就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。
「就活の答え」ではエンターテイメント業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。
エンターテイメント業界の7つのポイントを押さえよう
- エンターテイメント業界のビジネスモデルを理解しよう
- エンターテイメント業界の現状と課題・未来
- エンターテイメント業界にはどんな仕事があるのか、職種の情報
- エンターテイメント企業に働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
- エンターテイメント企業に向く人、向かない人はどういう人か
- エンターテイメント業界の構造
- エンターテイメント業主要各社の概況
エンターテイメント業界には多くの業種、業態、企業が存在しますが、それでも売上上位企業の業績や概況を把握することでその業界、業態のリアルな現状がみえてきます。
この記事では上場企業を中心に、エンターテイメント企業主要各社の概況を有価証券報告書や中期経営計画からまとめています。
個別の企業研究に進む前に、上位企業の現状を把握してエンターテイメント業界への理解を深めて下さい。
またこの業界を志望する方は、規模の大きさや上場の有無より、好きな道に進みたいという方も多いでしょう。
実際、上場している企業はごく一部であり、中規模、小規模の企業が多数存在している裾野が広い業界です。
その場合は、志望したい分野を定めて、その分野の業界情報をリサーチした後に、個別企業のWebサイトをチェックしてみてください。
採用を行っている場合は中途採用の経験者がほとんどですが、新卒を受け入れてくれる可能性があるかを直接問い合わせてみる手はあります。
エンターテイメント業界は、新型コロナウイルスの影響を最も受けた業界の一つです。緊急事態宣言時は殆ど事業を行えない状況が続き、その後も一進一退を繰り返し、2022年になってようやく会場を有観客の入場数制限の大幅緩和や撤廃が行われ、2023年3月からようやく正常化しました。
エンタメ企業の業績をみてみると、2020年度の決算では当然業績にも甚大な影響が出ました。従業員の解雇、キャストの解雇などがマスコミにも報じられたため、記憶に残っている方も多いと思います。
2021年度の決算では、業績を回復・改善できた企は増え、先行きに希望がみえはじめ、2022年度末でようやくコロナ前の水準に回復、もしくは水準を上回るトレンドになってきました。
然しながら、企業毎に業績の濃淡はあるので、この業界を志望している就活生の皆さんは注意が必要です。
下記の直近年度の決算だけではなく、順次発表されている今期(2023年度)の業績や、ニュースにも注目していきましょう。
エンタメ市場の主要業界にける2022年1月~12月の業界全体の概況は以下の通りです。
- 音楽ビデオを含む音楽ソフト(オーディオレコード)の生産金額: 2,023.5億円(2022年1月~12月前年同期比104%:一般社団法人日本レコード協会調べ)
- 有料音楽配信売上金額: 1,050億 (2022年1月~12月。前年同期比117%:一般社団法人日本レコード協会調べ)
- 邦画・洋画公開本数と興行収入:
- 公開本数は 1,143本と昨年の959本からから19.2%増加。映画館スクリーン数は3,634スクリーン(前年の3,648スクリーンから14スクリーン減少)
- 2022年(1月-12月)の興行収入は、2,131億11百万円(前年同期比131.6%:一般社団法人日本映画製作者連盟調べ)
- 映像ソフトの売上金額: 1,148億19百万円(2022年1月~12月、前年同期比83.9%:一般社団法人日本映像ソフト協会調べ)
- 映像配信市場規模: 4,530億円 (2022年1月~12月。前年同期比107%:一般財団法人デジタルコンテンツ協会調べ)
- ライブ産業の総公演数・総売上:
- 総公演数:
- 32,338本(前年からの増減 +5,955本/前年同期比 122.6% )コロナ禍の影響がなかった(以下、同)2019年同期比101.4%
- 騒動員数:
- 48,315,553人 (前年からの増減 +25,474,410人/前年同期比 211.5% ) 同2019年同期比97.5%
- 総売上高:
- 3984億3269万円 (前年からの増減+2453億5143万円/前年同期比 260.3% )同2019年同期比108.7%
- (一般社団法人コンサートプロモータアーズ協会 調べ)
- 総公演数:
以下は企業別の業績概況です。
以下の目次のチェックしたい企業をクリックすることで、その企業の業績概要に移動できます。
Table of Contents
エンターテイメント業界主要各社の概況
株式会社オリエンタルランド
2023年3月期連結決算 (2022年度)
売上高 (百万円) | 483,123 |
経常利益/経常損失(百万円) | 111,789 |
親会社株主に帰属する当期純利益/当期純損失(百万円) | 80,734 |
包括利益(百万円) | 82,594 |
従業員数(人) | 8,945 |
外、平均臨時雇用者数(人) | 12,928 |
連結子会社 | 15社 |
関連会社 | 5社 |
2022年3月に「遊園地・テーマパークにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」で求められるソーシャルディスタンスが「前後左右ともに人と人とが触れ合わない程度の間隔」に緩和された以降、オリエンタルランドでは東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの入園者数の上限を段階的に引き上げて運営してきました。
その結果、オリエンタルランドの2023年3月期(2022年4月1日から2023年3月31日)の入園者数は前年度に比較して大幅に増加したことにより、連結業績は、売上高が483,123百万円(前年同期比75.2%増)となり、大幅な増加となっています。
利益面の業績としては、営業利益は111,199百万円(前年同期は営業利益7,733百万円)、経常利益は111,789百万円(前年同期比891.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は80,734百万円(前年同期比900.7%増)となり、大幅な増益となっています。
売上高はコロナの影響が全くなかった2019年3月期の売上に比較して、91.2%まで回復、影響が軽微であった2020年3月期に比較して104%となっています。
利益面では、経常利益が2019年3月期比では86.4%、親会社株主に帰属する当期純利益は同期比89.4%まで回復しており、両利益指標の2020年3月期の実績比では、をそれぞれ113.9%、129.7%と改善しています。
オリエンタルランドの事業セグメントはテーマパーク、ホテル、その他(イクスピアリ事業、モノレール事業)に分かれ、主軸は売上の8割以上を占めるテーマパーク事業です。
2023年3月期の事業別の業績概要は以下の通りです。
2023年3月連結決算 セグメント別業績概要
セグメント名 | 外部顧客への売上高(百万円) | 売上構成比 | セグメント損失(百万円) | 利益構成比 |
テーマパーク | 396,098 | 82.0% | 93,394 | 84.2% |
ホテル | 73,861 | 15.3% | 17,272 | 15.6% |
