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「あなたは、○○○(時事問題・テーマ)に関して、どう思いますか」と質問されたら、答える自信がありますか?
マスコミや情報サービス企業を志望する場合は、ほぼ100%聞かれる質問です。
それ以外の一般企業でも面接の後半によく質問されます。人気が集中する企業の場合は絶対に対策をしておくべき質問です。金融・商社・広告会社など、幅広い顧客をもつ業種を志望する学生は避けては通れません。
この質問の難しいところは、面接官がテーマを設定してくることです。
「あなたが、最近気になるニュースは何ですか?」と質問される場合は、自分でテーマを設定して語れるのでコントロールできます。しかし面接官がいきなり予測範囲をこえたテーマを設定してきた場合、上手く対応ができないのです。
筆記試験に時事問題がある企業を志望している学生であれば、時事問題に対する研究も進んでいると思います。対策が進んでいない学生、時事問題に自信が持てない学生のために、時事問題の質問にどう対策すべきかを解説します。質問の意図からみていきましょう。
質問の意図:特定テーマの時事問題
面接官がこの質問をする意図は、次の4点に集約できます。
- 学生が世界や社会の動向に興味・関心、問題意識を持っているか?情報や知識に対する基本的な態度と理解のレベルをチェックしたい
- 時事問題のテーマに対し、知識のみではなく、論点を整理した上で自分の意見を主張できるか確認したい
- テーマにもよりますが、時事問題が企業やあなたの生活に関わる問題である場合は、その影響まで踏み込んで答えられるかをチェックしたい
- 分からない問題に対する対応の仕方、態度をチェックしたい
回答のポイント:特定テーマの時事問題
Point 1: 日ごろからの準備がすべて。問題を理解していないと先に進めません。
情報の蓄積がないと、この問題には対応できません。日ごろからニュースに接して、少なくとも重要なポイントを理解していないと答えられません。
新聞を読む、ニュース番組を見る、WEBサイトの経済ニュースをチェックする、分からないことは検索して調べてみる、以上のことは日常生活の中で最低限行っておくことです。
企業活動とは情報戦でもあります。世の中の大きな問題、トレンド、志望業界や企業に関連する問題に対し鈍感であることは致命傷なのです。
企業はあなたの情報に対する接触感度は敏感であることを求めます。そこで、企業が「このくらいのことは知っていて欲しい」と思う時事問題をテーマに設定して学生にあててみるのです。
近年の就活で頻繁に取り上げられたテーマの一つに「アベノミクス」があります。安倍首相は2020年9月に辞任してしまいましたが、分かり易いテーマなので、アベノミクスを例にして説明していきます。
「アベノミクスについて、あなたはどう思いますか?」と聞かれて「アベノミクスって何ですか?」では問題外です。
少なくとも、「デフレ脱却のための大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を拡大する成長戦略(3本の矢)に、最近では一億総活躍社会を目指して、強い経済、子育て支援、安心につながる社会保障(新3本の矢)という再分配的政策を加えたマクロ経済政策」程度の基礎的な知識・理解は必要です。
この通りの答えをする必要は全くありません。
たとえ正確には答えられなくても、このレベルの基本的な情報は仕入れておいてください。問題の骨格を把握することです。
Point 2: 問題の骨格を理解した上で、自分の疑問や考えをまとめておく
この問題は、情報に対する知識のみを測っているのではありません。あなたが、関心があるポイントをピックアップして、論点を整理し、それに対する自分の考えを伝えられるか、をみています。
アベノミクスでいえば、企業業績が上がっているのに好景気の実感がない、給与が上がっている実感がない人が多いのはなぜか?この状態で消費税を10%に上げたことは、日本経済にどんな影響を与えたのか?等、学生でも生活意識に根付いた部分は関心があると思います。
自分の最も関心のあるポイントだけでも、論点を整理して自分の意見を言えるようにしておきましょう。
様々な時事問題に対し、自分が最も気になるポイントを深堀りして論点を整理し、自分の考えをメモしておきましょう。慣れればスマートフォンで検索しながら通学時間にでもできることです。ぜひ試して、習慣化してください。
Point 3: 志望業界や志望企業が関連する大きなニュースは必ずチェックする
自動車業界を志望する学生であれば、電気自動車の世界的動向、自動運転技術のトレンド、不正検査問題など、大きな問題やテーマは必ず押さえておくべきです。
総合商社志望であれば、自由貿易主義、保護貿易主義、二国間貿易交渉、TPP、米中貿易摩擦などは必須中の必須です。
このように自分の志望する企業や業界に関連した大きなトピックは必ずフォローしておいてください。特に人気の高い業界や企業の場合は答えらえないことが足切りの理由にされてしまいます。
設定された時事問題が、今現在のあなたに影響している問題の場合は、自分の実感として語ってください。(例えば、少子高齢化、過疎化など生活に密着したテーマ設定の場合)
また2020年より全世界を揺るがしている「新型コロナウイルス」は、影響範囲が広いため、あなたが志望する業界や企業との関連情報を仕入れ、深く考察し、自分の視点で語れるようにしておきましょう。
Point 4: 分からない場合は正直に対応しよう
あなたの知識がゼロ、全く聞いたこともない問題を設定された場合は答えようがありません。
正直に「○○○に関しては、勉強不足で答えられません。勉強してきます」と答えましょう。問題の難易度にもよりますが、知ったかぶりをして、見当違いの答えをするよりは好感の持てる対応です。
もし少しでも知識がある場合、少なくとも何についての問題で、理解しているところまでは語れる場合は、そこまでの理解であることを答えてください。
理解の度合いにもよりますが、電気自動車市場について聞かれた場合は、電気自動車に力を入れているNISSANの例や、フランス、イギリスで20年後くらいにガソリン車の販売を禁止することが決まった、中国も電気自動車に政策を集中してきている程度の知識があれば、その範囲のことは理解している旨を告げましょう。
親切な面接官であれば「あなたは、このトレンドについてどう思いますか?」と掘り下げ質問をしてくれます。
そこからはアドリブ力の勝負ですが、業界研究を普通にしていれば、「電気自動車シフトの流れは無視できないと思います。何故なら温暖化や、中国や途上国の深刻な大気汚染問題もあるからです。特に日本でも脱炭素社会実現の具体的な目標値が——」と会話を成立させることが出来ます。
重要なポイントのみ記憶しましょう。丸暗記は不要です。また、一度に全て話そうとせず、会話を進めることに注力しましょう。
場の雰囲気のもよりますが、難しい質問の場合は特に、自分の意見を言った後、参考までに面接官の意見をきいても良いくらいです。キーワードは「会話を成立させよう」です。
特定テーマの時事問題「あなたは、○○○(時事問題・テーマ)に関して、どう思いますか」の回答例
例題:仮想通貨(暗号資産) 「あなたは、仮想通貨(暗号資産)に関して、どう思いますか?」
正直に申しまして、一定の理解はしているものの、仮想通貨(暗号資産)の価値に関しては深く理解できておりません。現状では購入と売却のマーケットは成立しており、実際の貨幣との交換もできるものですが投資・投機的な価値にしか思えないのです。
一部の店舗でメジャーな仮想通貨は実際のモノやサービスとして使用できるとされていますが、決済に時間がかかったり、その間に市場での価値が大幅に変動したりすることがあると認識しています。
交換所へのサイバーアタックの問題も記憶に新しいのですが、セキュリティの問題を別としても「投資・投機価値以外の流通が広がらない限り、仮想の域にとどまった、限られた人にしか価値のない象徴」にしか思えません。
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