2025年卒就活の一般選考ルートの広報解禁は2024年3月1日です。
この記事を更新したのが2023年11月29日なので、広報解禁まであと3ヵ月あまりというタイミングです。
既に就活の準備を早期に開始し、夏・秋のインターンシップにも数多く参加して志望業界や志望企業も既に決まっている学生も多いと思います。
更に、エントリーシートの提出、適性検査、面接まで一通り経験し、早期内定をもらっている方もいるでしょう。
現在の就活は、年々早期化しており、政府が要請している選考スケジュールは形骸化しています。
それは次のデータからも読み取れます。
Contents
2024年卒の学生モニター調査(2022年11月後半時点)から読み取れる傾向
就活情報サイト「キャリタス就活」を運営している株式会社ディスコ キャリタスリサーチでは、2024年卒の学生モニター調査(2022年11月後半時点)の就職意識調査データを公開しています。
2025年卒の就活生はこの調査をご自身でチェックしておくことをお勧めします。
ネット上に公開されているので、「キャリタスリサーチ 2024年卒の学生モニター調査」で検索してみて下さい。
この記事ではこれらの調査データから重要なポイントをピックアップして、分析を加えて解説しています。
前年より速いスピードで就活生は動いている
2024年卒の学生で、大学3年の11月後半時点で志望業界が「明確に決まっている」と答えた学生の割合は31.5%にのぼり、前年同期の調査の30.0%を上回っていました。
引き続き、かなり早いペースで就活準備が進んでいたことを物語っています。
全体 | (全体前年) | 文系男子 | 文系女子 | 理系男子 | 理系女子 | |
明確に決まっている | 31.5% | 30.0% | 29.3% | 18.5% | 45.0% | 40.7% |
何となく決まっている | 46.6% | 47.1% | 47.7% | 54.5% | 38.7% | 41.5% |
決まっていない | 21.8% | 23.0% | 23.0% | 27.1% | 16.3% | 17.8% |
「なんとなく決まっている」と答えた学生の割合は、46.6%であり、「明確」、「なんとなく」を合わせると78.1%、全体の約8割の学生が11月後半の段階で志望業界を絞っていることが分かります。
同じ調査で就活準備イベント(インターンシップイベント、業界研究イベントなど)への参加状況を聞いたところ、会場型に参加は全体の62.5%、オンライン型では94.6%、参加回数でも会場型は平均2.8回、オンライン型では7.7回にも達していました。
全体 | (全体前年) | 文系男子 | 文系女子 | 理系男子 | 理系女子 | |
会場型に参加 | 62.5% | 52.9% | 63.8% | 69.0% | 56.4% | 56.0% |
オンライン型に参加 | 94.6% | 95.6% | 93.7% | 95.8% | 95.7% | 91.1% |
全体 | (全体前年) | 文系男子 | 文系女子 | 理系男子 | 理系女子 | |
会場型の参加回数(平均) | 2.8 | 2.4 | 3.1 | 2.8 | 2.7 | 2.1 |
オンライン型の視聴回数(平均) | 7.7 | 8.6 | 7.3 | 8.0 | 7.8 | 7.3 |
更に企業が主催するインターンシップへの参加状況では、2024年卒者の91.4%がインターンシップに参加したと答えています。
インターンシップ等の参加社数を聞いたところ、1日以内のプログラムでは平均7.0社、2~4日間のプログラムでは平均2.7社、5日以上のプログラムは平均1.4社という結果でした。
全体 | (全体前年) | 文系男子 | 文系女子 | 理系男子 | 理系女子 | |
1日以内のプログラム | 7.0 | 7.0 | 7.7 | 8.0 | 5.4 | 6.1 |
2~4日のプログラム | 2.7 | 2.7 | 3.0 | 2.5 | 2.5 | 2.4 |
5日以上のプログラム | 1.4 | 1.3 | 1.2 | 1.3 | 1.5 | 1.6 |
