活生の誰しもが「良い会社」に就職したいと考えています。それは当然であり、あえて「悪い会社」を選んで就職しようという人はいないはずです。
「就活の答え」では、「社員(あなた)にとって良い会社」を選ぶことを最重要視して、「良い会社」とは「あなたが幸せになれる会社」と定義しています。
社員(あなた)にとって、良い会社とは「あなたが幸せになれる会社」です。「あなたを幸せにしてくれる会社」という表現は適切ではありません。
「良い会社」については、下記の記事で詳しく解説しています。是非参考にしてください。
会社があなたにしてくれるのは、「あなたが幸せになれるかもしれない環境や機会」を与えてくれるだけであり、それに応えて幸せを感じられるかはあなた次第ということになります。
つまり、就活では「あなたが幸せになれるかもしれない環境や機会」を与えてくれる企業をみつけるべきなのです。必要条件です。
何に対して「幸せ」を感じるかは、個人の価値観や職業意識によって大きくことなります。厳しくても、社会的な意義が大きい仕事に「やりがい」を感じ、そんな仕事に携わることで幸せを感じる人もいます。
ノルマがきつくても、頑張ることによって「高額な報酬」を得ることにモチベーションを感じる人もいます。
「ワークライフバランス」を重視し、報酬は普通か、むしろ低めでも、プレッシャーや残業が少なく、休暇も取り易くてプライベートの充実を一番に考える人など様々です。
しかし、どのようなモチベーションであっても企業が提供する環境(報酬や福利厚生、働きやすさ、職場環境、労働環境等)や機会(教育・研修や人事制度の公平性等)が良い企業を選びたいと思うでしょう。
世間的には企業が提供する環境(報酬や福利厚生、働きやすさ、職場環境、労働環境等)や機会(教育・研修や人事制度の公平性等)が優れている企業をホワイト企業と呼んでいます。
この記事では、ホワイト企業の探し方を中心に解説していきます。
Contents
ホワイト企業の定義はあいまい
ホワイト企業とは、こういう要件を満たしている企業であるという明確な定義はありません。
労働基準法を違反して、社員(労働者)に過酷な労働を強いる企業を「ブラック企業」と呼ぶことが定着し、その反対の会社として「社員(労働者)に優しい会社、働きやすい会社」を象徴する対義語として「ホワイト企業」という言葉が定着しています。
実はブラック企業にも厳密な定義はありません。両方とも社会通念として使用されている言葉です。
就活生が入社を決めているのは「ホワイト企業」要素
志望動機のコアの部分を「貴社はホワイト企業=社員(労働者)に優しい会社、働きやすい会社だから」としたら、まず選考は通過できないでしょう。
企業はあなたのために、あなたを採用する訳ではないので当然です。
しかし、実際に内定者の「入社決定の判断材料」*では、スコアが高いものから順に「待遇(給与・福利厚生等)」、「勤務地」、「会社の社風・企業文化」、「ワークライフバランス」が上位4項目を占め、5番目にようやく「社員の仕事に対する姿勢や、やりがい」という仕事の内容に関する項目が入ってきます。
*出典:マイナビ 2020年卒就職モニター調査(8月)
つまりESに書く志望動機(理由)とは別に、就活生が最終的に入社を決定するのは所謂「ホワイト企業」要素に因るところが大きいのです。
そして就活生が「ホワイト企業」要素を重視する傾向は年々強くなっています。
その理由は「過労死」、「過労死自殺」、「裁量労働制」などがマスコミでも大きく取り上げられ,就活生が敏感に反応しているということもあるでしょう。
そして過去のような大きな経済成長が望めない現在では、「高くは望まず、安定した環境で働きたい」という人が多いのも当然かもしれません。
新卒で「ホワイト企業」を志望するべき理由
正確に言えば絶対的なホワイト企業は存在しません。
存在するのは「ホワイト企業としての要素を多く持っている企業」であり、「企業が提供する環境(報酬や福利厚生、働きやすさ、職場環境、労働環境等)や機会(教育・研修や人事制度の公平性等)が相対的に良い企業」を志望するべき、ということになります。
