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【要注意】就活でマーケティング職を志望する人が知っておくべきこと

就活生の皆さん、特に文系で総合職を目指す皆さんの中には、マーケティング職に就きたいと考えている方もいらっしゃると思います。

大卒新卒採用で、マーケティング職を職種別採用しているのは外資系企業や一部の日系企業であり、非常に狭き門です。

しかし、「マーケティング職」が知的な専門職というイメージがあり、憧れを抱く人も多いようです。

研究開発職やエンジニア等の理系の技術職志望の場合は、専門分野の基礎的な知識が求められるため、ある程度理系の学部や学生の研究分野によって志望企業を絞ることになります。一方、文系の学生は専門分野を基にしての採用は非常に限られています。

文系の場合、文系(事務系)総合職採用として営業・販売から管理部門まで、どんな職種に就くのかは入社時、もしくは入社後の新人研修終了時まで分からないのが一般的です。

一般的に文系出身者が営業職に就く割合は、民間企業だとおよそ70%近くになると言われており、企業によっては、営業・販売系を切り分けて「営業職」採用をするケースはあります。

マーケティング職は、文系出身の就活生の内、「できれば営業はやりたくない」、「かといって、経理や総務等の事務職も面白くなさそう」と思っている人が、「営業や管理の中間で、志望企業の業績や成長に貢献して、やりがいを見出したいというニーズ」を叶えてくれそうに思うのです。

しかし、「マーケティング」は非常に幅広い概念であり、志望企業に「マーケティング部門」を置いている企業でも、その仕事の中身は大きく異なります。

「マーケティング」という言葉を就活で使用する、特に志望職種として使用するからには、そもそも「マーケティングとは何か」を理解していないと、全く薄っぺらな学生に見られてしまいます。

マーケティング職志望は甘くない

「就活情報サイト」の中には、マーケティング部門に就業経験がない学生が書いたアドバイスや、社会に出て本格的なマーケティングに携わったことのないキャリアアドバイザーの方が書いている解説が多いため少し注意が必要です。自分でそれを見極めて選択してくださいね。

そもそも、一部の企業を除いては、新卒時にマーケティング部門に配属されません。

マーケティング部門は、その企業が行っている事業そのものの構造や顧客を深く理解していないと機能しないため、その企業に入社して営業や商品・サービス開発、生産等の部門である程度の経験を積んでから配属になるのが一般的です。

外資系企業は新卒時からジョブ型の採用方針を取っている企業が多い為、新卒時からの配属になることもありますが、その場合は「新卒時でも、マーケティング職に必要な資質とスキル、外資系の場合は語学力も含む」がないと、全く太刀打ちが出来ません。就活情報サイトにあるようなレベルの、「志望動機」や「自己PR」では、選考通過は難しいと考えてください。

志望を考える前に、マーケティングに関する解説書は必ず熟読して、「マーケティング」とは何かを理解しておくことは基本中の基本です。

面接官から、「あなたはマーケティングをどう理解していますか」と問われたら、すぐに答えられますか?

まずはマーケティングとは何かから理解していきましょう。

マーケティングの定義

マーケティングを一言で日本語に訳すことはできません。非常に広範な概念であり、そのカバーする領域も常に進化、更新しているために一言で表現できる適切な日本語がないのです。

マーケティングのグルであるコトラーやドラッカーのマーケティングに関する著作の翻訳でも、マーケティングは一言では表現されていません。

ちなみにコトラーはマーケティングを「個人や集団が、製品および価値の創造と交換を通じて、そのニーズや欲求を満たす社会的、管理プロセスである」と定義付けています。

そしてこの定義に当たり「マーケティングの目標は販売を不要にすることである」と言うドラッガーの言葉を引用しています。

顧客がその製品やサービスを敢えて購入しようと意識することなく、自然に、当然のように継続して購入するようになるのがマーケティングの究極の目的なのです。

日本人の多くがマーケティングを「製品やサービスの売り手が、その顧客及び潜在顧客に対して最大限に販売するための活動や施策」と考えています。

皆さんの中にも何となく「マーケティングはモノやサービスを最大限に売るための作戦」と考えている方も多いのではないでしょうか。

コトラーやドラッガーの定義とは、だいぶ違うことが分かると思います。

もちろんマーケティングには、製品やサービスの販売を促進する様々な活動が含まれますが、それは既にその製品やサービスが売れるための要素が盛り込まれており、それを後押しするためのものです。広告宣伝活動がその典型ですが、それはマーケティングの一部でしかありません。

