一般職を志望する就活生の多くが、以下のような疑問を抱きます。
- 「総合職」か「一般職」かを、志望する企業によって使い分けることは是か非か
- 「一般職」に求められる資質とは何か
- 「一般職」を志望する場合、「一般職」の志望動機はどう書けばよいのか
この記事は、「総合職」と「一般職」の違いを理解しており、その上で悩んでいる就活生に向けてのアドバイスになります。
「総合職」と「一般職」の違いが良く理解できていない人は、以下の記事を読んで参考にしてください。
学生の企業選びの本音では、「待遇(給与・福利厚生等)」、「勤務地」、「会社の社風・企業文化」、「ワークライフバランス」が上位4項目を占めています。
就活生の「職業」に対する価値観も個人によって様々であり、「自宅から通勤したい。転勤は嫌なので総合職はちょっと・・・」、「給与はそこそこ貰えればよく、プライベートに多くの時間を使いたい」という理由から「一般職」に絞って就活をする学生も多いのです。
様々な理由で「一般職」しか考えられない人は、その道を進めば良いです。一つ条件があるとすれば、「一般職」の特徴、メリット・デメリットを事前にちゃんと理解しておくことです。
Contents
大手の一般職は超難関
「一般職」は内定が取りやすい選択ではありません。
企業は一般職の採用数を減らしています。その理由は事務系の仕事を契約社員や派遣社員に置き換える、アウトソーシングする、IT化(クラウドサービス利用も含む)を進め自動化するなどの施策によって、直接的な収益(売上)に結びつかない間接業務の固定費を削減しているからです。
また、企業は従来「一般職」の多くを担ってきた女性人材に活躍の場をもっと広げて、第一線に出て活躍できる環境整備を加速しています。
サポート業務、間接部門がなくなることはありませんが、「一般職」の行う仕事は減っていく傾向にあるのです。
従って、大企業の一般職は人気が集中します。特に人気の高い総合商社や一般消費財メーカーの一般職は総合職より難関と言われているほどです。
誰しもが名前を知っている企業、就活人気の高い企業で「一般職」を募集している企業の場合、志望してくる学生のクオリティは高く、厳しい競争の中で選考を勝ち抜いていかなければなりません。
「一般職」に絞る就活でも、大企業を狙う場合は「難関」であることを覚悟のうえで就活を準備する必要があります。
「総合職」か「一般職」かを、志望する企業によって使い分ける是非
「一般職」に絞る時にするクリティカルな質問・自問
一般職に絞る就活を決める前に、「知名度のあまりない、中堅企業や中小企業でも一般職として働きたいか」を自問して下さい。
自然に「働きたい」と答えられる人は、そのまま走り続けましょう。
大手企業の一般職として働きたいが、知名度のあまりない、中堅企業や中小企業の一般職なら考えてしまう人は「大手病」の可能性があります。
「大手企業で、一般の総合職ほどヘビーではない仕事をしたい」というのが志望動機の本音ではないでしょうか。
それが悪いとは言いませんが、選考過程でそれが企業に伝わると、かなりの確率で選考を通過できません。
その志望動機では、大手ばかり受けて全滅も十分あり得ます。
- 自己分析を深く行い、適性診断の結果も併せて「自分を活かせるのは一般職だ」と自覚できている人は、大手だけではなく業界や企業の幅を広げて持ち駒を増やしておく必要があります。
- 「企業によって一般職と総合職を使い分けたい」と思っている人は、何故そう思うのかをもう一度、自己分析してみましょう。
その結果、どうしても決めきれない場合は、志望する企業によって一般職と総合職を使い分ける必要があります。
総合職と一般職では期待される人材の特徴、スキルセットや強み・長所が違います。
そして当然企業によっても違うため、ESの流用ができるのは一部であり、重要部分(ガクチカ、強み・長所、志望動機)の大半は書き換えて提出し、その記載内容を基にして面接に臨むことになります。
一般職に求められる共通の資質とは何か
企業はそれぞれ「求める人材像」を決めています。求める人材像のイメージは、総合職だけではなく一般職にも求められます。
その上で、多くの企業が一般職に期待するポイントを解説します。企業の中でサポート業務、間接事務部門の仕事を担う上で重視されるポイントです。
自分の特徴や強み、長所と以下のポイントの適合度が高い人は一般職向きと考えてよいでしょう。
- 真面目な性格
- 継続力、忍耐力、我慢強さ
- 緻密さ、正確性、几帳面な性格
- 応用力、勘の良さ、事務処理能力
- 素直な性格
- 誠実さ
- 協調性、適応能力
- 気配りができる
- サービスやサポート、チームワークに対する意識の高さ
- コミュニケーション能力、会話力