インターンシップに参加した時期と割合も前年とほぼ同じレベルで推移しています。
例年ピークを迎える夏インターン(8月)では前年に比べ増加(79.3%→81.7%)したものの9月以降は、やや減少傾向がみられました。
出典:2024年卒の学生モニター調査(2022年11月後半時点)の就職意識調査 キャリタスリサーチ
この調査では、就職戦線全体の見方も学生に聞いています。
就職戦線が1 学年上の先輩たちに比べてどのようになると見ているのかを、2022年卒生、2023年卒生、2024年卒生の比較でみたのが次のグラフです。
出典:2024年卒の学生モニター調査(2022年11月後半時点)の就職意識調査 キャリタスリサーチ
2022年卒の先輩は、コロナ禍の影響が大きかったため、2020年11月時点では「就職戦線がより厳しいものになる」と考えていた人の割合は38.5%にも達していました。この時点では、先行きが見通せず、大きな危機感を抱いていたことが分かります。
2023年卒、2024年卒の先輩たちは、コロナ対策が効果を発揮して、収束がみえてきたため、より楽観的な見方をしていました。
実際に内定率もコロナ前の「売り手市場」の状況に近く推移し、2024年卒の内定率はコロナ前を超えるほどの好調さとなっています。
2025年卒の皆さんの実感は、インバウンドの復活を含む、世の中全体のアフターコロナ需要と、多くの業界が人手不足の状況となっていることから、「就職」や「仕事」について、更に楽観的にみていることが予測できます。
企業側の2025年卒者に対する採用方針
それでは次に、企業の採用活動・予定を、同じく株式会社ディスコ キャリタスリサーチによる、2025 年卒・新卒採用に関する企業調査-内定動向調査(2023 年10月調査)で検証していきまいしょう。
この調査では1,238社(上場企業213社・非上場企業1,025社)を対象に、2024年卒・新卒採用に関する実態と共に、2025年卒の採用に対する取り組みや方針を調査しています。
以下はその調査の2025年卒の採用に関する部分のデータを基に、分析を加えたものです。調査の詳細はWebで公開されていますので、2025年卒の就活生は、是非ご自身で検索して参照してみることをお勧めします。
採用見込みは、約6割の企業が2024年卒並み、約2割の企業が増えると回答
この調査(2023年10月時点)では、2025年卒者の採用見込みについて、56.5%の企業が2024年卒と同様、21.7%の企業が増えると回答しています。
出典:2025 年卒・新卒採用に関する企業調査-内定動向調査(2023 年 10 月調査)キャリタスリサーチ
従業員規模が1,000人以上と大きい企業の方が、「増える」とした割合が31.8%と全体平均を10ポイント以上、上回っていることは、2025年卒の就活生とっては心強いデータだと思います。
自従業員規模が300人から999人の中堅企業では、採用人数が増える見込みと答えた企業の割合は21.1%、2024年卒と同程度は58.2%であり、全体平均とほぼ同じ割合となっています。
中堅企業にとっては人材獲得競争が激しくなっている背景から、採用活動を積極的に行っている傾向がみられます。
2025年卒:企業の採用活動の開始時期の実態
出典:2025 年卒・新卒採用に関する企業調査-内定動向調査(2023 年 10 月調査)キャリタス リサーチを基にグラフ化
上記のグラフでも分かるように、3月1日の就活広報解禁日までに、既に63.7%の企業がエントリーの受付を開始しているか、開始する予定と答えています。
更に約1/2(49.6%)の企業が、3月1日前に面接を開始しているか、する計画と答えていました。
面接を開始するということは、それ以前にエントリーシートの選考を実施、WEB試験・筆記試験等の適性検査も行っていると考えてください。
更に内定出しのタイミングに至っては、3月1日前の時点で30.2%の企業が内定を出すか、出す予定と答えており、3月中迄カウントすると全体の半数以上(52.2%)の企業が3月中に実質的な選考を開始し、かつ内定を出す予定としているのです。
各実質選考開始は年々早期化しています。しているスピード感です。