むしろマーケティングの本質は、製品やサービスを売り込むことではなく、顧客(潜在顧客も含む)が買ってくれるようにすることにあります。ドラッガーが「マーケティングの目標は販売を不要にすることである」と言ったのは、この誤解を解く為です。

顧客の立場で考える

「買っていってくれる」という表現は、マーケティングが顧客や潜在顧客の立場にたっていることを鮮明にしています。

経済活動の文脈に置き換えると、製品および価値の創造を主に行っているのは企業、その交換を行っているのは企業(売り手)とその顧客(買い手)です。

製品および価値の創造と交換は、何のために行っているのかというと、買い手のニーズや欲求を満たすためです。

マーケティングは買い手のニーズや欲求を満たすため、あるいはその期待を超えるために存在するのであり、それが出来ないと交換が行われない、つまり取引が成立しないことになります。

企業の存在意義は顧客に価値を提供することによって、その対価を受け取る取引を通じて利益を出すこと、そして利益を出し続けていくことです。

この価値の創造から取引のプロセス、またそれが継続していくことをスムーズに行えるようにすることが企業におけるマーケティングの意味です。

マーケティングは企業活動の非常に幅広い分野をカバーしていることが分かると思います。そのため、企業ごとにどの分野を「マーケティング部門」としているかはバラバラです。

商品開発の部分だけを切り取って、マーケティング部門とし、それ以外は営業企画部、広告宣伝部等が担当している場合もありますし、広告宣伝・販売促進部をマーケティング部門としている企業もあります。その場合は商品開発や商品企画は製造部門が管掌していたりと、様々です。

外資系企業や一部の日本企業で、ブランドマネージャー制を引いている企業は、ブランドや製品群ごとにマーケティング担当を置いています。その場合、マーケティング担当は商品の企画から販売促進迄、幅広いパイプラインに一貫して関与することになり、各部門との調整を行いながら仕事を進めていきます。

所謂、統合型のマーケティングです。この統合型のマーケティングに精通することで、企業経営者への道も開けます。マーケティングが強い企業や、コンサルティングファームから転身してプロ経営者になる人が多いのも、顧客と企業活動の重要なパイプラインを理解し、その戦略立案を経験しているためです。

マーケティング職の中身と分類

このように「マーケティング職」と言っても、企業ごとに担当する仕事の範囲も内容も大きく違うのが実情ですが、ざっくり分類すると以下のようになります。

  • 市場調査・分析
  • 商品企画・商品開発
  • 営業企画・販売促進
  • 広告・宣伝
  • CRM(カスタマー・リレーション・マーケティング)
  • デジタルマーケティング

一つ一つ概要を解説していきます。

市場調査・分析

マーケティングに関するいかなる分野でも、調査とその結果の分析がないと成り立ちません。

調査の対象は主に顧客になりますが、例えば最終製品やサービスの使用者と、実際の購入者が違う場合は、その両者の調査が必要ですし、その製品やサービスに係る流通業者・小売店に対する調査も必要になる場合もあります。

調査にもざっくりと定量調査と訂正調査があり、近年ではWEB上のデータ分析も重要になっています。

また競合企業に関する調査も必要です。マーケティングには「顧客や潜在顧客が求めているニーズや欲求を、競合企業より効果的・効率的に満たす」必要があるためです。

製品・サービスの開発から、プライシング(値付け・価格政策)、チャネル政策、プロモーション(広告宣伝・販売促進)、リピート購入の促進、ブランドへ・ロイヤリティの醸成迄、マーケティングの対する意思決定を行うためには、全てと言っていいほど調査とそれに基づくデータの分析結果が必要です。

