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【就活人気企業への志望者向け】エントリーシートの例文を安易に真似すると失敗する理由

就活生の皆さんは、何百、何千のエントリーシートを短期間で読み、選考に残すか落とすかの判定をする企業の人事担当や、ES判定に駆り出された担当社員の気持ちになることはできないでしょう。

そんな経験をしていないので、当然のことです。

しかし想像はできると思います。

例えば1週間、毎日8時間をひたすら学生が書いた何百、何千というエントリーシートを読み続け、選考に残すか落とすかを判定することを想像してみて下さい。

エントリーシートの要求事項を満たしていない場合や、マナー違反、手書きの場合で字が著しく汚く、読む気も起きないようなもの、明らかに書いてある内容が稚拙であり、クオリティが低いものが、まず落とされることは容易に想像がつくと思います。

問題はここからです。

上記のダメなESを除いた残りが、次の例文のようなクオリティであったなら、あなたはそのESをどう評価しますか?

ちなみに、以下の例文は就活本や就活情報サイトに「良い例文」として掲載されているものを参考に、「就活の答え」編集部がそのネットワークの企業の人事担当者の協力のもとに作成・編集したものです。

簡単に言えば、就活生の皆さんが「良い例」として参考にしている類のものです。以下に3例を掲載しますので、まずご自身での感想と判定を頭の中で考えてみて下さい。

就活本や就活サイトの「エントリーシートの例文」を冷静に判定してみよう

問題解決能力をアピールする自己PR文

私の強みは問題を解決する能力が高いことです。うまくいかない時も、その原因を考えて、問題や課題を解決する工夫をしています。塾講師のアルバイトでは、担当した生徒達の苦手な分野を分析して、その課題に個別に向き合うことで難関と言われていた高校に合格させることができました。途中、思うように成績が伸びなかった時期は、私も生徒も悩みました。その状況を打開するため、私は苦手の克服のために生徒ごとへの出題と指導を工夫したのです。その結果、徐々に成績を上げることができ、「先生のおかげです」と合格の連絡を受けた時は、思わず涙が出てしまいました。塾講師の経験で培ったこの問題解決能力を、仕事にも活かす決意です。

例文:主体性と問題解決能力、チームワーク力をアピールする例文

私は組織の抱える問題点を解決するために行動する主体性があります。大学3年になり、音楽サークルの中心メンバーの一人としてメンバーをまとめる役割を担うようになりました。サークルのメンバーは授業やアルバイト、就職活動の準備などで、サークルにかける熱意や時間の違いが大きくなり、分解の危機に陥りました。私はお互いのコミュニケーション不足が原因と考え、練習以外でより近い関係になるために、サークルメンバーで旅行するアイデアを提案しました。幸いメンバー全員からの賛同を得て、旅行を実施することができました。その時より、メンバーのコミュニケーションが円滑になり、サークルの雰囲気も良くなって再び良い演奏ができるようになりました。この経験を活かし、組織の中で問題が起こったときは、主体的にその解決に動くことでチームワークに貢献したいと考えています。

例文:飲食店でのアルバイトのガクチカ

私がアルバイトをしていた○○町のイタリアンレストランは、近隣に低価格を売りにしている大手外食チェーン店が進出したため、短期間で売り上げが3割も減ってしまいました。3年間同じ店で働いていたこともあり、常連のお客様とも自然にコミュニケーションがとれるようになっていたため、その店をご愛顧いただいている理由をヒアリングさせていただきました。10組ほどの常連のお客様からの意見によって改善案をオーナーに提案したところ、即座に受け入れていただき改善策を実施することができたのです。その結果、短期間で売上げを回復することができ、更に20%も伸ばすことができました。この経験から、お客様の意見を真摯に聞くことの重要性を学ぶことができました。

いかがでしょう。これらの例文は「良い例」としてカテゴライズされているものを基に作成してあるため、皆さんも自分の経験もこのように書けばよいと思っていませんか?

