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ストレスに関する質問の意図
就活の面接で、「ストレス」に関する質問を受けることがあります。
経済産業省がまとめている社会人として重視すべき能力には、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力とそれを構成する12の能力要素かあり、チームで働く力を構成する要素のひとつとして「ストレスコントロール力」があげられています。
従って新卒採用の面接選考で、「ストレス」に関する質問が出るのは予想できることと思います。
企業が社会人(社員)に期待する能力として、ストレスコントロール力を上げている理由はシンプルです。「仕事にはストレスがかかる」からです。
「仕事に関係するストレスを上手に処理して、仕事を遂行して欲しい」からであり、ストレスに負けて、パフォーマンスが落ちたり、ひどい場合は求職や退職をしてしまうことがないように、志望者のストレス耐性やコントロール力をチェックするのです。
ストレスに関連する質問に対する答えで注意すべきポイント
現在、全国平均で新卒採用者の1/3が入社3年以内に退職してしまうという状況もあり、ストレス耐性やストレスコントロール力に対する重要性は増してきています。
企業は志望者の「本当のストレス耐性やコントロール力」を面接で確かめたいと思っているのです。そしてこの要求は、学生の皆さんや内定者の先輩が考えているより重いものなのです。
就活情報サイトや就活ブログには「ストレスを感じるときは、どんなときですか」という質問に対しては、「ストレスはあまり感じません」と答えましょう、というような安易な答えが推奨されているものも多いのですが、それを鵜呑みにするのは危険です。
その理由を解説していきます。
注意点1:ストレス耐性やコントロール力は直接的な質問への答えのみで判断されない
就活生の皆さんが、理解しておくべきなのは「面接官はストレスに対する直接的な質問と、その答えで志望者のストレス耐性やストレスコントロール力を判断している訳ではない」ということです。
分かり易い例をあげれば、面接全体で学生の「緊張している雰囲気」が伝わってしまっていたり、答えに覇気が感じられない場合があります。
その就活生が「ストレスを感じるのは、どんな時ですか」という質問に対し、「私はあまりストレスを感じるタイプではなく、何事においてもプラスの要素をみつけるように心がけています」と答えても、全く説得力がなく、かえってマイナスの評価になってしまいます。
もちろん、面接の質疑も活発で、緊張した様子も感じられない学生が、上記のように答えれば説得力はあります。
「ストレスはあまり感じない」と答えることを推奨している人は、おそらく面接で緊張するタイプではなく、このように答えて内定を得た成功体験もっているのでしょう。
しかし、「ストレスはあまり感じない」は、万能な答えではありません。
何故なら、企業は「学生がどんなことにストレスを感じるのか」、「ストレスの原因(ストレッサー)と、その企業の事業の性格や社風との関係」をチェックしたいからです。
例えば対個人営業が必要な業種や接客業の場合、掘り下げ質問で、「お客様のなかには、クレーマーのような方もいらっしゃいます。そのような方をどう思いますか」、「トラブルになったとき、どのように感じますか」という質問をして、「ストレスはあまり感じない」と答えた学生のリアクションや答えから、信憑性を測るのです。
「私はあまりストレスを感じるタイプではなく・・・」の答しか頭に入れていなければ。ほとんどの場合、このような掘り下げ質問に対して「あたふた」した答えしかできません。
ストレスの感じ方や度合いは人それぞれです。従って「万能な答えはない」ことが第一の注意点です。
注意点 2: ストレスに関連する間接的な質問を理解しておこう
企業がストレス耐性やストレスコントロール力をチェックするのは、「ストレスを感じるのはどういう時ですか」というような直接的な質問だけではないことを理解して下さい。これが注意点2です。
ストレス耐性やコントロール力は、直接的な質問の答より、具体的な事実や経験から判断することの方が多いため、就活生は以下のような質問を受けることがあります。
- 「今まで一番辛いと思ったことは何ですか」
- 「学生時代に直面した困難な経験を教えてください」
- 「どうやって困難を乗り越えたのですか」
- 「挫折を味わったことはありますか」
- 「気分転換にはどんなことをしますか」
