【例文あり】選考で差をつける、建設業界への志望動機の秘訣

まず建設業界を理解することから始めよう

建設業界と一言でいっても、そこには様々な業種が存在します。建設という言葉は建築と土木を包含する概念と考えれば分かりやすいでしょう。

建築は建物を建てること、土木は道路やトンネル、橋、ダム、防堤、鉄道を造ることを意味します。

多くの就活生は建設業というと、ゼネコンを意識すると思います。ゼネコンとは総合建設業者と呼ばれ、厳密な定義はありませんが、元請け業者として建築の実務を担当する協力会社、土木・建設会社をコントロールします。

ゼネコン企業は、機能としては設計・施工・研究部門を持っています。その中でも大手をスーパーゼネコンと呼び、一般的に単独で売上げ規模一兆円以上が基準とされています。

現在スーパーゼネコンに該当するのは大林組、鹿島建設、大成建設、清水建設、竹中工務店の5社ということになります。

建設業界には土木専業の企業（NIPPO、前田道路、日本道路　等）、工場の建設に特化したプラントエンジニアリング企業（日揮、千代田化工建設、東洋エンジニアリング等）、一戸建ての設計、施工を中心に行うハウスメーカー（大和ハウス、積水ハウス、住友林業　等）があります。

まとめ—建設業界の５つの分野：

建設業界の職種と仕事内容

 更に職種に関しても高度化、細分化しています。志望動機を書く前に、建設業界で行う仕事とはどんな仕事なのかを理解しておきましょう。ここでは就活生に人気の高いスーパーゼネコンの主な職種について解説します。

建設業界の職種を大まかに分けると、以下の3つの業務分野になります。

土木部門：

建築部門

事務部門

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志望動機の基本の書き方

まず基本の書き方を覚えましょう。志望動機については、以下の本質的な質問に対する答えを必ず用意しましょう。

ここでは、作成のためのフローチャートと、志望動機のまとめ方のフローチャートを掲載しておきます。

志望動機の作成フロー

志望動機の構成要素とまとめ方

建設会社への志望動機の書き方

建設会社への志望動機を説明するために、具体的に就活生の人気が高いスーパーゼネコンの大成建設への志望動機の例文を掲載しています。これは、あくまで建設会社への志望動機文の構成要素と文章フローの参考用です。具体的な例文に基づかないと、参考にし難いという理由からです。

しかし前述のように分野が違えば会社の特徴は大きく違います。また同じ分野であっても得意とするものや受注実績でも特徴があり、その会社のポジショニングによっても差が出ますので注意が必要です。例文はあくまで基本の考え方を示すものなので、志望企業毎の徹底した企業研究が必須であり、個別のカスタマイズが必要なことを強調しておきます。

志望動機は、あくまで「あなた起点」で書かなければ意味がありません。就活本やマニュアル、就活支援サイトにある例文は参考にして良いですが、コピペや流用は止めましょう。コピペや流用をして書類選考を一時的にしのげたとしても、面接では説得力がなく、選考には勝ち残れないでしょう。

うまく内定がとれたとしても、あなたの本質からずれたところで選んだ企業に入社するリスクになります。入社後にミスマッチが起こると、あなたも企業もお互いに不幸な結果になってしまうので、志望動機は必ず自分の考えと意思で作成しましょう。

志望動機が書けない時は、志望動機ジェネレーターを活用してみよう

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例文：大成建設への志望動機

当社でやりたい仕事、成し遂げて見たい事

この建設会社で実現したいことを結論として初めに書く

エントリーシートでも、面接でも、「この建設会社でやりたいこと、実現したいこと」は志望動機の結論部分になります。結論は、エントリーシートの志望欄には一番初めに、明確に書きましょう。面接では、結論を始めに述べましょう。

ESで「理由を述べよ」と指示していない場合は、文の冒頭は、結論＝核心部分から書きます。理由から入ると話の核心が見えにくく、弱くなってしまいます。ＥＳでも面接の応答でも基本は結論をはじめに述べてから、その理由を簡潔に説明していくフローを使いましょう。

また「理由」を述べる場合でも、企業の特徴を述べているだけでは、あなたを感じることはできません。理由にあなたの「意思」や「視点」を入れて書かないとアピール不足になります。

建設会社を志望する場合、まずその会社が所属する業種と、他の業種との違いをしっかり理解して志望動機を作りましょう。しかし「何故、この業種なのか」という点は、文系志望者の場合などは特にそうですが、あなたがその業種に専門性が無い場合は、明確に語ることは難しいと思います。

その対策として、建設会社への志望動機の場合、次の2点を入れて書くことをお勧めします。

上記の質問を、「理由の理由」を何度も掘り下げて自問し、あなたの深い部分で結びつくポイントをみつけていきましょう。

また、志望動機の結論に、「自分の成長」や「自己実現」など、自分へのメリットを書くのは止めましょう。企業はあなたのために採用活動を行っているのではありません。あくまで企業のために行っています。企業のためとは、企業の利益に貢献をすること、そのためには、企業の顧客に価値を提供することです。

多くのエントリーシートを読んでいますが、志望動機の結論部分を自分の成長など、自分へのメリットに重きを置いて書いてしまっている学生は非常に多いのです。個人の成長は重要ですが、それを志望動機の核として、自己目的化するのは止めておきましょう。

