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就活に際して知っておくべき、年功序列主義と成果主義の違い

日本の就活のカタチと企業の雇用システムの関係

多くの学生にとって就活初期の悩みの本質は「自分は何を仕事にするべきか」が分からないことです。

就活情報サイトや就活本のコンテンツを読み始め、「自己分析」からやらないと「就活ができない!」との思いを強くするでしょう。

「自己分析」はどんなやり方をするかは別として、「自分は何にやりがいを感じるのか」、「自分は、どんなことが好きで、それが仕事につながるのか」、「自分は、仕事で何を実現したいのか」、「将来、どんな人間になり、どういう生活をしたいのか(理想の自分)」を立ち止まって考えることはとても重要なことなのです。

戦後の日本の教育システムは、企業の「終身雇用制度」と「年功序主義列」、「新卒一括採用」という企業の政策によって大きな影響を受けてきました。

できる限り高学歴を獲得(旧帝大や早慶、その他地方の国公立大学やMARCH、関関同立など)の所謂ブランド大学に入り、その後官公庁や大手企業に入社できれば生涯安泰という価値観の背景として機能してきました。

日本の就職・採用システムは、数か月や年単位に及ぶインターンシップや試用期間を経て、本当に志望者が業務を行えるに足る人材なのかを確認したうえで採用するシステムではありません。

あくまでも学歴(学歴は、学生の学習能力や、学習に取り組む姿勢、マインドの根拠)と、エントリーシート、筆記試験や面接での「学生のポテンシャル」を買うシステムです。

学生から見れば、学歴や書類選考、筆記試験、面接をクリアできれば、「平均以上の恵まれた生活」が保障されるものと思っていました。

現在の就活生やその親御さん達も、基本的な価値観は変わっていないと思います。

しかし、世界でIT革命とグローバル経済が加速してから既に四半世紀以上も経過し、日本の人口減少や少子高齢化が大きな問題となっている現在、日本独特の「終身雇用制」、「年功序列主義」、「新卒一括採用」が「そのまま機能するはずがない」と考えるべきなのです。

経済界トップからの警鐘

2019年5月13日にトヨタ自動車の豊田社長は日本自動車工業会の会長として「今の日本をみていると、雇用をずっと続けている企業へのインセンティブがあまりない」と発言したことがマスコミでも大きく取り上げられました。

経団連の中西宏明会長も「企業からみると(従業員を)一生雇い続ける保証書を持っているわけではない」と話していることからも、時代の大きな流れは終身雇用制度の見直す方向を示しています。

「終身雇用制度」、「年功序列」、「新卒一括採用」が崩れる理由

日本特有の年功序列の給与体系は終身雇用制度と新卒一括採用制度に密接な関係があります。

現在ほとんどの企業がとっている新卒一括採用は、学生のポテンシャルを買う制度であり、入社後仕事をさせながらしっかり時間をかけて人材育成をして、その中から将来会社を背負っていける幹部を選別していくものです。

企業が行っている事業の内容によって違いはありますが、入社直後から数年は社会人、企業人としての基礎を学ぶ期間、仕事を覚える期間と言えます。

教育的な意味合いの強い期間であっても、企業は使用した以上給与を支払います。その期間は実質「持ち出し」となるため、当然給与は低いレベルからのスタートになります。

年功序列は基本的には年齢が上がるほど給与が増えていく仕組みであるため、社員(労働者)にとっては長くその企業に勤めることによって得をする制度設計と言えます。

終身雇用と年功序列の制度の本質は、「企業が労働者を一生(定年まで)面倒見るから、とにかく一生懸命働け。若いうちは給与が安く不満があるだろうが、我慢してみんなで頑張っていけば、毎年少しずつ給与が上がっていき定年まで安心して働ける。頑張って管理職になれれば更に高い報酬や社会的な地位(ステイタス)も得られる。更に退職金(長く勤めたことによる定年後に受け取れる報酬)もあるので、老後まで安心」と説明できます。

今の就活生は、これを信じていますか?もしくは信じよう、信じたいと思いますか?

