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【例文あり】就活生が企業毎に最適化したエントリーシートを、効率的に量産するノウハウ

オープンESの精度を上げておこう

まずオープンESを完成させ、精度を上げていきましょう。

オープンESとは、リクナビが提供するサービスの一つで、リクナビに登録すると使用できるサービスです。

一つのエントリーシートをリクナビを利用している企業のうち、オープンESを受け入れている(ESの提出がその企業独自のESではなく、共通化したESでも良いと考える)企業に提出できる機能です。

リクナビは。この「OpenES(オープンES)」と呼ばれるエントリーシートの共有化システムを2013年より開始しました。

オープンESの狙いは、就活生のエントリーシート作成の手間と時間の削減、効率化であり、企業側にとっては共通フォーマットの使用によりエントリー数の増加とデジタルによる書類選考の効率化です。

就活生にとってはエントリーシートを使いまわせるため、手間が省けて気軽にエントリーが可能になるからです。

確かにWeb上で共通の履歴書とエントリーシートを使いまわして、複数の企業に提出できることは、就活生にとっての大きなメリットです。

あなたが志望したいと考える企業が、オープンESを受け付けていなければ、その企業には使用できません。リクナビ掲載社数約31,000社の中で、オープンESでエントリーシート・履歴書の提出が可能な企業数は約4,000社になります。

それでも、4000社にエントリー可能なのは、内定を取るという目的を考えれば、効率的であることは確かです。

オープンESも提出する際、企業ごとに部分的な改善を行い更新していくことが重要です。

詳しくは、以下の記事を参照してください。

エントリーシートの選考担当者を理解して、ESを最適化しよう

就活生にとってのエントリーシートの目的は、エントリーシートの選考をパスして、次のステップ(適性・能力検査や、面接選考)に参加することです。まずES選考を通過することが第一の目的になります。

その目的を達成するためには、企業のES選考担当者に好評価を獲得しなければなりません。

好評価、あるいは高評価を得るためには、選考担当者がどのような人なのかを考え、あなたが伝えるメッセージ戦略を立てる必要があるのです。

それではES選考担当者はどんな人なのでしょうか?

共通点は以下の通りです。

ES選考担当者の特徴とESを読むスタンス

  • 志望者は選ばれる人、自分は選ぶ人というマインドセットがある
  • 選ぶ基準は人事部が設定したものに準ずる、もしくは自分の就労体験・成功体験に基づく
  • 企業が設定している「求める人材像」は、大きな人材のベクトルとして一つの基準にしている
  • その企業のためになるか、その企業で働いているイメージが湧くか(その企業に合うか、合わないか)を企業の社風や企業のDNA、自身の就労体験、上司や同僚のタイプから主観的に判断する
  • 上記の枠にはまる人材を優先的に選び、その上で一定の割合で枠にははまらないが「何かが光っている」、「面白そう」、「会ってみたい」人材をミックスしろうとう気持ちが働いている

ES選考担当者は人事部のスタッフを主なリソースとしています。

志望者の多い企業は、各セクション・部門から若手の仕事が平均以上に出来ている若手社員を動員して、判定を行なう場合もあります。

選考担当者が数多くのESという大量・膨大な情報に接触する基本的な態度は、どうしても「自分の見たいものを見る、読みたいものを読む」という傾向に偏っていきます。

コミュニケーション戦略を緻密に高めていくと、情報の受け手が見たいもの、読みたいものを敢えて直接的に発信しない方法もあります。

情報の受け手も気が付いていいないが重要なポイント、あるいは気が付いていても一般的化していないニーズを「アンメットニーズ(現状では満たされていないニーズ)」として提示し、自分はそのニーズを満たせるポテンシャルがある人材であるとアピールする方法です。

このアプローチは非常に高度なものであり、深い研究と分析が必要であるため、就活生が短い時間の中で出来るものではありません。

特に、就労経験のない就活生であるため、説得力を持たせるのが難しいのです。

ましてや、就活初期ではスピードと量が重要です。一つひとつのESを高度に精緻化するより、短期間でESを量産した方が効率は良いのです。

就活生が自分のESの精度を上げて、且つ量産する方法

選考担当者の情報接触態度は上記になりますが、就活生がESを作成する際、特に意識すべきなのは、「企業の求める人材像」と「自分がその企業で働いているイメージ」を重ねておくことです。

誤解が無いように言っておきますが、「企業が求める人材像」に合わせて「自分を変える」、「自分を偽る」ことではありません。

あくまで、「自分が伝えたいこと」が先にあり、それを企業が求める人材像に近づける表現をするという意味です。

つまり、自分のメッセージを企業毎にアダプテーションする(適合・適応させる)、という考え方です。

エピソードは一つでも、企業ごとにアダプテーションをすることができれば、毎回ゼロからその企業に適合したエントリーシートをゼロから作るより、はるかに短い時間で精度の高いメッセージによるエントリーシートを作成することができます。

その実例を、以下の例文で示しますので、参考にしてください。

違う「強み」で自己PRをかき分けた例文

一つのエピソードに基づき、コミュニケーション能力を強みとして書いた例文をはじめに掲載しておきます。以下を参照してください。

例題:「あなたの強みを、ご自身の経験を交えて教えてください」

800文字バージョン

 

