エントリーシートに私の強みは「コミュニケーション能力が高いこと」と直接的な表現で書いている人はいませんか?
少し前までは長所や強みとして、「コミュニケーション能力」をそのまま訴求する学生が多かったのですが、就活対策が進んでいるせいか、別の表現でその能力を説明する学生が増えてきました。
別の表現とは「傾聴力」、「発信力」、「人を巻きこむ力」、「協調性」、「気配り」や「チームをまとめる力・チームワーク力」等々です。
「コミュニケーション能力」という非常に曖昧で、どうとでも取れる表現です。上記の表現は少しは分かり易いため、多くの就活マニュアルで推奨されています。一定の評価は出来ますが、大事なのは表現ではなくその中身です。
逆説的ですが、コミュニケーション能力は就活において、そして入社して社会人になった後も非常に重視される資質・能力であること間違いありません。
経団連が毎年行っている「新卒採用に関するアンケート調査」では、新卒採用の際に選考で重視する点として「コミュニケーション能力」が16年連続で1位となっています。
2019年卒を対象にした2018 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果では、企業が選考時に重視する上位5項目の要素を挙げ、コミュニケーション能力は82.4%で断トツ1位の重視要素となっていました。
この事実から、学生が就活、特に面接においてコミュニケーション能力の高さをアピールしたいと思うのは当然です。
企業も面接ではコミュニケーション能力をチェックします。8割以上の企業が重視しているので、これも当然です。
問題は、企業がどのように学生のコミュニケーション能力を判断しているかがブラックボックスで分からないことです。
そもそも「コミュニケーション能力」をどう評価するのかは、面接官の主観や相性によるところも大きく、明快な正解はありません。つまり、これをすればOKという万能な秘策はないことを認識して下さい。
そうはいっても、何らかの指針が欲しいというリクエストに応えます。悩んでいる方は、以下の「就活の答え」流、コミュニケーションの能力の評価を上げる方法を試してみて下さい。
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そのそも、コミュニケーション能力って何?
就活本や就活マニュアルを読んでいると、コミュニケーション能力の曖昧な意味を次のように定義してくれています。
- 社会生活において、他者と円滑に意思の疎通が行える能力
- 対人的なやり取りにおいて、お互いの意思疎通をスムーズにするための能力のこと
- 自分の意思を相手に伝達し、相手の意思を受け取り理解し合う「意思疎通」がうまくできる能力
- 人を理解し、人に自分を理解してもらう能力
これらは全て正解です。人が社会生活を行う上で重要な能力、基礎的な能力であり、特に多くの人と利害関係が絡む企業活動を推進する上では、「絶対に必要な、基礎的な能力」です。
就活における「コミュニケーション能力」の意味
コミュニケ―ションの機会は対面での会話や電話での会話だけではありません。メールの文章や書類のまとめ方等、ノンバーバルなものも含みます。
従って企業(面接官)は、あなたが書いたエントリーシートの内容や、文章の構成、論理的であり分かり易いか、等もしっかりみています。
一部の学生は「コミュニケーション能力」を対人能力、場を盛り上げる能力や、だれとでも仲良くなれる能力、空気を読む能力等に限って考えていますが、それらはコミュニケーション能力の一部であっても、全てではありません。ここを間違えないようにして下さい。
面接は対人コミュニケーションなので、質疑応答を通じて「面接官の意思を受け取り理解し、自分の意思を相手に伝達し、会話をスムーズに成立させて、自分のアピールしたい点を面接官の頭と心に残す」ことができれば良いのです。
相手(面接官)の発言を正しく理解できるか、自分が伝えたいことを適切に(相手に伝わるように)表現できるかの2点は特に重要です。
これができないと、話が違う方向に流れたり、沈黙する時間が生まれたり、一方的に長い発言なり、円滑な意思疎通ができないのです。
面接官は就活生の、姿勢、態度、声の大きさやトーン、目線や表情、質問の傾聴・理解力、発言内容、分かり易さ(人に伝えるために考えて発言しているか、早口になっていないか)、発言の仕方(構造)や説得力(論理性や話のまとめ方)、感情や雰囲気を読み取る力(感受性)、など、全人格的にあなたのコミュニケーション能力を評価します。
これをビジネスシーンに置き換えると、以下のようになります。
