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面接の自己PRでは、何が見られているのか
学生にとっての面接の目的は、自分を志望企業に売り込むことです。従って全ての回答は自己PRにつながります。
狭義では、エントリーシートに記載した、強み、能力、長所を、面接であらためて「あなたの自己PRをお願いします」、「あなたの強み・長所は何ですか?」という質問で聞かれます。
問題解決能力を自己PRのテーマとしてアピールしたい場合、どう話せば面接官に響くのでしょうか?自己PR質問の意図からおさらいしておきましょう。
面接官が自己PRや強み、長所の質問で知りたいのは次の5点に集約できます。
質問の意図:
- どんな人柄で、どんな特長(強み、長所)を持っているのか
- 物事に対する考え方、価値観、興味、取り組み方、態度・姿勢、行動特性
- 人柄や特長(学生の主張)の裏付けや経験、事実
- 人柄や特長を、どのように活かしているのか、活かそうとしているのか
- 魅力的で、印象に残す説明ができるか
どんな特長でもこの趣旨を理解して、それが伝わるような回答ができれば良いのです。問題解決能力をアピールする場合の大切なポイントを解説していきます。
自己PRで、問題解決能力を取り上げる場合の注意点
問題解決能力は企業が求めている能力の一つです。
実際に企業の中で、問題解決能力が高い人材は「仕事ができる人」として高い評価を受けます。理由はとてもシンプルです。企業活動には、些細な問題から経営を左右する大問題まで、常に問題が存在するからです。
分業が進む現在の企業活動では、レベルの差はありますが各部門に権限が委譲され、また各部門では業務遂行の責任が、役割に応じて個人に割り振られています。
実際の企業活動では、それぞれの部門、レベルの全てで業務が順調に遂行できる訳ではありません。
どこかで何らかの問題が発生し、スタックして全体の進行に悪影響を及ぼす場合や、問題が解決できずプロジェクトそのものが失敗してしまう場合もあります。
一部門の成績の悪さが、所属する組織全体の足を引っ張って、他の部門に迷惑をかけるということも日常的に起こります。
仕事では様々な局面において、問題や課題の解決が求められます。従って問題解決能力は、企業が求める資質であり、その能力は高く評価されます。
しかし文系の学生のESにもよくある例ですが、「初めて直面した問題、課題の解決策をインターネットで徹底的に調べて実施した結果、うまく行きました」というレベルの問題解決能力では全く説得力がありません。
「問題を解決する能力」はレベルの差はありますが、基本的に備わっていないと「企業人」とは言えません。
その意味では、取り上げやすい長所であり、差別化が難しい長所でもあります。自己PRにするためには「問題を解決する能力が高いこと」を証明しなければならないのです。
問題解決能力を自己PRのポイント、長所としてアピールするには工夫とコツが必要です。問題解決能力とは、具体的にどんな能力としてアピールすれば良いのか、問題解決能力を魅力的に語るためのポイントを解説していきます。
問題解決能力とは何か
あなたは「問題解決能力がある人」を、どうイメージしますか?
- 問題の原因が分析できる人、洞察力がある人
- 問題の原因を特定し、課題を設定、解決策を提案できる人
- 物事を論理的に考えられる人
- 問題解決のために、自ら主体的に行動を起こせる人
- 問題解決のために人に働きかけて、問題を共有、連携、協働して解決策を実行できる人
就活の文脈でいう問題解決能力とは何か
多くの学生が研究やゼミ、資格の習得、アルバイト、部活やサークルで直面した問題や課題に対しての問題解決能力をアピールします。このように具体的な経験を話すことは、問題解決能力の自己PRには絶対に必要なことです。
「何をどう問題解決したのか」という具体的な話は必要ですが、企業が知りたいのは、あなたがその問題をどういう問題として捉え、何のために、どう原因を分析し、どのように課題や解決策を導き出して、どう実行して、その結果何を得ることができたのかという点です。
その過程であなたが払った努力や成長を語り、あなたの具体的な能力と人柄を伝えることが大切です。
あなたが主体的に行動し、問題解決を「実行」した事実が重要です。
その意味で、「物事を調べることが得意です。検索をして問題点をみつけて、その通り行ったら問題が解決しました。」というレベルでは「強み」とは言えなません。
就活文脈の問題解決能力に必要な要素
就活文脈の問題解決能力をもう少し深く考えてみましょう。企業のニーズにマッチする問題解決能力の要素は以下のようになります。
- 目的・目標に対する意識の高さ
- 物事を予測する能力、リスクを事前に予測できる分析力、物事を客観的に評価できる能力、柔軟、多角的に物事を考えられる能力
- 問題の抽出、原因の特定、課題の設定、解決への具体的な戦略、解決策を立てられる力
- 自ら進んで問題の解決のため行動を起こせる主体性
- 人に働きかけたり、巻き込んで必要な助言やサポートを受けたり、連携・協働によって解決策を実行できる行動力
- 有効な戦略や解決策を提案する能力、プレゼンテーション能力
- 問題解決まで粘り強く取り組める、継続力や強い精神力、課題克服へのこだわり、執着心
- PDCA(Plan, Do, Check, Action)のサイクルを理解し、計画、実行、分析により、計画そのものを改善する能力
しかし、あなたが問題解決能力を自己PRのポイントにするならば、あなたが語るエピソードにこれらの要素が一部でも感じられないと非常に弱い自己PRになってしまいます。
選ぶエピソードは、「他人から設定されたものではなく、主体的に問題解決をした案件」の方がアピール力が高くなります。
ESであれば、提出する前に自己PR文をもう一度読んであなたのアピール、あなた自身が「志望する企業の仕事に活きる、ポテンシャルがある」という印象が残るかどうかをチェックポイントとして下さい。
