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【就活の業界研究】:人材業界の特徴とビジネスモデルを理解しておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。

「就活の答え」では人材業界を、以下の項目に沿って解説していきます。

人材業界の6つのポイントを押さえよう

  • 人材業界の特徴とビジネスモデル
  • 人材業界の現状と課題・未来
  • 人材会社にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 人材会社に働く人のモチベ―ションは何か
  • 人材業界に向く人、向かない人はどんな人か
  • 人材業界の上位企業の特徴と業績

この記事では人材業界の特徴とビジネスモデルを中心に分かり易く解説します。人材業界入門編として活用してください。

人材業界の特徴とビジネスモデル

人材業界には大きく分けて5つのタイプのビジネスモデルがあります。人材派遣業、人材紹介業、求人メディア、HRテック、人材(人事)コンサルティング、に大別できます。

これらの領域に特化した企業や複数の領域を総合的に事業展開している企業があります。

2019年3月に厚生労働省から発表された「令和元年(2019) 年度職業紹介事業報告書の集計結果」によると、集計の対象になった民営職業紹介事業所数(有料)は全国で25,099事業所も存在します。以下にそれぞれのビジネスモデルを解説していきます。

人材派遣業のビジネスモデル:

人材派遣業は派遣求職者に登録してもらうと同時に、派遣労働者を必要としている企業を顧客として開拓し、両者をマッチングさせて求職者を企業に派遣するビジネスです。

また派遣事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」の規定に従い、労働者派遣事業の許可を受けて行う事業となります。

人材派遣の社会的な価値は、企業にとっては必要な人材、労働力を簡単に調達できる点、求職者にとっては、登録しておけば派遣会社が条件に合った仕事をマッチングして、比較的容易に仕事に就けるという点にあります。

人材派遣契約:

求職者と企業側が条件で合意すれば、派遣会社と派遣社員の間に雇用契約が成立すると同時に、派遣会社と企業との間に派遣契約が成立します。

  • 派遣社員⇔派遣会社:雇用契約が成立し、派遣会社は派遣社員に給与の支払う
  • 企業⇔派遣会社:派遣契約が成立し、企業は派遣会社に派遣料金を支払う

この派遣料金と派遣会社支払う給与との差額が、派遣マージンとして派遣会社の粗利益になりますが、派遣会社はこのマージンの中から派遣社員の社会保険料、有給休暇間の給与、その他派遣事業を行うために必要な、派遣スタッフ相談センター等の運営費、営業担当やコーディネーターなどの人件費、派遣社員の教育研修費用、オフィス・登録センター賃借料、人材募集費用等の諸経費を賄います。

この派遣マージンは派遣会社によって料率は異なりますが、一般的に20%~30%程度です。例えば1時間あたり2,000円の派遣契約の場合、マージン率が30%の場合1,400円が派遣社員の給与、600円が派遣会社の粗利益になりますが、派遣会社はそのマージンから上記のコストを賄うため、営業利益率は1.2%と決して高くはありません。

従って、派遣会社は派遣料金がより高く設定できるスキルを持った派遣求職者をより多く登録して、より多くの派遣先により多くの派遣社員を供給する、派遣社員の稼働率を上げることで利益を積み上げていくという、二つの戦略でビジネスモデルを組み立てます

人材派遣の場合、顧客である企業と派遣社員の間に直接の雇用契約は結ばれません。派遣先企業は派遣労働者に対して業務上の指揮・監督を行う関係であり、雇用契約は派遣会社と派遣労働者間で結ばれます。

派遣契約の種類

人材派遣には「登録型派遣」、「常用型派遣」、「紹介予定派遣」の3つの種類があります。

  • 登録型派遣:派遣先企業と派遣会社間で結ばれる派遣契約と等しい期間だけ派遣会社と雇用契約を結ぶ形態で、最も一般的な派遣契約です。派遣求職者が派遣先が決まらず、労働していないときは、国民年金や国民健康保険に切り替え、求職者が自ら負担することになります
  • 常用型派遣:登録型派遣と異なり、派遣先企業での就業期間が終了しても、派遣会社と雇用関係は継続する契約を派遣会社と派遣社員が結んでいる契約です。もし、新たな派遣先がすぐに見つからない場合でも次の派遣先が見つかるまで給与が支払われます。専門性の高い技術職や、経理や高度な営業職の場合に使われる場合が多い契約です
  • 紹介予定派遣:派遣労働者が派遣先で直接雇用されることを前提(確約ではありません)として決めておいて、最長6カ月間の一定期間を働くという人材派遣の形態です。6ヵ月の試用期間と考え、企業側が期待を満たしたと判断すれば、正社員や契約社員として雇用契約を結びます