特に1月中までにエントリーを受け付け、1月、2月の段階で面接選考を開始する企業が増加傾向です。
政府が企業に遵守を要請している就活スケジュールによる、選考開始日は6月1日ですが、6月1日以前に内定出しを開始するとしている企業は8割以上(85.2%)にも達し、政府の要請を遵守して6月以降に内定を出すとしている企業は14.8%にしかすぎません。
もちろん本格的に就活が解禁になるのは3月1日からということにはなりますが、実態としては建前にすぎず、皆さんが名前を言えるような企業の殆どは、遅くとも3月から選考が行われ、5月中に春採用の実質的な選考を終えると考えておいてください。
以下は、一般採用ルートの就活広報解禁まであと3ヵ月あまりというタイミングで、どういうスケジュールを引いて就活を進めるべきかを学生の意識と企業側の採用方針から逆算した分析になります。
12月、1月、2月の3ヵ月の取り組みで、納得のいく就活の答えをみつけよう
就活生の意識と企業側の採用方針のデータを読み込んで、就活生が一般選考ルート、就活広報解禁前3ヵ月で行うべきことをまとめてみます。
2025年卒の就活生でも、その準備の進捗レベルはバラバラでしょう。
危機意識を高め、3年になっての早期からコツコツと準備を行い、夏・秋のインターンシップ参加や、具体的な選考に入ってすでに面接も何回か経験している方も多いと思います。
また外資系企業や日本企業でも通年採用や早期に採用活動を行っている企業から、すでに内定・内々定を獲得している方もいると思います。
一方、2025年卒の皆さんは、世の中のコロナ自粛が完全になくなり、平常化となったのが2023年春なので、大学3年生は目いっぱい、キャンパスライフを取り戻す時期として、例年より就活準備を先送りにしている方も多い傾向です。
更に、学生が有利な「超売手市場」という報道から、「就活を急がなくても大丈夫」、「何とでもなる」と考えている方もいるっでしょう。
一言で言えば、二極化が更に進んでいます。
12月や1月に、あるいは3年の後期を終えて、休みに入ってからはじめて「就活」準備に手を付ける方もいるでしょう。
このように準備のレベルに個人差があるために、一概に推奨のスケジュールを提案することは難しいのですが、3月1日の本格的な就活解禁まで3ヵ月を切ったタイミングで、「やるべきこと」の共通項を以下にまとめておきます。
就活生が12月から集中してやるべきこと
- (まだ登録していない学生は)リクナビ、マイナビ、キャリタス等の大手ナビサイトに登録
- 志望する業界を最低3~5業界とするため、業界兼研究→企業研究をして、自分が志望したい企業のリストアップを行う
- リストアップしている企業で、冬インターン(1月・2月開催)がある場合で、申し込める場合はトライする
- インターンシップ以外でも、企業のセミナーや説明会、企業主催のイベント等のスケジュールをこまめにチェックして参加できるものは参加すること
- 志望業界が固まっていない就活生は、合同企業説明会や小規模な説明会に足を運び、自分の興味が持てる業界があるかをチェックする
- リストアップした企業の選考情報の入手、スケジュール、過去のESを入手、把握して自分バージョンでドラフトを作成してみる
- (ESを書くには、自己分析→自己PRが出来ていないと書けないので、当然それに取り組むこと)
- 志望業界・志望企業の適性検査(WEBテスト・テストセンター・筆記試験等)の内容を把握し、それに沿った対策、問題集をやりこむ
- SPIと玉手箱は多くの企業が採用しているため必須と考えて取り組みましょう。それ以外に志望企業のテスト情報を入手し、対策を練ること
- 企業からのスカウト情報を無料で提供してくれるサイト(逆求人型スカウトサービス)に登録して、興味がある企業からのオファーであれば実際の面接選考(オンライン・オフライン)を受けてみる
- OB/OG訪問ができる環境にあれば、コンタクトをとってスケジュールを確認。今すぐできない場合はコネクションを探す行動をとる。
- ただし目的はリアルな(Webや説明会では聞けない)情報をとることです。手段を目的化しないこと。できる場合はオンラインで効率的にやりましょう)
- (未購入の人は)リクルートスーツ・シャツを購入