もし残らなければ、あなたの自己PR文は「就活」という括りの中ではうまく機能していません。もう一度、就活文脈の「問題解決能力」の要素が際立つようにリライトして下さい。
問題解決能力を具体的に語ろう
問題解決能力と一言で言っても、フォーカスするポイントによって印象に大きな差が出ます。
アピールする際には、具体的にどんな問題解決能力なのかを定義して語ってください。
自分がアピールしたい問題解決能力とは何かをはっきり定義するべきなのです。上記の企業ニーズをヒントにしながら、あなたのエピソードから、あなた自身の問題解決能力を初めに語ってください。
問題解決能力のアピールポイントを語っただけでは誰も信じてくれません。
なぜそう主張できるのかを事実・経験に基づいたエピソードで証明しましょう。
問題解決能力の場合は、抽象的、観念的な説明は不可です。必ず問題が発生した状況と、解決した状況を比較し、問題解決の目標と結果を表現してください。数値化できるものは数値化して分かり易く説明しましょう。
エピソードはESに取り上げるメインを含めて、少なくとも3つエピソードを用意しておきましょう。
1つのエピソードだけでは根拠と言えず、仕事での再現性をアピールできません。2つの場合でも、どちらかのエピソードの評価がイマイチの場合、不安定であり、根拠が薄いという判断を受ける可能性があります。3つの場合、「自己分析をしっかりした上での強み」としての印象が強まり、面接官は根拠と再現性を評価しやすくなります。
深堀質問がこなくても、簡潔に複数のエピソードを紹介できるように準備をしておきましょう。
自己PRをエントリーシートに書くために、あなたの強み・長所は事実・経験から抽出していますね。その過程で使用したエピソードの展開フレームを面接にも応用しましょう。
問題解決能力を上手くアピールするために、次の強み・長所を上手に伝えるパターンを応用してください。
強み・長所を上手に伝える基本パターン
- 結論を先に述べる:「私の強み・長所は○○○を○○○する問題解決能力です」(強み・長所の問題解決能力を具体的に定義し、表現する)
経験・エピソードパート:
- 強み・長所の根拠である経験、力を発揮できたエピソードの概要を簡潔に語る
- そこにあった問題点と課題。課題に対して考えたこと、解決への動機
- 問題・課題に対してとった行動(努力や工夫)とその結果
まとめパート:
- 問題解決能力のまとめと、仕事への活かす決意
あなたが達成した結果、成果そのものより、具体的な取り組みやプロセスを以下のポイントを織り込んで話してください。
- 問題解決の目的:何のために問題解決をしたのか
- 問題の原因をどういうアプローチで分析し、特定したのか
- どう解決策をみつけたのか、どんな解決策をとったのか、何故その解決策だったのか
- 問題の解決へ向けて、どんなアクションを取ったのか
- 問題解決の結果と、その体験から学んだこと
- 一部失敗した点があれば、失敗から学んだ点は何で、その後どういう行動をとったのかを簡潔に語りましょう
暗記した文の棒読みはだめです。キーワードをしっかり頭に入れて、会話で伝えることを心がけましょう。
問題解決能力のアピールの場合は、その能力がたまたま発揮されたものではなく、しっかりと身についたものとしてアピールする必要があります。
面接官も「あなたが問題解決能力を発揮した他の事例はありますか?」と堀下げてきます。必ず複数のエピソードを準備してください。
コロナ禍の学生生活では、面接官が経験したことのない問題に向き合い、それを解決したことがあったと思います。ちょっとしたエピソードでも構いません。
「強み」の再現性を証明する意味でも、複数のエピソードを語れるように準備しておきましょう。
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問題解決能力を自己PRする場合の回答例
社会に役立つロボットの研究室に所属して、レスキュー用のロボットと探査用ロボットの研究をしています。
ロボットの研究は機械、電気・電子、情報、制御の知識が不可欠であり、研究室では得意分野を分担して受け持ちながら、連携してロボットの開発、実験を行っています。
私はある探査用のロボットのプロジェクトのサブリーダーとして、関わる学生の全体を俯瞰し、スケジュールとタスクの管理も行っていました。私の担当した探査ロボは、ほとんどゼロからのスタートで、部品の設計から行うような状況でした。
開発の段階では何度も動作実験を繰り返して、うまく行かない場合は原因の分析のためにデータ解析を行います。私はサブリーダーとして、全員に参画を呼び掛け、解析データを開示して原因について話し合う機会を定例化しました。メンバーにとってもゼロからのスタートで不安の方が先に立っていたため、チームの意識の強化を図るためにもあえて全員参加を求めました。
たとえば、明らかにある部品の設計に問題があると分かった場合でも、設計を担当した学生を責めるのではなく、問題の原因を共有することで、チームの連携意識を高め、同じ問題が他のパートでも起こらないようにリスクを減らしました。
ロボットの開発と実験は毎日このようなことが起こり、気の遠くなるような地道な研究を繰り返し、毎日問題と向き合ってその都度、解決策を施していきます。
その結果、研究課題であったジャイロセンサー搭載の探査ロボットをチーム一丸となって完成することができました。
毎日発生する問題に向き合い、粘り強く成功、失敗、改善を繰り返して完成まで導けたことは、大きな成長につながりました。サブリーダーとしてプロジェクト全体の成功に貢献できたと思います。
社会に出たら、仕事の現場でも、毎日何らかの問題に直面すると思います。私はこの研究で培った問題解決能力で、粘り強く仕事に取組み、チームの一員として御社に貢献したいと考えています。
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