- 「休みの日には何をするのが好きですか」
- 「眠れない時はありますか。どんな時に眠れなくなりますか」
- 「眠れない時はどうしていますか」
- 「就活は大変ですか」
- 「就活で一番大変だなぁ、と思うのはどんなところですか」
- 「苦手なものはありますか」
- 「苦手なタイプの人はどんな人ですか」
- 「○○〇のトラブルが発生したら、どうしますか」
- 「企業では上司から怒られたり、強めの指導を受けたりすることもあります。そんな時どうしますか」
- 「チームに嫌いなタイプの人がいる場合、どのように接しますか」
- 「友達は多い方ですか」
上記はストレスに関連している質問です。まず自分のならどう答えるか、心の中でも良いのでシュミレーションしてみて下さい。
ストレスに関して企業が面接でチェックする7つのポイント
上記の関連質問は例であり、これが全てではありません。このような間接質問は、志望者のストレスに対して以下のポイントをチェックするためのものです。
- 志望者の性格(全体的なタイプや人柄)とストレスの整合性(信憑性)
- 自分のストレスやストレスの原因を具体的に気づいているか。認識しているか
- ストレスを作り易い性格なのか(大雑把、神経質、割り切りが良い、細かいことに拘る等)
- ストレスを処理することが上手いか、下手か(具体的な処理方法・解消方法)
- ストレスというマイナスをプラスの力に変えられるか(負けん気や、バウンズバック能力)
- いままでしてきたストレスフルな体験の量
- 全体的なストレスの許容量(どの程度のストレスなら耐えられそうか)
もちろん面接という手法で全てをチェックできないため、適性検査を併用して判断する場合もあります。
しかし、直接的な一つの質問ではなく、複数の関連・連携した質問とその答えの内容、答え方や面接全体の印象によってストレス耐性やコントロール力がみられていることを理解しておきましょう。
具体的な経験から、自分が主張できるポイントを強調して話せるようにしておきましょう。体育会で厳しい練習や先輩後輩の上下関係に耐えてきた人は、それを真摯に語ればストレス耐性やコントロール力は伝わります。
友達とスポーツや娯楽をすることで、うまくストレスを発散している人は、上記のポイントを加味して上手く伝わるようにしておきましょう。
ちゃんと準備ができるのなら、「最もストレスを感じたことと、それをどう克服したか」をドラマチックに話した方が効果的です。
そこまで準備をしていない場合は、多くの人が「それはストレスだよね」と納得できる、自分が経験した具体例を挙げて、その時、どう気持ちを切り替えたか、どのように解決してストレスを解消したかを語りましょう。
あなたがする主張は、あなたの性格とマッチしたものでないと、性格の良さや誠実さは伝わりません。
ストレスを感じること自体、普通のことなのです。それをどう解消して、解決しているのかを伝えることの方が重要です。
体験や事実に基づいたものなら、嘘くさい答よりはるかに面接官に届きます。
注意点 3 正直にも程がある。これだけは避けるべき答え方
ストレスは必ず解消法・解決策と共に答える
ストレスに対し、それほど強くない、むしろ弱い方かもしれないと思っている場合でも、「ストレスを感じることが多い」、「ストレスに弱いタイプです」と答えないようにして下さい。
ストレスの感じ方はや許容量は人それぞれであり、その尺度も個人差があります。
嘘はつかないことが大前提ではありますが、あまりにもストレートにストレス耐性がないことを話すと、それだけでダメを食らう可能性が増大します。
〇〇〇のストレスを感じることはあるが、「それを〇〇〇をして解消・解決している」と、解消法や解決法を一緒に答えることが鉄則です。
ストレスを他人のせいにした答えはしない
ストレスを他人のせいにする答えはNGです。「友人が〇〇〇をしたとき、ストレスを感じます」、「他人が自分の指示に従わない時に、ストレスを感じる」といったような、ストレスの原因が他人にあるような答え方は絶対に避けましょう。
企業は組織で動いています。同じ企業と言っても組織どうして利害が対立することもあります。
チームで動いている以上、チームメンバーそれぞれに価値観や性格が違うため、自分の思い通りに動いてくれるとは限りません。
ストレスの原因を他人にもとめると、「チームワークで仕事ができない」、「人間関係の構築ができない」、「自分勝手な性格」という烙印をおされます。
人間関係をストレスにするのは避けておくべきですが、答えてしまった場合は、必ずそのストレスの解決・解消方法や他者や周囲への働きかけを併せて説明してください。