マーケティングの4P(Product、Price, Placement, Promotion)は基本ですが、CRMやブランディングなどの要素も含まれているのです。

商品企画・商品開発

この場合の商品は製品及びサービスを含みます。どんな人々(消費者・生活者)の、どんな欲求・ニーズを満たし、どの程度の対価で、どのようなルートで商品・サービスを提供することが、その人々が買いやすく且つこちらの利益を適性に出すことになるか、その仮説と検証を繰り返して商品をつくっていく仕事です。

商品やサービスの開発には技術部門(技術開発・製造部門)との連携・調整が必要不可欠です。また当該製品や、近接製品分野の市場調査や流通調査も必要になります。

更に、現在の社会の状況、トレンド分析と自社の技術シーズなどから、未来の成長製品やサービスの企画を行う場合もあります。

現在の流行・トレンドに乗った商品やサービスを企画することも重要ですが、もっと重要なのは様々な調査から流行の兆しや市場性を読み解き、他社に先駆けて商品・サービスの開発を主導するのが力のあるマーケターなのです。

営業企画・販売促進

商品の流通チャネルに対する最適化を担当します。小売・流通に対するリベート政策や棚割り交渉、POP類の制作と配布・設置、販売促進イベントや流通を対象にしたコンテスト、最終消費者への販売促進プロモーションの企画や実施を行います。

メーカー等、一部の企業では需要予測から製造量を決定する製販調整機能を担っている場合もあります。

広告・宣伝

製品・サービスに対するニーズや欲求がある顧客・潜在顧客、消費者に対して広く、深く告知して、そのニーズや欲求を顕在化して実際の取引に導く仕事です。企業によっては販売促進のための流通・小売りプロモーションを含んでいます。

学生の皆さんの多くは、テレビコマーシャルをはじめとしたマス広告やWEB上でのバナーや動画広告、SNS上の広告やプロモーションを想像すると思います。

消費財の広告宣伝が直ぐに頭に浮かぶかと思いますが、マーケティングという視点ではBtoB企業(一般消費者が製品・サービスのユーザーではない企業)の広告宣伝活動も含まれます。

BtoBは非常に専門的な分野になるため、外からは中々見えにくく、購入までの製品・サービスへの接触機会や意思決定経路が個人ではなく組織単位となるため、BtoBのマーケティングは消費財とは違う経験やスキルが必要です。

CRM (カスタマーリレーションマーケティング)

製品やサービスによってはCRMによるリピート購入が最重要な業界や販売方法があります。

高額商品やブランド商品は、その顧客との関係性を長期に渡って深めていくことが、ブランドへの愛顧とリピート購入に繋がります。

クルマはその典型的な商品であり、新車を購入してくれた顧客には、整備・点検とのコンタクトや、新車試乗会への案内、オーナークラブを通じての様々なインセンティブによって長期間の関係性を築きます。

また通信販売もCRMが重要な業界です。初回購入は半額等の魅力的な価格の設定でトライアルを促し、複数回購入や定期購入に誘導することで、初期コストを回収して利益を出す化粧品や健康食品はその典型になります。

顧客との長期に渡る良好な関係を築く仕組みつくりがCRM担当の仕事になります。

マーケティング投資という意味でも、一般的に新規顧客の獲得に対するコストは既存顧客を満足させるコストの数倍かかると言われているため、顧客を維持していくことは非常に重要です。

日本では派手な新規顧客獲得のための広告宣伝ばかりが注目されてしまいますが、「就活の答え」の読者の着眼点として、ぜひ押さえておいて欲しい分野です。

デジタルマーケティング

デジタルマーケティング分野は、現在の就活生の方が最も手に入れやすいマーケティング分野です。

前述のようにマーケティングは幅広い知識やある程度の経験が必要なために、大学新卒時でその部門配属される可能性は厳しいのですが、デジタルマーケティング分野は急成長分野であり、人材が足りていません。