- 愛されキャラ、笑顔、明るさ
一般職でも総合職でも同じですが、ビジネスピープルとしての基本的なこと(清潔感、礼儀、ふるまい方、言葉使い)がちゃんとできていることが大前提です。
面接では第一印象が非常に重要です。その上で上記のポイントを力強く。時にはさりげなくアピールできるようにES対策、面接対策をたてておくことです。
一般職の内定に導く、説得力のある志望動機の書き方、説明の仕方
「就活の答え」では、内定に導く説得力のある志望動機の作り方を以下の記事で解説しています。
また、志望動機のロジックの組み立て方は以下のフローチャートを参考にしてください。
これらは「総合職」も「一般職」も共通に使えるメソッドです。一般職だからといって、別のものがある訳ではありません。
説得力のある志望動機を、一般職のフレームにアジャストして書こう
しかし、一般職の志望動機を書く場合、上記のメソッドからのアウトプットの仕方、具体的には「志望動機の書き方」は一般職用にアジャストする必要があります。
志望動機そのものは同じでも、書く時、話す時は「一般職」の仕事のフレームに合わせる必要があるのです。
例えば「就活の軸」が「世界の大きなビジネスに携わり、国際的な仕事がしたい」ので商社を志望する場合、それをそのまま商社の「一般職の志望動機」にしてしまうと、「何故、総合職ではないのか?」、「そうであれば総合職を志望すべきでは」という問いの答えにならないためです。
「何故、一般職なのか」にこたえるために、もう一段「商社の一般職」というフレームに、自分自身の就活の軸をはめる必要があるのです。
具体的には、「貿易事務のサポートや海外拠点のスタッフとの連絡業務に自分の強みである英語力を活かし、貴社の国際ビジネスに貢献したいと考え志望しました」という落とし込みをする必要があります。
業界や企業によって一般職が行う仕事が、営業のサポートや受発注管理、総務、経理事務、対面接客業務など様々なので企業研究やOG/OG訪問を通じて志望企業の一般職の仕事の特徴を理解しておく必要があります。
「なんとなく一般職」、「なんとなく事務職」では選考は通過できません。
「その企業ならでは」×「自分ならでは」の表現
ESの記載内容の中に「その企業ならでは」×「自分ならでは」の表現を入れておきましょう。
志望動機の欄に充分な文字数がある場合は、志望動機の中に盛り込みましょう。一般職の志望動機を読んでいると、「自分のこと」が書かれておらず、志望する企業の「良いところ」しか書いていないESがあります。
志望する企業の理念、事業の強み、社風、人等、企業側の情報を上げ、最後に「共感した、そういう企業で働きたいと思った」などでまとめても、「あなた」という存在が全く伝わりません。
最低限自分の就活の軸、自分自身の強みとその企業ならでは情報を結び付けておきましょう。
具体的に上記商社の例では「私の就活の軸は世界の人々と共に仕事を行い、その結果が世界の発展に結びつくことです。貿易事務のサポートや海外拠点のスタッフとの連絡業務に自分の強みである英語力を活かし、貴社の〇〇事業や〇〇事業に貢献したいと考え志望しました」という文脈を考えましょう。
メーカーであればその製品に興味をもったきっかけ、あなたにとっての意味、その製品の経験から一般職として貢献したいポイントに結びつけることもできるでしょう。
一般職として聡明な資質をアピールする方法
企業によって、部門によっても一般職に求める仕事の内容は違いますが、共通するのは何らかの事務ワークがルーティン業務としてあることでしょう。
営業サポートでも営業をサポートするための「事務」が必ず存在します。一般職に仕事を依頼する場合にとても重要なのが「呑み込みの早さ」、「正確性」、「指示したことは期待通りに、もしくは期待以上に」やってくれることです。
もちろん、仕事を覚えていく過程で身に付くことは多いのですが、面接時にはその「素質」をみることになります。
簡単に言うと生産性の高さであり、その能力が高いことで組織の仕事が円滑に回り、組織自体の生産性も上がります。
その能力に差が出るのは「傾聴力」、「理解力」、「正確性」、「迅速性」であり、一言でいうと「聡明な人」ということになります。
一から十まで細かく指示を出しても、間違いやミスが多ければ組織が円滑に回っていきません。
聡明さをアピールするためには、徹底的な企業研究が基本中の基本になります。志望動機の中にその企業ならではの強みや特性を理解していることを表現しておきましょう。
企業からの視点では「真面目に研究してくれている学生」と映り、向上心も感じます。面接では普通の一般職志望の学生では、そこまで調べないであろうと思える、「深い企業研究」に基づいた発言があると、「細かい点まできっちりしている、聡明そうな学生」という印象を受けるのです。
