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【就活の業界研究】:人材業界の主要各社の現況を把握しておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では人材業界を、以下の項目に沿って解説していきます。

人材業界の6つのポイントを押さえよう

  • 人材業界の特徴とビジネスモデル
  • 人材業界の現状と課題・未来
  • 人材会社にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 人材会社に働く人のモチベ―ションは何か
  • 人材業界に向く人、向かない人はどんな人か
  • 人材業界の上位企業の特徴と業績

人材業界の中でも上場している企業を中心に、就活生にとって気になる売上上位企業に絞って企業の現況やその事業を取り巻く状況をまとめて解説します。

就活生が、自分の未来をこの人材業界に託したいと思うか、志望の意思を固める上での参考にして下さい。

人材業界、上位企業の概況

株式会社リクルートホールディングス

2023年3月期連結決算(2022年度)

売上収益 (百万円) 3,429,519
税引前利益(百万円) 367,767
当期利益(百万円) 271,671
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 269,799
親会社の所有者に帰属する当期包括利益(百万円) 377,977
従業員数(人) 58,493
外、平均臨時雇用者数(人) 1,915
連結子会社 257社
持分法適用関連会社 8社

リクルートグループは、HRテクノロジー、マッチング&ソリューション及び人材派遣の3つの戦略ビジネスユニット(Strategic Business Unit、以下SBU)ごとに統括会社を設置した経営体制を敷いています。

SBUが迅速に事業戦略を遂行すると同時に、グループ経営戦略であるSimplify Hiring、Help Businesses Work Smarter、そしてProsper TogetherをSBU間で連携しながら遂行しています。

株式会社リクルートホールディングスは、持株会社としての機能の集中と強化を図り、戦略の策定と推進、適切なグループガバナンスやモニタリングの実行により、更なる企業価値の向上を実現することを目指しています。

各事業の概要は以下の通りです。

HRテクノロジー事業:

  • HRテクノロジー事業は、Indeed、Glassdoor及びその他の関連する事業で構成
  • Indeed及びGlassdoorは求職者が求人情報を検索したり、企業に関する情報を収集したりすることができるオンラインプラットフォーム
  • Indeed:
    • Indeedは企業のウェブサイト、求人広告サイト及び「Indeed」に直接掲載された求人情報等から最も適切な求人情報を検索結果として提供することにより、仕事を探しているユーザーの求職活動の効率化すると同時に、求人広告及び採用サービスを通してクライアントの求人活動を支援するサービスです。求人に特化した検索エンジンに求職者の履歴書登録と求人企業の候補者検索を合体させたサービスを展開しています。

 

  • Glassdoor:
    • Glassdoorは求人情報とユーザー投稿による企業レビュー等、独自のデータベースを展開してユーザーの求職活動を支援し、Glassdoorのクライアントは求人広告や企業ブランディング等を含む人材採用ソリューションを利用することによって大規模な採用活動を実施することが可能になるサービスです。

マッチング&ソリューション事業:

  • SBU統括会社:株式会社リクルート
    • 日本国内において、住宅、美容、結婚、旅行、飲食、その他の各事業分野に合わせた企業クライアントの集客・顧客管理、決済にわたる事業運営に係る各種ソリューションを提供する販促領域、個人ユーザーの求職活動及び企業クライアントの採用活動支援サービスを提供する人材領域が主な領域です
    • 両領域で、個人ユーザーと企業クライアントを結ぶマッチングプラットフォーム、テクノロジーやデータを駆使して企業クライアントの業務運営の効率化を支援するSaaS (Software as a Service)を提供し、これらによって日本国内の、企業クライアントの事業運営を支える「エコシステム」を構築し、企業クライアントの生産性と収益性の向上を同時に実現することを目指す
    • 具体的には、販促領域と人材領域に分かれており、以下のメディア及びサービスを運営しています
販促領域 人材領域
住宅分野: suumo リクナビ
美容分野:HotPepper Beauty リクナビNEXT
旅行分野: じゃらん タウンワーク
結婚分野:ゼクシィ 人材紹介サービス:リクルートエージェント
飲食分野:HotPepperグルメ 人材紹介サービス:リクルートダイレクトスカウト
学習分野:スタディサプリ
Air ビジネスツールズ:

決済アプリであるAirペイ、POSレジアプリであるAirレジ、クラウドベース

の応募情報一元管理システムであるAirワーク 採用管理等、15以上のAir ビジネスツールズに加えて、各事業分野のマッチングプラットフォームに付随したSaaSを提供

 

人材領域:

主に日本国内にて、当社グループが有するオンラインプラットフォーム及び紙メディア、人材紹介サービスを通じて、個人ユーザーの求職活動及び企業クライアントの採用活動を支援するサービスを提供

  • 就職活動を行う学生に対しては新卒向け就職情報サイト「リクナビ」を提供
  • 転職活動には、社会人のための転職サイト「リクナビNEXT」
  • 人材紹介サービス「リクルートエージェント」の提供
  • アルバイトやパート等の求人を掲載した情報誌・情報サイト「タウンワーク」等の発行・オンラインプラットフォームの運営

人材派遣事業

人材派遣事業は、国内派遣領域及び海外派遣領域で構成され、事務職派遣、製造業務・軽作業派遣及び各種専門職派遣等の人材派遣サービスを提供しています。

労働者の派遣に際しては、予め派遣スタッフを募集・登録し、当該登録者の中から派遣先企業の希望する条件に合致する派遣スタッフを人選し、リクルートグループ各社との間で雇用契約を締結した上で、派遣先企業へ派遣する事業です。

  • 日本:国内派遣領域は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」の規定に従い、厚生労働大臣の許可を受けて派遣スタッフを募集・登録し、企業へ派遣する労働者派遣事業等を行っており、リクルートスタッフィング及スタッフサービス・ホールディングス等の子会社を通じて、サービスを提供しています
  • 欧・豪・米:海外派遣領域では、欧州のRGF Staffing France SAS、RGF Staffing Germany GmbH、RGF Staffing the Netherlands B.V. 、 RGF Staffing UK Limited 及 び Unique NV 、 北 米 の Staffmark Group, LLC 及 び The CSI Companies, Inc.、並びに豪州のChandler Macleod Group Limited等を通じて、サービスを提供しています。