私の強みは異文化の中でも活かせるコミュニケーション能力です。誰も助けてくれない状況で自分を試したいと考え、大学2年の夏にタイを一人で旅しました。エアーや現地での交通、宿の手配など全て自力で約1ヵ月間タイを旅しました。

 

その資金を得るため、コンビニエンスストアの深夜のアルバイトを1年間継続。深夜シフトの同僚は留学生ばかりで当初はフラストレーションが溜まりました。宅配便やチケットの発券など難しいオペレーションはすべて私任せで、コミュニケーションもうまくとれず、店もぎすぎすした雰囲気になっていました。

 

しかし働くのなら気持ちよく働きたいと考え、自ら中国やベトナムからの留学生たちと積極的にコミュニケーションをとる努力をしました。休憩時間や仕事の合間にアニメの話題をしたところ、留学生達と片言の英語と日本語で意思を通じ合えるようになっていったのです。

 

更にインターネットで中国やベトナムでの話題をチェックし、片言の各国言語も混ぜながら積極的に話しかけていきました。その結果、彼らが苦手なオペレーションも教えることができ、業務をチームワークによってスムーズに行えるようになりました。

 

この経験により、異なる背景や文化を持つ人へも自ら積極的にコミュニケーションを働きかけることによって「信頼関係」をつくれることを学びました。

 

一人旅用には英語のリスニングを通学時間で集中して取り組みました。英会話力はスカイプのレッスンを取り入れて磨きました。その過程で、会話には伝えたいという気持ちが、文法の正確性より大事なのだということを体感しました。

 

一人旅中も海外からのバックパッカー達と知り合い、苦労の連続でしたがなんとか旅も完遂することができました。現在も英会話の勉強は続けています。

 

異文化の中でもひるまずに向かっていける私の強みや能力を活かすことを軸にして、就職活動に取り組んでいます。(797文字)

次に、この自己PR分を「チャレンジ精神」の強みとして800文字バージョンにアダプテーションした結果を参考として掲載しておきます。

あなたの伝えたいエピソードは同じで、チャレンジ精神を「企業の求める人材像」で強調している企業に志望する場合を想定したアダプテーション例です。

コミュニケーション能力を強みとして主張した800文字バージョンを、チャレンジ精神を強みとして「書き換えた=アダプテーションした」例文です。

チャレンジ精神 (800文字バージョン)

 

私の強みは困難な状況でも、負けないチャレンジができることです。そのチャレンジのエンジンが、積極性と、問題を解決するための工夫や努力の源泉です。

 

私は誰も助けてくれない状況で自分を試すことを考え、大学2年の夏に1ヵ月間タイを一人で旅しました。

 

その資金を得るため、コンビニエンスストアの深夜のアルバイトを1年間継続。深夜シフトの同僚は留学生ばかりで当初はフラストレーションが溜まりました。宅配便やチケットの発券など難しいオペレーションはすべて私任せで、コミュニケーションもうまくとれず、店もぎすぎすした雰囲気になっていました。

 

私はこの状況を改善して売上げを伸ばし、時給を上げる交渉をしようと考えました。そのためにチャレンジしたことが、自ら中国やベトナムからの留学生たちと積極的にコミュニケーションをとることです。海外でも人気のあるアニメーションを調べ、英語、日本語とともに、中国語やベトナム語の片言を混ぜながらコミュニケーションをとっていった結果、留学生達との意思疎通ができるようになりました。

 

更にインターネットで中国やベトナムでの話題をチェックし、積極的に話しかけていくことに挑戦し、信頼関係を構築しました。彼らが苦手なオペレーションも教えることができ、業務をチームワークによってスムーズに行えるようになったのです。

 

一人旅用には英語のリスニングを通学時間で集中して取り組みました。英会話力はスカイプのレッスンを取り入れて会話力の向上にチャレンジしていきました。その過程で、会話には伝えたいという気持ちが、文法の正確性より大事なのだということを体感しました。

 

一人旅中も海外からのバックパッカー達と知り合い、苦労の連続でしたがなんとか旅も完遂することができました。現在も英会話の勉強は続けています。

 

困難な状況でも、自ら考え向かっていける私の強みや能力を活かすことを軸にして、就職活動に取り組んでいます。(797文字)

このように、同じエピソードでも「コミュニケーション能力」を重視する企業から、「チャレンジ精神」を重視する企業向けにアダプテーションをすることができるのです。

コンビニのエピソードや、自分を試すというモチベーションは、「主体的」な動機や行動であるため、アピール内容を「主体性」にしてアダプテーションが可能です。

更にここまで読んでいただいた賢明な就活生なら、この自己PRのエピソードは、「ガクチカ」の回答(自身の専攻する学業以外の場合)にも簡単に書き換えることができることが理解できると思います。

就活が解禁になると、時間はいくらあっても足りなくなります。

エントリーシートの提出数を増やし、且つ各社に対応して精度を上げたものをつくるために、あなたが紹介したいエピソードを選定し、文字数別のバージョンの準備をしましょう。

そしてエントリーシートの設問が判明した段階で、企業別に表現を書き換えるノウハウを身に付けていきましょう。

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