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志望動機の基本の書き方
まず基本の書き方を覚えましょう。志望動機については、以下のクリティカルな質問に対する答えを必ず用意します。
- 何故、他の業界ではなく金融業界、さらにクレジットカード会社なのか?
- 何故、他社のクレジットカード会社ではなく、このクレジットカード会社なのか?
- このクレジットカード会社で、何がしたいのか?何を実現したいのか?
クレジットカード業界の志望動機は、基本的にこの3つの質問に対し「あなた自身」を起点に答えを出せば良いのです。
志望動機の作成方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。もし読んでいなければクレジットカード業界への志望動機を書く前に、ぜひ参考にしてください。志望動機の構成要素に関する理解が深まります。
ここでは、作成のためのフローチャートと、志望動機のまとめ方のフローチャートを掲載しておきます。志望動機の作成フロー
志望動機の構成要素とまとめ方
クレジットカード会社への志望動機の書き方
クレジットカード会社への志望動機を説明するために、具体的に三菱UFJニコスへの志望動機文を掲載しています。これは、あくまでクレジットカード会社への志望動機文の構成要素と文章フローの参考用です。具体的な事実に基づかないと、参考にし難いという理由からです。
志望動機は、あくまで「あなた起点」で書かなければ意味がありません。就活本やマニュアル、就活支援サイトにある例文は参考にして良いですが、コピペや流用は止めましょう。コピペや流用をして一時的にしのげたとしても、面接では説得力がなく選考には勝ち残れないでしょう。
うまく内定がとれたとしても、あなたの本質からずれたところで選んだ企業に入社するリスクになります。入社後にミスマッチが起こると、あなたも企業もお互いに不幸な結果になってしまうので、志望動機は必ず自分の考えと意思で作成しましょう。
例文:三菱UFJニコスへの志望動機
三菱UFJニコスへの入社を志望する理由を教えてください。(300文字以内)
キャッシュレス決済の加速により、日本をより安全・便利にすることで高齢者や訪日外国人観光客のストレスを失くしていきたいと考えました。
日本はいまだ個人消費の現金決済割合が約50%、民間消費全体でもクレジットの使用率は約17%であり成長の可能性が広がっています。
人口減少が明らかとなり、観光客をはじめ外国人との共生が重要な時代を迎え、クレジットカード業界の果たす役割は大きいと感じました。
貴社のセミナーに参加し全国ネットワークの強さ、J-Mupの独自開発やDCC決済システムの構築の話に大きな魅力を感じました。私は家電量販店で接客のアルバイトをしていたため、その利便性を実感として理解できたのも貴社を志望する大きな理由です。
クレジットカード会社で実現したいことを結論として書く
エントリーシートでも、面接でも、「この企業で実現したいこと、やりたいこと」は志望動機の結論部分になります。結論は、エントリーシートの志望動機欄には一番初めに、明確に書きましょう。面接では、結論を始めに述べましょう。
理由から入ると、話の核心が見え難く、弱くなってしまいます。ESでも面接の応答でも、基本は結論をはじめに述べてから、その理由を簡潔に説明していくフローを使いましょう。
三菱UFJニコスのESでは、志望動機に関する質問はエントリーする理由を答える形式になっている為それに従っていますが、「エントリーする理由」にもあなた自身の「意思」を込める必要はあります。単にその企業の特長を挙げるだけでは不十分ですので、注意してください。
三菱UFJニコス志望のAさんの志望動機の場合は、以下の部分が冒頭の結論になります。
志望動機の結論として、「自分の成長」や「自己実現」など、自分へのメリットを書くのは止めましょう。企業はあなたのために採用活動を行っているのではありません。あくまで企業のために行っています。企業のためとは、企業の利益に貢献をすること、そのためには、企業の顧客に価値を提供することです。
成長していくという姿勢は非常に重要ですが、何のためにという部分が、自分に向いている志望動機はNGです。多くのエントリーシートを読んでいますが、ここをはき違えてしまっている学生は多いので注意しましょう。
冒頭に書くのは結論=核心部分なので、クレジットカード会社の独自性、特長や業界でのポジショニングを反映していないと、非常に弱い結論になってしまいます。他業界にもあてはまるような、「日本経済を支えていきたい」「人々の生活を豊かにしたい」「お客様との信頼を築く」など、どの企業でも言える抽象的なことは、全くアピール力がないことは、言うまでもありません。
この結論部分には、「あなたならでは」の要素を入れましょう。三菱UFJニコスの例では下記の部分がそれにあたります