上記の様に多彩な事業を展開しているリクルートは連結売上3.4兆円を超える巨大企業グループです。

2023年3月期(2022年度)連結業績の概要

リクルートホールディンスの2023年3月期における連結業績は、売上収益は3兆4,295億円(前連結会計年度比、以下前年度比19.4%増)となり、大幅な増収でした。

主にHRテクノロジー事業、マッチング&ソリューション事業、人材派遣事業すべてで売上収益が増加、売上収益の為替によるプラス影響2,867億円を控除した売上収益は前年度比9.4%増となっています。

利益面の実績は、営業利益が3,443億円(前年度比9.1%減)となり、減益でした。

この減益は、主にHRテクノロジー事業においてセグメント従業員の約15%にあたる2,400名程度の人員削減に伴う費用176億円、オフィス統合に伴う使用権資産及び有形固定資産の減損損失139億円、マッチング&ソリューション事業においてソフトウエアを中心とした減損損失93億円、人材派遣事業においてソフトウエアを中心とした減損損失33億円及びのれんの減損損失44億円を計上したことによるものです。

これらの結果、税引前利益が3,677億円(前年度比3.9%減)、当期利益は2,716億円(前年度比8.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,697億円(前年度比9.1%減)となり、総じて増収・減益の年度となっています。

2023年3月期の事業別の業績概要は以下の通りです。

2023年3月期連結決算 事業セグメント別業績概要

セグメント名 外部顧客売上収益(百万円) 売上構成比 セグメント利益/損失(百万円) 利益構成比
HRテクノロジー事業 1,112,237 32.4% 342,309 61.7%
メディア&ソリューション事業 753,012 22.0% 109,809 19.8%
人材派遣事業 1,562,492 45.6% 102,258 18.4%
合計 3,427,742 100.0% 554,377 100.0%
調整額 1,776 -9,334
連結合計 3,429,519 545,043

また人材派遣事業の連結売上収益の国内派遣領域と海外派遣領域(セグメント間収益含む)の内訳は以下の通りです。

日本:国内派遣領域(百万円) 684,161 43.2%
欧州、北米、豪州:海外派遣領域:(百万円) 901,112 56.8%
合計 1,585,274 100%

2023年3月期の人材に関連する事業の概況は以下の通りです。

HRテクノロジー事業:

HRテクノロジー事業の2023年3月期の業績は、売上収益が29.6%増の1兆1,161億円、米ドルベース売上収益は7.7%増となっています。

上半期には世界的に強い採用需要が継続したことで、Indeed及びGlassdoorが提供する求人広告を中心とした採用ソリューションサービスに対する需要が増加しましたが、下半期には世界的に採用需要の平準化が進み、労働市場の需給の乖離が緩和しました。

2023年3月期調整後EBITDAは5.9%増の3,423億円でしたが、調整後EBITDAマージンは30.7%となり、前連結会計年度の37.5%から低下する結果となっています。

  • 調整後EBITDA:リクルートの場合は営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)±その他の営業収益・費用で算出

 

マッチング&ソリューション事業:人材領域

2023年3月期(2022年度)におけるマッチング&ソリューション事業における人材領域の連結売上収益は、日本国内における採用活動が回復傾向となり、売上収益は前年度比19.3%増の2,974億円となっています。

飲食業や販売業の求人広告割合が高いアルバイトやパート向け求人広告サービスは、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響を受けた前年度と比較して採用需要が回復し、増収となっています。

尚、販促領域と併せた、マッチング&ソリューション事業全体の調整後EBITDAは、前年度比で6.8%増の1,098億円でした。(調整後EBITDAマージンは、14.4%と前年度比で減少)

 

人材派遣事業:

2023年3月期の連結売上収益は、前年度比15.0%増となり、1兆5,852億円でした。為替によるプラス影響を控除した場合の売上収益は前年度比で7.8%増となっています。

日本の売上収益は、人材派遣需要が引き続き増加したことで稼働人数が前年同期の水準を上回ったことにより、前連結会計年度比で13.1%増、欧州、米国及び豪州においては、前連度比で売上収益は16.5%増、(為替によるプラス影響を控除した場合の売上収益は前年度比3.7%増)の増収でした。

尚、国内派遣の売上収益は6,841億円、海外派遣の売上収益は9,011億円という内訳になっています。

2023年月期(2022年度)の調整後EBITDAマージンは6.5%となり、前年度の6.8%から減少したものの、調整後EBITDAは9.6%増の1,022億円となり、増益を達成しています。

リクルートグループでは各グループ会社別で採用活動を行っています。

人材関連は以下のグループ企業になるため、興味が湧いた方はリクルートグループの全体像を理解して個々の企業の研究を深く進めると同時に、難関ではありますがインターンシップにも積極的にチャレンジすることをおすすめします。

グループ経営統括ホールディングカンパニー:

  • 株式会社リクルートホールディングス

メディア&ソリューション:

  • 株式会社リクルート:販促メディア事業、日本のHR事業及びグローバル斡旋事業を統括(SBU統括会社)
  • 株式会社リクルートキャリア:社員募集領域における人材採用広告事業/斡旋事業を担当)
  • 株式会社リクルートジョブス:アルバイト、パート、派遣から正社員まで、多種多様な雇用領域における人材採用に関する総合サービス

人材派遣:

  • 株式会社リクルートスタッフィング:一般的な人材派遣業
  • 株式会社スタッフサービス・ホールディングス:オフィスワーク、エンジニアリング、医療、製造分野の人材派遣を中心

HRテクノロジー:

  • Indeed Japan 株式会社-

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リクルートの事業戦略

もともと新卒のリクルート事業から出発して紙媒体のメディア開発、そしてリアルビジネスの多角化を推進していった会社ですが、事業とインターネットを融合することと、ネット企業のM&Aを通じて発展しているユニークなポジショニングを持った企業です。

リクルートは産業界と生活者を結びつける「No.1のマッチングサービス」を、一つでも多く生み出し、生活者一人ひとりのポジティブな行動を支援する企業になることを目指し、事業活動を展開しています。

経営の基本方針は、基本理念、ビジョン(目指す世界観)、ミッション(果たす役割)、バリューズ(大切にする価値観)は以下のようになっており、リクルートという企業を理解する上で、また自分自身の価値観とのマッチングにおいて非常に重要です。

基本理念:

    • 私たちは、新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。

 

ビジョン(目指す世界観):

    • Follow Your Heart
    • 一人ひとりが、自分に素直に、自分で決める、自分らしい人生。本当に大切なことに夢中になれるとき、人や組織は、より良い未来を生み出せると信じています。

 

ミッション(果たす役割):

まだ、ここにない、出会い。
より速く、シンプルに、もっと近くに。

私たちは、個人と企業をつなぎ、より多くの選択肢を提供することで、「まだ、ここにない、出会い。」を実現してきました。

いつでもどこでも情報を得られるようになった今だからこそ、より最適な選択肢を提案することで、「まだ、ここにない、出会い。」を、桁違いに速く、驚くほどシンプルに、もっと身近にしていきたいと考えています。

 

バリューズ(大切にする価値観):

  • 新しい価値の創造:
    • 世界中があっと驚く未来のあたりまえを創りたい。遊び心を忘れずに、常識を疑うことから始めればいい。良質な失敗から学び、徹底的にこだわり、変わり続けることを楽しもう。
  • 個の尊重:
    • すべては好奇心から始まる。一人ひとりの好奇心が、抑えられない情熱を生み、その違いが価値を創る。すべての偉業は、個人の突拍子もないアイデアと、データや事実が結び付いたときに始まるのだ。私たちは、情熱に投資する。
  • 社会への貢献:
    • 私たちは、すべての企業活動を通じて、持続可能で豊かな社会に貢献する。一人ひとりが当事者として、社会の不に向き合い、より良い未来に向けて行動しよう。

リクルートを志望する皆さんは、リクルートグループが創業より大切にし、ビジネスのエンジンとして活用してきた「リボンモデル」=「個人ユーザーと、企業クライアントが出会う場(プラットフォーム)を作り出し、より多くの最適なマッチングソリューションを提供することにより双方の満足を追及する」のコンセプトを良く理解しておきましょう。

このコンセプトで次々に新しいビジネスを創出している企業であり、アントレプレナー精神が重視されているのです。

事業別の戦略の概要は以下の通りです。

HRテクノロジー事業:

  • より効率的な求職活動及び採用活動の需要に応え、テクノロジーとリクルートが保有する膨大なデータを活用することにより、IndeedとGlassdoorの求人広告事業及び採用ソリューション事業のグローバル市場での更なる売上収益の成長に注力

 

マッチング&ソリューション事業:

  • 販促・人材領域のオンラインマッチングプラットフォームと、業務支援ツールのSaaSの提供を通じて、金融サービスを含む、企業クライアントの事業運営に係るすべての経済活動を支えるエコシステムを構築

 

人材派遣事業:

  • 国内派遣領域では好調な市場環境の下で、安定成長を目指し、海外派遣領域では海外子会社に事業運営ノウハウを導入してマージンの改善に取り組む

リクルートは人材派遣分野で積極的に海外での事業にも投資を行っています。ネットビジネスの拡大とともに、培ってきた人材部門でも国内外にしっかりとした収益の基盤を構築しています。

リクルートの今後の成長のキーワードは、グローバル市場でグローバルリーダーになることです。世界で戦ってみたい野心のある方は、深い企業研究をしてみて下さい。

パーソルホールディングス株式会社

2023年3月期連結決算(2022年度)

売上高 (百万円) 1,223,967
経常利益 (百万円) 53,693
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 20,578
包括利益(百万円) 29,987
従業員数(人) 60,540
外、平均臨時雇用者数 6,734
連結子会社 136社
関連会社 11社

パーソルホールディングス及びそのグループ会社は以下のセグメントで事業を展開しています。

  •   Staffing SBU:
    • 人材派遣事業:
      • 人材派遣サービス「テンプスタッフ」の展開
    • Business Process Outsourcing(BPO)事業*:
      • BPO事業は、企業と業務委託契約を締結し、業務コンサルティング及び業務設計、業務の運営・管理等を行う
      • 事務処理センター、コールセンター等のBPO*(Business Process Outsourcing)
    • 中核会社:パーソルテンプスタッフ(株)
      • パーソル エクセル HRパートナーズ(株)、他
        • *BPO事業とは、企業と業務委託契約を締結し、業務コンサルティング及び業務設計、業務の運営・管理等を行う業務で、受託する業務は、受付や受注処理等の事務業務、給与計算、データ入力、テレマーケティング等が中心
  • Career SBU
  • 「doda」ブランドを主体とした顧客企業の正社員の経験者採用活動を支援する人材紹介事業、求人広告事業等を展開
    • 人材紹介事業:
      • 人材紹介・求人サービス「doda」の展開
      • 再就職支援事業
    • 求人広告事業:
      • 「doda」ブランドの正社員領域における求人メディアの運営を行っており、顧客企業から出稿された広告を編集し、効果的なWEB広告掲載を行う事業 
    • 中核会社:パーソルキャリア(株)
      • パーソルキャリアコンサルティング(株)他
  • Professional Outsourcing SBU:
  • IT・エンジニアリング等の専門家・技術者集団として、技術革新を支える製造・開発受託請負事業や人材派遣事業
  • 主に「IT領域」、「エンジニアリング領域」、「IT・エンジニアリング派遣領域」の3つの領域で事業を運営
    • コンサルティングから開発・保守などのSI(システム・インテグレーション)サービスとアウトソーシング
    • 自動車設計開発・実験、デジタルAV機器・ソフト開発分野への人材サービス
    • IT・機電領域(機械工学・電気工学・電子工学及びそれらに類する領域)エンジニアの人材派遣サービス
    • 中核会社:パーソルプロフェッショナルアウトソーシング(株)
      • パーソルプロセス&テクノロジー(株)
      • パーソルR&D(株)
      • パーソルテクノロジースタッフ(株)他

