就活の一つの目的は、大学卒業して仕事に就き、できればより高い収入、安定した収入と地位、充実したライフスタイルを確保したいというのが本音にあると思います。
それを実現するために就活生に人気のある大手企業や上場企業を目指したいという人も多いでしょう。
しかし、それらの企業は志望者が殺到するため超難関、高倍率となり、本エントリーをしてもその先の面接に進めないことは普通におこります。
そこで考えるのは同一業界で競合している企業や、下位の企業を狙って志望することです。自分が「仕事に就いて実現したいこと」や「将来のなりたい自分の像」がぶれないため、合理的な選択と言えます。
もう一つのルートは第一志望の大企業の子会社やグループ企業を狙うという選択肢です。
大企業の子会社やグループ企業の新卒情報サイトには、グループ企業への就活へのルートが紹介されている場合もあります。
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就活生が大企業の子会社やグループ企業を志望するメリットと動機
就活生が大企業の子会社やグループ企業を志望するメリットや動機を聞くと、以下のような答えが返ってきます。
- 志望する親会社より、ライバルが少なくなり就活の難易度がはるかに低くなる
- 志望する業界の中で、志望した大手企業は無理でもその企業のグループで活躍したい
- 企業にもよるが、ある程度規模の大きいビジネスを扱える
- 大手企業の子会社なので、倒産する恐れはなく、安定している(と、思う)
- 大手企業ほどでなくても、そこそこ(中小・中堅企業以上)の収入のレベルは確保できるはず
- 大企業の名前がついていることや、大企業の子会社であるという紹介ができるため、世間体や、社会的な信頼性、自分のプライドもある程度満たせる
- 親会社に準じた福利厚生が期待できる
- 転勤はしたくないので、子会社であっても地域的に限定した環境を選びたい
- 大手企業の労働条件が適用されることが多く、就業時間、残業や休暇も適切に運用されている(ブラックではないはず)
上記のメリットやそこから生まれる動機をみてみると、大手企業の子会社への就活は合理性があるように思えます。むしろ「狙い目」と思うかもしれません。
確かに皆さんが考えている上記のメリットはありますが、大手の子会社だからといってすべて満たしている企業はほとんどありません。
逆に、大手の子会社でもデメリットの方が目立つ企業もたくさんあるので要注意です。
では、就活で大手の子会社に就職する場合のデメリットもみていきましょう
就活生が大企業の子会社やグループ企業に就職する場合のデメリット
就活生が大企業の子会社やグループ企業に就職する場合のデメリットは以下の通りです。
- 大手の子会の性格はバラバラであり、ケースバイケース。必ずしも志望する業界の仕事ができるとは限らない
- 子会社は親会社の意向を受ける存在(下請け的存在)である場合は、隷属的な関係で支配されることも多い(親会社の意向には逆らえない)
- 親会社が上流(例えば生産)を受け持ち、子会社が下流(例えば販売)を担当する構造だと、無理な販売ノルマを課せられることがある
- 親会社がやりたがらない仕事、例えば、細かく手間がかかる仕事、効率が良くない仕事を子会社が行っている場合は子会社の仕事は激務になりがち
- 子会社のプロパー(新卒で入社した正社員)が部長以上の管理職になれず、部長以上の管理職や経営者は親会社から送られてくることが普通
- 子会社の社員が有能で高い業績を上げていても、親会社から降ってくる社員の能力が劣っていても命令を受けることになり、モチベーションが保てない
- 子会社の給与はよくて親会社の7~8割程度、生涯年収ではそれ以上の差がつく
- 親会社の福利厚生がそのまま適用される訳ではなく、限定的である
- 親会社の事業の将来へのビジョンで不要、もしくは効率が悪い、シナジー効果が少ないと親会社が判断した場合、たとえ利益を出していても他社に売却される可能性がある
もちろんすべての大手企業の子会社が上記のデメリットを持っている訳ではありません。
重要なのは、大手の子会社だからという理由だけで、安易に安定や世間体を主体に選び、就職すると、後で「こんなはずじゃなかった」、「仕事が面白くない、モチベーションが保てない」という事態になる可能性が高いことです。
上記のデメリットもあることを分かったうえで、企業を分析・選別すべきだということです。
自己分析ツールを活用して、あなたの適職を発見しよう
就職先を決める時に一番重要なのは、その仕事が「自分に向いているかどうか」です。自分に向いている仕事を見極めるには、自己分析が欠かせません。
「自己分析」は就活のイロハの「イ」ですが、時間がかかり大変です。そして自分を冷静に見つめ直すのも難しいものです。
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子会社の性格を分析しよう
それでは、どのように企業を分析すべきかを解説します。
まず、重視してほしいのはあなたのモチベーション・ファクターです。
第一には、その子会社が、あなたの「仕事に就いて実現したいこと」や「将来のなりたい自分の像」につながるかという点です。
特に注意してほしいのは子会社の性格と、親会社の事業のどの部分を担っているか、親会社の事業との関係性です。
その会社が発行している株式の50%を親会社が所有している場合、親会社からみてその会社は子会社になります。