その他 | 13,162 | 2.7% | 232 | 0.2% |
合計 | 483,123 | 100.0% | 110,899 | 100.0% |
調整額 | ー | ー | 299 | ー |
連結合計 | 483,123 | ー | 111,199 | ー |
中期的な経営戦略
オリエンタルランドが行っている事業では、少子高齢化による将来的な顧客人口や労働人口の減少、設備投資に必要な費用の高騰、気候変動・自然災害、更には新型コロナウイルス感染症の流行などの諸課題による事業への影響度が拡大し、そのスピードが加速しています。
このような変化に柔軟に対応するため、よりサステナブルな事業構造へ転換し、持続的に発展することが重要であると捉え、2030年に目指姿を掲げ、それを実現するための中長期の取り組みを策定しています。
2030年に目指す姿:「あなたと社会に、もっとハピネスを。」
具体的には、目指す姿を以下の3点を支柱にして、中長期的な取り組みや、中期経営計画に落とし込んでいます。
- テーマパークを含むリゾートのみならず、社会を含めた多くの人々のためにハピネスを創造し続けること
- 持続可能な社会の実現に向けて役割を果たすことで、社会から望まれる企業であり続けること
- 従業員が心から誇れる企業であり続けること
中長期的取り組み
- 事業の持続的な発展
-
- 既存事業では、多様化するゲストニーズや需要の変動に対応し、東京ディズニーリゾート全体の付加価値向上を実現
-
- 新規事業では、既存事業の課題解決や価値向上につながり、新たな収益機会となりうる事業に取り組む
- ESGマテリアリティ
持続可能な社会への貢献と長期持続的な成長を両立するため、成長につながる機会を取り込み、リスクを低減する8つのマテリアリティ(重要課題)を選定
- Social:
- 従業員の幸福
- 子供のハピネス
- ダイバーシティ&インクルージョン
- サプライチェーン・マネジメント
- Environment:
- 気候変動・自然災害
- 循環型社会
- Governance:
- ステークホルダー・エンゲージメント
- 企業経営の公平性
2024中期経営計画
- 2022年度から2024年度までの新たな中期経営計画を策定
期間性格:
- 新型コロナウイルス感染症の流行による影響からの回復と将来に向けたチャレンジを実行する期間
- この計画を起点に、起こりうる環境変化に柔軟に対応できる体制の確立を図るとともに、グループが掲げる2030年に目指す姿を実現させることを目指す
計画の目標:
ゲストの体験価値向上:
- 1日当たりの入園者数上限を新型コロナウイルス感染症流行前(以下、「2019年以前」という)よりも引き下げることで、快適なテーマパーク環境を目指す
- さらに、多様化するゲストニーズに柔軟に対応し、ゲストに新たな体験価値を見出すことができるような新規施策を積極的に展開することで、体験価値の向上を図る
財務数値の回復:
- 「ファンタジースプリングス」の開業に伴いキャパシティが拡大することにより、一段高い集客レベルへ引き上げ、2024年度に1,000億円以上の連結営業利益、過去最高の連結営業キャッシュ・フロー*、ROE8%以上の達成を目指す
- *営業キャッシュ・フロー = 親会社株主に帰属する当期純利益 + 減価償却費
上記の目標を達成するために、テーマパークの事業戦略、ホテル事業戦略、投資戦略、財務方針や今後の開発計画を策定し、事業を展開しています。
就活でオリエンタルランドグループを志望する皆さんは、中長期のビジョン、戦略や具体的な計画を把握して、自分自身のビジョンと重ねて深く考えて選考に臨んで下さい。
今後は海外諸国との渡航制限が解除されたことによるインバウンドの集客も拡大することが見込まれているため、積極的な事業戦略を展開していく方針です。
2025年卒以降でエンタメ業界、オリエンタルランドへの就活を目指す皆さんは、経営環境は回復から成長が期待できますが、もともと人気のある業界、企業であるため選考はシビアに行われることを前提にしてください。
近接業界・企業や自分が活かせる他の業界や他の企業へも、枠を広げて就活に取り組むことを強くお勧めします。
株式会社ソニー・ミュージックエンタテイメント
2023年3月期決算 (2022年度)
売上高 (百万円) | 61,291 |
営業利益(百万円) | 24,654 |
経常利益(百万円) | 23,991 |
当期純利益(百万円) | 26,665 |
グループ従業員数(人) | 約4,700名 |
グループ会社 | 21社 |
ソニー・ミュージックエンタテイメントは非上場企業であり、親会社であるソニーグループ株式会社の100%子会社です。親会社の音楽事業セグメント(音楽制作、音楽出版、映像メディア・プラットフォーム)の中核を担っています。
ソニーミュージックグループのヘッドクォーターとしてグループ全社の経営・管理を行うとともに、総合エンタテインメントカンパニーとして多角的にビジネスを展開しています。
マーケティング、タイアップ、アーティストやタレント・クリエイター等の発掘・育成、海外事業推進や、VRやAIなどの新技術を駆使したデジタルコンテンツ事業、ライブエンタテインメント事業、音楽ストリーミング事業、スポーツエンタテインメント事業等々、グループ全体およびグループ各社の事業との連携を図り、新たなエンタテインメントビジネスの創出を行っています。
連結子会社(親会社のソニーグループ株式会社から見れば孫会社)を通じてコンテンツを核にしたデジタル、リアル、ライブでのシナジー創出に積極的に取り組んでいます。
中でも(株)アニプレックスによるスマートフォン向けRPG(ロールプレイングゲーム)の「Fate/Grand Order」が大ヒットし、ここ数年ソニーの連結決算に貢献してきました。
アニプレックスはソニー・ミュージックエンタテイメントの子会社で、アニメーションを主とした映像および音楽作品の企画製作を中心に、パッケージ商品等の発売や配信といった流通や、ゲームアプリやグッズ等派生商品の開発、ミュージカルやイベント等の興行を全世界規模で手がけています。ビジュアル&キャラクタービジネスグループの中核という位置づけの企業です。
2023年には、ソニーミュージックのグループが枠を超えて、新しいIP(知的財産)を生みだすための企画として、『UniteUP!』をローンチ、アニメ(2次元)とキャスト(3次元)が混然一体となり、現実とリンクしながら物語や音楽を伝え、世界に広げていくという、グループを横断するこれまでにない取り組みも開始しています。
アニプレックスは『UniteUP!』のキャラクター開発とアニメーションも担当しています。
グループ企業 アニプレックスの業績
アニプレックスの2022年3月期にける業績は以下の通りです。
2023年3月期決算 (2022年度)
売上高 (百万円) | 152,638 |
営業利益(百万円) | 29,671 |
経常利益(百万円) | 30,223 |
当期純利益(百万円) | 20,720 |
社員数 | 300 |
アニプレックス傘下グループ会社 | 8社 |
- 売上高:1,526億3,800万円 (前年同期比14.7%減)
- 営業利益:296億7,100万円 (同18.1%減)
- 経常利益:302億2,300万円 (同18.1%減)
- 最終利益:207億2,000万円 (同17.5 %減)
2023年3月期の決算は、売上高が1526億3,800万円(前の期比14.7%減)となっています。