- (未購入の人は)リクルート用革靴を購入
- (未実施の人は)証明書写真の撮影(写真館でプロに撮影してもらい、微修正して仕上げてもらおう)
- 以降、就活に集中できるように、それ以外の活動やプライベート・マターを調整・整理すること
「こんなにたくさんできないよ!」思う人は、既に行っていること、行っているが十分でないこと、未実施のことを整理して、12月と1月もしくは2月までのスケジュールを切っていきましょう。
ただし、1月・2月にも追加してやるべきことはあります。
12月に就活を開始して、「出遅れてしまった!」と思って悲観することはありません。まだ十分キャッチアップできますし真面目に取り組めば、3月以降でも加速度的に成長できます。
焦ってしまい、スケジュールやタスクを詰め込み過ぎて、かえってドツボにはまることもあります。集中して取り組むことは必要ですが、体調を崩したり、精神的に疲労し過ぎたりするのはかえって危険です。
適度に休みや、息抜きを入れて自分に最適なスケジュールを組んでスタートしましょう。
そしてそれを随時見直して、集中する時は集中してPDCAをまわしていくことを心がけてください。
就活生が1月にやるべきこと
- 基本的には12月にやるべきことと同じですが、未実施のものは即行動に移して実施することと、それぞれの活動の密度を上げて、精度を高めることが重要です
- 例えば12月には志望企業5社分のESしか作成出来なかった場合、1月ではさらに10社分のESを作成するという量の面と、出来上がったESや履歴書を信頼のおける第三者にチェックしてもらいアドバイスを受け、改善して精度を上げるというように、量と質両面の改善を行うことを目指してください
- 適性試験対策であれば、問題集を2周目、3周目と問題に慣れること、また志望企業がマイナーな試験を採用している場合は、その対策をするなど、質と量の改善を行いましょう
- 業界研究から企業研究を深化させ、自分独自の視点をつくること、それをESや面接対策に活かすことを工夫しましょう
- 企業説明会、企業イベント、インターンシップに参加。OB/OG訪問をして社会人とのコンタクト、会話の機会をできるだけ多く持つこと(オンライン・リアル両方)→面接慣れのため
- 実際の面接を経験してみる
- スカウトサイトからのオファーや早期選考を実施しているベンチャー企業や中堅企業にエントリーして、実際の面接を経験する(オンライン・リアル両方)
就活生が2月にやるべきこと
- 1月に行うべきことの質量両面での更なるレベルアップ
- 具体的な志望企業の絞り込みとプライオリティ付け
- 面接対策に集中して取り組む
- 志望企業の選考スケジュールを精査して把握しておく
- 就活に必要なアイテム、オンライン環境の確認と準備
- 3月以降は超過密スケジュールになることを想定して、アルバイトやプライベート活動の整理・調整を行う
- 体調やメンタル面の管理
- 無理し過ぎて体調を崩すことや、逆に夜遊び等を控えるなど、就活に集中できる体制を整えましょう
純粋な準備ではなく、エントリーを解禁している企業で、「興味がある」、「面白そう」と思ったら、積極的にエントリーをしていきましょう。
エントリーすることによって、自然に「就活」の流れに乗れます。
所謂実戦で鍛えていくことが可能であり、本命企業の選考に役立てていきましょう。
この3ヵ月はまだまだ助走です。3月以降がメンタル的にも肉体的にも本当にきつくなります。できるだけ余裕をもって就活に臨むには、準備をちゃんとしておくことが何よりも大切です。
スポーツ選手が練習も、練習試合も、試合直前のウォーミングアップもしないで試合に出て勝てることはまずありません。
どんなに才能がある選手でも、そこに行きつくまでには人一倍の努力と、時間をかけての修練を行っています。
新卒時の就活は、その後の人生に大きな影響を与える重要なライフイベントです。
この3ヵ月から半年を集中して取り組めるように、自分自身でしっかりスケジュールとタスク管理を行っていくことです。
能力検査は全く自信がない。でも自分の良さを認めて欲しいと思う人へ
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