 

  • Solution SBU:
  • 採用支援サービス、人材管理等のデジタルソリューションサービスの提供や、インキュベーションプログラムを通じた新規事業の創出
  • 転職アプリやクラウドPOSシステムなどデジタルを用を前提としたソリューションで、世の中の最先端をサービス化し、既存事業領域にとらわれない広い視野で新規事業創造やオープンイノベーションを推進
    • 事業創出・創業支援サービス
    • 転職支援・採用支援サービス
    • 店舗管理支援サービス(店舗管理システム、POS+(ポスタス)の展開
    • 中核会社:パーソルイノベーション(株)
      • ミイダス(株)
      • シェアフル(株)
      • ポスタス(株)、他

 

  • Asia Pacific SBU:
    • Programmed:
      • 「Programmed」ブランドで、豪州を中心にProgrammed Maintenance Services Limited及びその傘下の連結子会社が事業を運営
      • 提供するサービスの特性より、Staffing事業、Maintenance事業に区分
    • Staffing事業:
      • 鉱業・製造業向けのスタッフ及び技術者等の派遣や紹介、トレーニングプログラム等の提供
    • Maintenance 事業:
      • 主に豪州において商業施設や学校等の施設管理や塗装・用地整備、鉱山施設等のメンテナンスサービスを行う事業
    • PERSOLKELLY
      • 主に「PERSOLKELLY」ブランドでアジア地域において、各国の法律に基づき、行っている人材派遣及び人材紹介サービス、業務委託、人事労務コンサルティング等の事業
    • 中核会社:PERSOL Asia Pacific Pte. Ltd. (シンガポール)
      • PERSOLKELLY Pte. Ltd. (シンガポール)
      • Programmed Maintenance Services Limited (オーストラリア)
      • PERSOLKELLY Singapore Pte. Ltd.(シンガポール)他

その他

  • 教育研修、障がい者雇用・就職支援等の人材サービス:
    • (株)パーソル総合研究所
    • パーソルラーニング(株)
    • パーソルチャレンジ(株) 他

2023年3月期(2022年度)連結業績の概要

パーソルホールディングスの2023年3月期におけるグループ連結業績については、全SBUで増収となった結果、連結売上高が1,223,967百万円となり、前連結会計年度比(以下、同)15.4%の増収となっています。

利益面では、主に企業の旺盛な採用需要に伴うCareer SBUの増収等により、全体の営業利益は53,061百万円(同10.2%増)、経常利益は、53,693百万円(同8.5%増)となったものの、国内外の子会社の減損等により、親会社株主に帰属する当期純利益は20,578百万円(同35.5%減)という結果になっています。

2023年3月期における上記事業の売上収益及びセグメント別利益は以下の通りです。

2023年3月期連結セグメント売上・利益の概要

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益・損失(百万円) 利益構成比
Staffing 613,943 50.2% 36,180 63.2%
Career 102,210 8.4% 15,532 27.2%
Professional Outsourcing 118,405 9.7% 7,518 13.1%
Solution 14,719 1.2% -3,837 -6.7%
Asia Pacific 367,779 30.0% 2,517 4.4%
その他 6,902 0.6% -708 -1.2%
合計 1,223,962 100.0% 57,202 100.0%
調整額 4 -4,140
計上額 1,223,967 53,061

パーソルは2008年にテンプスタッフとピープルスタッフが統合してできた持ち株会社であり、その後2013年インテリジェンスホールディングスを子会社化し、更に国内、アジア諸国の人材派遣企業を買収して事業基盤を拡大してきた企業です。

2016年6月に新グループブランド「PERSOL(パーソル)」を発表し、2017年には豪州の人材サービス・メンテナンス会社のProgrammed Maintenance Services Limitedの株式を取得し子会社としています。

パーソルの事業戦略

現在パーソルグループでは、少子高齢化や人口減少、長寿化やAIをはじめとするテクノロジーの急速な進化を踏まえ、2030年時点の社会を予測しながら、人生100年時代における新しいはたらき方、そして企業や組織の新たな雇用のあり方を提案し続けることで、あらゆる個人が、パーソルのグループビジョンである「はたらいて、笑おう。」を実現できる企業を目指して、『価値創造ストーリー』を策定しています。

価値創造ストーリーを実現するために、事業活動において以下の3つを重点戦略としています。

  • 『個人』にフォーカス:一人ひとりのライフステージに合わせて、一生涯の「はたらく」をサポート
    • 個人に合わせたはたらき方の多様な選択肢を提供
    • 個人が可能性に気づき継続的に選択肢を得ることを後押し
  • 『テクノロジー』を武器にする: テクノロジーを最大限活用し、デジタルトランスフォーメーションを推進することで、新たなはたらき方や、雇用のあり方を提案
    • これまで蓄積された膨大な個人・法人のデータを分析、活用するための基盤整備
    • 人材派遣、人材紹介等の基盤事業におけるデジタル化を推進・高度化
    • デジタル変革による新規事業の創出
  • 世界で価値を提供する:人口減少や少子高齢化に伴う労働力不足等、“はたらく”に関する課題を多く抱える課題先進国である日本から、アジア・パシフィック地域で価値提供できる経営体制を整備し、その先に世界への価値提供を拡大
    • アジア・パシフィック地域事業・経営基盤強化→
    • アジア・パシフィック地域事業の進化→
    • アジア・パシフィック地域以外への価値提供拡大