終身雇用制、年功序列主義のメリットとデメリット

終身雇用制、年功序列主義のメリット

年功序列制度、終身雇用制度は日本が敗戦から立ち直り、高度経済成長期を迎えオイルショックや円高などを経て、バブル経済の崩壊を迎えるまではとてもうまく機能していました。

社員の定着率や帰属意識が高く、「みんなで団結して頑張ろう」という意識が企業の成長を支えてきたのです。

終身雇用制、年功序列主義をとっている企業の社員(労働者)は、自分の将来の姿が描きやすく、頑張れば昇進して高給が取れる、昇進があるところで止まってしまったとしても、成果に関係なく年齢給や極端な差が出ない職能給で安定した給与が獲得でき、生活が安定するという大きなメリットがあるのです。

そしてなにより基本的には定年まで雇用が安定する「終身雇用」であるという意味で、将来への生活設計がしやすいのです。

この地位の安定は、研究職においては「基礎研究や、長期間に渡る研究活動がしやすく、時として画期的な特許や技術革新を生み出す基盤」としてポジティブな効果を生む源泉であるのは事実でしょう。その意味では「チャレンジを育む制度」でもあります。

一方、短期では成果を出しても出さなくても大きな影響はない。普通に,真面目に仕事をしてさえすれば、大きな成功はなくても大きな失敗も防げるため、あえてチャレンジはしないというコンサバな態度を生んでしまうという弊害も指摘されています。

Pros & Consですが、どちらの場合も共通するのは「成果」に対する意識の低さ、「成果こそが価値(利益→報酬)を生む」という意識の低さでしょう。

低成長と変化の時代に表出した終身雇用と年功序列のデメリット

企業経営者であれば、誰もが成果こそが利益を生み出すことを痛感しています。変化のスピードが非常に速い現在では、「昔ながらのやり方がそのまま機能する」と思っている経営者は殆どいません。

終身雇用制度と年功序鉄主義を一言で言えば「成長を前提として、事業規模を年々拡大し、従業員数もそれに応じて増えていく」場合には機能するモデルなのです。

バブル崩壊後、日本経済は長期低迷の時代に入り「失われた10年」、「失われた20年」と呼ばれる低成長期に入りました。

不況や低成長期が続くと、かつてのように管理職のポストも増えず、部下のいない名ばかり管理職や、役職名がついてもやっていることは今までと同じ給与もモチベーションも上がり難い状況が続いています。

インターネットの普及、IT革命によって、人が行ってきた事務やデータ処理が自動化され、働き方そのものや「人がやるべきこと」の定義が急速に変化しています。今後IoTやAI、ロボット技術の発達で益々加速していくでしょう。

若い時から積み上げて、人に属していた知識や経験が不要になってしまうという面もあります。むしろIT化についていけない高年齢の人材は、職場でも「行き場がない」ということさえ起こっています。

給与が高い中高年の社員が、その給与に見合う内容の仕事をしていない場合は、人件費に比較した労働生産性低下してしまうのです。

低成長とIT化により1990年代後半以降、比較的給与が高い40歳以上の社員に対する早期退職の募集が頻発しました。

2020年の現在、約30年近くが経過しても、経済全体の雲行きがあやしくなると、企業が思うような利益を上げられず赤字決算なると、また最近では利益が出ていても中高年の早期退職の募集をする企業が後を絶ちません。

企業が終身雇用制度を維持することが困難な状況になりつつあるということを示しています。

これからの就活生が意識しておくべきこと

企業は利益を出し続けなければ市場から見放されます。

しかし不況期や低成長期であっても、日本企業の場合はいきなり「終身雇用を止める」ことはできません。日本がアメリカのような解雇の自由を前提とした制度設計になることはおそらくないと思います。