この結論部分には、「あなたならでは」の要素を入れましょう。他の学生ではない、あなた独自の情報を入れないと、あなたの志望動機としては弱いものになってしまいます。あなた独自の情報とは、経験、価値観、独自の視点や強み、専門領域を指します。大成建設の志望動機の例では以下の部分がＡさんならではの情報です。

何故、この業種、建設会社なのかの理由

志望動機の作成フローにあるように、あなたがなぜその業種に興味、関心があり職業選択の対象にしたのかを説明しましょう。そして、何が結論である「あなたがその建設会社でやりたいこと」に結び付いているのかを説明します。

大成建設への志望動機の例では：

何故、同業他社ではなく、この建設会社なのかの理由

このパートに説得力を持たせるのは、徹底した個別の企業研究と、自己分析です。志望企業はもちろんの事、その業界内で競合する企業を研究して、志望企業ならではの特徴、独自性を見つけていきます。

同じ業種内で、いくつかの建設会社が競合しています。業種までは自分の専門性や価値観、経験に結び付けられたとしても、更に、何故競合する建設会社ではなく、この会社なのかの答えを用意しておきましょう。

大成建設への例文では、以下の部分が大成建設の独自性であり、大成建設を選んだ理由、根拠を説明しています。

 自己ＰＲ要素を加えて志望動機を補強しよう

例文のように自己分析から抽出したあなたの強みや長所、性格、経験や資格、専門領域などの自己ＰＲ要素を入れていきましょう。

大成建設のへの動機の場合は、以下の部分が具体的な自己ＰＲ要素です。

建設業界で必要なスキルセットや求める能力は、その業態や職種によって大きく異なります。営業ならばコミュニケーション能力、対人関係構築力、主体性、目標に対する執着心、粘り強さや、負けず嫌いの性格、は好まれます。またストレス耐性も重視されます。

作業所事務では、コミュニケーション能力、協調性、計画性、スケジュール・計数管理能力、調整力、体力が求められます。

技術系職種に関しては特定分野の専門知識や、主体性、チャレンジ精神、ストレス耐性、緻密さ、注意深さ、責任感などは重要な資質になります。ミスがあると人の命に関わる、事故につながる可能性もあるためハードルは高いです。

建設会社が募集する職種に関して、あなたが本当にある特定部分のスペシャリストで、専門知識や経験があり、その分野にこだわりがあればそれを核に志望動機をつくるべきです。大学院の学生の場合は、専門分野は特に必要不可欠な要素となります。

自分のアピ―ルポイントを明記して、それによってどんな貢献ができるのかを、ビジョンでも良いので書くことが重要です。

エントリーシートのフォーマットの多くは自己ＰＲ欄を別に設けているため、文字数が少ない場合は志望動機に自己ＰＲ内容を入れなくて良いですが、ひとつのシートとして人格が伝わるような一貫性は持たせておきましょう。

自己ＰＲ要素を盛り込む際に注意したいのは、いくらあなたの価値観や経験に適合しているからといって、企業の本質から遠い活動や、ある特定の個別の活動のみに結びつけるのはＮＧです。

一例として挙げるのなら良いですが、作成フローにもあるように、最も上位の概念はその企業の本質的な存在意義です。そこからナローダウンする必要はありますが、個別の活動ではなく、その奥にある存在意義に基づいた企業や事業の本質的な部分に、あなた自身の志望動機を結び付けてください。

キャリアプランで意欲の高さをアピールしよう

具体的にこの建設会社に入って何がしたいのか、何を実現したいのかを、職種希望と結びつけて語りましょう。そして文字数が許す範囲で、キャリアプランまで熱く語ると好印象です。

エントリーシートの記載までに、職種志望動機とキャリアプランまでまとめておきましょう。その企業に入って、具体的に何をしたいかを結論として書くために避けては通れません。面接では必ず質問があるのでＥＳの段階でも固めておきましょう。

大成建設のESでは、やりたい仕事と、成し遂げてみたい事の二つを質問しています。そこにキャリアプランのブリッジが表現できていないと唐突な印象になってしまいます。例文では冒頭の結論にキャリアプランを重ねて表現しています。

 就活の軸、「会社選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぼう

志望動機文の最後のフレーズは、就活の軸の実現が、この建設会社だからできるという文脈で結びましょう。それまでの文章のフローで、二度全く同じことを言わないように表現を工夫する必要はあります。

文を締める意味で「貴社を志望しています」、「貴社に貢献したい」という志望意欲を伝えるために、核心部分を別の表現で補強しておきましょう。例文では冒頭のビジョンを別の言葉で言い換えています。

建設会社への志望動機のまとめ

尚、志望動機欄の文字数制限300字以下の場合は、自己ＰＲ要素は削除してもかまいません。殆どのESには自己PR欄や、学生時代に力をいれたことを記述する欄がるため、そちらで集約して、志望動機は全体を簡潔にまとめてください。

ただし上記の４つの要点はカバーしましょう。完全に一つ一つをカバーしなければならないという意味ではありません。文脈の中でうまく伝えることにトライしてください。ES全体として「あなた」という個性と志望動機に一貫性が読み取れ、採用担当に「あなたがこの企業で働いている姿」が想像できれば選考を勝ち抜けます。

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