所謂「ホワイト企業」を志望すべき一番の理由は、学生から社会人として仕事をして、給与をもらうという次元が違う世界に入るからです。
今までの人生は、親から子への教育に加え、小・中・高、大学と「学ぶ」ことが仕事でしたが、就職は「自分で生み出す価値」を会社に提供する(売る)ことが求められます。
その対価が報酬になるため、まず「自分で生み出す価値」とは何か、「価値をどのように生み出すのか」をゼロから身に着けていくことになります。
身に付けるためには、所属する組織の掟や価値観に従い、人間関係を構築して「教えてもらう」ことが必要になります。
入社時点では「真っ白」な状態のあなたは、自分で価値を生み出すために、その組織の掟や価値観、人間関係に大きな影響を受けます。
その際、「これができるまで、帰ってはいけない」、「上司・先輩より早く帰ってはいけない」、「飲み会は新人が常に手配しろ」、「お客の要求は、何があっても受けろ」、「仕事が終わらなければ、土日出勤でやれ」などという理不尽なことでも、「受け入れて、やることが仕事」という思いになるのです。
仕事をするために、「良いこと」も「悪いこと」も判断できず、判断する以前で洗脳されてしまう可能性が高いのです。
このような理不尽さは、どんな企業にも多かれ少なかれ存在します。
なんとか受け入れて、そのような状況でも成長できる人もいるでしょう。そしてその伝統が社風や企業文化をつくっていくのです。
しかし度が過ぎると精神的に追い込まれてしまう人もでてきます。最悪は体調を悪くしたり、精神のバランスを崩してしまうことになります。
生産性に結びつかない企業の掟や人間関係の理不尽さは、少ない方が良いのです。少なくとも「あなたの個性、長所や強み」を摘み取るような職場でないほうが良いに決まっています。
「真っ白」な状態のあなたの良さや、成長の芽をつまないため、本来の伸びしろや、成長を阻害する悪しき洗脳を受けないために、所謂「ホワイト企業」を志望するべきなのです。
具体的なホワイト企業の探し方
具体的なホワイト企業を探すべきですが、いきなり「ホワイト企業を選ぶ」という目的に探しても、意味はありません。
ホワイト企業を探すタイミングは、自己分析と業界研究が終わり、自分が「興味がある仕事」、「仕事で実現したいこと」、「将来のあるべき姿」のイメージができてきた時です。
その段階から具体的な企業研究をしていく、そのタイミングです。
「興味がある仕事」、「仕事で実現したいこと」、「将来のあるべき姿」を実現できそうな企業群を洗い出し、そこに以下の要素を加えて志望順位をつけていきましょう。
「ホワイト企業」を探すのは複数の要素を同時に見て、判断していく必要があります。どの点を重視するかは個人差もありますが、注目してほしい代表的な要素を解説していきます。
3年後離職率
東洋経済新報社が発行している「就職四季報」には、各企業の3年後離職率のデータが掲載されています。(公表していない企業も存在します)
3年後離職率は大卒新卒で入社した人材が入社後3年間で退職した割合であり、全産業平均では32%です。(2018年3月時点の厚生労働省の調査データ)
この32%を大きく下回っている企業はホワイト企業の「候補」です。20%以下、10% 以下の企業をランク付けしておきましょう。
有休取得割合(年平均日数)
入社すると有休休暇(休暇をとっても給与が支払われる)が与えられます。有休休暇の付与日数は法律で以下のように決まっています。
- 年次有給休暇は、雇入れの日から6か月間継続勤務し、その間の全労働日の8割以上出勤した労働者に 対して最低10日を付与しなければなりません。その後は、継続勤務年数1年ごとに一定日数を加算した日数を加え年間最大20日間が与えられる
同じく東洋経済新報社が発行している「就職四季報」には、各企業の有給取得年平均日数のデータが掲載されています。
これは全社平均のデータなので、20日により近い日数の企業が、休暇が取りやすい企業、休暇に対して理解があり、休暇取得を奨励しているとみなすことができます。
月平均残業時間