また、経営理念である「雇用の創造」、「人々の成長」、「社会貢献」に基づき、国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)の目標の中から、事業を通じて直接的に関与することができる質の高い教育をみんなに」「ジェンダー平等を実現しよう」「働きがいも経済成長も」「産業と技術革新の基盤をつくろう」「人や国の不平等をなくそう」の5つのSDGs達成を重点課題として取り組み、17すべてのゴールについて、達成に寄与する人材の成長支援や雇用創出の実現を目指しています。

2030年に向けた価値創造を実現するための中期経営計画:

パーソルグループでは、2030年に向けた、最初の3年間であるグループ「中期経営計画2023」を策定し、事業を展開しきました。

2023年3月期までの3年間を、事業の磨き込みと経営基盤の整備による成長に向けた基礎作りを行う3ヵ年と位置付け、「社会的価値の向上」「経済的価値の向上」「SBU体制への移行」「成長領域の特定」「テクノロジーによる事業強化」の5つの全体方針を定めて具体的な施策を実行してきました。

その成果を受け、現在は、新たなグループ中期経営計画2026(2024年3月期~2026年3月期)を策定し事業を展開しています。

グループ中期経営計画2026の概要:

事業の位置づけ:

  • Staffing SBU/BPO SBU/Technology SBU/Career SBU/Asia Pacific SBUの5つのSBU体制へ
  • Staffingを「グループの屋台骨(グループの成長基盤 )」と位置付けつつ 、Career/BPO/Technologyを「利益成長の柱」とする
  • Asia Pacific SBUは、将来の飛躍へ向けた基盤強化(収益性改善)を行う
  • 将来に向け事業の探索・創造を行う、R&D Function Unitを設立

強化すべき競争優位性:

  • 「人を集めるチカラ」、「人と組織を結ぶチカラ」、「業務をデザインするチカラ」を継続強化する強みとする

事業成長のエンジン:

  • 事業成長を加速させるグループ共通の下記3つの取り組みを「事業成長のエンジン」とする
  • 人的資本 :
    • 「“はたらくWell-being”の体現/テクノロジー人材の拡充/多様な人材が活躍する基盤構築」に取り組む
  • テクノロジー:
    • 「テクノロジー人材と組織の進化/はたらく環境のデジタル化推進/コア事業の価値向上/新たな価値創造」に取り組む
  • ラーニング :
    • より良い“はたらく”に繋がる“学び”を各事業に実装することで個人とともに、各事業の成長を加速させる

また上記を推進し、各SBUの事業戦略と財務戦略の両輪でグループの企業価値向上を力強く推進するため、財務戦略を新たに策定しています。

これらは、中期経営計画の骨子の一部に過ぎません。

就活でパーソルグループ企業を志望する方は、グループ全体の指針である2030年の価値創造ストーリーの内容、方向性、中期経営計画における具体的な戦略や施策を理解するとともに、自分自身の中長期のキャリアビジョンをしっかり作って選考に臨んで下さい。

株式会社パソナグループ

2023年5月期連結決算

売上高 (百万円) 372,579
経常利益 (百万円) 15,366
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 6,099
包括利益(百万円) 10,468
従業員数(人) 9,786
外、平均臨時雇用者数 15,132
連結子会社 69社
持分法適用関連会社 5社

パソナ及びグループ企業は、HRソリューションとして、エキスパー トサービス(人材派遣)、BPOサービス(委託・請負)、HRコンサルティング・教育・研修その他、グローバルソーシング(海外人材サービス)、キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)、アウトソーシング、またライフソリューション、地方創生ソリューションの3セグメント、8事業に分類し、人材関連事業や地方創生事業等を行っている企業です。

具体的なセグメント別事業内容は以下の通りです。

HRソリューション:

  • エキスパートサービス(人材派遣):
    • 厚生労働大臣の許可を受けて派遣スタッフを募集・登録し、企業等へ派遣する「労働者派遣事業」
  • BPOサービス(委託・請負):
    • 顧客から業務を受託または請け負い、パソナグループの社員、その業務遂行のため雇用契約を締結した労働者等の体制で業務処理を行うビジネス。
    • 業務委託・請負契約による取引には、オンサイト(顧客内)において 受託業務を行う形態と、パソナグループの設備・システム等を使用し顧客の業務プロセスを受託するBPO(ビ ジネスプロセス・アウトソーシング)やコンタクトセンター運営等を含む
  • HRコンサルティング、教育・研修、その他:
    • 豊富なノウハウ・人脈を持つ役員経験者や高度専門領域人材を紹介し、経営課題を解決するサービスを提供(株式会社パソナJOB HUB)
    • 企業や官公庁・自治体から受託している教育・研修、人材を一元管理するタレントマネジメントシステムの販売及び導入・活用に関するコンサルティングなどの他、人材育成や人事管理等に関するコンサルティング(キャプラン株式会社)
    • 障害者が才能・能力を活かして働ける環境の整備や、障害者の雇用支援コンサルティングなどの社会福祉関連事業(株式会社パソナハートフル)
  • グローバルソーシング(海外人材サービス):
    • 海外での人材紹介、人材派遣・請負、給与計算、教育・研修等のアウトソーシングなどフルラインの人材関連サービス
  • キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援):
    • 転職・就職の希望者を募集・登録し、 同時に求人情報を収集して相互のニーズをマッチングする有料職業紹介事業
    • 会社都合による退職者または退職予定者等に対して、再就職先が決定するまで、職務経歴書作成や面接対策、求人情報の提供、独立支援などを行う再就職支援事業
  • アウトソーシング:
    • 企業や官公庁・自治体等が、株式会社ベネフィット・ワンの運営する会員組織の法人会員となり、法人会員の従業員(個人会員)が宿泊施設、スポーツクラブ、各種学校等の福利厚生メニューを利用できる福利厚生代行事業
    • パーソナル事業(主に協業先企業の個人顧客に向けたサービス)、インセンティブ事業(多彩なポイント交換アイテ ムを通じたロイヤリティ・モチベーション向上支援サービス)、ヘルスケア事業(健診サービスや特定保健指導、ス トレスチェック等の疾病予防のための健康支援)、購買・精算代行事業など
  • ライフソリューション:
    • 認可・認証保育所、企業内保育施設、学童保育の運営などを行う保育事業、デイサービス、訪問介護などを行う介護事業、家事代行事業
  • 地方創生ソリューション:
    • 地域住民や地域企業、地方自治体と協力、連携しながら、地方が持続的に発展する新しい産業の創造と雇用機会の創出を目的にした地方創生事業
    • 地域の遊休資産や地元特産品を活用した飲食事業やアミューズメント事業、宿泊事業のほか、地域活性化のための観光促進や企業誘致に関する事業