利益面の業績は、営業利益296億7,100万円(同18.1%減)、経常利益302億2,300万円(同18.1%減)、最終利益207億2,000万円(同17.5%減)と2期連続の2ケタの減収・減益でした。2021年3月期における『鬼滅の刃』の大ヒットの反動が影響した結果でした。
エイベックス株式会社
2023年3月期連結決算 (2022年度)
売上高 (百万円) | 121,561 |
経常利益/経常損益(百万円) | 4,055 |
親会社株主に帰属する当期純利益又は純損失(百万円) | 2,742 |
包括利益(百万円) | 2,626 |
従業員数(人) | 1,514 |
外、平均臨時雇用者数(人) | 617 |
連結子会社 | 25社 |
関連会社 | 6社 |
エイベックスの事業セグメントは音楽事業、アニメ・映像事業、デジタル・プラットフォーム事業、海外事業及びテクノロジー事業となっており、連結子会社、関連会社とともに通じて事業を展開しています。
- 音楽事業:
- 音楽コンテンツの企画・制作・販売、音楽配信、音楽出版、アーティスト・タレントのマネジメント、マーチャンダイジング及びコンサート・イベントの企画・制作・運営、チケット販売及びECサイトの企画・開発・運営
- アニメ・映像事業:
- アニメ・映像コンテンツの企画・制作・販売及び映画配給
- デジタル・事業:
- ファンクラブ運営及びデジタルコンテンツの企画・制作・販売・配信
- 海外事業:
- エンタテインメントコンテンツの企画・制作・販売
- その他:
- 音声合成コンテンツの企画・制作・開発・流通
2023年3月期(2022年度)連結業績の概要
エイベックスの2023年3月期のグループ連結業績は、売上高が1,215億61百万円(前年度比23.5%増)となっています。
売上高はコロナ前の水準には戻っていませんが、2021年3月期の落ち込みかあら、2期連続での増収となり、改善傾向を確かなものにしています。
利益面では、営業利益は33億85百万円(前年度比31.1%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として投資有価証券売却益等を計上したことにより27億42百万円(前年度比198.2%増)という結果でした。
2023年3月期の事業別の業績概要は以下の通りです。
2023年3月連結決算 セグメント別業績概要
セグメント名 | 外部顧客への売上高(百万円) | 売上構成比 | セグメント営業利益/損失(百万円): | 損失構成比 |
音楽事業 | 90,067 | 74.1% | 2,800 | 83.0% |
アニメ・映像事業 | 14,065 | 11.6% | 609 | 18.0% |
デジタル事業 | 11,983 | 9.9% | -546 | -16.2% |
海外事業 | 5,199 | 4.3% | 470 | 13.9% |
その他 | 246 | 0.2% | 40 | 1.2% |
合計 | 121,561 | 100.0% | 3,374 | 100.0% |
調整額 | ー | ー | 10 | ー |
連結合計 | 121,561 | ー | 3,385 | ー |
- 音楽事業:
- ライヴの売上が増加したものの、売上原価及び販売費及び一般管理費の増加等により、売上高は941億39百万円(前年度比23.0%増)、営業利益は28億円(前年度比29.1%減)
- アニメ・映像事業
- 映画作品等のノンパッケージの売上が増加したものの、売上原価の増加等により、売上高は152億53百万円(前年度比38.2%増)、営業利益は6億9百万円(前年度比11.9%減)
- デジタル事業
- 映像配信の売上が減少したものの、販売費及び一般管理費の減少等により、売上高は123億79百万円(前年度比9.5%減)、営業損失は5億46百万円(前年度は営業損失16億40百万円)
- 海外事業
- 海外での大型イベント開催等により、売上高は51億99百万円(前年度比71.6%増)、営業利益は4億70百万円(前年度は営業損失4億3百万円)
- その他
- 売上高は8億21百万円(前年度比40.8%減)、営業利益は40百万円(前年度は営業損失19百万円)
中長期戦略
エイベックスはグループの企業理念として、「Really! Mad+Pure」を掲げ、常識にとらわれない発想で新たなチャレンジを続けることにより、世の中に驚きと感動を与え続ける企業を目指しています。
中期的な経営戦略としては、未来志向型エンタテインメント企業を目指し、音楽、アニメ・映像、デジタル・プラットフォームを中心とした各領域での事業強化を図るとともに、事業間シナジーを促進するための全社最適を徹底、新たなヒットやビジネスの創出に積極的に取り組むことで、事業拡大と企業価値向上を実現していく方針を掲げています。
現在は、2022年5月12日に公表した中期経営計画「avex vision 2027」にて企業理念「エンタテインメントの可能性に挑みつづける。人が持つ無限のクリエイティビティを信じ、多様な才能とともに世界に感動を届ける。そして、豊かな未来を創造する。」を新たに掲げ、その実現を目指して事業を展開しています。
経営指標:
経営数値目標:
- 2025年3月期において営業利益60億円・ROE7%、
- 2027年3月期において営業利益150億円・ROE15%
中期的な経営戦略:
- 多様な地域・多様な分野で“愛されるIP(知的財産権)の発掘・育成を重点戦略として、音楽、アニメ・映像、デジタルを中心とした各事業領域での事業強化を図る
- 事業間シナジーを促進するための全社最適を徹底し、IPの発掘・育成、多くの手段を用いたマネタイズに積極的に取り組むことで、事業拡大と企業価値向上を実現
エイベックスが掲げる7つの重点課題
- ヒットコンテンツの創出
- デジタル・ネットワークの構築による収益の最大化
- グローバル展開の促進
- 人材育成の強化
- 企業風土の醸成
- ガバナンス体制の強化
- サステナビリティ経営の推進
上記は経営戦略の骨子に過ぎません。
就活でエイベックスグループを目指す皆さんは、この企業のユニークな企業文化や社風、求める人材像を理解すると共に、中長期の課題や戦略の方向性も理解して選考に臨んで下さい。
東宝株式会社
2023年2月期連結決算 (2022年度)
営業収入 (百万円) | 244,295 |
経常利益(百万円) | 47,815 |
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 33,430 |
包括利益(百万円) | 34,756 |
従業員数(人) | 3,297 |
外、平均臨時雇用者数(人) | 2,866 |
子会社(内連結子会社) | 45社 |
関連会社(内、持分法適用関連会社) | 9社 |
2023年2月期(2022年度)連結決算の概要
2023年2月期の事業別の業績概要は以下の通りです。
2022年における映画業の興行収入は2,131億1千1百万円と、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年以来3年ぶりの2,000億円超えとなり、前年比31.6%の増加となりました。
このような環境下で、2023年2月期(2022年度)の東宝グループの連結業績は、主力の映画事業においては、定番のアニメーション作品(「すずめの戸締まり」、「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」等)他、話題作を配給した結果、営業収入は2,442億9千5百万円(前年度は2,283億6千7百万円)となり、増収となっています。
