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就活を止めることを考えるタイミング
早い時期に内定を獲得できた人も、内定獲得を目指している人も、いつかは就活を終わることになります。内定を獲得できていない学生は、内定を獲得できたときが、「就活を止める」きっかけにはなるでしょう。
悩ましいのは、「その内定で就活を終えていいのか?」という考えが常に頭に浮かぶことです。内定を獲得できた会社が、自分の中で断トツの第一志望であれば、即断即決で決められるでしょう。
それ以外の場合は、とても悩みます。
特に自分の中で志望順位の高い業界や、企業の選考が進んでいる場合は、その選考が終わるまでは就活を終わりたくないと思う学生がほとんどです。
現時点で他の選考が進んでいない場合は、「本当にこの会社に、自分の将来をかけて良いのだろうか?決めて良いのだろうか?」という悩みが頭をもたげてきます。
更に周囲、特に親から内定を出してくれた会社に関して疑問視される、または質問攻めにあって不安になってくるということも出てきます。
いったい何時まで就活を続ければ良いのでしょうか?先輩たちは、どのように就活を止める、または続けるという判断をしてきたのでしょうか?調査データを含めて解説していきます。
就活を止める時期を学生はどう考えているのか
株式会社リクルートキャリアの就職未来研究所の調査によると、2021年卒の2020年5月1日現在の内定率は45.7%でした。
コロナ禍の状況であったため、2020年卒の同時期より5.7%のマイナスにはなりましたが、それでも政府が要請している6月1日選考開始というスケジュールの1ヵ月前に約半数の学生が内定を獲得していたのです。
また2022年卒の5月1日時点の内定率は51.3%となり、コロナ禍以前と同水準となり、5月15日時点では59.2%という高水準になりました。
内定企業への入社意向を示す、22年卒の2021年5月15日時点進路確定率は39.1%という結果です。同調査での5月15日現在の就職活動実施率は65.8%であることから、5月中旬の時点では、約4割の就活生が就活を終え、約6割が就活を継続してることが分かります。
2021年卒の先輩が就活を終えた時期
内閣府では「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査」を実施しています。令和2年度(令和2年11月30日)のデータでは、2021年卒の先輩が、「就職活動が終わったと考える時期」を以下のように明らかにしています。
大学 4 年生・大学院 2 年生、公務員・教職員志望者除く:
具体的に、就活終了予定時期に関して、就活生全体の5月1日時点での予想は以下のようになっております。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 |
1.7% | 3.3% | 8.7% | 17.1% | 28.3% | 64.2% | 87.6% | 92.0% |
概況的には7~8月末までで約9割の学生が就活を終たと答えています。
政府の要請に基づいて採用計画を決めている大手企業の選考結果は6月中、遅くとも7月には出る事と、7月までに就活を終えて4年生最後の夏休みをエンジョイしたいということが大きく影響していると考えられます。
逆に約1割弱の学生は8月以降も就活を続けていたことが分かるデータです。
就職活動を継続する理由
少し古いデータにはなりますが、リクルートキャリアが発表した2019年卒対象者の2018年5月1日時点内定率調査では、内定を承諾または辞退の意思決定に必要なものは何かも調査しています。(複数回答)
他社との比較検討 | 83.3% |
自分自身の決断(気持ちの整理) | 61.7% |
他人からのアドバイスや後押し | 18.1% |
企業・団体への就職以外の進路 | 3.7% |
その他 | 1.8% |
また、同調査では、5月1日時点での内定取得者の承諾、保留、辞退に関して、就活生が行った企業への実際の対応と本心を調べた結果は以下の通りです。
実際の行動 | |
承諾(内定・内々定を受け入れた) | 21.2% |
保留(待ってもらった) | 61.1% |
辞退(入社意思がない旨を伝えた) | 17.7% |
5月15日という段階では、実際の対応として内定を獲得した就活生の6割が保留として、2割弱の学生は辞退していたことが分かるデータです。
また同時点の本心は、以下のような結果でした。
本心 | |
承諾(入社するつもり) | 23.7% |
保留(入社するか未定) | 37.9% |
辞退(入社しないつもり) | 38.4% |
本心でも、未だ納得しきれていない就活生の方が多いことが分かります。
「実際の対応」別にみる「本心」の割合 に関しては、実際の対応として内定を承諾した就活生は内定獲得者の83.8% でしたが、本心では保留であった就活生はそのうちの14.1%という結果でした。
本心 | ||||
承諾 | 保留 | 辞退 | ||
実際の対応 | 承諾 | 83.8% | 14.1% | 2.1% |
保留 | 9.6% | 56.5% | 33.9% | |
辞退 | — | 2.6% | 97.4% |
結果的にその会社の内定承諾をするとことになっても「他社と比較して決定したい」、「自分自身の気持ちの整理をつけたい」と考えている学生がほとんどです。
自由回答として、「ある程度内々定の会社が出たところで一通り比較し直したいと思っている」、「将来のキャリアビジョンや給料体系、働く仲間等を総合的に判断して決めたい」、「内々定を頂いた企業よりも志望度の高い企業から 内々定を頂けたら辞退する。頂けなかったら承諾する」、「自分が具体的にその会社で働き活躍するイメージができるかどうか」等の意見が寄せられています。
まさに皆さんの実感と同じではないでしょうか。新卒での就活は一生に一回の大事な機会です。じっくり選びたいと考えるのは当然です。
就活の終了か、継続かを決めるのは自分自身の納得度
就活のゴールは内定獲得数、内定獲得時期を競うものでもありません。勝ち組と呼ばれているような企業から内定を獲得することでもありません。
自分の就活が上手くいっていない場合、上手くいっている学生のSNSを見て落ち込んだり、心無い友人の内定マウント的な発言で傷つくこともあるでしょう。
内定獲得数、獲得時期、友人の内定との比較は、あなたの就活のゴールとは、全く関係ありません。更に言えば、「内定」そのものも就活のゴールではありません。
就活のゴールは、「あなたに最も適した企業を見つけて、あなたらしく活き活きと働ける企業に入社する」ことです。
沢山の内定をとっても、入社できるのは1社しかありません。
早く内定をとっても、納得できなければ就活は続きます。勝ち組と呼ばれるような企業に入社することが、幸せな人生を保証するものでもありません。
就活の終了時期を決められるのは、あなただけです。そして、その基準はあなたの納得度しかありません。
自分が「納得できる」と思えるまでは就活は続けるべきなのです。現在1社の内定を獲得していて、内定承諾を決断できなければ、残りの就活を頑張ってみましょう。
そこでもう1社内定を獲得できれば、その2社をじっくり比較できるため、自分の決断に対しての納得度は上がります。
頑張っても、結局複数社の内定が取れない場合もあるでしょう。
しかしその場合でも、自分は最後まで頑張ったという事実が残り、頑張った上で内定を受け入れることになるため、自分の結論への納得度が上がるのです。
自分の中で断トツの第一志望の内定以外は、就活をもうしばらく続けることをおすすめします。どんな結果になるにせよ「やり切った感覚や経験」はとても大きな財産になります。
「あぁ、やっぱりあの時就活を続けておくべきだったかなぁ」という後悔をしなくて済みます。最終的に内定を受け入れる会社への覚悟も固まります。
就活は精神的にも、肉体的にも非常にタフなイベントです。就活を乗り越えることは、間違いなく成長に繋がります。あと数か月、「やり切った」」と、自分が納得できるまで続けましょう。内定を得ていれば止めるのはいつでもできます。キーワードは「納得感」です。
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