業や営業時間の短縮、外出や消費行動の自粛、訪日外国人の渡航禁止等が百貨店という業態に大きく響いたことによります。

2021年3月期の事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2021年3月期連結決算 セグメント別業績概要

セグメント名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)
百貨店事業749,52291.9%-30,302
クレジット・金融・友の会20,4642.5%4,450
不動産業26,5053.2%5,440
その他19,5172.4%-619
合計816,009100.0%-21,030
調整額54
連結合計816,009-20,976

三越、伊勢丹が経営統合を行ったのが2008年4月であったので、すでに13年が経過したことになります。

経営統合当時、百貨店業界は各社とも苦しい状況で、業界全体で合併統合が展開されていました。

統合後三越・伊勢丹は伊勢丹出身の社長が伊勢丹流の「百貨店改革」をすすめ、それが好業績に結び付いていきました。

しかしながら2015-2017年の中期計画で掲げた数値目標は大幅な未達となってしまいました。2018年度は、ビジネスモデル転換に向けた事業基盤の整備、店舗の投資や店舗事業改革等の取り組みに加えて、次の成長に向けた新しい事業へのチャレンジに着手し、グループでは「三越伊勢丹グループ3ヶ年計画」を2018年11月に発表しました。

目指す姿「オンラインとオフラインのマッチングプラットフォーマー」の実現に向けて、「人と時代をつなぐ三越伊勢丹グループ」の確立に向け、お客さまとモノ・コト・情報を「オフライン(店舗)とオンライン(デジタル)でマッチング(つなぐ)」というコンセプトでビジネスモデルの革新に取り組む計画でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大による、経営環境の激変により、2020年11月に中期経営計画を一旦取り下げています。

現在、従来型の百貨店モデルからのビジネスモデル転換、構造改革の推進、基盤の整備を今まで以上にスピードを持って進めるため、新たな3ヶ年計画を策定している状況です。

現在の重点戦略の骨子は以下の通りです。

  • 重点戦略1 :「“高感度上質”戦略」
  • 重点戦略2 :「個客との“つながり”戦略」
  • 重点戦略3 :「グループ間連携強化」
  • 基盤整備

百貨店業態はコロナ禍によって苦しい状況にではありますが、百貨店でしか実現できない価値があることも事実です。就活で三越伊勢丹グループを志望する皆さんは、現状の課題を自分の頭で深く考えてみることや、各社の事業戦略を理解して、自身の志望動機を固めていきましょう。

株式会社ファミリーマート

2021年2月期連結決算(2020年度)

営業収益 (百万円)473,359
税引前利益/損失(百万円)-8,984
親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失(百万円)-16,477
親会社の所有者に帰属する当期包括利益(百万円)16,456
従業員数(人)13,070
外、平均臨時雇用者数(人)6,063
子会社23社
関連会社及び共同支配企業21社

株式会社ファミリーマートは伊藤忠商事株式会社の連結子会社です。

伊藤忠商事は2020年7月8日に、5800億円を投じてTOB(株式公開買い付け)を実施し完全子会社化することを発表、公開買付けを2020年7月9日より実施し、2020年8月24日をもって終了しています。

公開買い付けにより伊藤忠の保有比率は65.71%に高まり、残りの株式については株式併合によって取得したことにより、ファミリーマートは上場廃止となっています。(2020年11月12日)

ファミリーマートの2021年2月期におけるグループ連結業績は、営業収益が前連結会計年度より437億1百万円減少(前連結会計年度比8.5%減)し4,733億5千9百万円となり、減収という結果でした。

利益面では、事業利益*が売上原価、販売費及び一般管理費の減少により66億9千9百万円増加(同10.4%増)して712億4千6百万円となりましたが、税引前損失は88億9千4百万円、当期損失は、53億4千5百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失は164億7千7百万円となり、損失計上(赤字)の決算となっています。

ファミリーマートの事業戦略

2021年9月をもってファミリーマートは創業40周年を迎えますが、現状は中長期的な業務改革と新たなビジネス構築が重要な課題となっています。

現在は以下の取り組みに注力して事業を展開しています。

  • 基本の徹底 3つの原点:あらためて基本に立ち返り、「地域の皆様から親しまれる店づくり」「利便性の追求」「美味しい商品の開発」を徹底
  • 業務改革:徹底した業務改革を推進。デジタル技術を最大限活用し、社内基盤の整備や原材料から店舗配送に至るサプライチェーン全体での再構築・マネジメントの強化
  • 新規ビジネスへの挑戦:
    • 「ファミペイ」アプリを活用した事業や、店舗オペレーションの削減・省人化を行う事で加盟店収益向上を目指す新規ビジネスへの取組みを推進し
    • NTTドコモや他業態の小売事業者ともアライアンスを組み、独自性の高いマーケティング活動の効果を最大化
    • 「ファミペイ」の電子マネー「FamiPay」の新サービスとして、「FamiPay翌月払い」や「FamiPayローン」などの取組みを順次推進
    • ファミリーマート店舗を基点としたさまざまなライフスタイルへのサポートなどを行う店舗インフラを活用した新規ビジネスにも挑戦
  • 「ファミマecoビジョン2050」達成に向けた取組み推進:店舗設備や物流の効率化等による温室効果ガス削減、プラスチック削減対策、食品ロス削減など社会課題への取組みの推進