利益面の業績としては、営業利益が448億8千万円(前年度は399億4千8百万円)、経常利益は478億1千5百万円(前年度は427億9千万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は334億3千万円(前年度は295億6千8百万円)となり、前年度比で増収・増益を達成しています。
東宝の事業セグメントは、以下の通りです。
box class=”box3″]
- 映画事業:事業の内容は、画営業事業、映画興行事業及び映像事業で構成
- 映画営業事業:
- 東宝株式会社、子会社6社(東宝東和(株)等)、関連会社1社で構成され、製作した映画の他、東宝株式会社は国内の製作会社から配給業務を委託された映画を、東宝東和(株)は海外の映画を、当企業集団を始めとする国内の興行会社に配給、また、共同製作した劇場用映画の映像配信権の許諾
- 映画興行事業:
- 子会社2社(TOHOシネマズ(株)等)、関連会社1社で構成され、これらが経営する映画館等で、当社及び東宝東和(株)並びに当企業集団以外の配給会社が配給する映画を上映
- 映像事業:
- 共同製作したテレビアニメ作品に関する映像配信権・商品化権の許諾、映像パッケージソフト等の企画・制作・販売等、映画などの美術セット等の製作、各種イベント、広告等の企画・製作から販売に至る各分野に渡る事業
- 映画営業事業:
- 演劇事業:
- 演劇の製作及び興行、芸能プロダクション経営
- 不動産事業:
- 不動産の賃貸等、道路の維持管理・清掃・補修、不動産の保守・管理
- その他事業:
- 物販、飲食業、娯楽・スポーツ施設等の経営、その他の事業
2023年2月連結決算 セグメント別業績概要
セグメント名 | 外部顧客への売上高(百万円) | 売上構成比 | セグメント利益/損失(百万円) | 利益構成比 |
映画事業 | 158,015 | 64.7% | 29,075 | 58.7% |
演劇事業 | 18,202 | 7.5% | 2,774 | 5.6% |
不動産事業 | 66,913 | 27.4% | 17,572 | 35.5% |
その他 | 1,163 | 0.5% | 130 | 0.3% |
合計 | 244,295 | 100.0% | 49,553 | 100.0% |
調整額 | ー | ー | -4,673 | ー |
連結合計 | 244,295 | ー | 44,880 | ー |
中長期の戦略
東宝グループは2022年4月に、創立100周年に向けた「長期ビジョン 2032」と、今後3カ年の具体的な施策である「中期経営計画 2025」とから構成される「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」を策定しました。
でまいります。その体系と骨子は、以下の通りです。
長期ビジョン 2032
コーポレート・スローガン:
Entertainment for YOU 世界中のお客様に感動を
3つの重要ポイント:
- 成長に向けた「投資」を促進
- 「人材」の確保・育成に注力
- アニメ事業を「第4の柱」に
成長戦略のキーワード:
- 企画&IP
- アニメーション
- デジタル
- 海外
「企画&IP」をあらゆる価値の源泉として、その中でも「アニメーション」を成長ドライバーにし、「デジタル」の力で時間・空間・言語を超え、「海外」での飛躍的成長を実現すべく、果敢に挑戦していく
目指す姿(2032年の財務イメージ):
- 営業利益 750億円~1000億円、ROE 8%~10%程度
事業ポートフォリオの方向性:
- 既存事業の3本柱である映画事業、演劇事業、不動産事業に加え、「アニメ事業」を第4の柱とする
上記の長期ビジョンを実現に向けて、中期経営計画2025をスタートし、個別事業戦略における取組みや方向性、数値目標、人材と組織の戦略、サステナビリティの方針を定めています。
個別事業戦略における取り組み:
- 映像事業(制作・配給)
- 映画館で観るべき最高のラインナップ編成に注力
- 自社での企画・政策に注力
- 映画事業(映画興行)
- シネコン新規出店の継続
- 上映環境・コンテンツの充実
- アニメ事業
- 企画開発への積極投資
- 海外展開の強化
- デジタルの活用
- 演劇関係
- コンテンツ開発
- 多面的ビジネス展開
- 不動産事業
- 再開発による価値最大化
- 新規取得・開発の推進
上記は中長期の経営計画の骨子の一部に過ぎません。
しかし、エンタメ業界を研究している就活生なら、感覚的にでもピンとくるものもあるかと思います。
就活で東宝グループを志望する皆さんは、これらの中長期戦略や、中期経営計画の概要・方向性を理解して、自分自身のビジョンや自分にとっての意味を、自らの言葉で話せるようにして選考に臨みましょう。
就活で東宝グループを志望する皆さんは、これらの中長期戦略や、中期経営計画の概要・方向性を理解して、自分自身のビジョンや自分にとっての意味を、自らの言葉で話せるようにして選考に臨みましょう。
東映株式会社
2023年3月期連結決算(2022年度)
営業収入 (百万円) | 174,358 |
経常利益(百万円) | 40,172 |
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 15,025 |
包括利益(百万円) | 25,989 |
従業員数(人) | 1,057 |
外、平均臨時雇用者数(人) | 576 |
子会社 | 30社 |
関連会社 | 4社 |
東映の事業セグメントは以下の通りです。これらの事業をグループ企業とともに展開しています。
- 映像関連事業:
- 映画事業:
- 映画製作、劇場用映画の配給、映画製作のうち劇場用映画は主に東映が製作、アニメーション作品については主に連結子会社である東映アニメーションが製作。連結子会社による劇場用映画等のポストプロダクション、アーカイブ事業
- テレビ事業:
- テレビ映画の製作、一部の作品については連結子会社である(株)東映テレビ・プロダクション、アニメーション作品については連結子会社である東映アニメーション(株)が製作
- コンテンツ事業:
- 主に東映及び東映アニメーションが所有するコンテンツの映像版権に関する許諾等、東映ビデオ(株)がDVD・ブルーレイディスクを製作し、東映が全国の販売会社に販売。劇場用映画等の輸出入、教育映画の製作・配給
- その他:
- 東映撮影所において、各種映像作品の制作請負等、連結子会社による広告代理業、テレビコマーシャルの制作等
- 映画事業:
-
- 興行関連事業:
- 連結子会社の(株)ティ・ジョイによるシネコンの経営
- 興行関連事業:
- 催事関連事業:
- 「東映大秦映画村」施設を所有、経営は連結子会社の(株)東映京都スタジオによる
- 観光不動産事業:
- 不動産事業、ホテル事業、ゴルフ場の経営
- 建築内装事業:
- 連結子会社(株)東映建工によるが建築工事・室内装飾請負等
- その他事業:物品の販売
2023年3月期(2022年度)連結決算の概要
東映の2023年3月期におけるグループ連結業績は、売上高が1,743億5千8百万円となり、前連結会計年度比 (以下、前年度比)で48.3%の増収となっています。
利益面の業績は、営業利益は363億3千9百万円(前年比104.0%増)、経常利益は401億7千2百万円(前年比72.4%増)となり、また、親会社株主に帰属する当期純利益は150億2千5百万円(前年比67.4%増)の増益の決算でした。
売上高、利益の水準は、コロナ禍の影響がなかった2019年3月期、影響が軽微であった2020年月3期の実績を超えています。