日本の労働法制には「解雇」には厳しい規制がある上に、社員の動揺、モチベーションの著しい低下、優秀な人材の流失等のマイナス面が非常に大きいためです。

トレンドは「年功序列主義」から「成果主義」へ

そこで、手が付けやすいのは給与体系や人事評価制度の見直しからということになります。

「A社に勤めているBさん」ではなく「Cという仕事ができるBさん」の方が、社会全体で人材の流動性が確保できるという訳です。

仮にCという仕事をしてほしいと考える企業があり、BさんにA社以上の給与をオファーできればBさんも転職しやすくなるでしょう。

このように社会全体で人材の流動性が高まれば、終身雇用制度が実質的に崩れていくことが考えられます。

これを加速させるのが「年功序列主義」から「成果主義」への変更という改革です。

現在の就活生が大手日系企業に就職する際は、昔のように「大企業に入って、普通に仕事をしていけば、収入も年齢に応じて上がっていき、生涯安定した生活ができる」という考えは捨てた方が良いでしょう。

上記をあえて就活生に向けて言い換えれば「大企業に入って、会社が期待する成果を出し続ければ、収入も成果に応じて上がっていくので安定した生活が期待できる」ということになるでしょう。

しかし年功序列型の給与体系と人事評価システムの変革も簡単ではありません。

成果主義にもデメリットがある

成果主義は、年齢や社歴に関係なく、仕事に対するパフォーマンスに対して報酬を支払う考え方のため、企業の視点では高いパフォーマンスを上げた社員は正当に報われ、上げられなかった写真は報われない(程度の差はありますが)という人件費の効率的な運用ができることになります。

社員の視点では業績を上げれば上げるほど年齢に関係なく報酬や昇進に反映されるため、優秀な社員であればあるほどモチベーションが上がり全体の効率も上がるという考え方に立っています。

しかし成果主義にもデメリット数多くあります。

成果主義を導入しても多くの企業が意図したメリットのいくつかは享受できても、デメリットの方が表出してしまい結果的に導入が失敗に終わる例も多いのです。

成果主義の導入で頻出するデメリットを箇条書きでまとめておきます。

  • 長期的な視点で業務ができず、短期の、目に見えた利益を偏重する
  • 業績あぅぷに繋がらない仕事は軽視する傾向に陥りやすい
  • 結果が出やすいレベルのチャレンジには積極的に取り組むが、困難な大きいチャレンジは失敗を恐れ躊躇してしまう傾向がある
  • 長期間研究や開発を続けてはじめて成果が現れる仕事の場合、プロセスでの評価が難しい
  • 業務の成果を数字で出しにくい職種(スタッフ職)では、評価の基準を設けること自体が難しい
  • 総じて職種によっては評価の基準が難しく、評価の公平性・納得性に対して疑義(社員の不満)が出やすい
  • 定量的成績以外は評価者によって評価に差が出て不満が残る
  • コンスタントに数字や成果を上げなければいけないプレッシャーが強い
  • 自分の成果を上げるために個人主義に走りやすい
  • チームでノウハウのシェアが起こり難く、チームプレイ、チームワークの意識が希薄になる
  • 場合によっては社内で顧客を奪い合う事象も起こる
  • 総じて会社への帰属意識が薄くなり、自分に対して高い評価をしてくれる企業があれば転職するのが通例になるため、人材の流失が起こりやすい
  • 教育して育てても人材が流失するため、流失した場合は常に人材の補充が必要になる
  • 実力主義で劣勢の立場になった年長者は居心地が悪くなる

もちろん企業によっては教育制度の拡充、360度評価の導入、部下へ評価指標を可視化してフィードバックするなどの成果主義のデメリットを補正する工夫はしています。

しかし終身雇用と年功序列を基本にしてきた一般的な日本企業が、成果主義が本質的に持っている負の側面を払拭するには、もう少し時間がかかるかもしれません。

日本企業が導入している成果主義の実情

1990年代から日本の大企業でも年功序列の賃金制度を見直して、成果主義の給与体系に変える企業も出てきました。

しかしながら導入した企業の中で、かえって社員のモチベーションが下がってしまった、有能な社員が流失してしまった等の弊害が生まれ、業績を落としてしまう例も多かったのです。