就活でファミリーマートを志望する皆さんは、ファミリーマートの現状を理解するのは当然として、親会社である伊藤忠商事グループ内での位置づけや、事業戦略を併せて理解して選考に臨んで下さい。

株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス

2021年6月期連結決算

売上高 (百万円)1,708,635
経常利益(百万円)81,526
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)53,851
包括利益(百万円)58,344
従業員数(人)16,838
外、平均臨時雇用者数(人)38,581
連結子会社78社
非連結子会社8社
持分法適用関連会社2社
持分法非適用関連会社6社

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスはディスカウントストア事業、総合スーパー事業、テナント賃貸事業を中心に事業を展開しています。

ディスカウントストア事業:

  • (株)ドン・キホーテ、(株)長崎屋を中心に家電製品、日用雑貨品、衣料、食品、住居関連商品、時計・ファッション用品、スポーツ・レジャー用品及びDIY用品の販売を行う「ビッグコンビニエンス&ディスカウントストア」として、ユニークな業態を展開

総合スーパー事業:

  • (株)ユニーによるアピタ、ピアゴ等のGMS業態を展開、またカネ美食品による、寿司・揚物・惣菜等の小売業及びコンビニエンスストア向けの弁当の製造及び販売

テナント賃貸事業:

  • 日本商業施設(株)、(株)ドン・キホーテ、(株)ユニー、UDリテール(株)による、複合型商業施設及び店舗の一部をテナントに賃貸するテナント賃貸事業、

その他事業:

  • (株)UCSによる、クレジットカード事業、電子マネー事業、保険代理店事業等、およびアクリーティブ(株)による金融サービス事業

2021年6月期のセグメント別業績は以下の通りです。

2021年6月期 セグメント別業績概要

セグメント名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益/損失(百万円)利益構成比
ディスカウントストア1,183,52669.3%55,33568.4%
総合スーパー449,98926.3%16,59920.5%
テナント賃貸60,9273.6%13,36216.5%
その他14,1930.8%-4,453-5.5%
合計1,708,635100.0%80,843100.0%
調整額464
連結合計1,708,63581,306

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスグループは、「ビッグコンビニエンス&ディスカウントストア」を事業コンセプトとする時間消費型小売業「ドン・キホーテ」を中核企業として、「顧客最優先主義」を企業原理に掲げ、「企業価値の拡大」を経営の基本方針として事業活動を行っている企業です。

お客さまに満足いただける商品の質や価格及びサービスの提供を実践し、グループ独自のユニークな営業施策を推進しながら、お客さまと感動を共有できる店舗運営に特徴があります。

また、地域に根ざした店舗運営とこだわり抜いた商品の提供により、地域社会になくてはならない存在とし衣・食・住・余暇にわたる総合小売業「アピタ」「ピアゴ」などを運営するユニー株式会社については、個店経営強化を推し進めた、次世代型GMS・SMの開発を行い、最もお客さまに支持される店舗を目指して事業を展開しています。

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの事業戦略

お客さまが小売業に求めている購買動機は、「より便利に(CV:コンビニエンス)」、「より安く(D:ディスカウント)」、「より楽しく(A:アミューズメント)」という3点に集約されていると考え、事業コンセプトを「CV+D+A」と呼んでいます。

購買意識を呼び覚ますには「ワクワク・ドキドキ」というプラスアルファの付加価値の創造が重要であり、これは、「1+1=∞」という公式を導き出す魔法のエッセンスであるしているところが、他の小売企業にはないユニークネスとなっています。

パンパシフィック・インターナショナルグループが特に重要視する経営指標は、売上高及び利益の持続的増加を継続していくことであり、中長期経営戦略として「Passion 2030:2030年に営業利益2,000億円、売上高3兆円」を目標として事業を展開しています。

この目標達成のために、国内事業では店舗フォーマットの再構築、デジタル戦略、新MD(Merchandising:商品化計画)、グループシナジーの創出をグループで取り組むことにより、オンリーワンリテーラーとしての収益力向上を実現して「量」から「質」への転換を進めています。

海外事業ではアメリカ及び東南アジアの環太平洋地域において出店拡大を行うとともに、魅力的なジャパンブランド・スペシャリティストア業態を構築する戦略です。

就活でパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスのグループ企業を志望する皆さんは、上記のコンセプトを理解し、かつ実際の店舗で何かどう実現しているかを自分自身の心と頭で体験し、志望動機を固めていってください。

自分は小売業界に向いているタイプか、適性を診断してみよう

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まとめ

以上、アウトラインのみですが小売業界の売上上位企業の概況を解説しました。小売業界全体は非常に裾野が広く、全国展開している企業だけではなく、地方密着した特徴や強身を持つ企業が沢山あります。

従ってこの業界を目指す就活生は大枠のあたりをつけたあと、企業毎の詳細な研究が不可欠になります。説得力のある志望動機をつくるためには個別の深い企業研究は避けては通れません。真剣に研究すればするほど理解も深まり、その企業に対する志望意欲も高まっていくものです。

小売業はマーケティングという観点からも非常に奥の深い業界です。

企業によっては海外市場にも活躍の場が開かれています。タフな業界ですが、適性がある方は大きな「やりがい」を感じることが出来る業界です。興味があるかたは是非チャレンジしてみてください。

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