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【就活の業界研究】:運輸・倉庫業界の特徴とビジネスモデルを理解しておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。

「就活の答え」では運輸・倉庫業界を、以下の項目に沿って解説していきます。

運輸・倉庫業界の6つのポイントを押さえよう

  • 運輸・倉庫業界の特徴とビジネスモデル
  • 運輸・倉庫業界の現状と課題・未来
  • 運輸・倉庫会社にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 運輸・倉庫会社に働く人のモチベ―ションは何か
  • 運輸・倉庫会社に向く人、向かない人はどんな人か
  • 運輸・倉庫業界の上位企業の特徴と業績

この記事では運輸・倉庫業界の特徴とビジネスモデルを中心に分かり易く解説します。運輸・倉庫業界入門編として活用してください。

分かっているようで、分かっていないビジネス

就活の初期段階で就活生に「運輸・運送業界や倉庫業界ってどんなビジネス?」と質問すると、ほとんどの学生が「モノを送りたい人や企業、モノを受け取りたい人や企業の間でモノを運ぶことで売上を上げている、日本通運、ヤマト運輸、佐川急便などが行っているビジネス」そして「モノの流通の間で、一時的にモノを預かって管理しておくのが倉庫業のビジネス、会社は、大手運送会社も倉庫を持っていると思うし、他では三井倉庫とか・・・」という答えが返ってきます。

間違いではありませんが、中高生の理解や解答と同程度であり、これでは業界に対する興味も湧いてこないでしょう。

よく考えればモノを運んだり、保管したりすることなしには、ほとんどの産業や生活が成り立たないことが分かると思います。そして運輸・倉庫会社がそのインフラの非常に重要な部分を担っているのです。

社会的な意義も大きい運輸・倉庫業界のビジネスモデルを理解して、この業界に興味が繋げるかを検証していきましょう。

運輸・倉庫業界の特徴とビジネスモデル

物流業界はモノを運ぶ、モノを保管することをビジネスにする業界なので、航空会社の空運、海運会社の海運、運送会社の陸運、鉄道会社の鉄道運輸、倉庫業、日本郵便、他周辺サービス業界をカバーします。この記事では物流業の中でも、運輸、倉庫業界にフォーカスをあてて解説します。

物流、物の流れを分解してみる

運輸・倉庫業界を理解するために、生産者からユーザーへの物流、物の流れの中で必要な機能を考えると、以下の6つに集約できます。

輸配送機能:

輸送と配送に分けて整理しておきましょう。輸送は「一次輸送」とも言われ、モノをA地点からB地点に運ぶことです。通常は長距離の移動を伴います。配送は「二次輸送」とも呼ばれ、近距離の複数個所に対する小口輸送と理解してください。一般的に、この輸送・配送のコストが物流にかかる全体の費用の約6割を占めます。

尚、「運送」という言葉は業界ではトラックを用いた輸送・配送のことを意味します。航空機や船舶によってモノを運ぶことは運送とは呼びません。

保管機能:

モノの流れを考える時に、モノの需要と供給のタイミングに必ずギャップがあり、モノを必要とするユーザーの場所もバラバラであることが分かります。生産者と消費者間の時間差を調整してできるだけタイムリー、且つ効率的にモノを届けるために、モノを一時的に保管しておく必要があります。また食料品などは冷蔵・冷凍倉庫など商品の品質や価値を維持する機能を持った保管施設も必要になります。送り先別にまとめるなどの「輸送調整」を行うのも、この保管業務にあたります。

 

倉庫業者、物流センターや配送センターが果たしている機能がこの保管機能です。細かく分けると、「在庫型物流センター(ディストリビューションセンター:DC)」「通過型物流センター(トランスファーセンター:TC)」「流通加工・在庫型センター( プロセスディストリビューションセンター:PDC )」、「フルフィルメントセンター:FC」に分かれ、保管するだけでなく流通に必要な加工も一部担っています。

包装機能:

物流の過程で起きるダメージを防ぐために、梱包材や包装材でモノを保護する機能です。

荷役機能:

物流センターや倉庫の内外で荷物を運搬・移動する作業工程、出入庫を行う業務を「荷役」と呼び、細かくは「荷揃え」「積み付け・積卸し」「運搬」「棚入れ(保管)」「仕分け」「ピッキング(集荷)」といった6つの工程に分かれます。

流通加工:

送り主からの委託を受け、物流センターあるいは倉庫内で送られてきた荷物を一旦ばらして、ラベル貼り(輸入品に日本語のラベルを貼る等)、値札づけ、ないしは商品のセット組み、ラッピング、衣料品の場合の検針作業などを行う業務です。

情報処理:

輸送中の荷物がどこにあるのか、どんな状態にあるのかをチェックしトレースできるようにする機能です。ロケーション管理や日付管理、作業管理データを入力して経路・温度・湿度などの輸送状況を確認・記録する業務で、蓄積されたデータはトレーサビリティや効率的な輸送の策定に活用されます。

