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「採用ルートの多様化」合意で進む2021年卒就活の早期化

今後の就活は採用ルートが多様化

2018年9月に経団連より発表された「現行の就職活動の指針を2021年春入社の学生から撤廃する」という決定がありましたが、2021年卒の採用活動は政府主導によって現状の「3月情報解禁、6月選考開始、10月内定」というスケジュールで行われることが決まっています。しかしこの方針も政府が企業に要請したかたちであり、経団連はをの要請を受け入れてはいますが罰則規定がはなく、「紳士的な運用」は企業側に任されているのです。

その後(2022年卒以降)の採用や就職活動の在り方を検討してきた経団連と大学側は、2019年4月22日、「新卒一括採用を維持しながら、中途採用や留学経験者に積極的に対応し、採用ルートを増やしていくこと」に合意しました。この合意は経団連と大学側で作る「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」が共同提言というカタチでまとめられたものです。

共同提言の骨子は「新卒一括採用のみでは企業の持続可能な成長は困難」とし、その上で「複線的で多様な採用形態に秩序をもって移行すべき」としています。提言は経団連のWebサイトからダウンロードできるようになっています。現在の大学3年生、2年生、大学院1年生はダウンロードして一読しておくことをお勧めします。

中間とりまとめと共同提言の骨子

この提言の中身は就活に限っての提言ではなく、大学教育の在り方、それまでに至る初頭中等教育の在り方から、これからの社会に求められる人材像が論じられています。

Society 5.0時代(デジタル革新と多様な人々の想像・創造力の融合によって、経済発展と社会的課題解決・価値創造を両立する社会。人類史上、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、5番目の未来社会の姿という意味です)には、文系・理系であることを問わず、リテラシー(数理的推論・データ分析力、論理的文章表現力、外国語コミュニケーション力など)、論理的思考力と規範的判断力、課題発見・解決能力、未来社会の構想・設計力、高度専門職に必要な知識・能力が必要と定義しています。

この能力の育成には、全ての段階での教育が関与する必要があり、少人数、双方向型のゼミや実験、産学連携の実践的な課題解決(Project Based Learning :PBL)型の教育、海外留学体験などが必要と定義しています。

企業が求める人材の採用方法へ

共同提言に書かれている人材像は、まさに経団連傘下の企業が「欲しい人材」の姿です。しかし、そんなスーパー学生は、いるとしてもごく一部の学生です。そのため新卒一括採用だけではなく、通年採用、中途採用の活用、既卒後のインターンシップの活用、大学時代早期からのインターンシップの活用などの「複線的で多様な採用形態」に移行して、1人でも多くの「本当に将来の戦力になる人材」を採用したいという提言になっています。また経団連側も新卒一括採用や終身雇用制度を一挙に大幅に変更することは考えおらず、多様な採用ルートを新たに加えたり、併用しながらの「移行」を考えています。

そして大学側は「大学生の混乱は避けたい」、「就活が早期化、長期化して学業に打ち込めないのは困る」、「スケジュールに振り回される心配」として、「多様性をキーワードにしながら最適解を見つけていきたい」としています。

具体策は今後検討することになっていますが、この提言は政府に提出され、未来投資会議の議論を経て2019年夏にまとめられる成長戦略に反映されます。2022年卒の就活スケジュールに関しては2019年10月の関係省庁会議で、現状と同様の3月企業広報開始、6月選考開始が決定しています。

尚、今後は政府は2024年卒をターゲットに、経済界からの要請が強い「新卒一括採用の見直し」を検討していくとしています。

企業の本音

この提言に示されている方向は別に新しいものではなく、現在でも外資系企業、グローバル企業やコンサルティングファーム、IT系企業が採用している採用方法です。

外資系企業や日本でもグローバル経営を指向している企業は国籍に関係なく、常に優秀な人材に対して門戸を開いています。経団連に参加していない企業などは、採用に直結したインターンシップを組んで、本当にやる気と適性のある人材を早くから囲い込む採用方法をとっています。

企業は常にイノベーションをしていかなければ生き残っていけない状況ですし、縮小していく国内市場が明白であるため、海外市場でも今まで以上のチャレンジが必要です。そのカギになるのが「人材」であり、本当の戦力になる、企業を成長させるポテンシャルのある人材を採用したいのです。