2023年3月期の事業別の業績概要は以下の通りです。
2023年3月連結決算 セグメント別業績概要
セグメント名 | 外部顧客への売上高(百万円) | 売上構成比 | セグメント利益/損失(百万円) | 利益構成比 |
映像関連事業 | 135,179 | 77.5% | 35,167 | 88.9% |
興行関連事業 | 18,449 | 10.6% | 900 | 2.3% |
催事関連事業 | 10,015 | 5.7% | 1,276 | 3.2% |
観光不動産事業 | 5,967 | 3.4% | 2,168 | 5.5% |
建築内装事業 | 4,746 | 2.7% | 48 | 0.1% |
合計 | 174,358 | 100.0% | 39,561 | 100.0% |
調整額 | ー | ー | -3,222 | ー |
連結合計 | 174,358 | ー | 36,339 | ー |
東映の強みは何と言っても豊富な映像コンテンツです。
特にテレビ、ビデオ、アニメーションの各映像作品の製作・営業に関しては業界トップクラスであり、『相棒』、『科捜研の女』などの人気テレビドラマシリーズ、『ワンピース』や『プリキュア』などのテレビアニメ、『仮面ライダー』や『スーパー戦隊』シリーズなどの有力コンテンツを映画、ビデオ、テレビ等への多面的なメディアへの利用、海外への販売、商品化権の輸出等に取り組んでいます。
中期経営計画
東映の経営の基本方針:
東映グループは『愛される「ものがたり」を全世界に』を使命とし、東映を中心とする安定的なグループ経営のもと、映像作品をはじめとする良質なエンターテインメントを全世界に提供し続ける
中期的な経営戦略:
創業以来の組織変更を実施の上、グループの中長期的な成長戦略として『東映グループ中長期VISION「TOEI NEW WAVE 2033」』を2023年2月に策定し、推進しています
東映グループ中期ビジョンTOEI NEW WAVE 2033の概要:
- 使命:愛される「ものがたり」を全世界に
- スローガン:To the Word, To the Future-「ものがたり」で世界と未来を彩る会社へ-
- 10年後に目指す姿:世界で愛されるコンテンツを数多く創造発信している
- 成長戦略:実写、アニメ映像事業を強化・拡大し、グローバル展開を加速する
重点施策:
東映グループの「強み」である、多様で魅力的な作品群を生み出す源泉となる企画製作力、そしてIPホルダーとして収益最大化を実現するマルチユース展開力を活用し、以下の重点施策に取り組む
- 映像事業収益の最大化
- 企画製作力の強化、コンテンツのマルチユース促進、IPライフサイクルの長期化
- コンテンツのグローバル展開へのチャレンジ
- 現地企業とのコラボレーション(ローカライズ作品やオリジナル作品の創出)、海外におけるファンの育成、グローバルメジャーと共同開発・世界展開、世界的ネットワークの構築
- 映像事業強化のための人的投資の拡大
- 企画製作力とマルチユース展開力を高める採用・配置/育成、エンゲージメントを高める評価・報酬/環境整備
- 持続的なチャレンジと成長を支える経営基盤強化
- 事業基盤強化に向けた投資戦略(製作設備関連投資、不動産関連投資)、コーポレート・ガバナンスの強化、サステナビリティへの取り組み、資本・財務戦略
上記の他、計画を実現するための2033年に向けた成長投資を行うことや目標とする経営指標も定めています。
2033年に向けた東映グループでの成長投資(予定):
- コンテンツ投資: 2,400億円
- 事業基盤強化に向けた投資: 600億円※
- ※〈内訳〉製作設備関連投資: 360億円
- 不動産関連投資: 240億円
目標とする経営指標:
重点施策の展開により、企画からマルチユース展開のサイクルのグローバル化を推進し、国内外でのトップライン拡大およびベースライン収益の向上を目指す
- 売上構成比率における海外割合が50%
- 営業利益 ベースラインとして250億~400億円
- ROE8%以上
また現在の経営環境からの課題を以下のように設定し、その課題解決に取り組む方針です。
- オリジナルを中心とした新規IP創出力の増強によるIPポートフォリオの拡充
- IPのグローバル展開の加速と、国内・海外のIPマルチユース促進によるIPあたり収益の最大化
- 持続的成長に向けたIPライフサイクルの長期化
上記は、中期経営計画の骨子に過ぎません。
東映では、グループ各人が「創造力」「実現力」「行動力」の三位一体の力を発揮し、結集できる体制の構築を目指す、としています。
- 創造力:コンテンツ(映像やイベント企画、キャラクター創出、顧客サービス向上のアイディアなど)を生み出すための源泉となる力
- 実現力:グループで培われたノウハウやインフラを最大限に活用して、創造の種を大きく実らせる力
- 行動力:生まれたコンテンツをあらゆるシーンで有効活用し、全世界へ発信していく力
就活ではこれらの力を磨いて、また東映の経営方針や計画を理解して、自分のビジョンを描いて選考に臨んで下さい。
松竹株式会社
2023年2月期連結決算 (2022年度)
売上高 (百万円) | 78,212 |
経常利益/経常損失(百万円) | 1,359 |
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 5,484 |
包括利益(百万円) | 6,376 |
従業員数(人) | 1,433 |
外、平均臨時雇用者数(人) | 289 |
連結子会社 | 16社 |
持分法適用関連会社 | 9社 |
松竹は以下の事業を自社または連結子会社、関連会社を通じて行っています。事業セグメントは以下の通りです。
- 映像関連事業:
- 劇場用映画の製作・売買・配給・興行、映画劇場・売店の運営、テレビ映画の制作・販売、CMの企画・製作、BS・CS・CATVのソフト製作・編集、衛星基幹放送、一般放送、ビデオソフトの製作・買付・販売、宣伝の企画・制作・代理、音楽著作権の利用開発・承諾
- 演劇事業:
- 演劇の企画・製作・興行、俳優・タレントの斡旋ほか、舞台衣裳の製作・売買・賃貸、演劇舞台の大道具・小道具・音響の製作・販売、劇場内イヤホンガイドサービス等
- 不動産事業:
- 所有不動産の賃貸、管理等
- その他事業:
- プログラムの製作・販売、キャラクター商品の企画・販売配信コンテンツの企画・制作、新規事業開発等
2023年2月期(2022年度)連結業績の概要
松竹の2023年2月期(2022年3月1日から2023年2月28日)におけるグループ連結業績は、売上高が78,212百万円(前連結会計年度比8.9%増)となっています。
損益面では、営業損失776百万円(前年同期は営業損失4,005百万円)、経常利益1,359百万円(前年同期は経常損失2,801百万円)となり、特別利益7,333百万円及び特別損失1,421百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は5,484百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,762百万円)という結果でした。
2023年2月期の事業別の業績概要は以下の通りです。
2023年2月連結決算 セグメント別業績概要
セグメント名 | 外部顧客への売上高(百万円) | 売上構成比 | セグメント利益/損失(百万円) |
映像関連事業 | 41,284 | 52.8% | -1,371 |