ここで取り上げた例文のテーマは、多くの学生が使用するテーマでもあるため、あなたも類似な体験を基にして、比較的短時間で「あなたのバージョン」を作成できると思います。

そして、良い例文のテンプレートを基にして書けたら、「私バージョンの良い自己PR文が書けた」と思うでしょう。

就活ESの例文やテンプレートの罠

現在、就活生なら就活本や就活マニュアル、就活情報サイトで「良いESの例文」、「内定した学生のエントリーシート」などが、多量かつ簡単に参照できます。

確かに良い例文のテンプレートや過去の内定者のESの記述を下敷きにして、自分の経験やエピソードをあてはめていくことは、ESを短時間である程度の精度、クオリティを保つためには有効な方法です。

就活本や就活マニュアル、就活情報サイトでの「良いESの例文」、「内定した学生のエントリーシート」を参考にするなと言っても無理があるでしょう。

誰しもが自分を少しでもアピールしたいので、これらの参考情報を頼りにしながら自分のエントリーシートを完成させていきます。

これらの情報は、意図的に見ないようにしない限り、どうしても目に入ります。

目に入ると「やはり、このように書かないとだめなのか」と思うようになるものです。

その結果、多くの学生が、「良いESの例文」、「内定した学生のエントリーシート」を参考にしたテンプレートやエピソードのパターンを流用するため、ほぼ同レベルのクオリティのESが大量に提出されることになるのです。

ここで問題です。

あなたがエントリーシートの判定者で、ES選考は半数に絞るという選考基準があると仮定して下さい。

1日当たりに読める志望者のESが100枚と仮定した場合、50人の志望者を次の選考に残すことになります。

1日100枚のESを読んだ結果、その20枚が即不合格、20枚が優れたもので即合格、あとの60枚がほぼ同レベルのクオリティであった場合、あと30枚を選考通過に仕分け、残りの30枚を不合格に仕分けることになります。

ここでは仮定の話として書いていますが、人事の現場では就活シーズンになると、日常的に起こっていることです。

その60枚を判定する際に、考慮するのが以下のポイントになります。

  • 具体性はあるか、具体的に書かれているか
  • たいしたことでもないことを、いかにもすごいことのように書いていないか
  • あたりまえのことを、特別なことのように書いていないか
  • 誇大な表現、過大な表現の多用していないか
  • 凝り過ぎの詩的な表現で、自分に酔っていないか
  • 強みの解釈の甘さがないか
  • 個性をはき違えていないか
  • 研究成果の自己満足になっていないか
  • 借り物の文章、抽象的文章で「本当のあなた」が分からない

上記のポイントを敢えて感覚的な表現で言うと、「読んでいて、しらけてしまうES、残念なESかどうか」を採用担当者としての経験、あるいはビジネス経験から獲得した対人観察スキルに即して判断しているのです。

そして、最悪の場合はしらけた読後感から「もしかしたら、本人の体験ではなく、どこかの就活本や就活情報サイトの例文をほとんどそのまま使っているのではないか」という印象すら沸き起こります。

その結果、ESの記載内容では、はっきりとした判定ができないため、学歴や大学のランクによって合否判定をすることになるのです。

結果的に学歴フィルターが機能してしまうのです。

残りの60枚は似たり寄ったりで判断できないため、学歴を中心に選ぶのと同時に、「性格は良さそう」、「面白そうなので、面接をしてみたい」という好感度の高い学生を混ぜて残りの30枚を残します。

あとの30枚は、残念ながらESの選考を通過できないことになります。

その「白けた気分」、「残念なES」は以下の2点に起因します。

  1. 多くの人が同じテーマで、ほとんど同じような自己PRやガクチカを書いている
  2. 自分の体験を大きく見せようとし過ぎている

この2点は「例文参照病」とも言えるものです。

多くの人が同じテーマで、ほとんど同じような自己PRやガクチカを書いてしまう、この病気の原因は、自己の内面をしっかり掘り下げないまま、「良い例文」や「過去の内定者のES」の研究と分析をし過ぎてしまい、それに自分の類似の体験を単純に当てはめることによって起こります。

カタチや自己PRのテンプレートを参考にするのは良いのですが、エピソードの内容までコピーするか、真似るか、当てはめるかを先にしてしまう学生が多いと、同じようなESが大量生産されることになるのです。

その結果、個々人が一生懸命ESを作成したつもりでも、就活の人気が高い企業には大量のESが提出されるため、ほとんど同じようなエピソードを書いたESが集まることになります。

テンプレートが借り物のため、具体的な記述が弱いという共通点があり、具体性が無い為、更に埋没してしまうのです。

それら類似の大量のESを読む採用担当者は、「また、これか」という「しらけた気分」になってしまうのです。

それでも、しっかり読んで「少しでもプラスの要素を探そう」とする担当者もいるので、全部がNGになることはないですが、判定のグループ分けをする場合は下位のグループに入れることになります。