このように他の学生ではない、あなた独自の情報を入れないと、あなたの志望動機としては弱いものになってしまいます。あなた独自の情報とは、人柄、経験、価値観、独自の視点、強みや専門分野などを指します。
適切な経験や、専門分野がどうしても思いつかない場合は、徹底した企業研究から次のステップで自分独自の情報をつくりましょう。
- Step 1: 志望する会社の特徴・強み・長所・中長期の経営方針をまとめる
- Step 2: 上記の要素から、自分として最も魅力に感じる部分を選び、その理由を深堀する
Step 2では自分の中で「理由の理由」を繰り返し掘り下げていき、自分の深い部分での繋がりを自分の言葉で表現していきましょう。
何故、クレジットカード会社なのかを理由付ける
志望動機の作成フローにあるように、あなたが何故その業界に興味、関心があり、人生の重い決断である職業選択の対象にしたのかを説明しましょう。そして、何が結論である「あなたがその企業でやりたいこと」に結び付いているのかを説明します。
三菱UFJニコスへの志望動機の例では、決済に対する自分の視点と、何故そのような強い興味を持つきっかけ、動機になったのかを語っています。
「日本はいまだ個人消費の現金決済の割合が約50%であり、民間消費全体でも約17%でしかなく成長の可能性が広がっています」
きっかけ:
「貴社のセミナーに参加し」
「私は家電量販店で接客のアルバイトをしていたため、その利便性を実感として理解できた」
上記の業界研究による事実・データと自分自身の視点、経験を、冒頭のビジョン=志望理由の根拠にしています。
何故、同業他社ではなく、このクレジットカード会社なのかを理由付ける
このパートに説得力を持たせるのは、徹底した個別企業の研究と、自己分析です。志望企業はもちろんの事、その業界内で競合する企業を研究して、志望企業ならではの特徴、独自性を見つけていきます。
クレジットカード会社にも、その成り立ちによって性格が大きく異なります。銀行系(三菱UFJニコス、三井住友カード、アメリカンエキスプレス等)、信販系(セディナ、ライフ、ジァックス、オリコ等)流通系(エポスカード、クレディセゾン、イオンクレジットサービス、セブン・カードサービス等)、独立系(SBIカード、dカード、楽天カード等)、またVISAやMastercard、JCBなどの国際業務を行うブランドホルダーがあります。
それぞれの会社によって業務ドメインや強み、収益構造が異なっているため、一口にクレジットカード業界と言っても、しっかりした企業研究を行わないと太刀打ちできません。
徹底した業界、企業研究を行い、志望する企業の独自性と「あなた自身の理由」を結び付けて下さい。インターンシップやOB/OG訪問を積極的に行って、よりリアルな情報や「やりがい」を取材しましょう。最終的に「私のしたい仕事、ビジョンを実現できるのは、○○○という特長を持っている貴社である」という文脈を構成できれば良いのです。
ちなみにJ-Mupsはクラウド型の決済システムで、インターネット回線を活用してJ-Mupsセンターと通信することで、クレジットカード決済や各種電子マネーの利用が、1台の端末で取扱可能になるシステムであり、三菱UFJニコスとJR東日本メカトロニクス(JREM)が共同開発したものです。現在はJCBの開発したJCNと事業を統合して株式会社日本カードネットワークとJR東日本メカトロニクス株式会社が共同で運営しています。
DCC決済サービスとは、( Dynamic Currency Conversion)の意味で、海外からのお客様が店頭でのクレジットカード決済時に自国通貨で取扱いができる便利なサービスです。
自己PR要素で志望動機を補強しよう
クレジットカード会社は、金融業界の中でも成長分野であることから人気業種であり、エントリーしてくる学生のレベルが高いです。そこであなたを印象に残すためには、エントリーシート段階でも自分のアピ―ルポイントを明記して、それによってどんな貢献ができるのかを、ビジョンでも良いので書くことが重要です。
クレジットカード会社のESでは、自己PRや学生時代に力を入れたことを詳細に書く項目がある場合がほとんどです。その記述欄に自分で最も競争力があると思うアピールポイント(経験、能力、長所、強み、資格、専門領域など)を書くことは当然ですが、志望動機にもその連携、一貫性を表現できているとプラスポイントになるでしょう。
三菱UFJニコス例文の場合は、志望動機としての文字数は少ないため多くは盛り込めませんが、最低限、やりたいことの根拠として、DCCシステムの利便性をアルバイトの経験で実感していることをアピールしています。アルバイトの経験を加えることによって、少なくとも面接での質問の「きっかけ」にすることは出来ています。文字数に余裕があれば、もう少し具体的に説明して志望意欲を補強できるでしょう。
自己PR要素を盛り込む際に注意したいのは、いくらあなたの価値観や経験に適合しているからといって、派生した個別の活動にフォーカスするのは止めておきましょう。
