総合職ではなく、一般職での就職を希望している就活生を対象に効果的な自己PRのまとめ方を解説します。
文系(事務系)総合職での経理や法務、人事といった事務職の職種別採用を行っている企業を志望する方も参考にして下さい。
Contents
一般職・事務職は総合職より競争が厳しい
上記の両者に共通するのは、総合職採用に比べて採用予定数が非常に少ない上に志望者が多い為、倍率が高く内定へのハードルが高いことです。
特に総合商社や大手メーカーの一般職や、知名度の高い人気企業の一般職は100倍以上の狭き門になります。
一般職・事務職を志望する就活生は、とにかくエントリー数を増やすことです。
そしてもちろん本人のおかれている環境・状況や職業に対する価値観にもよりますが、総合職でのエントリーも検討できるのであれば、総合職でエントリーする企業も増やしてみて下さい。
志望する企業によって違いはありますが、一般職の面接は総合職の後に設定している企業が多いです。
一般職での就活は競争が厳しく、選考が遅い為、総合職でのエントリーは早めの決断をしてエントリーを開始しておくことをお勧めします。
書類選考や適性・能力検査の結果や、面接初期の結果が思うように出ない場合は、切り替えが可能であれば是非早めに行ってみて下さい。
家庭環等や状況で勤務地に制約がある場合は、エリア総合職という採用区分を設けている企業もあります。
以下の記事も併せて読んで参考にしてください。
一般職での事務の仕事
一般職の事務の内容は、企業によって大きく違います。また、一般職に求めているものも違うため、企業ごとに細かくその内容を見ていく必要があります。
就活生の皆さんが、一般職の事務に抱いているイメージは、所謂「営業サポート、営業事務」のような仕事だと思います。
もちろん、営業サポート的な仕事を求めて、一般職での採用を行っている企業も多いのは事実です。
しかし、それらの仕事は派遣社員の方や、パート社員の方にお願いしているのが一般的になり、現在の一般職はかなり高度な専門的な事務を行うことを求める企業が多くなっています。
昔のように、「性格・人柄がよい」、「人をサポートするのが好き」、「気配りができる」だけで内定が獲得できると考えるのは危険です。
もちろん人柄や性格は採用で最も重視されますが、それだけでは厳しいのです。
一般職の仕事の内容を分類すると以下のようになります。
一般職の仕事の種類
- 営業事務・営業サポート業務
- 営業部門、もしくは営業チームで営業マン・営業ウーマンの業務補佐を行う。具体的には、連絡取次、営業経理サポート、来客対応、書類作成・管理サポート、基本的にはデスクワークですが、企業によっては営業に同行する場合もあります
- 部門・業務サポート
- 営業以外の部門の補佐業務。資料作成、データ処理業務、書類作成サポート、ファイリング等の業務や部門管理職の秘書的な役割
- 管理部門の事務
- 企業の管理部門である、経理や総務における事務。受付に人を配置している場合は受付業務も含まれる
- 秘書業務
- 秘書課での役員の秘書業務、社長の個人秘書業務
- 秘書業務の難易度は企業によって大きな差があり、語学力が必要な高度な秘書業務は専門職の採用区分としている企業もある
- 貿易事務
- 貿易事務は商社、メーカー、運輸(総合・海運・空運)企業、船舶等の、輸出・輸入を行う企業に必要な専門事務
- 通関手配、通関書類作成、運送手配、関税等の税務処理、商品の納入管理等が主な業務
- 海外企業とのメールや電話でのやり取りがあるため、TOEICであれば700点以上の英語力は必要
このように一般職の事務の内容は企業によって大きく異なります。エントリーの際は個別企業の一般職の職務内容を良く調べておかないと、ピントのずれた自己PRや志望動機になってしまうので、特に注意してください。
一般職に求められる資質
企業によって業務の内容は違いますが、社員や役員の活動の補佐業務、サポート業務、各種業務におけるデータ・資料・書類の作成や管理、来客対応等が中心という共通点はあります。
補佐・サポートのための事務に必要な人柄、長所、強みや能力をまとめると、以下のようになります。
- 真面目で誠実な性格