2023年5月期における連結決算概要

パソナグループの2023年5月期におけるグループ連結業績については、連結売上高が372,579百万円となり、前期比1.8%の微増となっています。

売上総利益は91,525百万円(前期比2.1%増)でした。

費用面では、販管費は77,148百万円(前期比14.1%増)と前年同期から増加しましたが、これは主にアウトソーシングの旧JTBベネフィットのサービス統合過程における重複コストや大型プロモーションに係る費用、加えて第1四半期に実施した東京オフィスの移転に伴う一時費用が影響したものです。

その結果、利益面の業績は、営業利益が14,377百万円(前期比34.9%減)、経常利益は15,366百万円(前期比31.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は6,099百万円(前期比29.3%減)という結果になっています。

2023年5月期における上記事業の売上収益及びセグメント別利益は以下の通りです。

2023年5月期連結セグメント売上・利益の概要

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益・損失(百万円) 利益構成比
HRソリューション:エキスパートサービス、BPOサービス他 303,164 81.4% 15,132 55.6%
HRソリューション:キャリアソリューション 13,893 3.7% 4,089 15.0%
HRソリューション:アウトソーシング 41,779 11.2% 10,487 38.6%
ライフソリューション 7,686 2.1% 364 1.3%
地方創生ソリューション 6,055 1.6% -2,877 -10.6%
合計 372,579 100.0% 27,196 100.0%
調整額 -12,819
計上額 372,579 14,377

パソナグループの事業戦略

パソナグループは創業以来「社会の問題を解決する」という企業理念のもと、「年齢や性別に関わらず、誰もが自由に好きな仕事を選択することができ、個人個人のライフスタイルに合わせた働き方のできる社会」の実現を目指して事業を展開しています。

企業理念:「社会の問題を解決する」

私たちパソナグループの仕事は、 『人を活かす』こと、人々の心豊かな生活の創造、 すなわち『ライフプロデュース』です。

私たちは、 この役割を果たすため、常に高い志と使命感をもち、 新たな社会インフラを構築し、果敢に挑戦し続けることを使命とします。

 

一、 誰もが自由に好きな仕事を選択し、 一人ひとりの人生設計に あわせた働き方ができる社会を築く

一、 会社と個人がお互いに対等な関係で結ばれ、 自由に才能を活かせる社会を目指す

一、 ダイバーシティを推進し、 一人ひとりが 夢と誇りを持って活躍できる機会を創造し続ける

使命:

パソナグループは、 創業以来変わらぬ「社会の問題点を解決する」という企業理念のもと、 ソーシャルソリューションカンパニーとして、 私たちに関わるすべての方々に対して、 人生のあらゆる場面をプロデュースするとともに、 持続可能な社会に貢献することを使命とし、 人々の心豊かな生活を創造する『Smart Life Initiative』を実現できる社会を目指します。

  • 働くを創る:
    • 働きたいと願う誰もが、 才能・能力を最大限に発揮し、 それぞれのライフスタイルにあわせた働き方で活躍することができるよう、 多様な社会インフラを構築し続ける
  • 人生を楽しむ:
    • 働くを楽しみ、 豊かな人生を送り、 社会に貢献することで、 誰もが生きがいや喜びを感じ、 “ソーシャルワークライフバランス”を実現できる社会を築く
  • 人材を育む:
    • 高い志をもって果敢にチャレンジする人たちの夢を応援し、 キャリア構築の機会を創造する
  • 文化を創る:
    • 人々が心豊かな人生を送るために、 健康、 音楽、 芸術、 食を通じて新たな文化を創造し、 夢のある産業を創ることで、 “Smart Life Initiative”を実現する

「Pasona Way 私たちの行動指針」:

「企業理念/Corporate Philosophy」、「使命/Corporate Mission」のもと、 社員一人ひとりがどのように行動すべきか「パソナグループの“芯”」を示したものが『Pasona Way』です。創業の精神を継承し、 常にぶれない判断の軸として、全役員・従業員が、 これを共有しています。

社会のために For Society:

  • 一人ひとりが社会のためにできることは何かを考え、 高い志と使命感、 ベンチャー精神をもって果敢に挑戦する
  • 働きたいと願う誰もが安心して働き、 自ら創る明るい未来に思いをはせることのできる社会を実現する
  • 社会に必要とされ、 影響を与えるロングセラーカンパニーであり続ける
  • ソーシャルアクティビスト集団として、 社会に呼びかけ変革を起こし、 社会に貢献する

働く人々のために For Working People:

  • ライフプロデューサーとして、 人に寄り添い、 一人ひとりの豊かな人生設計を描くお手伝いをする
  • 『夢は人に帰属する』 夢の先にある豊かな未来を実現するために、 共に歩む
  • 一人ひとりの才能・能力、 秘められた可能性を引き出し、 エンカレッジする
  • 私たちを頼ってくださるすべての方々に対して、 真心と思いやりをもって接する

