就活を始めるにあたっては、そもそも仕事や企業をどう選べば良いのかという根本的な問題にぶち当たります。
アルバイトの経験が全くない学生は少数でしょうが、アルバイトをしていても「お金の為に働いている」という感覚が強く、そのなかで少しだけ「やりがい」や「面白さ」を感じて続けてきたというのが本音に近いと思います。
ほとんどの学生は本格的な就業体験がなく、大学3年になって「就活」を意識した時、まず「自分はどんな仕事に向いているのだろう」、「何を職業にすべきか」を考え始めます。
そして、「どうせなら、自分が楽しいと思える仕事」、「楽しそうな仕事」、「面白そうだと思える仕事」をしたい、あるいは「仕事でお金を稼ぎ、好きなことをしたい」、「できるだけ楽で、お金が稼げる仕事がいい」、「働きづめは嫌だ。ちゃんと休みをとれてプライベートを充実させたい」と考える人も多いでしょう。
あるいは「成長して社会に貢献したい」、「人の役に立ちたい」、「世界で活躍したい」という漠然とした仕事へのモチベーションを語ります。
新卒での就活では、仕事や企業をどのように選んでいけばよいのでしょうか?
多くの就活本や就活マニュアル、就職情報サイトでは、まず「自己分析」をしっかり行ってから「適職分析」に取り組みましょうと書かれています。
適職分析とは「自分が興味を持っている業界」、「自分に適している職種」、「自分の価値観や志と一致する企業」を探し出す取り組みであり、自分の志望業界、職種、企業選びの基礎になるものとされています。
適職分析ははかなりマニュアル的要素が強く、時間があればしっかり取り組む意味はあると思いますが、冒頭に述べた「自分は楽しく仕事がしたい」、「仕事でお金を稼ぎ、あとは好きなことをしたい」というレベルとの差がありすぎて、かえって迷宮に入ってしまう場合があります。
カンタンに言うと「本音」と「建前」のギャップのような感覚です。
また、就活Webサービスやアプリでの適職診断もあります。ぜひ一度トライしてみてください。その結果がしっくりくれば良いのですが、そう思えない人も多いのです。私もその一人でした。
この記事では、「適職分析」のやり方ではなく、就活初期に誰もが感じる「本音」を基にした仕事や企業の選び方を解説します。
Contents
新卒就活時の仕事の捉え方
新卒での就活のチャンスは一生に一回だけです。
そしてそれは真っ白なキャンバスの状態で仕事選びが許される貴重な機会です。
転職時には必ず「前職のキャリア」が評価されます。人手不足で、とりあえず今すぐ人を補充して、足りない労働力を満たしたい場合以外は、前職でどういう仕事を行ってきたかが新しい職場へのキャリアパスになります。
その意味で、たとえ新卒入社3年後に転職したいという考えに至ったとしても、新卒で内定をもらい入社して、たとえ3年という短い期間でもその企業で働いた経験が重要になるのです。
では、具体的に就活の初期段階で、「やりたいと思える仕事」や「将来働きたいと思える企業」をどのように捉えるべきなのでしょうか?
仕事が楽しくなければ、人生は楽しくない
これはビジネスに真剣に向き合った人なら誰しもが共通に持つ実感だと思います。
フルタイムの就業では残業が全く無くても1日7時間は仕事をすることになります。睡眠時間を6時間とすれば起きている時間の約4割は仕事をしていることになります。
現実には仕事への往復時間と1-2時間の残業があると考えると体感的には平日稼働時間の5-6割が仕事に関連する時間です。もちろんそれ以上の人も普通に沢山存在します。
人生というスパンで、いつまで就業するかは人それぞれの考え方にもよります。
しかし平均的に65歳の定年まで勤めることを前提とした場合、膨大な時間を使い、人生における割合もとても大きくなることは自明です。
その仕事が楽しくなければ、かなりの確率で「人生の楽しさ」を失う、邪魔されることになります。
これは非常に不幸なことです。
仕事は楽しくなくても、お金を稼げれば良い。稼いだお金で楽しいことをすれば良い、と考える人も確かにいます。それぞれの人生感があり、否定はしませんが「仕事が楽しく、お金を稼げる」方が幸福であることは確かでしょう。
そして「お金を稼ぎ続ける」のはやさしいことでは、ありません。
「続ける」ために何が必要なのかを、考えて職業を選ぶべきなのです。
世の中は「楽しくない」仕事だらけ
誰もが「楽しい」と思える仕事はありません。「楽しい」か「楽しくないか」の感じ方は個人個人で違うためです。
そして「いつも楽しい仕事」や「いつまでも楽しい仕事」もまずありません。
「楽しい」と感じる瞬間は稀であり、「苦しい」、「面倒くさい」、「やりたくない」、「つまらない」、「辛い」と思う時間の方が圧倒的に長いのが普通の仕事です。