演劇事業 | 22,668 | 29.0% | -1,059 |
不動産事業 | 12,026 | 15.4% | 5,107 |
その他 | 2,233 | 2.9% | -529 |
合計 | 78,212 | 100.0% | 2,148 |
調整額 | ー | ー | -2,924 |
連結合計 | 78,212 | ー | -776 |
松竹グループのミッションの一つが「日本文化の伝統を継承、発展させ、世界文化に貢献する」であり、歌舞伎座や新橋演舞場、大阪松竹座の劇場を所有するともに製作・興行も行っています。
劇場用映画やテレビドラマも「HiGH&LOW THE MOVIE」シリーズや「釣りバカ日誌」、「必殺仕事人」などの人気シリーズも数多く製作しています。
中長期的には中核部門である映像関連事業及び演劇事業において、伝統をいかしつつ、変化するお客様の嗜好を取り込みながら質の高いコンテンツを継続的に製作し、多様な形で水平展開していくことに注力しています。「シネマ歌舞伎」やメトロポリタン・オペラを高画質・高音質で配信する「METライブビューイング」の取り組みがその一例です。
株式会社KADOKAWA
2023年3月期連結決算 (2022年度)
売上高 (百万円) | 255,429 |
経常利益(百万円) | 26,669 |
親会社株主に帰属する当期純利益・当期純損失(百万円) | 12,679 |
包括利益(百万円) | 15,441 |
従業員数(人) | 5,856 |
外、平均臨時雇用者数(人) | 2,632 |
連結子会社 | 49社 |
持分法適用関連会社 | 17社 |
KADOKAWAでは以下の事業を自社やグループ企業を通じて展開しています。
- 出版事業:
- 書籍の出版・販売、電子書籍・電子雑誌の出版・販売、雑誌の出版、雑誌及びWeb広告の販売等
- 映像事業:
- 映像配信権等の権利許諾、映像パッケージソフトの販売、実写映像及びアニメの企画・製作・配給、
- ゲーム事業:
- ゲームソフトウエア及びネットワークゲームの企画・開発・販売等
- Webサービス事業:
- (ポータル) 動画コミュニティサービスの運営、(ライブ)各種イベントの企画・運営、(モバイル) モバイルコンテンツの配信等
- 教育事業:
- オンライン教育事業、専門学校の企画・運営等
- その他事業:
- キャラクターグッズの企画・販売、IP体験施設の運営等、店舗・施設運営事業、広告代理事業等、システム設計・構築・運用等
2023年3月期(2022年度)連結業績の概要
KADOKAWAの2023年3月期におけるグループ連結業績は、売上高が2,554億29百万円となり、前年同期比15.5%増の増収となっています。
利益面では、営業利益259億31百万円(前年同期比、以下、同40.0%増)、経常利益266億69百万円(同31.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は126億79百万円(同9.9%減)という結果でした。
2023年3月期の事業別の業績概要は以下の通りです。
2023年3月連結決算 セグメント別業績概要
セグメント名 | 外部顧客への売上高(百万円) | 売上構成比 | セグメント利益/損失(百万円) | 利益構成比 |
出版 | 137,937 | 54.0% | 13,155 | 46.3% |
映像 | 42,440 | 16.6% | 2,169 | 7.6% |
ゲーム | 30,246 | 11.8% | 14,218 | 50.0% |
Webサービス | 21,834 | 8.5% | 1,641 | 5.8% |
教育 | 12,468 | 4.9% | 1,768 | 6.2% |
その他 | 10,502 | 4.1% | -4,535 | -16.0% |
合計 | 255,429 | 100.0% | 28,419 | 100.0% |
調整額 | ー | ー | -2,488 | ー |
連結合計 | 255,429 | ー | 25,931 | ー |
KADIKAWAは2014年に角川書店を母体として富士見書房やアスキー・メディアワーク、大映や日本ヘラルド映画をM&Aで取り込み、多数のコンテンツを保有していたKADOKAWAグループと、インターネットでコンテンツとプラットフォーム事業やゲーム事業を展開していたドワンゴが経営統合してできた企業です。
従ってWeb領域はドワンゴ及びその子会社、書籍出版及び映像・ゲーム事業では、出版は主にKADOKAWA及び子会社、ゲーム事業はドワンゴ側、一部KADOKAWA側の子会社、その他事業は統合後買収した子会社及び統合前に保有していたそれぞれの子会社が中心となって事業を展開しています。就活生の皆さんに馴染みのあるniconico(ニコニコ動画)はドワンゴによって展開されています。
2014年の統合以来経営の主導権はドワンゴ側がとるかたちで事業が行われてきましたが、2019年2月にドワンゴ出身の代表取締役社長が取締役に降格する人事と、KADOKAWAがドワンゴなどの事業会社を“孫会社”として従える形に変更するグループの再編が行われました。
現在はIP事業力の強化、ガバナンスの強化、経営の一層の効率化のため、吸収分割により2019年7月1日をもって㈱KADOKAWAの全ての事業をカドカワに移管し、カドカワを事業持株会社化することを決定、その後社名を株式会社KADOKAWAに変更しています。
中長期では書籍、映画、アニメ、ゲーム、及びUGC (User Generated Content)プラットフォーム等を通じて多彩なポートフォリオから成るIP (Intellectual Property)を安定的に創出し、それらを世界に広く展開することを中核とする「グローバル・メディアミックス with Technology」の推進が基本戦略となっています。
テクノロジーの進化を柔軟に取り込み事業のデジタルシフトを進めながら、IP創出と海外展開を強化するとともに、ファンコミュニティ運営を強化することで、IP価値の最大化と継続的な業績拡大を目指す戦略です。
加えて、クリエイティビティ、モチベーション、テクノロジーをキーワードに従業員一人ひとりが創造性を最大限発揮できる社内基盤整備を継続し、イノベーション創出に挑戦していく方針を掲げています。
現在は、2023年3月期より始まる3か年の中期経営方針を策定し、2025年3月期に売上高2,500億円 (うち、海外売上500億円)、営業利益250億円、EBITDA*311億円を達成あわせて中長期的な目標として、ROE(自己資本利益率)10%を目指して事業を展開しています。
*EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
就活でKADOKAWAを志望する皆さんは、企業文化を理解するのは当然として、中長期の成長戦略や、現実に各事業の基で行われている戦略や施策、具体例を体験・実感して自分自身の言葉で語れるように内面化して選考に臨んで下さい。
東映アニメーション株式会社
2023年3月期連結決算 (2022年度)
売上高 (百万円) | 87,457 |
経常利益(百万円) | 29,791 |
親会社株主に帰属する当期純利益・当期純損失(百万円) | 20,900 |
包括利益(百万円) | 22,439 |
従業員数(人) | 900 |
連結子会社 | 7社 |
関連会社 | 3社 |
東映アニメーションは2023年3月31日現在でテレビアニメ作品233タイトル、劇場アニメ作品262タイトル、その他にTVSP等を合わせ、総コンテンツ数にして約13,500本を保有しているアニメ界の巨大企業です。