物流は単にモノを運んだり、保管するだけではなく上記の6つの機能を果たしながら、モノをスピーディに、タイムリーに、品質を保ちながら量、時間、場所を調整して、在庫切れや過剰在庫を防ぎ、ムダなく、効率よく、経済的に商品を届ける仕組みを構築しているのです。

この一連のプロセスに対する価値の提供が物流ビジネスの本質です。

道路貨物運送業のビジネスモデル

トラック運送と宅配便業

物流プロセスの中で大きな役割を担っている道路貨物運送業は大きく「トラック運送業」と「宅配便業」の二つのビジネスモデルで理解しておきましょう。

「トラック運送業」は、荷主(多くは企業)から貨物を受取り、トラックなどの自動車を使用して目的地まで運送する事業で、運送業者が、荷主から運送依頼及び運賃の支払いを受け、運送業者自ら、もしくは運送委託契約を締結しているトラック運送会社に運送を委託し、集荷先からトラックなどによって配達先に荷物を届けるビジネスモデルです。

トラック運送業は、国内貨物輸送のうちトンベースで約90%、トンキロベース(貨物重量に輸送距離を乗じたもの)で約50%を占めていると言われています。

一方「宅配便業」は、消費者や企業などの不特定多数の荷主から小荷物を1個単位で受取り、地域別料金体系など、利用しやすい料金設定で運送するビジネスモデルです。

宅配便事業はヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の宅配大手3社が独占している状況で、この3社で国内取扱高の90%以上を占めています。

またメール便は日本郵便とヤマト運輸の2社のみが扱っているのが現状です。

3PLビジネスモデル

運送業界を理解するのに避けて通れないのが3PL(3rd Party Logistics サードパーティロジスティクス) というビジネスモデルです。3PLとは企業が物流(配送)を第三者してもらうことです。こう言うと「当たり前の事」と思うかもしれませんが、現在でも荷主(生産者等)が自社でトラックを持って運送をしていたり、倉庫を保有し製品を保管して、自社で物流の全て、もしくは一部をコントロールしている企業も多いのです。

3PLは企業の経営活動にまつわる物流の一切を一括して物流会社が請け負うビジネスモデルです。

本来生産者は製品・商品を生産するのが本業であり、物流は必要ではあるもののプロではありません。物流が本業である物流企業に荷物の配送・在庫管理、プランニングやシステム構築などの業務を任せることによって、生産者は物流に関わる車輛や倉庫、人材に投資する必要がなくなり、本業に集中して資本を投下して注力できるというメリットがります。

もちろん第三者に支払うコストが発生しますが、需給に応じた運用が可能な変動費になるため、無駄な資産を抱えなくてよい訳です。

物流会社にとっては自社の資産を最大限活用でき、収益をかさ上げできるチャンスになります。

委託された物流会社で必要な物流網(倉庫、空運、海運等)を持っていない場合は、それらを持っている最適な企業と提携をしてサービスを提供するビジネスモデルです。

この3PLは不況になった1900年代以降急拡大しました。このモデルは荷主を代行して最適なロジスティクス体制の構築・運用・改善をすることにあるため、荷主と同じ立場で課題解決に対する提案力必要なビジネスモデルなのです。

運行効率の向上が決め手のビジネス

運送業界、トラック運送業者の業務の向上は運行効率の向上が決め手になるビジネスです。運行効率とは、トラックという経営資源をどれくらい有効に活用しているかを測る指標です。

日本では最低5台以上のトラックを保有しなければ、貨物運送業の許可を取得できないため、最低5台から保有している全てのトラックという資源をどれだけ有効活用できているかの指標になるのが運行効率です。

運行効率は以下の式で算出されます。

運行効率=稼働率×実車率×積載率

それぞれの率は以下の式で計算できます。

  • 稼働率*は、延実働車両日数(日車)÷延実在車両日数(日車)
    • 保有する車両の運行可能日数に対して実際に稼働した日数
  • 実車率は、実車走行キロ数*(Km)÷総走行キロ数(Km)
    • 実車走行キロとは実際に貨物を乗せて走行した距離
  • 積載率*は、輸送トン数(t)÷最大積載能力トン数(t)
    • 保有する車両の最大積載量に占める実際の積載量の割合

最近ではこれらの指数はトラックに搭載されたデジタコ(デジタルタコメーカー)で記録され管理されるようになっています。トラックという資産が最大限有効活用されることがこのビジネスの鍵であることは記憶しておきましょう。

倉庫業のビジネスモデル

社名に「〇〇倉庫」という「倉庫」と名乗っている企業は数多くありますが、実際は倉庫を専業として事業を行っている企業は例外で、その実態は総合物流企業であり、また土地を活用しての不動産事業を行っている企業がほとんどです。