- 継続力、忍耐力、我慢強さ
- 緻密さ、正確性、几帳面
- 計画性があり、スケジュール管理が得意
- 応用力、勘の良さ、柔軟性がある、事務処理能力
- 素直な性格
- 向上心がある
- 協調性、適応能力
- 気配りができる
- サービスやサポート、チームワークに対する意識の高さ
- コミュニケーション能力、会話力
- 愛されキャラ、笑顔、明るさ
一般職でも総合職でも同じですが、ビジネスピープルとしての基本的なこと(清潔感、礼儀、ふるまい方、言葉使い)がきちんとできていることが大前提です。
一般職ではこれらの基本的なことは特に重視されます。面接では第一印象に大きな影響を与えるため、特に注意して下さい。
一般職に向いている人
一般職に向いている人の長所や強み、能力は人によって違いますが、共通している資質があります。
自分に以下の資質が有るか、無いか、強いか、弱いかを確かめてください。
- 人の立場でものを考える能力、習慣が身に付いている
- 自分勝手ではなく、人をサポートしたいと思う優しさがあり、自然にそれができる性格
- 協調性があり、気配りができる
- 物事を改善していく、向上心がある
特に歴史のある企業の場合は、能力や強みより、上記の人柄・性格を重視する傾向はあります。
もしあなたが「自分がリーダーとなって、物事を動かしていくのが好き・得意」な場合は、総合職の方がその強みを活かせるでしょう。
自分の良さ(人柄・長所・強み・能力)を活かせる業界や企業を選ぶことが先であり、総合職や一般職はその次に考えれば良いと思います。
自分の長所・強み・能力が活きる一般職を志望しよう
一般職を募集する企業の一般職がどのような内容であり、どのような配属が行われるのかは外からは中々分かり難いものです。
「一般」であるため、どんな配属、仕事でも柔軟に対応することが求められていることも事実です。
OB/OG訪問で一般職の具体的な話を聞くのが最も確実な方法ですが、全部の企業にOB・OG訪問はできません。
それでも、就活の口コミ情報や転職サイトを上手く使えば、かなりの情報を手に入れることができます。
社風や、働いている社員の価値観から、伝統を重視している保守的な、固い会社なのか、新興ベンチャーやIT系企業なのか、営業重視の体育会系の社風なのかでも、自分の人柄や長所、強みや能力の中で、どの部分を強調すべきなのかの想像はつくはずです。
企業のWEBサイト、IR情報、採用専用サイトのデザインやコンテンツ、活躍している社員の体験談等で、社員に求められている行動パターンや価値観を考えてみましょう。
例えば、志望する企業が営業重視の体育会系の社風であれば、企業が一般職に求めるのは営業補佐、営業サポートである蓋然性は高いと考えるべきです。
従って、自分の性格、長所、強みや能力のうち、営業補佐、営業サポートに活かせるものを自己PRの核にするか、少なくともその要素をいれておかないと選考を通過するのは難しくなります。
ここで重要なのが、営業チームがどういう構成になっているかという点です。男女の比率も大きなポイントになります。
同じ営業サポートでも、男性中心の営業チームか、女性中心なのか、それともほとんど差がない構成なのかで、営業サポートに求める人柄や長所、強みも変わってきます。
それを考慮せず、ステレオタイプの男性中心の営業チームを念頭にして自己PRを作っても、多くの醸成が活躍している営業チームのの場合は、面接官に女性が入ることも多く、かえって反感を買う場合あるので注意しましょう。
営業補佐、営業サポートに活かせるものを自己PRの核とする場合は、分かり易い表現で言えば「潤滑油」、「ムードメーカー」など、体育会のマネジャーのエッセンスを入れることになります。
「チーム(組織)をサポートすることで結果を出すことに喜びを感じる」、「サポートすることで貢献したい」、「チームを元気にしたい」というアピールが中心になるでしょう。
自分の一番の強みが「緻密さ、正確性」にある場合、それを核にして自己PRのエピソードを紹介する際も、エピソードの中に人との関わりにおいて「チームワークに対する意識の高さ、人をサポートしたいという気持ちや、気配り、協調性」を感じてもらえる表現を入れておくことです。