東映アニメーションの事業セグメントは以下のようになっています。
- 映像制作・販売事業:
- 劇場・テレビ向け等の各種アニメ作品の企画・製作、国内外への放映権の販売、作品音楽の販売、ブルーレイ・DVDを中心とする当社アニメ作品のパッケージソフト化権の販売及びそれに伴う発売元事業、インターネット・携帯端末に向けた映像配信等の展開等
- 版権事業:
- 東映アニメーションのアニメ作品に登場するキャラクターの使用許諾を、玩具・ゲームメーカーや文具メーカー、アパレルメーカー等のライセンシーに与えることによる版権収入を得る事業。海外については、アジア・ヨーロッパ・北中南米地域にわたり、海外子会社を通して東映アニメーションのアニメ作品の版権を販売
- 商品販売事業:
- キャラクター商品等の販売
- その他事業:
- 着ぐるみショーやミュージカル等の各種イベントの企画運営
2023年3月期(2022年度)連結業績の概要
東映アニメーションの2023年3月期におけるグループ連結業績は、売上高が874億57百万円(前連結会計年度比53.4%増)となり、大幅な増収を達成しています。
利益面では、営業利益は286億69百万円(同58.3%増)、経常利益は297億91百万円(同58.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は209億円(同63.0%増)となり、大幅増益を達成しています。
2022年度は、グループとして「ワンピース」、「ドラゴンボール」シリーズ、「スラムダンク」、「プリキュア」シリーズ、「デジモンアドベンチャー」シリーズといった主力作品群からの安定的な収益の確保・拡大を図り、特に、6月公開の映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」、8月公開の「ONE PIECE FILM RED」、12月公開の映画「THE FIRST SLAM DUNK」を梃子とした営業活動に注力した結果の、大幅増収・増益となっています。
2023年3月期の事業別の業績概要は以下の通りです。
2023年3月連結決算 セグメント別業績概要
セグメント名 | 外部顧客への売上高(百万円) | 売上構成比 | セグメント利益/損失(百万円) | 利益構成比 |
映像製作・販売事業 | 37,258 | 42.6% | 10,680 | 33.0% |
版権事業 | 41,959 | 48.0% | 20,945 | 64.7% |
商品販売事業 | 6,139 | 7.0% | 648 | 2.0% |
その他事業 | 2,098 | 2.4% | 103 | 0.3% |
合計 | 87,457 | 100.0% | 32,377 | 100.0% |
調整額 | ー | ー | -3,707 | ー |
連結合計 | 87,457 | ー | 28,669 | ー |
東映アニメーションの経営方針は以下の3つの柱から成り立っています。
- 世界の子どもたちと人々に「夢」と「希望」を与える“創発企業”となることを、目指す
- 21世紀映像世界の主軸としてのアニメーション業界でNo.1となることを、目指す
- デジタル画像表現のデファクト・スタンダードの位置づけとなることを、目指す
東映アニメーションは作品の企画立案から作画、彩色、編集、撮影、録音といった、アニメーション製作の全工程をグループ内で行える体制に特徴があります。
コンテンツやIPのメディア横断的な展開に加え、海外進出にも積極的に取り組んでおり、国際的に通用する高品質のコンテンツ作りと、蓄積されたコンテンツを活用したビジネスを展開する力を更に強化することによって、真のグローバルアニメーションカンパニーを目指しています。
「IPを戦略の軸に据えたグローバル事業展開」をより一層強化し、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指す戦略です。
具体的には以下の4項目を重点課題として事業を展開しています。
- IP増強: 新規IP創出数の増強とIPライフサイクルの長期化
- 事業拡張: 顧客接点の拡大とIP当たり収益規模の伸張
- 地域展開拡大: 日本発IPの増強と海外発IPの強化
- 製作能力の進化: IP別に目的特化した製作体制構築と2D/3D先端技術の統合
上記は経営方針の骨子のまた一部に過ぎません。
職業としてアニメに関わりたいと考えている皆さんには、どれもワクワクする挑戦し甲斐のある内容なので、是非深く研究して、自分の言葉で語れるほど内面化してみて下さい。
株式会社アミューズ
2023年3月期連結決算 (2022年度)
売上高 (百万円) | 52,497 |
経常利益(百万円) | 3,379 |
親会社株主に帰属する当期純利益・当期純損失(百万円) | 1,692 |
包括利益(百万円) | 2,511 |
従業員数(人) | 474 |
外、平均臨時雇用者数(人) | 207 |
子会社 | 20社 |
関連会社 | 7社 |
アミューズはアーティストマネージメント事業を中心とした芸能プロダクション事業が中核事業になりますが、単なるプロダクションの枠組みを超えて、グループ全体の事業の核を「コンテンツビジネス」におき、文化を創造する総合エンターテインメント集団としての企業基盤の強化を図っています。
アミューズはアーティストとの間でそれぞれ個別にマネージメント専属契約を締結し、この専属契約に基づいてアーティストの創作活動を支え、出演業務等全般的な活動等の全般的なマネージメントを行っています。
コンテンツを生み出すアーティストを発掘・育成し、創作活動を行う機会と場所を提供し、支援することでコンテンツを創出するとともに、外部の優良なコンテンツを探し出して保有し、有効に活用して事業展開する経営方針をとっています。
展開している事業セグメントは以下の通りです。
- イベント関連事業:
- コンサート・イベント・舞台等の興行及び制作、ファンクラブ運営・商品販売(アーティストグッズ等の企画・制作・販売、ファンクラブ会費からの収入)、その他(各種グッズの企画・制作・販売、飲食店入、施設管理・運営等)
- 音楽・映像事業:
- 音楽・映像の印税収入、音楽作品の収入(レーベル収入)、映像作品販売収入、映像製作収入、番組制作収入、エンターテインメントライブ・映画・ドラマ作品等収録物の企画・製作・配給・宣伝等
- 出演・CM事業:
- 出演収入・CM収入
- その他事業:
- 企業及び個人向け人材育成事業
2023年3月期(2022年度)連結業績の概要
アミューズの2023年3月期におけるグループ連結業績は、営業収入が524億9千7百万円(前年同期比、以下前年比35.5%増)となり、前期比増収となっています。
新型コロナウイルス感染症に係るイベントの開催制限の緩和に伴い、大型公演の開催が例年よりも集中したことによりイベント収入が大きく増加したことに加え、他の主な収入も増加したことが寄与しています。
利益面では、営業利益31億5千3百万円(前年比9.5%増)、経常利益33億7千9百万円(前年比20.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益16億9千2百万円(前年比8.2%増)となり、増益を達成しています。
2023年3月期の事業別の業績概要は以下の通りです。
2023年3月連結決算 セグメント別業績概要
セグメント名 | 外部顧客への売上高(百万円) | 売上構成比 | セグメント営業利益/損失(百万円): | 利益構成比 |