- 自分の視点を持つ能力(前知識としての情報収集や経験により自分の視点を持っておくこと)
- →相手の主張の論点や状況を理解できる能力、傾聴力含む
- →その上で自分の主張に対し有利となるよう諸々を調整する能力
- →その上で相手を説得するために、時にはロジカルに、時には感情に訴えて自分の主張を展開できる能力
- →相手の協力や合意形成へ最後まで努力できる能力
つまり、相手を巻き込んで、意思の疎通により、あるレベルの合意を形成して物事を前に進め、最終的に自分、自分達のメリット(お互いのメリットも含む)を得るように人を動かすことができる能力となります。
カンタンに言うと、「仕事ができる人」に共通の資質・能力です。企業がコミュニケーション能力を最重要視する理由はここにあります。そのポテンシャルをみています。
ここからは、面接ライブ風に面接官と就活生の質疑応答のsimulationです。あなたなら、この応答をどう思うか、良い応答か、あまり良くないのか、最悪なのか、自分ならどう答えるかを考えながら読んでいって下さい。
【面接ライブ】コミュニケーション能力を測る質疑応答例
別の質問で、確かめてみよう・・・
ここまでで志望動機に関する質疑は一旦区切られます
いかがでしたか。
面接は総合的な評価なので、上記の質疑応答だけで選考を通過させる、させない、を判断する訳ではありませんが、4人とも自分の最大の強みは「コミュニケーション能力です」と言い切っている場合は、その能力の指標でプラスの評価を得ることは難しいでしょう。
実際に普通以上にコミュニケーション能力がある学生でも、面接で発揮できなければ選考は通りません。
また業界や職種によって「評価するコミュニケーション能力は違う」ことを意識してエントリーシートの作成や面接に臨んでください。
具体的に言うと、対面での接客が重要な産業(小売・サービス業等)や営業職の場合、基本的な「意思疎通能力」は当然として、傾聴力、笑顔や協調性、共感力、人間関係構築能力は評価されます。
研究職や技術職、エンジニアの場合は論理的・構造的な思考力やそれに基づく発信力、分かり易く説明する能力は評価されます。
広告や出版などは、人を巻き込む力や表現力も重要です。
自己分析をやり込み、面接に備えよう
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面接でコミュニケーション能力にNGをもらわない方法
このようにコミュニケーション能力は複合的な能力であり、一朝一夕で向上できる簡単なものではありません。(そのため企業が最重要視しています)
だからこそ面接ではNGをもらわないことも重要なのです。
以下に即効性のある、面接でNGをもらわない方法を箇条書きにしておきます。
- 面接には時間的に余裕をもって臨むこと
- 服装、靴、髪型を整え、清潔感を保つ
- 疲れた表情を見せない。疲れていてもその時間だけは元気よく声を出す(特に第一声は特に大事)
- 正しい姿勢を保つ。ただしガチガチにならない程度に
- 相手を真直ぐ、目を見て、ゆっくり話すように意識を持つ(早口にならないこと!)
- 面接官を敵だと思わず、面接官を理解したい、分かり合いたいと思うこと
- 説明や説得をするのではなく、会話を通して自分を分かってもらえれば良いと考える
- 聞かれたことに対する結論を始めに、且つ明確に伝える意識を持ち実行する
- 説明する場合は客観的な事実を伝え、その上で自分の考えを伝える
- 無理に難しく話そうとせず、分かり易く伝える
- 質問の意味が分からなければ、確認する。分からないまま話さない
- 長くダラダラ話さない。会話が成り立つように適度に区切る
- 感情や熱意を表すのに躊躇しない。恥ずかしがらないこと
- 面接官の発言にはうなずきや相槌を適度に入れてみる
- はじめと最後の挨拶はちゃんとやること
もちろん、面接官の発言を傾聴しない、理解できなければ面接は通過できません。
面接官が、もう一度あなたに合って「話をして楽しかった」、「話を聞きたい」、「話をしてみたい」と思ってもらえれば面接は通過できます。
初期のころは緊張して余裕はないと思いますが、あなたが「話をして楽しかった」、「話を聞きたい」、「話をしてみたい」と思った経験を思い出して、その時の相手や面接官との会話やシーンを思い出して面接に臨むのも良い方法です。
コミュニケーションの本質は意思の疎通です。その基本を忘れずに、即効策を自分なりに取り入れ、あとは場数を踏んで面接のPDCAをまわしていきましょう。
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