グローバル企業であれば「当たり前」のことを、大学にも、政府にも、世の中にも認めて欲しいというのが本音であり、企業としては当然のことです。成長ドライバーになれる人が僅かしか採用できなくても、その人間が企業を変えていけるパワーがあれば良い、そういう人材を一人でも多く見つけたいというのが企業の切実な願いです。

2021年卒就活への影響

2021年卒は現状のルールのままのスケジュールになることが決定はしていますが、今回の提言やそれを受けて決定される2022年卒以降の就活ガイドラインの内容が影響を与えると考えておいた方が良いでしょう。

2021年卒の就活ルールは現行のままとは言え、オリンピックの影響で水面下では前倒して進むことが人事関係者の中で語られています。オリンピックが7月開催なので、どんなに遅くとも6月末までには採用活動を終わらせておきたい、実質的には6月1日の選考開始段階では既に採用したい学生が決定している状態と考えておくべきです。

形式的には3月1日にエントリー解禁は変わりませんが、以下の3つの方法による実質的な採用活動の早期化に準備をしておいてください。

  • インターンシップへの参加による人材のリスト化と囲い込み
  • インターンシップでの実質的な選考と職務体験による選別と囲い込み
  • エントリーシート提出後の相談会、リクルーター面談による実質的な面接と選考
インターンシップは「採用活動に直結させない」という建前で行われていますが、企業によっては現在でもインターンシップで実質的な選考を行っています。人気企業はインターンシップに参加するための選考も厳しく、その段階で実質的な選考が実施されているのです。その流れが2021年卒就活では更に強化されると考えられるため、3年の早い段階から就活を生活の中に入れていくことを強くお勧めします。

2022年の新卒就活では、少なくともルール(指針)の一部は変更されるでしょう。現在でも一部企業で行われている通年採用とあわせて、最も変更しやすいのは在学中のインターンシップの運用と、場合によっては既卒後の本格的なインターンシップでしょう。

2021年卒の就活は、2022年新卒採用指針のテスト的な運用という性格もあります。オリンピックという大義名分もあわせて、2022年卒の学生のために何が良くて、何が良くないのかを学習するためにも現行就活スケジュール内で「実質2022年ルール適用」が行われる可能性が高いのです。

2022年卒は前年の6月選考開始となり、形だけは残されましたが企業側の運用次第でもあり、早期化、形骸化は更に進行すると考えておくべきです。

今回、経団連側と大学側は「多様な採用方法」を原則合意した意味は大きいと考えています。あとは運用次第ですが、流れは「採用ルートの多様化」であり、指針、原則は緩和される方向であることは避けられません。現在でも7-8月に行われるサマーインターンシップの申し込みを5月に開始する企業が多いため、人気企業や外資系企業を検討している学生は早めに就活のスタートをきることをお勧めします。

インターンシップに対する準備

「就活の答え」では就活に必要なノウハウを出来る限り丁寧に解説した記事を掲載しています。数多くの業界研究に関する記事もありますので、自分に興味がありそうな業界をカテゴリーの「良く分かる業界研究」をクリックしてみつけてみてください。また「業界・業種別、就活で人気の50社の志望動機」もインターンシップ用のエントリーシートを書く上での参考になると思います。

時間がなければ内定者のエントリーシートを読んで参考にする方法はありますが、就活初期段階で他人のエントリーシートを真似するのはお勧めできません。簡単でも、自己分析、他己分析を行って「自分」を見つめ直して自分の強みや、弱い所、長所や短所を把握することからスタートしましょう。他人のエントリーシートは、ある意味完成形なので、はじめからそれを真似してしまうとかえって遠回りになるリスクもあるのです。参照するにしても、まず自分のバージョンを作ってみるのが基本です。

就活の答えでは、強みや長所別の「自己PR」の書き方、面接での説明の仕方も詳しく解説しています。カテゴリーをクリックして参考にしてください。自分バージョンのエントリーシートを作成し、インターンシップに積極的にチャレンジしていきましょう。

 

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