就活の競争率がそれほど高くない企業や、人材集めに苦労している企業の場合は、そのようなESでも、それなりのクオリティで作成されていれば競争力が保持されます。(その意味で全くのNGという訳ではありません)

就活マニュアル本や就活情報サイトの記事制作者が、学生の場合や「競争率がそれほど高くない企業や、人材集めに苦労している企業」から内定をとった経験者である場合、自分の成功体験からも良い例文としてしまうトラップもあります。

しかし就活人気が高く、エントリーが集中する企業の場合は、就活本、就活マニュアルや就活情報サイトで「良い例文」、「過去の内定者の例文」をほとんどそのまま使用しても通用しないと考えておいてください。

その企業には、同じようなESが提出されるので、エントリーシートの内容では判定不能、もしくは不合格という扱いになります。

なぜなら、同じ様ではない、きらりと光るESの数が多く、選考する人材の量(候補の絶対数)が十分確保できるからです。

自分の体験を大きく見せようとし過ぎて、しらける残念なES

同じようなエピソードの使用と並び、ES判定者をしらけさせてしまう二つ目の原因が「自分の体験を大きくみせようとしすぎる表現」です。

これは当「就活の答え」を含め、全ての就活メディア(就活本や就活マニュアル、就活情報サイト)に掲載されている例文や就活キャリアコンサルタントやアドバイザーのアドバイスにも責任の一端があります。

それらが掲載したり、推奨している例文を鵜呑みにしてはいけない」ということを示しています。

特に卒業生や就活ブログで、個人の成功体験だけで書いているものは要注意です。

もちろん、それらの中にも優れた内容も多く、参考にすべき点は取り入れるべきです。

しかし、の人はその人の個性ややり方で就活を上手く乗り切ったかもしれませんが、そのやり方が普遍性を持つとは限らないことは直ぐに理解できる思います。

何を参考にすればよいのか?

「それでは、何を参考にすれば良いのか」という就活生からのツッコミが入りそうです。

この問題には現在の就活の問題点が凝縮されています。

就活が建前でもオープン化されて以来、学生が志望したいと思えば、殆どの企業にエントリーすることは可能です。

その結果、誰もがその存在を知っている知名度の高い企業や、高収入・高待遇(福利厚生)の業界・企業、上場企業に非常に多くの志望者が集中することになります。

就活生は、非常に厳しい競争(選考)を何度もクリアしてかなければならないことが分かっているため、少しでも「自分は優秀であり、能力もあり、やる気もある」ということをアピールしたいと思うのは当然です。

そのアピールの第一関門がエントリーシートであり、エントリーシートを基本にしたその後の数度に渡る面接選考によることになります。

従って、殆どの就活生はエントリーシートに「自分は優秀であり、能力もあり、やる気もある」ことを、できるだけ判定者の印象的に残るように書きたいと思うでしょう。

その結果、自分の性格や能力(長所・強味み)ができるだけ大きく印象付け、それを証明するためのエピソードを探すことになります。

しかし、普通の学生には「自分の性格や能力(長所・強味み)ができるだけ大きく印象付けるエピソード」を簡単に見つけることはできません。

就活難易度が高い企業であるほど、自分がアピールしたい性格や強みを証明できるエピソードと、実際に自分が経験してきたもののギャップが大きいことを自覚することになります。

そこで頼ってしまうのが、就活本や就活情報サイトの「良いESの例文」や「過去の内定者のエントリーシート」になります。

就活本や就活情報サイトの「良いESの例文」や「過去の内定者のエントリーシート」には、確かに優れたものも多く、特に就活初期ではテンプレートを参考するメリットも大きいと思います。

しかし、全てを疑いもなく信じたり、頼ってしまうのはNGです。

それは以下の理由によります。

  • 就活本や就活情報サイトのほとんどは、個別企業向けのESの例文を載せている訳ではなく、就活人気の高い企業だけに向けて書かれている訳でもない
  • 就活本はより多くの学生が買ってくれるように、平均的な学生でも受け入れやすい内容の例文を掲載している
  • 過去の内定者のESや、ES選考通過者のエントリーシートは、選考通過や内定は事実でも、そのESの記述内容が選考通過や内定に繋がったとは言い切れない(ESの記載内容はイマイチでも、学歴で選ばれる、外見や面接でのコミュ力で内定を得る場合も多い)
  • 過去の内定者のESもその当時の就活本や就活サイトの例文を参照している場合が多く、パターン化したESの万能バイアスが拡散されていく傾向がある