「仕事だから辛いのはあたり前。それに耐えてこそ一人前になれる」、「楽しさが分かるのは一人前になってから」という精神論を言う人も多いです。
仕事にはそういう一面もあるのは確かです。しかし「辛いことだけ」では耐えられないし、耐えすぎて労働災害になっては元も子もありません。
さらに営業の前線では「営業目標を達成せよ」というような指令が下されます。
目標を達成したら昇給や昇進、ボーナスなどのなんらかのインセンティブが与えられますが、それをそのままモチベーションにでき、かつ「楽しさや面白み」を感じて仕事ができる人ばかりではありません。
「辛い」、「いやだ」と本音では思いつつも、生活の為に働いている人も多いのです。
企業は目標を立て、その達成を目指して事業を展開しています。従って企業人である以上、「目標」の呪縛を逃れることはできないのです。
できることは、その目標の呪縛を「どう捉え、どうするか」です。義務感や強迫観念でしか、目標を捉えられなければ「仕事が面白くない」と思うのは感覚的に理解できるでしょう。
企業人である以上営業だけではなく、どんなセクションでも「目標」からは逃げられません。
「楽しい仕事」と現実のギャップをどう考えれば良いのか
幸せな人生を送るために「楽しい仕事」を選ぶべきと言ったのに、世の中には「楽しくない仕事だらけ」では、どうすれば良いのでしょうか?
答えはシンプルです。
それは「なりたい自分」を明確にして「自分がしたいこと」をすることです。就活においては「自分がしたいこと」を探し、「なりたい自分」を実現できる企業を選ぶことです。
「自分がしたいこと」を探し、「なりたい自分」を実現できる企業を選ぶことの重要性
体育会系の部活動に注力していた学生の方は直感的に分かると思いますが、その部活動を選んだのは(ほとんどの場合)自分であり、自分がそのスポーツを「やりたかった」からでしょう。
そして、部活動の大半の時間は苦しい練習に費やすことになります。ハードなトレーニングにも耐え、先輩にいじめられて嫌な思いをすることも多かったはずです。
それでも試合に出る嬉しさ、勝つことで得られる達成感、あるいはチームメイトとの友情などで「苦しさ、辛さ、嫌なこと」より、「この部活動」をやって良かった、自分の成長に繋がったと思える人が多いのはなぜでしょうか。
それはその人の「やりたかった」という能動的な意思の働きが大きいからです。以下の箇条書き部分は、部活を仕事に置き換えています。
何故、「やりたかった」のでしょうか?「やりたいと思った」のでしょうか?
それは人それぞれの価値観に基づく興味、つまり「面白そう」と感じるきっかけと、そのスポーツをやっていて「やっぱり面白い」という実感があったからです。
- →価値観や性格に基づく「好意」と「興味」があること、それを感じるるきっかけや環境があったこと
更にそれを「やりつづける」ためのサポートもあったはずです。チームメイトからの励ましや先輩からの指導も続ける力になり、また練習環境が整っていたり、親からの経済的な支援もあったかもしれません。
- →なりたい自分を構成する報酬、人材育成、社風、環境があること
チームのレギュラーに選ばれれば、「自分ががんばらなければ」と、より一層モチベーションが上がり、仮にレギュラーになれなくてもチームの勝利のために献身的に自分の役割を担うことでしょう。
- →どんな立場・組織でも自分が必要となるように自ら努力しようと思える「何か」=「魅力」をみつけられること
この部活動を始める動機から、部活動が「辛くても頑張れる」理由は、そのまま新卒時の就活に応用することができるのです。
就活時の「仕事」にあてはめて考えてみる
「自分がしたいこと」を探すプロセス
次の質問に答えてみましょう。
Big Questionに答えてみる
- 自分は何が好きなのか
- 何に興味があるのか
- 何故、どんなところに興味があるのか
- どんなことが「面白い」のか
- 何故「面白い」と思うのか
「なりたい自分」」とはどんな自分なのか
Big Questionに答えてみる
- 欲しい報酬は
- 得たいステイタスは
- プライベートはどうあるべきか
- 人からどう見られたいか
「自分がしたいこと」が実現できる業界・業種を探すプロセス
- →業界・業種研究
「なりたい自分」を実現できる企業を探すプロセス
- →業界・業種研究を経ての企業研究
その上で、自分の思いをプライオリティを決めて表に書きだしていきましょう
Priority Order | やりたい仕事 | なりたい自分 |
1 | ||
2 | ||
3 | ||
4 | ||
5 | ||
6 | ||