残業時間も「就職四季報」で全社月平均時間のデータが掲載されています。しかし大手企業でも非公開にしている企業もあります。ちなみにメガバンク銀行は非公開です。
労働基準法で決められている労働のための時間とは、1日8時間以内、1週間40時間以内であり、それが定労働時間です。
それを超える労働は36協定(さぶろくきょうてい)を結ぶ必要があり、所謂超過勤務手当(残業手当)の対象になります。36協定を結んでいても時間外労働の上限は月45時間、年360時間までとなっており、これを超えた場合には罰則が設けられています。
更に以下のような細かい上限規定もあります。
- 時間外労働が年720時間以内
- 1年を通して常に時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
- 1年を通して常に時間外労働と休日労働の合計について、「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」が全て1月当たり80時間以内
- 時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6か月が限度
ホワイト企業は労基法を遵守し、過剰な労働をさせず、残業に対しては正当な報酬(残業手当)を支払う企業として理解して下さい。
この残業の運用はかなり複雑です。
企業によっては賃金や手当の中にあらかじめ一定時間分の残業代を含んでおく「みなし残業(固定残業制度)」を採用している企業があるためです。
例えば月20時間までの残業は基本給に含んで支給し、残業が20時間を超えた分から残業代を支給するカタチです。
「みなし残業」を敷いている企業は、社員(労働者)の視点ではホワイト企業とは言えないでしょう。
残業の多さ、少なさを一概に「良い企業」に結びつけられませんが、ここでは一旦「少ない方がベター」という割り切りでランク付けをしていきましょう。
休日と休日出勤の運用
休日に関して労働基準法では、使用者は少なくとも毎週1回、または4週間を通じて4回以上の休日を与える義務があるとしています。
実際には週休2日(4週8日)で運用している企業がほとんどですが、業務やケースによって土日を返上して仕事をしなければならない時もあります。
もちろんそれが常態化して4週4休を守れない場合は違法になります。
企業の休日出勤に対する考え方・スタンス、休日出勤が常態化していないか、休日出勤をした場合、しっかり代休が取れるのか、代休が取れない場合、超過勤務手当が支払われているのかが主なチェックポイントです。
「就職四季報」では、そこまでのデータは出ていないため、OB/OG訪問でチェックするか、転職口コミサイトを検索して探ってみましょう。
給与・賞与(ボーナス)について
なんといても給与・賞与は「幸せ」に直結する大きなファクターです。
特に重視すべきは給与です。何故なら賞与(ボーナス)は、基本的には業績連動なので極端な場合は支給されません。
例えば新型コロナウイルスで業績に直撃を受けた旅行大手のHISは、2020年夏の賞与を支給しないことを発表しています。
上記は極端な例ですが、「就職四季報」には初任給に加え、25歳、30歳、35歳(35歳最低~最高)、更には全社平均年収(平均年齢)のデータが掲載されています。(一部非公開の企業もあります)
初任給より、25歳、30歳、35歳、全社平均年収(総合職平均)のデータを重視してください。
離職率や平均勤続年数のデータと合わせることで、社員(労働者)にとって「良い企業」か、どうかのイメージがつくれます。
福利厚生の充実度
福利厚生の詳細までは一般情報ではなかなか分かりません。例えば「家賃補助制度」がある企業とない企業では、賃金が同じレベルでも実質的に大きな差が出ます。
もちろん基本給部分がしっかり設計されていることが大前提ですが、その上で各種手当や保養施設、保養その他のサービス、医療や健康に対する補助制度等が充実している方が良いのは当然です。