インターネットそのものが全世界の一般市民に普及していったのがWindows 95が発売された1995年なので、まだ25年の歴史しかありません。1995年に大卒22歳で入社した人が47歳、48歳なので、他の部門かと比較するとデジタル領域は圧倒的に歴史が浅く、且つ技術の刷新速度が速いことから、30歳代の社員、もしくは40歳代前半の社員が中心になって仕事を回しています。

現在は更にAIやビックデータの活用で、データアナリストをはじめとした人材は引く手あまたと言う状況です。

就活生の皆さんは、幼いころからデジタルに精通している方も多いと思います。この領域は、デジタルに強く、マーケティング志向が強い学生が、若いうちからマーケティングに携われる最も可能性の高い領域です。

インターネットの世界は顧客の興味や動線等、取引に結びつくデータがほぼリアルタイムに近い圧倒的な速さで計測できます。

その分析のスキルを身に付け、新たな提案や機能実装への提案、またはWEB上のプロモーションの企画、リアルとの連携など、様々な領域への広がりも期待できます。

マーケティングに求められる資質・能力、求められるスキル

マーケティングがカバーする職域は様々ですが、所謂マーケティング部門の人材に求められる資質・能力・スキルの共通項をまとめておきます。

知的好奇心と探求心が高い人

マーケティングは顧客のニーズや欲求と、それを満たす方法を考えていく仕事です。それを自社が満たせない場合は、問題とその原因をつきとめ、課題を設定してその解決策をつくっていく仕事とも言えます。

そしてその意思決定は調査やデータによって根拠があるものでなければならないため、目に見えない不確かなもの色んな角度から掘り下げ、「解」をみつけていく必要があります。

そのためには、分からないものに対する探求心の強い人、分かるように努力できる人、考え抜いて解決策を見つけることが好きな人、得意な人はマーケティングに向いている人です。

もちろん調査やデータに強い人、統計を読むこと、人の言動や行動からその心理を読むのが好きな人、得意な人、自分が未知なものに対する好奇心、特に知的好奇心が強いことは共通に必要な資質です。

逆に、「本を読むのが嫌いな人」、「本はあまり読まない人」はそれだけで資質を問われてしまいます。

データを読むにも能力の差が出ます。数字を見て誰しもが分かる現象を伝えても説得力は弱いのです。数字の裏にあるものを見つけ出す力があれば、ESや面接でもアピールできます。

論理的思考能力

マーケティングは既に顕在化しているものを論理的に説明するだけではなく、顕在化していないものを論理的に説明して説得することが必要な場合いもあります。

後者の場合、特に難易度は上がるので、深い洞察力と、その結果の分析を論理的に組み立て。提案にまで結びつけるスキルが必要です。もちろん、新卒の就活時にそこまでは求められませんが、論理的な思考ができる人材かは選考のポイントになります。

その意味ではコンサルティングファームと同様と考えてください。

情報感度が高く、企画力・発想力、クリエイティビティがある人

マーケティングにも様々な職域があり、特に商品開発、商品企画、広告宣伝の職域に関しては新しいものを発想・創造するのが好きな人、得意な人は向いている職種です。

世の中のトレンドに敏感であること、好奇心旺盛、情報感度が高いことも重要な資質と言えます。

調査を担当する場合でも、仮説を立てながら試行錯誤をしていくため、色んなケースを想像しながら調査を組み立てていく必要があるため、やはり想像する力は必要です。

更に、調査データを読み解き、アウトプットしたり、提案のプレゼンテーションを構築する際にもスライドやドキュメントのクリエイティビティは必要となるので、マーケティングに携わる人の共通に必要な資質と考えて下さい。