人材紹介業のビジネスモデル:

人材紹介会社は、厚生労働省から許認可を受けた民間企業で、求人企業から支払われる手数料(サービスフィー)を収入としています。法律上、正式な呼び名は有料職業紹介業です。

人材派遣と人材紹介の違いは、人材紹介企業が求職者を顧客である企業にマッチングして採用された場合、求職者と顧客企業間で直接雇用契約を結ぶ点にあります。

  • 求職者⇔人材紹介会社:求人紹介の申し込み・登録
  • 企業⇔人材紹介会社:応募者の紹介依頼、求職者の斡旋
  • 企業⇔求職者:雇用契約

求人企業側から人材紹介会社に支払われる仲介手数料は、成功報酬であることが多く、その報酬はマッチングして、求人企業と求職者の間で合意した年収の30%が一般的な料率です。

例えば年収700万円の人材をマッチングできれば、人材紹介会社に入る手数料はその30%の210万円ということになります。

ただしこの30%は別に法律で定められている訳ではありません。

非常に高度でマッチングするのが困難なスキルセットを持ったマネージメントや技術職の場合は30%以上ということもありますし、求人企業と人材紹介会社の間で30%以下の契約をする場合もあります。

30%というと、「とても高い」と考えるかもしれませんが、マッチングが成功しなければ人材紹介会社への報酬は何人紹介のアレンジをしたとしてもゼロ(成功報酬の場合)という点、また1件の成約を得るために2~3ヵ月もの期間を要することも考慮すべきでしょう。

更にせっかくマッチングして企業に入社しても、入社後90日、あるいは180日間の間に求職者本人の自己都合によって辞める場合、人材紹介会社は「返金条項」「フリーリプレイスメント」のどちらかの方法で、求人企業に対してサービスの保証を行なうことになります。

返金条項は、契約によって定められますが一般的には手数料の50%を返金する契約になっている場合が多いです。日数によって%のレベルを変えている契約もあります。

フリープレースメントは、求職者が辞めてしまった場合にその代わりになる人材を無償でマッチングする契約です。一定期間内に成功すれば返金をしなくて良いということになります。

人材紹介業のタイプ

人材紹介業には大きく分けて「登録型」と「サーチ型」の2つのタイプがあります。

登録型は求人企業から、必要とする人材のスキルセットや条件を取材し、あらかじめ転職希望業種や職種、転職希望企業とスキルセットや条件を登録してもらった求職者をマッチングさせて、条件が一致する組み合わせ、一致する可能性が高い組み合わせを仲介するものです。

サーチ型はヘッドハンティングと考えれば分かり易いでしょう。

求人企業から、必要とする人材のスキルセットや条件を取材し、人材紹介会社はそれに見合う人材を様々なコネクションや人材リストのなかから探して、条件に合う人材を人材紹介会社からアプローチして転職を働きかけるものです。

このパターンは企業の管理職やマネージメント、研究者や技術者といったポストに対して行われることが多く、年収もサービスフィーも高額になる場合が多いのが特徴です。多くの外資系のヘッドハンティング会社が使っている手法です。

人材・求人メディアビジネスのビジネスモデル:

人材・求人メディアのビジネスモデルは、自社で人材・求人メディアを運用し、求人企業から広告掲載料やコンテンツ掲載料及び広告・コンテンツ制作費を収入として得ることを基本にしています。

基本的なフローはメディアに掲載された求人情報を基に、求職者が応募することによって、求人企業が求職者をスクリーニングをして採用者を独自に決める流れになります。

求人メディアはメディアへの掲載に対して課金するため、極端に言えば応募者がゼロでも収入になる掲載課金モデルになります。最近は広告掲載を無料で行い、成果報酬やデータに対する課金(例えば検索で上位表示をする等)でビジネスを行うメディアもあります。