親会社が子会社の発行済株式の100%を所有している場合は「完全子会社」であり、親会社が子会社を完全に支配、コントロールできる関係にあります。親会社が設立した子会社の場合は完全子会社である場合が多いです。
元々独立した経営であった企業の株式を大手企業が取得し50%以上保有する株主となって子会社化した場合や、対等の出資比率で設立した企業の場合はも元々の企業やパートナー企業の経営が色濃く残っており、経営や人事も完全に支配していない場合もあります。
ホールディングカンパニー制をとっている企業は、その持ち株会社以下は子会社やグループ企業ということになります。
ホールディングカンパニーからみるとその設立の源流になった企業も100%子会社になりますが、この場合の源流企業はむしろ事業会社としては親会社となり、その下に更に源流企業の子会社(ホールディングカンパニーから言えば孫会社)が連なっています。
このように、子会社といえどもその成り立ちや株式の保有状況によって性格が違い、それによって企業の文化、社風、経営方針も違ってきます。
大手企業の子会社という大雑把なくくりではなく、子会社の設立経緯や、設立目的、親会社との関係、親会社の事業のどの部分を、どのように行っているかをチェックすることは、働くモチベーションにも大きく関わるため必須です。
子会社での代表的なキャリアパスを把握する
会社説明会(WEB形式含む)、OB/OG訪問、面接での逆質問等で、新卒での入社社員の代表的なキャリアパスを把握しておきましょう。
その質問をするためには、まず志望者としての志望動機をちゃんと整え、表明しておかなければなりません。
「御社は大手の子会社なので、安定しているから志望しました」、「御社は〇〇〇会社の子会社なので〇〇〇会社の仕事ができる思い志望しました」では、就活の選考では即死します。
子会社だからと言って甘く見ていたら選考は通過できません。
大手の子会社であれば、親会社より難易度は下がりますが、あなたと同様の動機で志望する学生はたくさん存在します。
従って親会社を志望するのと同様なプロセスで、真剣に志望動機をつくる必要があるのです。
親会社の下流の仕事をしている子会社であっても、実際の顧客に近いビジネスであったり、顧客のニーズに応えるところでモチベーションを発見できることも多いのです。
そのうえで、将来的なキャリアパスまで考えて、モチベーションを保てるかをチェックしてきてください。
もちろん、大手の子会社で仕事を覚え、プロモーション(出世)が見込めなければ競合企業に転職する道もあるわけです。そうであっても、キャリアというものは積み上げていくものです。他の選択肢との比較をするためにも、しっかりとしたビジョンを持って就職するためにも、できる手は打っておきましょう。
安定志向は見抜かれていると思って面接すること
まっとうな志望動機を考えると、志望しようとしている企業の親会社を志望していないことは不自然でしょう。
エントリーしても選考が突破できなかった場合は、その事実をこちらから積極的に言う必要はありませんが、面接官から聞かれたら隠す必要はないです。
志望動機さえちゃんとできていれば、業界志望理由とともに親会社への就活の過程で「御社(志望する子会社)の〇〇〇の魅力に気づき、□□□を実現したいと考えたのが志望理由です」という文脈で答えればよいのです。
また、地域担当子会社の場合は「御社の事業を通じてその地域の〇〇に貢献したい」というものでも良いでしょう。
大手の子会社の面接官であれば、就活生が言わなくても、「安定したステイタス」が志望動機であることはわかっています。志望者全員のほぼ共通した動機であるので、「安定した環境で仕事をしたい、大手企業の仕事をしたい」というような動機では全く差別化できないので注意してください。
現在のビジネス環境ではそもそも「安定」は期待できません。いかに「変化」に対応できるかが、仕事で成功し、人生を充実させるキーワードなのです。
最後に、一言。
仕事を進めていく上で、「人間関係」はとても重要です。ただでさえ顧客との関係でストレスを感じることも多いのが仕事です。
その上に、親会社・子会社の上下関係で、社内の人間関係ができている場合は社内でもストレスが溜まってしまいます。
その意味で個性や主張の強い性格の人、リーダーシップを発揮したい人、チャレンジ精神が旺盛な人は、大手子会社の安定を求めるより、同業界の中堅企業へ志望するなどの他の道も検討することをお勧めします。
まとめ
Fランクという言葉は好きではないので使いたくはないのですが、自分で、はじめから限界を設けて大手企業の子会社への就職を目指すのはお勧めできません。
新卒の就活は、フリーハンドで自分の将来へ自分の意志を優先してアプローチできる貴重な機会です。
その重要な機会に、世間体や安定を自分の「本当の気持ち」に優先させ、自分の「本当の気持ち」に向き合わないのはとても残念だと思います。
大手の子会社という選択肢は、ある意味合理的な選択肢にはなり得ますが、自分の理想を追求せず、妥協できるレベルをはじめから目標にするのはやめておきましょう。
自分の理想のバックアップとして用意しておく、選考の通過状況をみてエントリーを追加していくのは大いに有りです。
その場合でも、ある程度の長期スパンで、「自分のモチベーションが持つか?」をちゃんと考え、判断をしましょう。
新卒でのフリーハンドの職業選びは、人生にたった一回しかない貴重な機会です。その機会にベストな答えがでるように、就活を準備し、戦っていきましょう。
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