コミュニケーション能力

マーケティング部門は、製品やサービスを顧客に届けるまでのパイプライン全般を対象にしているため、様々な部門との折衝や調整が必要になります。

調整をしながら、施策を行うための予算を獲得する等の社内営業的な動きも必要になってきます。

そのために、一部のデータ処理やデータ解析の専門分野など、一部の例外は除いて、人とのコミュニケーション能力は重要な資質です。

プレゼンテーション能力

プレゼンテーション能力は入社後に鍛えられることになりますが、プレゼンテーションが好きな人、人に何かを発表する、説得するのが得意な人は、その資質を活かせる職種です。

ゼミや研究の発表、プレゼンテーションが好きな人、得意な人は面接でその力を発揮できると良いアピールになります。

特技・資格・マーケティングの実体験がある人

統計の知識や分析の知識、調査設計の手法等の調査に係る専門分野の基礎知識がある人、エクセルを高度に使いこなせる人など、マーケティングに関する特技や資格はマストではありませんが、あれば一応のアピールにはなります。

同様に、学生時代に「主体的に携わった調査」の経験や、その発表・実績等もないよりはあった方が説得力は増します。

しかし、それが採用の決め手にはなりません。マーケティング職の採用基準は、企業によって大きく違いますが、自分の特技、資格や経験を通じて「地頭の良さ」をアピールすることが重要と考えてください。

選考時はそれに加えて抽象的ですが、上記の求められる資質を備えた「全人格的なもの」で向き不向きは判断有れる傾向が強いです。資格や特技は、外資系企業における語学力を除き、あくまでサブ的なものです。

マーケティングに携わる4つのルート

マーケティングに携わるには、以下の4つのルートがあります。

  • コンサルティングファーム
    • 外資系、内資系の総合コンサル、戦略コンサルのコンサルタントとしてクライアント企業のマーケティングに参画する関わり方

 

  • 広告代理店等、マーケティング支援企業
    • 内資系の総合広告代理店のマーケティング部門(呼称はそれぞれの企業で異なります)や外資系広告代理店のストラテジック・プランニング(呼称はそれぞれの企業で異なります)で、そのクライアントのマーケティングを支援する関わり方

 

  • デジタル系広告代理店、インターネット情報通信サービス、EC企業でのデジタルマーケティング
    • 自社サイトに集客する、登録者を増加させる、コンバージョンや販売数、売り上げを増加させる等のWebビジネスのKPIに対し、データ分析や調査を行って改善策を見出して提案、実施をしていく関わり方

 

  • 事業会社でのマーケティング職
    • メーカーやサービス提供企業の商品・サービスのマーケティングに直接関わります

上記のどのルートも選考は厳しい狭き門です。特に日本企業の事業会社の場合、新卒時でマーケティング職の職種別採用を行っている企業は稀です。

日本企業の事業会社でマーケティングし職を目指す場合は、将来のキャリアビジョンとしてアピールする方法をお勧めします。

マーケティング職の志望動機で、やってはいけないこと、やるべきことを理解しよう

 マーケティング職を志望する場合、やってはいけないことは、総合職の志望動機やガクチカ、自己PRをそのまま流用して、「私はマーケティング職に向いている」、「マーケティング職を志望します」と結論付けることです。

それをやってしまうと、以下のような文脈の自己PRになっていまいます。

私は学生時代カフェでアルバイトをしており、アルバイトという身ではありましたが、何とかお店の売上増に貢献したいと思い、お客様自身が自分の席でコーヒーを淹れ、プチケーキとセットにして販売する企画を立てて提案を行いました。

 

幸い店長に採用していただき、実施したところ、午後の時間帯の売り上げを30%伸ばすことが出来ました。

 

この企画により、店舗でのコーヒー豆の販売増にも繋げることができ、商品を販売するにお客様の購買意欲を促進することが重要であることを体験することが出来ました。

 

この体験によってマーケティングの重要性に目覚めたことが、貴社を志望する動機となりました。

上記のエピソードの下半分が、総合職の志望動機を流用しつつ、マーケティング職用に書き換えたものです。

皆さん、どう思われますか?