面接でも、明るさや笑顔を意識した応答をすることが重要になります。
一般職の自己PRは、「人をサポートし、組織の中での立場を理解して頑張ることが、結果として自分を最も活かすことになる」という部分を入れておくことが重要です。
総合職志望で書いた自己PRを流用する場合でも、「人や組織をサポートする立場」から紹介するエピソードの選択や表現を調整する必要があるのです。
一般職の自己PRを効果的に書く方法
一般職用の自己PRの書き方は、総合職用と特に変わりません。
結論パート:
- 結論を先に述べる:「私の強みは○○○を○○○する○○力です」(強みや長所、能力を具体的に表現する)
経験・エピソードパート:
- 長所の根拠である経験、力を発揮できたエピソードの概要を簡潔に語る
- そこにあった問題点と課題。課題に対して考えたこと、解決への動機
- 問題・課題に対してとった行動(努力や工夫)とその結果
まとめパート:
- あなたの強みや長所、能力のまとめと、学んだ事、成長した点を仕事へ活かす決意
「就活の答え」では、企業が社会人に求める能力を中心にして、自己PRの例文や面接での適切な返答方法を解説しています。
以下の記事も併せて参考にしてください。
総合職用と一般職用の自己PRの書き分け例:「集中力を強みとした場合」
最後に「集中力」を強みとする自己PRの例文の、総合職で志望する場合と、それを一般職用にアダプテーションした例文を参考例文として掲載しておきます。
総合職の場合は再現性を強調して、「集中力」が本当に身に付いていることと、様々な局面で活きていることを強調した例です。
一般職は、集中力をアピールすることは同じですが、チームの中での役割やサポートにも活かすという点を入れてアダプテーションをしています。
総合職の場合:
私は友人から「集中力の鬼」と呼ばれています。勉強や入試、部活、アルバイトも集中力で乗り切ってきました。
例えば大学入試ですが、高校でバトミントン部の部活に熱中していたため、受験勉強を開始したのが3年の夏休みからでした。そこから低6時間勉強して、絶対無理と言われた現役で第一志望の○○大学に合格できました。それから友人に「集中力の鬼」と言われています。
集中力が身に付いたのは高校受験からです。授業や学習に集中して物事に取り組むようになりました。高校受験では、毎日深夜1時半まで集中して勉強していました。
集中して物事に取り組む力は、大学の〇〇ゼミでの発表や、業務が集中する○○〇のアルバイトにも活きています。
ぜひ貴社の基幹業務システムで業務課題を解決していく事業に、持ち前の集中力で貢献したいと考えています。
(350文字)
一般職の場合:
私は友人から「集中力の鬼」と呼ばれています。
高校のバトミントン部ではダブルスに熱中していました。ダブルスではお互いのプレイをカバーしての攻守の楽しさや集中力を高める方法も学ぶことができましたが、受験勉強は遅れてしまいました。
受験勉強を開始した3年の夏休みから、毎日、最低6時間勉強して、現役で第一志望の○○大学に合格できました。それから友人に「集中力の鬼」と言われています。
集中力は「鬼」と言われる程ですが、性格はいたって温厚です。大学のバトミントンサークルでは、部費やスケジュールの管理、連絡業務の接点になってきました。飲食店のアルバイトでもシフトの調整役として店長からの評価を受けています。
ぜひ貴社の営業事務の仕事でも、持ち前の集中力を活かしチームのサポート役として貢献したいと考えています。
(347文字)
まとめ
- 一般職・事務職は総合職より競争が厳しいことを理解しておこう
- 総合職での選考も併せて検討しよう
- 一般職での事務の仕事の特徴を理解しよう
- 一般職の仕事の種類を理解し、志望する企業の一般職の仕事の中身を把握しよう
- 一般職に求められる資質を理解しよう
- 一般職に向いている人の資質の根幹
- 自分の長所・強み・能力が活きる一般職を志望しよう
- 一般職の自己PRを効果的に書く方法を理解しておこう
- 総合職用と一般職用の自己PRの書き分け、違いを例文で理解しよう
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