三菱UFJニコスの場合は、日本盲導犬協会カードや骨髄場バンクカード、赤十字カードなど社会貢献カードの発行や震災支援活動、地域ボランティア活動等のCSR活動を行っています。これらはクレジットカード会社として、社会的な意義のある活動には間違いないのですが、事業活動の根幹をなす活動ではありません。
作成フローにもあるように、最も上位の概念はその企業の本質的な存在意義です。個別の活動がその企業に興味を持つ「きっかけ」になった場合でも、それをそのまま動機にするのではなく、その奥にある存在意義に基づいた企業や事業の本質的な部分に、あなた自身の志望動機を結び付けてください。
具体的な職種やキャリアプランでアピールしよう
あまり無理やりこじつけるのは得策でありませんが、志望動機が職種まで出来ていれば、説得力を増すことになります。エントリーシートの記載までに、職種志望動機とキャリアプランまでをまとめておきましょう。その企業に入って、具体的に何をしたいかを結論として書くためには避けては通れません。
例文では文字数が少ないため、志望する職種やキャリアプランには言及していませんが、面接では必ず質問されます。文字数に余裕があれば「実現したいこと」に繋がるような構成を考えて補強してみましょう。
職種を考える際は、クレジットカード会社の主な業務ドメインの、会員獲得、カード発行、会員サービス(加盟店開拓、決済インフラ・ソリューション事業、ファイナンス事業、システム開発やセキュリティ対策の主たる業務を理解しておく必要があります。
また、次の専門用語は基本中の基本なので、しっかり業界研究をして自分の言葉で語れるようにしておきましょう。
- イシュアー(カード会員業務)
- アクワイアラー(加盟店業務)
- ブランドホルダー(世界中で利用できるカードブランドで、VISA(ビザ)・Mastercard(マスターカード)・JCB(ジェーシービー)・American Express(アメリカンエキスプレス)・Diners Club(ダイナースクラブ)、銀聯(ぎんれん)カードと、ディスカバーカードの7種のみ。2018年8月現在)
クレジットカード業界は、多くのステークホルダーが入り組んで事業を行っているため、志望する会社がどの機能や事業をメインに行っているかを理解しないとピント外れの志望動機になってしまうので特に注意してください。
たとえば、ブランドホルダーでないカード会社に、ブランドホルダーでしかできないような業務を志望動機にしていると、それだけで「企業研究が甘い学生」として、選考を通過するのが難しくなります。
就活の軸、「企業選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぼう
志望動機文の最後のフレーズは、就活の軸の実現がこの企業だからできるという文脈で結びましょう。それまでの文章のフローで、二度同じことを言わないように表現を工夫する必要はあります。
文を締める意味で「貴社を志望しています」で結ぶために、核心部分を別の表現で補強しておきましょう。例文での構成は以下のようになっています。
「キャッシュレス決済の加速により、日本をより安全・便利にすることで高齢者や日本を訪れる外国人観光客のストレスを失くしていきたいと考えました」
締めの志望意欲の表明:
「私は家電量販店で接客のアルバイトをしていたため、その利便性を実感として理解できたのも貴社を志望する大きな理由です」
クレジットカード業界への志望動機のまとめ
- そのクレジットカード会社で実現したいこと、やりたいことを結論として初めに書く
- 何故、クレジットカードという業種なのかを理由付ける (業種・業界の存在意義 X 価値観・経験)
- 何故、同業他社ではなく、そのクレジットカード会社なのかを理由付ける(志望するクレジットカード会社の存在意義・特徴・独自性 X 価値観 X 自己PR要素)
- 就活の軸、「企業選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぶ (志望するクレジットカード会社の存在意義・特徴・独自性 X 就活の軸)
尚、志望動機欄の文字数制限が300字以下の場合は、自己PR要素は削除してもかまいません。殆どのESには自己PR欄や、学生時代に力をいれたことを記述する欄がるため、そちらで集約して、志望動機は全体を簡潔にまとめてください。
ただし上記の4つの要点はカバーしましょう。完全に一つ一つをカバーしなければならないという意味ではありません。文脈の中でうまく伝えることにトライしてください。ES全体として「あなた」という個性と志望動機に一貫性が読み取れ、採用担当が「あなたがこの企業で働いている姿」を想像できれば選考を勝ち抜けます。
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