一言で言えば、「面接官(評価者)が見たいところをちゃんと押さえている=勘がいい学生⇒聡明」という思考回路が回るからです。
また事務系の資格、簿記やPCのスキルを証明する資格や外国語能力(留学含む)があれば、志望動機にそれらのアドバンテージを結び付けておくことで、同じく聡明さをアピールすることができます。
面接前に、もう一工夫しておくことでライバルに差をつけましょう。
一般職の志望動機でやってはいけないこと
以下のポイントは一般職の志望動機でESに書くべきではないこと、面接で言うべきではいことをまとめたものです。
一般職に限らず、就活全般では常識的なことですが、念のため箇条書きにしておきます。
- 待遇・福利厚生・残業や休暇、教育・研修制度を志望理由にしてはならない
- 本音はさておき、待遇・福利厚生・残業や休暇、教育・研修制度を志望理由にしてはいけません。特にメインのメッセージにした場合はESの通過もかなわず、即死すると思ってください
- 例外は女性の場合、メインではなく2番目、3番目の理由として女性の就労継続に対するサポートを上げるのはありです
- 自分の成長願望を志望理由にしてはならない
- 企業に入社して成長していくことは非常に重要であり、面接で成長意欲を表現するのは良いことです。しかし志望動機の結論が「私は成長したい」で終わる文脈になっていると、評価者によっては「あなたのために採用するのではない」、「そんなことも分かっていないのか」と✖をつけるので注意が必要
- 特に「成長させてもらいたい」、「学ばせてもらいたい」という表現は謙虚さは伝わるが、受け身の印象が強く出てしまい、非常にマイナス
- 事務だけを意識した志望動機や面接をしてはいけない
- 一般職は事務仕事だけではありません。PCに向かって仕事をすることは多いかもしれませんが、企業である以上、部門内、対外部門、仕入先企業との会議もありますし、顧客(企業・個人)との接点としてコミュニケーションのスキルを求められる場合もあります
- 組織の一員として、どう貢献できるかの視点は常に持ってESや面接に取り組みましょう
- 従って事務処理能力をアピールする場合でも、それ以外の強みや長所も表現するべきなのです。その強みや長所によって一般職として貢献できることは何かを考えて、志望動機を組み立てていきましょう
- きつい仕事はNGという印象を与えてはならない
- ESにダイレクトに残業や休暇のことが書かれていなくても、面接をしていると、その学生の仕事に対する意識がなんとなく伝わるものです
- 一般職を受けているという時点で、「転勤はしない範囲の仕事」、「残業がない、もしくは少ないことが前提の仕事」、「休みがちゃんと取れる、取りやすい仕事」を求めていることは企業の側に分かっています
- 従って、ESや面接であえてそれを口にしたり、感じさせたりする必要はありません。企業に就職した以上、組織の指揮系統の中に入るのは当然であり、仕事に迷惑をかけないことは(少なくとも姿勢としては)当然と考えるべきなのです
- 面接では「組織として仕事をする以上、その責任を果たすことを最優先にします」と答えておきましょう。実際には同僚と仕事を調整することもできるでしょうし、自分でコントルール出来ることもでてくるので、面接で心配する必要はありません
まとめ
以上、この記事のポイントを箇条書きでまとめておきます。
- 「一般職」は内定が取りやすい選択ではない
- 「総合職」か「一般職」か、を決めるには自己分析が必要不可欠
- 「知名度のあまりない、中堅企業や中小企業でも一般職として働きたいか」を自問すること
- 一般職に求められる共通の資質を理解して、ESや面接に活かそう
- 総合職でも通用する説得力のある志望動機を、一般職のフレームにアジャストして書く
- 「その企業ならでは」×「自分ならでは」の表現を志望動機に入れること
- 一般職として聡明な資質をアピールするために、企業研究をもう一歩深めよう
- 一般職の志望動機で、してはいけないポイントに注意すること
一般職の就活は決してやさしくはありません。
かつては大卒新卒の男性は総合職、女性は一般職がメインで一部総合職、短大卒は一般職という慣習のようなものがありましたが、現在では全くないとは言えませんが、社会常識は大きく変わっています。
一般職志望は職業に対する価値観によるため、就活生も迷いが多いのです。この記事でリンクを張った記事も参考にしながら、自分にベストな答えを見つけていきましょう!
志望動機が書けない時は、「志望動機作成ツール」を活用してみよう
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