お客様のために For Clients and Customers

  • 『パソナの強みは私です』 自信と誇りをもって行動し、 信頼感と安心感をもたれるプロとしてのサービスを提供する
  • 『心が心を打つ、 心が心を動かす』 常に相手の立場にたって真心をこめて接する
  • 『シンクタンクではなくドゥタンク』 お客様のために何ができるか、 頭で考えず、 まず行動する
  • 『足の裏が光る』 お客様のために労を惜しまず足を運び、 真摯に取り組む

共に働く仲間のために For Colleagues

  • いつもニコニコ明るい笑顔、 いつもハキハキ優しい言葉、 いつもイソイソ働く手足を実践する
  • 職場の仲間、 先輩、 上司、 後輩、 身近な人にこそ感謝の気持ちを伝える
  • 働く豊かさ、 楽しさを分かち合い、 イキイキと健康に働くことのできる環境を育む
  • パソナグループの挑戦の歴史とパソナらしさを守り、 あるべき未来の姿の実現に向けて仲間と共に挑戦する

株主の皆様のために For Shareholders

  • 私たちの企業理念に共感いただける株主に対して質の高い経営を行い、 企業の社会的責任を果たす事業活動を推進する

就活でPASONAグループ企業に志望を考える方は、まず、この「Pasona Way 私たちの行動指針」に共感できるか、否か、共感できるとしたら、どの程度なのかを自分自身に問うことをおススメします。

「何か違う」と感じたら、他の人材企業や、他の業界に視野を広げてみることをおススメします。

PASONAグループの具体的な課題設定と経営戦略は、以下の通りです。

X-TECH BPOへの進化:

  • 生産年齢人口が減少する日本において、企業は業務の生産性向上や効率化推進を重要な経営戦略として位置付けています。また経済状況の変動に応じて、迅速かつ効果的な対応が求められる環境下では、定められた期間に外部人材や外部リソースを有効活用するプロジェクト型の業務領域も拡大する
  • PASONAグループは、多様化する経営課題に対して、グループ連携を強化することでBPOサービスの領域を広げるとともに、提供するBPOサービスにはRPAやAI、アバターなどの最先端のデジタルツールを活用することで、より付加値の高いサービスの提供を目指す
  • 企業の事務業務の集約化や給与計算、受付業務などの労働集約型のBPOサービスに留まらず、従業員の健康増進を支援するサービスや女性の活躍推進を促進させるプログラムの提供など、時代の流れに沿った新しいBPOサービスを開発し、サービス領域を広げる

多様な働き方とキャリア形成支援の拡充:

  • 現在国内では、リスキリングによる能力向上の支援など「三位一体の労働市場改革」の実行が議論されており、労働力人口に占める45歳以上の割合が年々増加し、定年後の65歳以降も継続的に働き続けるシニア人材も増加するなか、PASONAグループは個々人の自律的なキャリア形成を支援する様々なサービスを提供する
  • シニアやベテラン層の人材が、これまでの経験を活かして企業の顧問や社外役員として活躍する「プロフェッショナル・顧問人材のマッチングサービス」に注力
  • 企業に対して従業員の多様なキャリア形成を支援する「セーフプレースメント・トータルサービス」はリカレント教育や人的資本経営を推進する企業を中心に導入企業が増加
  • 女性の活躍推進が多くの企業で急務となる中、女性管理職層を対象にした人材紹介事業を更に拡大させるとともに、女性幹部候補育成プログラム「Women’s Advanced Program」を通じて、企業における女性管理職の育成および活躍推進を支援

淡路島を中心とした地方創生事業の収益拡大:

  • PASONAグループは、地域の住民や企業、地方自治体と協力・連携しながら、地方に新たな産業と雇用を創出する地方創生事業に取り組む
  • 兵庫県淡路島では、2008年に独立就農者を育成する「パソナチャレンジファーム」をスタートさせて以来、廃校を活用した観光拠点「のじまスコーラ」や、兵庫県立淡路島公園におけるアミューズメントパーク「ニジゲンノモリ」の運営など、地域の特産品を活用した地域活性化に取り組んでいる
  • 現在では、地元食材を活かしたレストランや宿泊施設のほか、雄大な自然を楽しめる体験型施設など多くの施設を運営し、観光客を中心に交流人口の拡大による地方創生の実現を目指している
  • PASONAグループの地方創生事業においては、兵庫県淡路島での事業を中心に、幅広い世代に楽しんでいただける施設やアトラクションを新規開設するとともに、インバウンドに対応した多言語化やオリジナル商品の開発、リピーター客の獲得など顧客ニーズに応じたサービス開発を進めることで、収益拡大に取り組む

淡路島本社については、2021年春までの間に、約120人の社員(新入社員を除く)が新たに淡路島に移り、その後コロナ禍で一時希望社員の受け付けを停止しましたが、約1,800人が携わる本社業務のうち、約1,200人分の業務を24年5月までに移転する計画となっています。

また兵庫県及び淡路島内3市と企業誘致や企業の拠点拡充を目指す「淡路島パイロットHQ(ヘッドクオーター)協議会」を発足させたほか、地方への人材移住と定着を目指す「ハイブリッドワークライフ協会」を全国の地方自治体や民間企業など60以上の団体と設立し、多くの協業をスタートさせています。

現在、淡路島には6か所のパソナのオフィスがあり、複合リゾート施設の一部やレストランをオフィスに改修して、地方創生事業と本業を同時に進めるユニークな展開を行っています。

就活でPASONAグループへの志望する方は、PASONAグループのユニークネスをしっかり理解した上で、自分自身の価値観に照らして、ビジョンを形成して選考に臨んで下さい。

株式会社メイテック

2023年3月期連結決算(2022年度)

売上高 (百万円) 119,069
経常利益 (百万円) 16,540
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 12,252
包括利益(百万円) 12,469
従業員数(人) 13,039
外、平均臨時雇用者数 695
連結子会社 5社

株式会社メイテックはエンジニアリングソリューション事業として、正社員エンジニアを派遣するビジネスを中核事業として、さらにエンジニア紹介事業はエンジニアに特化した職業紹介事業を展開しています。技術者の質、単価ともに業界首位の企業です。