7 | ||
書き方は自由で良いです。はじめは頭に浮かんだ順で書き出し、あとでプライオリティを決めていって下さい。
書き方のレベルもはじめはランダムでかまいません。例えば「なりたい自分」のリストでは「40歳で年収1,000万円は欲しい」というレベルと「海外駐在したい」、「絶対23区内に住みたい」のような像をどんどん書き出し、あとでプライオリティを考えていきます。
プライオリティが決まったら、それをかなえる業界、企業を探していけば良いのです。
この段階では「できるかどうか」は気にしないことです。自分の願望や夢、将来のビジョンを書き出していって下さい。
「自分がしたいこと」、「なりたい自分」探しが重要な理由
新卒の就活で入社する企業は、その後の仕事人生に大きな影響を与えます。転職をする場合でもキャリアのトラックレコードになるため、転職先に大きな影響を与えます。
総合職で企業に入社した場合、自分の思い描いた部署に配属されるとは限りません。
日本の大企業の総合職の場合には、3-4年ごとに色んな部門を経験させるのが一般的な管理職へのルートとなります。
その間は(一生と言ってよいかもしれません)、そりの合わない上司や部下、不向きな仕事、不本意な立場や縁の下の力持ちとしてのサポート部門への配属など、様々なことが起こります。
つまり、「楽しくない仕事」もしなければならないのです。
そんな時にもモチベーションを保ち、前向きに仕事に取り組み成果をだせることがとても重要なのです。
どんな立場でも「自分から能動的に、(その組織のために)努力できる気持ちになれるか、自分がその組織に必要であり、貢献したいと思うか」が重要なのです。
同じ立場に立たされた場合、「嫌々仕事をこなす」、「言われたことだけ最低限はやっておく」、「上司の命令に従うだけ」という受動的な態度になる場合は「社畜」的な働き方になり生産性も上がりません。
それが度重なると、仕事が給与を得るために「やりたくなくても、しかたなくするだけ」という、本当の社畜に成り下がってしまうのです。
この段階で「自分がしたいこと」、「なりたい自分」への努力を放棄することになり、人生の幸せをスポイルしてしまうことになります。企業にとっては、都合よく使いつぶす人材、いてもいなくても良い人材、リストラのリストに入れ易い人材になっていきます。
この違いは何でしょうか?
就活の仕事・企業選びで外してはならない、たった一つの事
上記の違いを生む原因となる、就活の仕事選びで外してはならないことは以下の1点です。
- 企業の存在意義(社会的使命・価値)の根本的な部分が好きであり、共感でき、自分の夢の実現がその企業ならできると思えるかどうか(企業研究レベル)
そして「志望動機」各段階では以下の様に深化させます。
- 企業の存在意義(社会的使命・価値)の根本的な部分が好きであり、共感でき、自分の夢の実現がその企業なら実現できると確信する(志望動機レベル)
新卒での就活は、これができる貴重な機会です。
理想を追うことができる機会であり、それを実のあるものにするためには、なるべく早く「就活」に目を向けてスタートを切ることです。
まずは、おぼろげながらでも自分が目指すべきターゲット(理想像)とプライオリティを決める事は重要です。
就活準備を進めていく上で、自己分析や、自己PR、業界、企業研究をすすめて、自分の思いや求められている能力、難易度を分析しつ現実と理想を近づけつつ、志望業界や企業を選んでいきましょう。
最終的には、企業にとって「あなた」という存在が必要不可欠になることを目指しましょう。それができればあなたは企業と対等の立場で交渉できます。
もちろん、あなたのスキルを高く買ってくれる他社への転職も可能になり、あなたが主体となって、あなたの人生を差配することができます。
「就活の答え」が就活生の皆さんに目指いしてほしいのは、このことなのです。その為に、働くことの目的と、「自分が主体となって働く場所を決めるのだ」という意識を就活の初期段階で明確にして欲しいのです。
就活のスタートに、自己分析のサポートツールで自分の強みを発見しよう
就活準備で初めに突き当たる壁が、自分はどんな人間で、どんな職業に適性があるかという疑問です。
この「自己分析」は就活のイロハの「イ」ですが、時間がかかり大変です。そして自分を冷静に見つめ直すのも難しいものです。
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手早く自己分析を済ませ、ライバルより早く、就活の流れに乗っていきましょう。
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