  • 求人企業⇔人材・求人メディア会社:求人広告・コンテンツ掲載、掲載料、制作費、課金の請求・支払い
  • 人材・求人メディア会社⇔求職者:求人情報掲載・求人応募登録・申し込み

このビジネスの成功のカギはより多くの企業を集めることによって、より多くの求職者に注目させるメディアを作り上げる事、求職者にとって求人情報以外の付加価値の着いた情報を提供して、メディアに対するアクセスを拡大し、採用の成功事例を数多くつくることに尽きます。

それによって更に掲載企業を拡大、掲載コンテンツのスペースや質を拡充し、更にアクセス数を増やすという正の循環をつくることです。

掲載求人企業、求職者の双方に魅力的で使い勝手の良いメディア・コンテンツを提供することで収益化を図るモデルです。

また自社メディアで得られる求職者のデータを使用して、求人企業に対するデータサービスをマネタイズする場合もあります。

HRテックのビジネスモデル:

HRテックは新しい概念であって、まだ確立したビジネスモデルがある訳ではありません。

人材・求人メディアビジネスの進化系として、Webサイト上から得られる様々なデータを使用して、求人企業に対するコンサルティングを行うことによって、サービスを提供し、それによる対価を得るビジネスもその一つです。

リクルートが行っているIndeed等の新しい求人メディアもHRテックの一つのパターンです。Indeedの場合、求人の掲載は無料ですが、求人検索における検索順位を上げるためには課金する必要があります。また付帯したサービスをクライアントに対して有料化するビジネスモデルです。

マッチング・スカウトサービスのWantedlyも継続課金のみで成功報酬がかからない、低コストで採用活動を行える新しいモデルを提供しています。

これらの求人サイトは無料掲載から有料掲載・成果による課金モデルによる優位性をコンサルティングセールスしたり、提供データに課金することによって収益を得るビジネスと理解してださい。

今までの人材ビジネスは、よくも悪くも俗人的な裁量によって左右される傾向がありました。それをビックデータ解析やAI技術を駆使してより精度の高いものにして、企業の競争力に貢献する人材を発掘するのも一つのモデルです。就活にAIを導入して、エントリーシートを評価するなどの試みもその一環です。

人材ビジネスで培ってきたノウハウを基に、公平な社員の業績評価をサポートするシステムや、モチベーションを向上する要因を解析して社員にフィードバックするなどのテクノロジーを使用した人事関連システムを開発、販売を事業化するなどもHRテックの領域になります。

人材・人事コンサルティングのビジネスモデル:

企業と契約して人材に対するセミナー、コーチング、コンサルティング等をおこない、それに対するフィーを得るモデルです。企業のリストラ等に伴うアウトプレースメント(再就職支援)のコンサルティング等もう企業もあります。

企業の経営資源のヒト・モノ・カネの三要素のうち、ヒトに関するコンサルティングを行う会社と考えればよく、人事評価制度、報酬制度、退職金給付制度の設計や確定拠出年金制度の導入など、人事制度全般を扱う「人事コンサルタント会社」と呼ばれる会社も存在します。

皆さんの身近な「就活」を例にとっても、志望者の絶対数を増加させるためのコンサルティングや、内定辞退者を出さないための採用プロセスやイベントを企画、運営までサポートすることを事業としている人事コンサルティング企業もあります。

これらのサービスフィーは何人のコンサルタントどれくらいの期間その業務に携わるかによって決まる個別のコンサルティング契約になります。

またコンサルティング企業が人事管理システムを構築して、その販売で収益を得ることを事業化しているコンサル企業も存在します。

まとめ

以上、人材業界の5つのビジネスモデルの概要の解説でした。大枠を理解出来た方は、人材業界の現状と課題、そして近未来の方向性につても理解していきましょう。

就活を通じて「人材ビジネス」に魅力を感じる学生も多いですが、本当に志望するかを決める前に、この業界をもう少し理解していきましょう。

将来に関わる重要な選択になりますので、ここで少しだけ時間を使って自分の頭で考えてみることはとても重要です。

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