エンジニアリングソリューション事業では、派遣エンジニアの属性によって以下の5社でサービスを提供しています。

  • (株)メイテック:
    • メイテックグループのコア事業であるハイエンドのエンジニア派遣事業
  • (株)メイテックフィルダーズ :
    • ミドルレンジのエンジニア派遣事業
  • (株)メイテックEX :
    • シニアエンジニア派遣事業
  • (株)メイテックキャスト:
    • 製造業を主要顧客とした登録型人材派遣事業
  • (株)メイテックビジネスサービス:
    •  一般事務処理業務の受託

またエンジニア特化型の職業紹介事業は(株)メイテックネクストが行っています。

収益の柱は技術者派遣であり、中核のハイエンドに加えミドル領域においても自動車向けなどの需要に対応しています。

2023年3月期(2022年度)連結業績の概要

メイテックの2023年3月期(2022年度)は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限が徐々に緩和され、社会経済活動の正常化が進み、景気はゆるやかな持ち直しが続いていますが、緊迫した国際情勢、資源価格の上昇などにより、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移しました。

メイテックの主要顧客である大手製造業各社は、次代を見据えた技術開発投資を進められたことから、受注環境も堅調に推移しました。

メイテックにおいては、中長期の成長を見据えた積極採用を継続した結果、2022年4月入社の新入社員885名(メイテック:474名、メイテックフィルダーズ:411名)を含めて、3月末のエンジニア社員数(MTとMFの合計)は11,906名(前年3月末比+641名、+5.7%)でした。

加えて新入社員の配属ペースが前期比で改善したこと、受注に応えて順調に配属を進められたこと等により増加し、稼働人員数は増加しました。

その結果、2023年3月期(2022年度)におけるグループ連結業績については、連結売上高が、前年同期比119億28百万円(11.1%)増収の1,190億69百万円となっています。

利益面の業績は、連結営業利益が前年同期比36億45百万円(28.4%)増益の164億62百万円、連結経常利益は、前年同期比35億92百万円(27.7%)増益の165億40百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比30億11百万円(32.6%)増益の122億52百万円となり、増収・増益を達成した年度でした。

2023年3月期のセグメント別売上収益と利益の概要は以下の通りです。

事業名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益
(百万円)
利益構成比
エンジニアリングソリューション事業 117,446 98.6% 15,915 96.7%
エンジニア紹介事業 1,622 1.4% 547 3.3%
合計 119,069 100.0% 16,462 100.0%
調整額
計上額 119,069 16,462

メイテックの事業戦略

メイテックの根幹事業はエンジニアリングソリューション事業であり、「共生と繁栄」の経営理念に立脚して全社員がつながりあい、エンジニア価値を起点として、5つの価値(エンジニア価値、社員価値、顧客価値、株主価値、社会価値)を持続的に向上させていく経営を行っています。

エンジニアリングソリューション事業の業績は、技術力の高いエンジニア、プロのエンジニア集団を形成する社員数とその稼働率の多寡に懸かっています。

そのため受注営業、採用・増員、キャリアサポートの業務について、環境変化を適切に捉えてバランスを取りながら、それぞれの業務を強化して持続的成長を実現していくことが最大の課題です。

また、技術分野においてはデジタル化の急速な進展とともに、「AI」や「自動運転」などの技術革新が加速化し、メイテックの主要な顧客である大手製造業各社では、競合する企業が多様化・複雑化し、競争優位性を保つことが非常に厳しい環境となっています。

人材不足解消の取り組みとして、DXによる仕事の自動化・無人化が進み、今後一部の設計・開発領域においては、AIが人間に代替される事が見込まれており、メイテック自体も従来の事業モデルの変革が必要となっています。

これらの経営環境を踏まえ、メイテックグループは2023年度からの3年間の実行計画として「「MEITEC 2 Core Transformation」、「M2CX」を策定し、2023年4月1日からスタートしています。

基本方針1:「お客さま」と「エンジニア」を常に起点とし、たえず双方向の関係を築くこと

基本方針2:

  1. ① 2つのサービス提供先オリエンテッド、と②多彩なサービスバリエーション、を掛け合わせ、更なる付加価値を追求
  2. 品質を堅持しつつ、「数の力量」を積極増強
  3. ①エンゲージメント強化、②適格性の効率追求、③運用費用縮減、を同期させて強力に推進

上記に加え、3年後(2025年度)の連結収益目標を、売上高1,450億円、営業利益190億円、営業利益率13%、当期純利益130億円、ROE30%において事業を展開しています。

日本最大の「プロのエンジニア集団」であるメイテックグループにおいては、エンジニアを中心とした多くの優秀な人材を確保することが成長力の源泉です。

メイテックループでは、業界のリーディングカンパニーとしての信頼性・安心感に基づいたブランドを労働市場に確立していき、採用力を高め、今後も、平時・有事の市場環境の変化に対応した効率的な採用・増員活動に取り組んでいくとしています。

就活でメイテックのエンジニアとなること、あるいは採用側で働くを考えている方は、働き方、自分自身の将来像やビジョンを自分自身の価値観と共に考え、しっかり取り組んでいくことをおススメします。

まとめ

以上、人材業界の上位企業の現状をみてきました。凝縮したサマリーですが、人材会社の事業内容と規模感や経営方針、グローバルへの展開などを感覚的にも理解できたと思います。

現在、そして将来の人材業界はデジタルプラットフォームの存在なくして語れません。IT・インターネット業界と言っても過言ではない程不可分な状況です。

また、コミュニケーション能力や人間関係構力をはじめとした、ヒューマンスキルが同時に求められていることも重要なポイントです。

上位企業は就活においても人気の高い企業であり、難関です。人材業界に興味や志望意欲を繋ぐことができた方は、志望企業候補のあたりをつけて、詳細な企業研究を進めて下さい。

上位企業の多くはインターンシップに積極的です。OB・OG訪問も含めぜひトライして門戸を開いて行きましょう。

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