上記の理由により、多くの就活本や就活情報サイトでは「小さな体験、ささやかなエピソードでも立派な自己PRが可能」というアドバイスをしています。

そのアドバイスは正しいのですが、使用方法を間違えるとエントリーシートの判定者をしらけさせ、残念なESになってしまうため注意が必要です。

次の例文をESの判定者のつもり読んで、ご自身はどのような印象を持つかをチェックしてみてください。

例文:問題解決能力をアピールする自己PR

私は組織の抱える問題点を解決するために行動する主体性があります。大学3年になり、音楽サークルの中心メンバーの一人としてメンバーをまとめる役割を担うようになりました。サークルのメンバーは授業やアルバイト、就職活動の準備などで、サークルにかける熱意や時間の違いが大きくなり、分解の危機に陥りました。私はお互いのコミュニケーション不足が原因と考え、練習以外でより近い関係になるために、サークルメンバーで旅行するアイデアを提案しました。幸いメンバー全員からの賛同を得て、旅行を実施することができました。その時より、メンバーのコミュニケーションが円滑になり、サークル雰囲気も良くなって再び良い演奏ができるようになりました。この経験を活かし、組織の中で問題が起こったときは、主体的にその解決に動くことで、チームワークに貢献したいと考えています。

残念な理由:

  • 非常によくあるパターンのサークルエピソード
  • 本質的には単にサークルで旅行しただけ、志望者は「みんなで旅行にいかない」と提案しただけではないのか
  • 再び良い演奏ができるようになった因果関係が非常に希薄
  • このエピソードでは問題解決能力も主体性も評価できるレベルに達していない

例文:問題解決能力をアピールする自己PR

私の強みは問題を解決する能力が高いことです。うまくいかない時も、その原因を考えて、問題や課題を解決する工夫をしています。塾講師のアルバイトでは、担当した生徒達の苦手な分野を分析して、その課題に個別に向き合うことで難関と言われていた高校に合格させることができました。途中、思うように成績が伸びなかった時期は、私も生徒も悩みました。その状況を打開するため、私は苦手の克服のために生徒ごとへの出題と指導を工夫したのです。その結果、徐々に成績を上げることができ、「先生のおかげです」と合格の連絡を受けた時は、思わず涙が出てしまいました。塾講師の経験で培ったこの問題解決能力を、仕事にも活かす決意です。

残念な理由:

  • 非常によくある塾や家庭教師のアルバイトエピソード
  • 塾講師としては「あたりまえ」レベルの努力としか読めない
  • 生徒の合格と指導の因果関係が非常に希薄
  • このエピソードでは問題解決能力が評価できるレベルに達していない

例文:継続力と目標達成に対する姿勢をアピールする自己PR

私は目標を定めたら、最後までやりきる力は絶対に誰にも負けないと自負しています。私は小学校の時からはじめた野球を高校3年まで集中的に取り組みました。目標場甲子園への出場と定め、1日も欠かさず100本の素振りを続けてきました。高校3年時に、チームとしては県大会ベスト4までと甲子園へは行けなかったのですが、決めたことは最後まで思い素振りは卒業の日まで継続しました。周囲からは「何の意味があるのか」と言われましたが、目標を失っても決めたことは最後まで絶対にやりきりたいと考えていたからです。その姿勢は大学受験や大学に入って始めた英語学習にも活きており、英語を継続して学習をした結果、直近のTOEICでは700点を獲得することができました。

残念な理由:

  • 甲子園出場を目標と設定しているため、いまいち説得力がない
  • 継続力や努力家の一面は評価できるが、野球と結論としての英語学習のリンクが分からず混乱してしまう
  • 「目標を定めたら、最後までやりきる力は絶対に誰にも負けないと自負」という出だしの文が強烈なのに対し、そのエピソードが今一つで、落差が大きく説得力がない(TOEIC 700点も、達成レベルとしては一般的なレベル)

例文:思いやり・協調性をアピールする自己PR文

私が行ったことを他者が喜んでいる姿をみることが、無上の喜びであり、その喜びが私を更なる高みに導いてくれるのです。私は友人から常に頼りにされる存在でいたいと考え、深い絆で結ばれるような関係構築を心がけています。具体的にはお互いに苦しい時、つらい時でも本音で話ができるように、相手の意見を傾聴した上で、自分の意見を相手が受け入れ易いように話すことを自分の黄金ルールとしています。所属する軽音部の雰囲気が悪くなると、自ら部員の接点としてメンバーに話しかけることによって心を開いてもらった経験があります。その結果、演奏の質も急激に高まり、「ここまで短期間で良くなったのも〇○○のおかげだよ」と言ってもらった時は、大粒の涙がこぼれ、その涙は金色に輝いてみえました。