国土交通省が行っている調査でも「倉庫業の専業度が比較的高い事業者」の倉庫事業の営業収益の構成比率は、全体の四分の一程度です。運送事業が約二分の一、不動産事業は十分の一、その他事業が15%程度というのが実態です。ここでは倉庫事業にフォーカスしてそのビジネスの特徴を解説します。

倉庫業も物流の重要な役割を果たし、貨物の特性に合わせた様々な機能を提供しています。

具体的には、以下の業務に分けることが出来ます。

  • 検品:貨物の入荷に際して適正なものか個数に間違いがないか等を入荷伝票と現物を照合して確認
  • 入庫:貨物の特性に合わせて、決められた保管場所に入庫
  • 保管:入庫している貨物の保管・管理で、貨物の特性あわせて常温保管,低温保管,定湿保管,冷蔵保管,サイロ保管,タンク保管,野積み保管などを行う。それに伴う在庫管理、ロケーション管理、日付管理,先入先出管理
  • 流通加工:包装,詰合せ,ラベル張り,検針,荷札付,値札付け,組立,マーキング等、流通に必要な加工
  • ピッキング:出荷指示により商品を在庫から選び出す作業
  • 仕分・荷揃え:配送先別・方面別に仕分してトラック単位に荷揃えをする作業
  • 出庫:指定された時間に合わせて貨物を倉庫から出荷

伝統的な倉庫事業モデルと物流施設の不動産化ビジネス

倉庫事業の業績は物流量によって決まるため、物流量(入庫量)と所管面積のバランスが重要と考えれば分かり易いと思います。

所管面積が同じで入庫量が増えれば保管効率は向上、入庫量が減れば保管効率は低下します。また所管面積を増やしたにも関わらず入庫量が同じであれば保管効率は下がります。

倉庫業は巨大な装置産業でもあり、多額な設備投資が必要なビジネスです。物理的に所管面積を増やすためには投資が必要であり、新規参入が難しい業種とされていました。倉庫事業は安定はしているが収益性は低い業種であり、倉庫業は投資してから20年くらいかけて回収するビジネスとされ、規制にも守られ参入する企業は稀でした。

倉庫業は寄託貨物の保管・荷役で収益を上げるモデルのため、倉庫を新設する際は貨物ありきで倉庫規模を考えるのが常識とされていました。契約する荷主の保管量・入出庫の動きから、貨物量を換算、自社に見合う規模で倉庫を開発するのが常識であり、いきなり巨大な倉庫や物流施設をつくっても、それに見合う貨物を集めるのは非常に困難と考えられていました。

しかし、2000年に入ってからの規制緩和の流れで、外資系の物流会社がそれまでの日本になかった物流施設の不動産化ビジネスを国内で開始したことにより、状況は大きく変化しています。

真っ先に参入したのが外資系デベロッパーのプロロジスです。物流施設を専門に開発、所有、管理、運営するこの外資系企業のビジネスモデルは、国内、欧米、アジアの投資家から集めた資金をもとに個人資金をはじめ、企業年金も活用するなど、莫大なマネーを投じて施設を開発し、企業に物流センターの機能を提供して、その施設の賃料収入を収受するビジネスモデルを採用していることが最大の違いになっています。不動産賃貸事業に近いビジネスと考えても良いでしょう。

また3PL事業者は物流不動産ビジネスを利用して自社倉庫を持たない「ノンアセット型」物流サービス事業を展開し、大型物流施設の賃貸スペースを区割りし、新たにテナントを迎え入れて賃料を収受するサブリース(転貸)のビジネスモデルも行っています。

保管機能より配送センターの機能が重視される時代

ネット通販の急速な発展に象徴されるように、必要なものを必要な時に手軽に手に入れられる時代となったことから、製品はどんなに遅くても発注から1〜2週間で消費者の手に渡るものが多くなっています。このため倉庫も「保管機能」より輸送モードの異なる場面での「積み替え」や「配送センター」としての機能が重視されるようになっています。

貨物保管という目的に加え、コスト削減やサプライチェーンの最適化への対応が求められるようになり、高機能な自動化設備の導入や流通加工スペースの確保、保管以外の付加価値をつけた「配送型物流施設」のニーズが高まっているのです。

まとめ

物流ビジネスの中で中心となる運送業界と倉庫業界のビジネスモデルの大枠は理解できたと思います。単にモノを運び、保管して儲けるビジネス以上の知識は何となくでも理解できれば幸いです。

就活の初期段階では細かいところまで理解するより、その業界の社会的価値や、どのようにして、誰から売上・利益を得ているのかを掴んでおくことが大切です。

次のステップは、業界の現状と課題、そして未来について俯瞰しておきましょう。新卒時の就職はその後の人生を左右する重要なイベントです。自分自身の未来がかかっているので、更に業界研究を進めていきましょう。

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