イベント関連事業 | 32,510 | 61.9% | 473 | 15.0% |
音楽・映像事業 | 14,452 | 27.5% | 1,938 | 61.5% |
出演・CM事業 | 5,535 | 10.5% | 741 | 23.5% |
合計 | 52,497 | 100.0% | 3,153 | 100.0% |
調整額 | ー | ー | ー | ー |
連結合計 | 52,497 | ー | 3,153 | ー |
中長期経営方針
アミューズは2028年に創立50周年を迎えます。
それまでの5年間を、「さらなる成長軌道を実現するための重要期間」として位置付け、より一層の企業価値向上を目指す方針です。
中期的にはアミューズグループの持つ特徴及び強みを最大限発揮することにより、エンターテインメント企業として、国内外で確固たる地位を築くことに注力していく計画です。
現在は以下の経営方針を掲げて事業を展開しています。
あらゆる才能と繋がり、世界に挑戦するプロデュースハウスへ
- 世界を見据えた「アーティスト」の発掘、プロデュース強化
- 世界と日本を繋ぐ「オリジナルコンテンツ」の創造
- 世界に展開できる「Web3サービス/ソリューション」の開発
アミューズの特徴として、アーティストの所属年数が長く、収益がトップアーティストに偏る傾向が強い為、アーティストのポートフォリオの拡充は更なる成長のためにも実用不可欠です。
また「世界を見据えた」という意味では、今後は他言語を扱うアーティストの発掘・育成等に向けてより一層の力を注ぐとともに、音楽・役者・声優・文化人等をはじめとする幅広いジャンルにおいて実績を有するアミューズの強みを最大限に発揮して、アーティストの多角的な活動を推進していく方針です。
アミューズだけではありませんが、エンタメ業界への就活を検討している方は、主力の事業や業態によっても業績に差が出るため、今期(2023年度)の各社の業績推移をチェックしていきましょう。
各社とも最悪期は脱して、改善傾向が鮮明になり、成長戦略を推進、事業を積極的に行える状況になってきました。
伝統的に就活人気が非常に高い業界であるため、志望意欲が非常に高くても、エンタメ業界一本鎗ではなく、リスクヘッジできる他の業界・業種への志望や、将来的にキャリア採用でエンタメ業界への就職につながるルートも併せて検討していきましょう。
また表面での華やかなイメージばかりを追うのではなく、OB/OG訪問やインターン、アルバイト等を通じて、現実の厳しさを知っておくことも重要です。
自分はエンターテイメント業界に向いているタイプか、適性を診断してみよう
自分の適性や性格が、エンターテイメント業界の仕事に向いているのかどうか、気になりませんか?
そんな時、力になるのは本格的な適職診断ソフト、「Analyze U+」です。
「Analyze U+」は251問の質問に答える本格的な診断テストで、質問に答えていくと経済産業省が作った「社会人基礎力」を基に、25項目に分けてあなたの強みを偏差値的に解析してくれるものです。
本当のあなたの強みや向いている仕事を素早く「見える化」してくれます。
「AnalyzeU+」を利用するには、スカウト型就活サイト「OfferBox」への会員登録が必要です。もちろん全て無料で利用できます。
OfferBoxは、自分のプロフィールを登録しておくだけで、あなたに関心を持った企業から選考のオファーがもらえるサイトなので、就活で納得のいく結果が得られるかどうかに不安を抱いている人、自己分析がうまくいかない人や選考がうまくいかない人でも登録しておくのがおススメです。
手早く本格的で客観的な自己分析を済ませ、納得の結果を追求していきましょう。
まとめ
以上、アウトラインのみですがエンターテイメント業界の売上上位企業の概況を解説しました。
エンターテイメント業界全体は非常に裾野が広く業際はどんどん広がり、かつ融合しています。
またデジタル環境の急速な変化によって業界の収益構造やビジネスモデルも変化し続けています。上位企業だけでもその成り立ちや成長の過程も異なり、特徴も大きき違うため、同じ視点での比較や評価が難しい業界です。
今後はAIによる音声翻訳技術の発展により、コンテンツが瞬時に言語の枠を超えてグローバル化することも視野に入ってきました。
成長を持続するためには、テクノロジーへの向き合い方も、非常に重要なファクターです。
従ってこの業界を目指す就活生は大枠のあたりをつけたあと、企業毎の詳細な研究が不可欠になります。
説得力のある志望動機をつくるためには個別の深い企業研究は避けては通れません。真剣に研究すればするほど理解も深まり、その企業に対する志望意欲も高まっていくものです。
そして自分自身のビジョンを明確に語れるようにしていきましょう。
この記事を読んだ人は、以下の記事も併せて読んでいます。
【平均は58点】あなたの就活力を診断してみよう
学生に有利とされる、売り手市場の採用状況が報じられていますが、「自分はどうなのか?」と、不安を感じている就活生も多いのでは?
そこで「就活力診断」で自分の実力をチェックし、すぐに動き出せるよう準備しておきましょう。
就活サービスを提供している、キャリアパークの「就活力診断」を使えば、24の質問に答えるだけで、内定を勝ち取る実力があるかどうかを、グラフで見える化してくれます。この診断ツールを使って、あなたの弱点を克服し、就活を成功させましょう。
※このツールを利用する登録の際、就活をより効率化できる無料の就活サービスを同時登録することも忘れずに!
36の質問で、あなたの強み・適職を診断

あわせて読みたい!就活に即効の記事、ベスト5
-
1
-
26年卒の登録が殺到中!大手企業も利用するオファーボックスで、インターン情報やスカウトをもらおう
資生堂、マイクロソフト、朝日新聞、ニトリ、コクヨ、SoftBnak、JCB、ATEAM、sansan、Nissin、Opt、Funai Soken、RISOなども利用している逆求人型スカウトサービスのOfferBoxを賢く使い、就活のもう一つのルートを開いておこう
-
2
-
グルディス実戦がリアルで練習ができ、企業からのオファーも受けられるイベント
グループディスカッションやグループワーク選考を勝ち抜くことは、納得のいく内定獲得への必須条件となっています。そのためには本番前に、他大学の学生との実戦練習を経験しておくことです。その機会を提供してくれるのが、DEiBA (デアイバ)というサービス。しかも参加後に企業からのオファーをもらえる可能性もあるので、おススメのイベントです!
-
3
-
納得できる内定獲得のための就活サイト、【就活会議】に無料登録すれば、88,000枚以上の本物のESを閲覧できる!
就活は情報戦。企業が提供する情報は重要ですが、それだけでは不安です。実際の社員の評価や、選考を受けた先輩達の口コミによる生の声を入手できる「就活会議」を徹底解説。ESや選考情報のリアルを手に入れよう
-
4
-
落ちてしまった選考の結果を、スカウト獲得に活用できる心強いサービスがある
スカウトサービスの大手、【キミスカ】の特徴は、落ちてしまった選考の結果さえもスカウト獲得に利用できる点です。それまでの頑張りを評価してくれる、「本当のあなた」を認めてくれる企業からのオファーを獲得しよう
-
5
-
【25年卒】首都圏の学生で、納得できる内定が取れていない人への神サービスを試してみよう
もう一人で悩まなくていい。就活の専任アドバイザーがマンツーマンでES添削・面談対策をしてくれ、しかもあなたに合った優良企業を紹介、完全無料の就活サポートをしてくれる「キャリアチケット」を紹介します