失敗例として有名なのが富士通や三井物産の例です。

三井物産では1999年に徹底した成果主義を導入しましたが、個人成果偏重の人事制度によって2002年~2004年にかけて不祥事が頻発して業績を落とし、結果的に2006年にチームワークやプロセス、人材育成を重視した制度に改めました。

富士通もバブル崩壊後に成果主義を導入しましたが、成果の評価の難しさ、成果の評価に対する社員の不満が溜まる、短期的な成果のみを追いかけたことで大きなチャレンジや長期的な目標を追いかける人材が不足するなどの問題が噴出し、失敗に終わっています。

富士通の例では、成果主義を導入後次第に社員が簡単な目標を設定するようになってしまったというような笑えない結果になってしまいました。

もちろん失敗例だけではありません。成果主義を日本の人事制度に上手くアダプテーションできた企業もあるのです。

成功例として有名なのが花王やホンダの例です。

花王は1960年代から積極的に社員の能力開発に取り組んできたため、社員の中に成果に対するモチベーションがしっかり根付いていたことが成功の理由とされています。成果主義導入までに長い時間をかけたある意味特殊な例とも言えます。また、ドライな成果主義ではなく一人ひとりを大切にする全社的な理念をベースとして、社員間の極端な格差が生まれない制度設計が成功の理由と分析されています。

ホンダは1992年に管理職に年俸制を導入しました。1992年は創業者の本田宗一郎氏が亡くなって1年後にあたる年であり、大きな変革を断行したことになります。ホンダの成功は、成果主義に変更しても「HONDAのDNA」、「HONDAイムズ」を変えなかったことにあります。ホンダ社員の行動要件を明確にしたり、管理職が成果に責任をとるなどの日本的な成果主義の導入であったことが成功の理由でした。

上記の2社以外でもソニーやパナソニック、日立などの大企業は年功序列から成果主義を取り入れた給与体系・人事評価を行っています。

武田薬品工業やサイバーエージェントなども成果主義を導入して成功をしていますが、日本企業の成功例はまだ少ないのが現状です。

これらは日本的な雇用慣行と成果に対する評価を公平・公正に行う評価制度をうまく融合することで成功している事例もあるのです。

成果主義を導入したくても現行制度との整合性をとるのが非常に難しいのが給与体系や人事考課制度です。失敗すれば社員のモチベーション低下や有能な人材の流失に繋がりかねず、多くの企業が現状では「研究中」、「成果主義の良い面を活かす方法を検討中」というところです。

まとめ

トヨタ自動車の社長や経団連の会長も既に公的な場で「終身雇用制度」に疑問を表明しています。

経済界がグローバル企業との競争力を保つために、日本の雇用制度の改革を意図していることは当然です。

その改革のプロセスで、成果主義の導入と新卒一括採用の見直し(=採用方法の多様化)が進められるのは間違いないでしょう。

どのようなカタチの「成果主義」を採用するか、人材の採用方法をとるかは企業ごとで、時期も含めて差が出るでしょう。

しかし、それらはかなりの確率で実施されると考えます。

現在でもあなたが終身雇用や年功序列主義の考え方を好み、そういう企業を選択することはむしろ自然かもしれません。

しかし「成果=仕事の結果」に対して責任を持ち、それに対して正当な報酬が支払われることは極めて正当なコンセプトです。

具体的な運用方法に課題は残っているのは確かですが、大きなトレンドとしては「成果主義へのシフト」が進んでいくでしょう。

学生の皆さんは、どんな企業を志望しようとも、「成果に対する意識」を高く持ってこれからの就活に臨むことを強くお勧めします。

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