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社会人基礎力とは?
企業が期待する資質や能力を理解しておくことは、就活をしていく上で大切な指針になります。
エントリーシートの記載や面接での自己PR、大学生活で最も力をいれたこと等を話す際にも、自分がフォーカスするポイントを企業が求める人材像と重ねて話すことが出来るようになります。
数多く出版されている就活対策本は、企業が期待する資質や能力に関してあまり系統立てて説明せず、「協調性のアピールの仕方」、「自己PR:主体性をどう書くか」など、表層的なテクニックの解説に終始しているものがほとんどです。
とくに「何故?」という視点が欠けているため、就活生も「なんとなく、企業や仕事というものは、そういうものだ!」とざっくり理解している人も多いと思います。
ここでは一旦立ち止まり、本質に帰って企業が期待する資質や能力を理解するため、経済産業省が2006年から提唱している「社会人基礎力」をおさえておきましょう。
社会人基礎力は、経済活動をして活躍していくために必要な能力を定義したものです。
就活を効率よく進めるために、企業が求める人材像をイメージしておくことはとても重要です。
企業を取り巻く環境の変化
なぜ国は「企業が期待する資質や能力」を多くの企業、専門家と共にまとめ、発表したのでしょうか?
それは日本が戦後培ってきた競争力が、通用しなくなってきている現実があるからです。
経済のグローバル化、ボーダレス化、社会や業務のIT化、技術革新のスピードの速さ、業際の融合・他分野からの競争、勝てるビジネスモデルの変化・短命化、そして日本がかかえる根本的な問題の人口減少・少子高齢化など、企業を取り巻く変化のスピードがあまりにも速くなっていることに起因します。
2023年以降では、AIによるビジネス変革が起ころうとしています。
これらの劇的な変化に伴い、日本企業の特徴であった「終身雇用」や「年功序列」はすでに崩れて、「雇用の流動化」と「成果主義」が常識になっています。
企業が勝ち残るためには「変化に対応していく力と態度」が備わっている人材が必要なのです。
しかし「変化に対応していく力と態度」ではあまりに抽象的なので、経産省では次に示す3つの力と12の能力に分けて定義しています。
これらの力があり、且つ変化に対応できる人材を企業は求めているのです。
経済産業省 社会人基礎力 3つの力と12の能力
前に踏み出す力(アクション):一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力
- 主体性:物事に進んで取り組む力
- 働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
- 実行力:目的を設定し確実に行動する力
- 課題発見力:現状を分析して、目的や課題を明らかにする力
- 計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにして準備する能力
- 創造力:新しい価値を生み出す力
- 発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
- 傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く能力
- 柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
- 状況把握力:自分と周囲の人々や、物事との関係性を理解する力
- 規律性:社会のルールや人との約束を守る力
- ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する能力
もちろん自己分析で自分が得意と思えないものを、無理やり柱にしてはいけません。
ただ闇雲に考えるより、これらの力の中から自分がアピールできそうな力を合わせて考え、自己分析からはじまる就活の羅針盤にしてください。
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経団連調べ:2021年4月入社対象 選考にあたって重視した点
次に経団連が2021年卒の選考時に行った調査結果の、項目別上位ランキングをみていきましょう。
この調査では、選考に当たって重視した点を「特に期待する資質」、「特に期待する能力」、「特に期待する知識」に分けて集計しています。
上位から順に並べます:
「特に期待する資質」
- 主体制:84.0%
- チームワーク・リーダーシップ・協調性:76.9%
- 実行力:48.1%
- 学び続ける力:36.2%
- 柔軟性:18.4%
- 倫理観:10.9%
- 精神力・忍耐力:10.4%
- 社会性:8.2%
- その他:4.5%
「特に期待する能力」
- 課題設定・解決能力:80.1%
- 論理的思考能力:72.1%
- 創造力:42.6%
- 発信力:35.1%
- 情報活用能力・データ分析力:13.8%
- 異文化理解力:8.8%
- 外国語能力:4.5%
- その他:2.7%
「特に期待する知識」
- 文系・理系の枠を超えた知識・教養
- 専攻分野における基礎知識
- 専攻分野における専門知識
- 数理・データサイエンス・AI・ITに関する専門知識:34.4%
- 専門資格:16.4%
- その他:6.2%
ちなみに、以前の調査(2019年卒対象)では、資質、能力、知識が分かれておらず、期待する能力のTOP10は以下のような順位でした。
- コミュニケーション能力:82.4%
- 主体性:64.3%
- チャレンジ精神:48.9%
- 協調性:47.0%
- 誠実性:43.4%
- ストレス耐性:35.2%
- 論理性:23.6%
- 責任感:22.1%
- 問題解決能力:19.8%
- リーダーシップ:17.1%
同種の2つの調査の差にも、経団連傘下の企業の「人材採用」に対する考え方の変化がみてとれます。
企業は、主体的に課題を解決していくこと、組織の中でそれを実行していくことを期待していることが分かります。
以前の「コミュニケーション能力」のような汎用的な概念より、よりビジネスや成果に直結した資質や能力を期待しているのです。
先ほどの社会人基礎力との相関を考えてみると次のようになります。
2006年から2021年への時代の変化によって、言葉がぴったりと適合しない場合もありますが、依然として強い相関性があることが分かります。
また、求められている資質や能力は、複合的な資質や能力であることも分かります。
- 主体性:物事に進んで取り組む力
- 働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
- 働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
- 実行力:目的を設定し確実に行動する力
- 傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く能力
- 柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
- 状況把握力:自分と周囲の人々や、物事との関係性を理解する力
- 実行力:目的を設定し確実に行動する力
- 計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する能力
- 傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く能力
- 柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
柔軟性:
- 傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く能力
- 柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
- 規律性:社会のルールや人との約束を守る力
- 傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く能力
- 柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
- ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する能力
- 規律性:社会のルールや人との約束を守る力
- 傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く能力
- 柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
- 課題発見力:現状を分析して目的や課題を明らかにする力
- 計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する能力
- 実行力:目的を設定し確実に行動する力
- 創造力:新しい価値を生み出す力
- 課題発見力:現状を分析して目的や課題を明らかにする力
- 計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する能力
創造力:新しい価値を生み出す力
傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く能力
発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
情報活用能力・データ分析力:
- 課題発見力:現状を分析して、目的や課題を明らかにする力
異文化理解力:
- 傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く能力
- 柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
これらの能力に加えて、経団連傘下の企業は、外国語能力や前段で述べた知識・資格を大学・大学院の学生に期待しているのです。
まとめ
社会人基礎力は、依然として企業が内定を出す際に重視したポイントに重なっています。
もちろん、その他や知識面も挙げられていますが、「何が本質的に求められているのか」を理解するのと、しないのでは、就活に大きな差がついてしまいます。
迷ったらかならずこの記事に戻って読み直してください。
「自分には何のとりえもない」と思っている学生も、掘り下げていけば必ず企業人として必要な、これらのチカラの一つ、二つは備わっているものです。
自己分析をしっかりやって自分を信じて前に進みましょう。
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