実は、この種の例文がマーケティング職用の志望動機の「良い例文」として就活情報サイトや就活本に掲載されています。

しかし、マーケティングに深く携わった人が見れば、この例文の説得力のなさは一目瞭然です。何故、このような例文が「良い例」としてあげられているのか、悲しくなってしまう程です。

商品を販売するにお客様の購買意欲を促進することが重要」というところが、当たり前すぎて、何も言っていないのと同じです。

もしこのエピソードを使う場合は、エピソードの内容から、少なくとも「お客様自身が自分の席でコーヒーを淹れ、プチケーキとセットにして販売する企画」の部分をもっと掘り下げるべきなのです。

折角、「コーヒーを淹れる」という体験価値、淹れるという行為に伴う、ゆったりとした時間や、コーヒーの香りという価値、プチケーキとのセットの付加価値と具体的な価格差によるお得感の創出等、顧客の立場に立った書き方をすれば使えるレベルにはなります。

マーケティング職の志望動機や自己PRは、そこにあった問題点や課題を具体的に書くこと、そして相手(顧客)の立場、相手(顧客)にとっての価値と言う視点で書いてみて下さい。

「情報を集め分析することの大切さ」も、もちろん重要ですが「当たり前」過ぎるのです。

本気でマーケティング職を目指すなら、マーケティングに関する身近な成功事例が解説されている本を読みあさって、自分にも似たような経験や、何かを根本的に変えた体験がないかを考えてみましょう。

最近のマーケティングの身近な成功事例としては、需要を創造したという意味でネスカフェのネスカフェバリスタマシンやネスカフェアンバサダーの仕組みと提案、低迷していたウイスキー需要を一変させ、若者を中心にウイスキー消費を回復させたサントリーのハイボール提案、ソフトドリンクからアルコール飲料に参入して成功を収めたコカ・コーラの檸檬堂、お醤油市場を変えたキッコーマンの生醤油等、数多くの事例があります。

新しい需要生み、抱えていた問題を解決したブレーク・スルーの事例から、マーケターの視点を学ぶことで、あなたのESの深みや面接での応答品質を上げていきましょう。

他の総合職の自己PRがそのまま使えると思うのも甘いです。

マーケティングに求められる資質・能力、求められるスキルで解説した以下のポイントでアピールできるエピソードを探してみましょう。

  • 知的好奇心と探求心が高い
  • 論理的思考能力が高い
  • 情報感度が高く、企画力・発想力、クリエイティビティがある
  • コミュニケーション能力
  • プレゼンテーション能力
  • 特技・資格・マーケティングの実体験がある

どんなエピソードでも、マーケティング視点の「当たり前のこと」ではなく、あなたの独自の深い考えからマーケティング職を求める根拠をアピールしてください。

例文をコピーしたり、真似たりしても効果はなく、むしろマイナスになる場合もあるので注意しましょう。

まとめ

マーケティング職志望は甘くないことを理解しておこう

マーケティングの定義をしっかり話せるようにしておこう

マーケティング職の中身と分類を理解しよう

  • 市場調査・分析
  • 商品企画・商品開発
  • 営業企画・販売促進
  • 広告・宣伝
  • CRM(カスタマー・リレーション・マーケティング)
  • デジタルマーケティング

マーケティングに求められる資質・能力、求められるスキルをチエックしてみよう

  • 知的好奇心と探求心が高い
  • 論理的思考能力が高い
  • 情報感度が高く、企画力・発想力、クリエイティビティがある
  • コミュニケーション能力
  • プレゼンテーション能力
  • 特技・資格・マーケティングの実体験がある

マーケティングに携わる4つのルートを知っておこう

  • コンサルティングファーム
  • 広告代理店等、マーケティング支援企業
  • デジタル系広告代理店、インターネット情報通信サービス、EC企業でのデジタルマーケティング
  • 事業会社でのマーケティング職

マーケティング職の志望動機で、やってはいけないこと、やるべきことを理解しよう

  • 当たり前のことは主張しないこと
  • マーケティングを良く理解した上で、総合職用のESを練り直す

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