更に、女性(男性も)は、産休や育休、育児への考え方、制度や育児休暇、育児への理解度やサポート体制など、女性が仕事を継続することへのスタンスや制度もしっかりチェックしておきましょう。
社内・社外教育・研修に対するスタンスと制度
仕事を覚え、ステップアップしていく上で社内・社外での教育や研修制度、留学制度やMBA取得など、企業によって大きな差が出るのがこの分野です。
この分野に投資しているということは、社員(労働者)を大切な財産と考え、信頼し、企業の成長を託していることが非常にわかりやすく現れます。
別の見方をすれば、収益を上げて人材に投資できる余裕がある企業、配当や内部留保、賃金として支払う報酬だけではなく、社員の「成長」に期待して、投資をしてくれる企業です。
従って、この分野が充実している企業の「ホワイト度」は高いです。
更に、一部の限られた社員だけではなく、幅広い人材にできるだけ機会が与えられるような制度設計をしている企業は間違いなく「ホワイト企業」と言えるでしょう。
同レベルの志望度の高さで、複数内定を持っている場合はぜひ着目してみて下さい。
企業ビジョンと業績
企業ビジョンや業績も大きな要素です。大卒新卒入社で中長期でキャリアを形成していくためには、業績の安定、未来に対する成長戦略が必要不可欠です。
簡単に言えば、「あなたが幸せになれるかもしれない環境や機会」を与えてくれる企業は利益を上げ、それを長期的に継続して成長していける企業ということになります。
以下の記事では、企業の業績から志望すべき企業を選ぶ方法を詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
また有価証券報告書以外のIR資料、中期経営計画やアニュアルレポート、CSR関連資料もあわせて参考にしてください。
CSRを特に重視している企業は「ホワイト度」が高い傾向にあります。
手っ取り早く「ホワイト企業」を探す方法
ホワイト企業の定義が定まっていないため、世の中には様々な「ホワイト企業ランキング」が存在します。
ホワイト企業を認定する組織もバラバラなため、当然基準も統一されていません。
認定する側の組織は厚生労働省、経済産業省、雑誌社、経営コンサルタント、就活塾等が独自に選んでいるため混乱するかもしれません。
興味がある方は、「ホワイト企業ランキング」で検索してみると具体的な企業名をしることができるでしょう。以下は政府が選出しているものです。詳しくはリンクから詳細を参照してみて下さい。
この中で、最も就活生に関連性があるのが、「健康経営銘柄」だと思います。
2015年から経済産業省と東京証券取引所が共同で行っているものであり、「健康経営優良法人」に認定され且つ東京証券取引所に上場している企業から選ばれているため、就活との相関性が高いといえるでしょう。また更に範囲が広がりますが、健康経営優良法人2022(大規模法人部門(ホワイト500))認定法人一覧も参考になると思います。参考にしてください!
まとめ:
- 志望企業を決める際、また実際に内定を承諾して入社を決める際に「ホワイト企業」という視点は重要
- 入社時の「真っ白」な状態のあなたの良さや、成長の芽をつまないため、本来の伸びしろや、成長を阻害する悪しき洗脳を受けないために、所謂「ホワイト企業」を志望するべき
- ホワイト企業を探すのは、自分が「興味がある仕事」、「仕事で実現したいこと」、「将来のあるべき姿」のイメージができ、具体的な企業研究をするタイミング
- ホワイト企業を探す上で見るべき要素*
- 3年後離職率
- 有休取得割合(年平均日数)
- 月平均残業時間と運用制度
- 休日と運用制度
- 給与・賞与(ボーナス)
- 福利厚生の充実度
- 社内・社外教育・研修に対するスタンスと制度
- 企業ビジョンと業績(有価証券報告書やIR資料、CSR資料)
- *上記を総合的に参照して、自己の重視するポイントに従ってランク付けをしよう
- 手っ取り早く「ホワイト企業」を探す方法は、厚生労働省・経済産業省が行っている表彰・認定を参照してみよう
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