残念な理由:

  • 詩的な表現で、自分に酔っているやばい感じ。「不思議ちゃん」か???
  • 大げさな表現が多く、実際に志望者が行ったこととの落差が大きい
  • 単純にサークル内でのよい友人関係にしか読めない
  • 演奏の質が高まったことと、志望者の行ったことの因果関係が希薄で説得力がない

例文:結果に対するこだわり、執着力

私は自分で「やろう」と決めたら、つらいことがあっても途中で諦めたり、くじけたりすることなく、自分で納得ができる結果が出るまで自分の気持ちをしっかりと持ち続けることができます。大学ではじめたラクロスは、初めのうちは経験者と力の差が大きく、練習についていくのも精一杯でした。しかし続けていくうちにラクロスが面白く、楽しくなっていったことが支えとなって、レギュラーのポジションを獲得することができました。諦めずに続けていくことで、チームメイトからのアドバイスやサポートも受けられるようになり、信頼できる仲間を作ることができました。

残念な理由:

  • 強みと言えるほどの説得力がない
  • 読み方によっては「ラクロス」が楽しい、面白いから続けているだけにしか伝わらない
  • 性格は良いことは伝わるが、強みの解釈が甘い為、幼さや「自分に甘い人物」という印象すら受けてしまう

例文:好奇心の強さ、チャレンジ精神や行動力をアピールする自己PR

私の強みは好奇心の強さとチャレンジ精神が旺盛なところです。大学に入りその傾向に拍車がかかり、大学2年の時ほとんど何の準備もしないままアメリカを1ヵ月旅しました。日本という枠を飛び出し、外の世界を体験してみたい、できる限り自力で行きたいと考え、大学1年からアルバイトで資金をつくりました。それはロサンゼルスからフロリダ州のタンパまでをレンタカーとバスで移動するという旅です。片言の英会話しかできませんでしたが、好奇心の強さで恐怖感を克服しました。旅の途中宿泊したモーテルの客とトラブルになりそうなこともありましたが、身振り手振りを交えながら、何とか危機を回避することができました。この経験で、たとえ準備が万全でなくても、臆することなくチャレンジできる強みを身に付けることができました。

残念な理由:

  • 社会人として必要な強みと個性をはき違えている可能性あり
  • 行動力やある種のチャレンジ精神があることは分かるが、「無謀」という見方もでき評価が分かれてしまう
  • 保守的な企業には受けないES。大胆さと緻密さを求めたいが、緻密さが全く読み取れない

技術分野のPR文

私は専門の装置を用いずに、◯◯◯◯を用いて◯◯◯◯を可能にしたことで、この技術の汎用性が高める研究をしていました。指導教官と連日研究室で寝泊まりして実験を続ける生活を続けた結果、異なる特性、長所、短所を持ち合わせる2つの方法を組み合わせる方法を考案することができたのです。この結果、ついに〇〇〇技術を融合した実験に発展させることができました。

残念な理由:

  • この企業が求める技術分野であり、その研究が意味のあるものであれ評価できるが、そうでない場合は説得力がない
  • 結果より、プロセスと志望者自身の努力や行動原理、価値観、性格を滲ませてくれないと人物が評価できない
  • ESで研究成果の記載を求められている場合は、このような記述方法でも構わないが、自己PRのテーマとして研究を選んだ場合は、志望者の人柄や強みが全く読み取れないためNG

例文:リーダーシップをアピールする自己PR

私の強みはリーダーシップを発揮し、課題を解決することです。リーダーシップは所属する組織との信頼関係が構築されていなければ発揮できません。そこで私は、まず信頼関係を構築する上で重要なコミュニケーション能力、具体的には傾聴力、説得力、人間関係構築力を磨いてきました。具体的には所属するゼミでメンバーの意見が対立して研究が進まなくなった際、メンバーの意見を自由に出してもらう定例の会議を設けて、自らその進行を司って統率していく手法を確立しました。その結果ゼミ内の意見が活性化して、その研究成果の発表で学部長賞を獲得することができました。

残念な理由:

  • 抽象表現と借り物の一般論ばかりで、志望者が全く見えない
  • ゼミでそれなりに頑張ったことは読み取れるが、行ったことは当たり前のことにしか読めない
  • 具体的な学部長獲得という結果との因果関係や、何が評価されたのかが不明であり、評価のしようがない

上記の例文は、先に解説した「残念なES」に共通する以下の要因に、「残念ながら当てはまってしまう」のです。

  • 具体性が乏しい、具体的な情報が十分ではない
  • たいしたことでもないことを、いかにもすごいことのように書いている
  • あたりまえのことを、特別なことのように書いている
  • 誇大な表現、過大な表現の多用している
  • 凝り過ぎの詩的な表現で、自分に酔っている
  • 強みの解釈の甘さが顕著
  • 仕事で重要な強みと個性をはき違えている
  • 研究成果の自己満足になっている
  • 借り物文章、抽象的文章で「本当のあなた」が分からない

例文に安易に頼らず、オリジナルをつくることに集中しよう

上記に記載した例文のパターンが大量生産されてしまうのが、現在の就活の問題であり、その中で就活を頑張らなければならない就活生の難しさです。

話題・テーマ選びとフォーマットが非常に一般的・画一的になってしまっているため、これらの文の内容を真似ても就活人気が高い企業のES選考通過は厳しいものがあります。

それらの企業のES判定者は、毎日何十、何百と同じようなESを読むことになるからです。

もしESの例文を参照したいなら、具体的な志望企業を決めて、その企業の内定者のESのレベル(内容と表現)を参考にするべきです。

就活本や就活情報サイトから安易に入手できる「良い例」をそのまま下敷きに使うのは、それなりの危険があることを理解して下さい。決して「万能な例文」などないのです。

残念なESからの脱却する方法

読んでいて、しらけてしまうエントリーシート、読後感が「残念なES」から脱却する方法を解説します。

  • Step 1:
    • まず、よくあるテーマ以外で自分の強みを表現できるエピソードを考えに考え抜いてみることです。
    • その際、具体的な情報を箇条書きで良いので必ず書き起こしておくこと
  • Step 2:
    • 次にテンプレートを忠実に守るのではなく、自分なりの工夫、どうすれば一番自分の伝えたいことが伝わるかを、文章を起こして検討・推敲することです。
  • Step 3:
    • そして3種類の自己PRのドラフト(ガクチカ)を起こし、企業毎の文字数制限にアジャストして基本の3バージョンを完成させましょう。
  • Step 4:
    • 最後の行うのは3バージョンを実際に使用してのテストです。エントリー数が30社あれば、どのバージョンが最も通過率が良いかの傾向がみえてきます。

自分が最も競争力があると思うESのバージョンを志望順位の高い企業から当てはめて、PDCAをまわしていきましょう。

3種類が無理なら、2種類から初めても構いません。

選考結果が出てくると、ESの競争力も判断できるようになり、変えるべきポイントも分かってくるものです。

ドラフトを作るには、その業界の中で最も就職したいという企業を決めて、その企業向けに書かれた過去の内定者のESをできる限り、一気に読んでみましょう。

その段階ではメモも取らず、マーカーも引かず、とりあえずなるべく多くの内定者のESを一気に読んで、レベル感や論旨の展開方法を理解して下さい。

その上で、過去の内定者と同じレベルで書ける自分の経験・エピソードを必死に考え、メモからドラフトを書いていきましょう。

また、ドラフトができた段階で段階で信頼のおける就活のプロのアドバイスを受けるのも有効です。少なくともレベルの低いミスは防げます。

あとは企業ごとの選考通過の難易度も大きく違うため、選考結果はそれも考慮して評価をしましょう。エントリーシートを見直し、改善と企業に向けた最適化を徹底していきましょう。

はじめは時間がかかりますが、慣れてくると改善のポイントもみえてくるため時間をかけず精度を上げることができます。

本質的には、「自分はどんな人間で、何ができて、その企業にどんな貢献できるか」を正直に伝えれば良いのです。

例文を真似ることや就活テクニックを先行させるのではなく、それらの細かい点を一旦捨てて、全体を俯瞰してから詳細を詰めていきましょう。

「他者の成功例の詳細」から入っても、弊害の方が大きいです。

全体を俯瞰した後に、自分のオリジナルを作り、PDCAを回す際に他者の成功例を参考にして、「自分のES」の精度を上げましょう。

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