例えば、「人間関係で全くストレスを感じないことはないですが、特に強く感じることはないです。色んなタイプの人がいて、それぞれの意見があると思っているので、その中で自分は自分であり、できる範囲の働きかけはしようと決めています」という答えを参考にしてください。
対人関係で全くストレスを感じない人はいないと思います。感受性の違いに過ぎないと思って、マイナス評価にならない表現をするように、頭を切り換えましょう。
軽すぎるものをストレスの原因にしない
就活マニュアルや就活情報サイト、就活ブログには「無理な計画や予定をたててしまうことがあり、それを実行しようとしてストレスを感じることがある」、または「予定が急変わってしまうとストレスになる」というような、「頑張りすぎ」や「軽めなこと」をストレスの原因にあげ、「真面目すぎる努力家」や「あまりストレスを感じない性格」を装う答え方を推奨しているものも多いです。
実際に面接官を経験したことがあれば、このような答えをする学生に好感を持てないことが直ぐに分かると思います。
一言で言えば、「嘘くさい」のです。
あるいは、「正直に答えず、就活のテクニックを使っている」に過ぎないという評価をします。
面接を受けていて、本当にその学生の性格と整合性が見えれば良いのですが、そうではない場合は上記のような評価をします。
「ストレスを感じるとき」の答えは、誰しもが「確かにストレスだよね」と、ストレスとして納得できるような具体例と、それを解消・解決している方法を一緒に伝えてください。
志望している業種・企業やビジネスに必要なものをストレスの原因としてあげない
志望している業種・企業のビジネスに必要なものをストレスの原因として答えてしまうと、それだけで大きなマイナス評価になります。
分かり易い例をあげれば、個人に対する営業が重要な生命保険や証券会社で、成績や目標達成、周囲との競争にストレスやプレッシャーを感じると答えるのはマイナスであることは直感的に分かると思います。
接客を必要とする業態に、対人関係をストレスの原因としてあげれば、それだけで選考は通過できないでしょう。
また、どんなビジネスにも避けられない必要不可欠なことをストレスの原因としてあげるのもNGです。
「人から命令されるのはストレス」、「自分に対する正当な評価が得られない場合はストレス」、「急に予定が変更になるとストレス」等々です。
これらはビジネスの現場ではごく普通の出来事です。
ビジネスの常識的なことや、志望する業界・企業でエッセンシャルなことをストレスの原因にするのは絶対に避けましょう。
もし本当にストレスの原因とその業界・企業の適性が相反する場合は、あなたに適性がないと判断し、適性を重視して業界や企業を選択しなおしましょう。上手く内定を獲得しても、あとで苦労するだけです。人間の性格を変えるのは非常に難しいものです。
ストレスの解消法は社会的受け入れられ、誰もが好感をもてるものを選ぶ
就活の面接なので、あなたの答えはその目的に沿うものでなければなりません。
例えばストレスの解消法として、「1日パチンコ」に没頭することはあっても、それをそのまま就活の面接での答えとして相応しいかは別問題です。
「朝まで飲んで忘れる」、「友達と飲み歩く」、「お金を思いっきり使い、欲しいものを買いまくる」、」「ギャンブルをする」なども同類です。
社会的に許容される範囲でも、人に迷惑を与える可能性のある行為や、好感を持てない人がいる解消法をあげるのはNGです。
そのあたりは常識的に判断できると思いますが、念のため最後に加えておきます。
【参考回答例】質問:どんな時に、一番ストレスを感じますか?
私が最もストレスを感じるのは、設定した目標を達成するために、課題をできるだけ細かく分解し小目標を設定したにもかかわらず、自分自身の理由で課題をクリアできない時です。小目標をクリアできず、予定通り進まない時はストレスを感じます。
自分以外に原因がある場合は、自分にできることに集中することで、小目標のクリアに前向きになれるのですが、自分自身に理由があるときはイライラしてしまう時もあります。
高校より弓道を行っているのですが、大会での優勝に必要な練習プログラムとスケジュールを組んで頑張ったつもりでも、自分自身のパフォーマンスが上がらず団体戦の戦績を落としてしまった時は、責任を感じて負のサイクルに陥ることもありました。
しかし、同じような体験を数度していくうちに、自分自身でできることを、できる時に集中すること、そして「失敗や困難は、成功のためにある」という考え方ができるようになり、メンタルも強くなった実感があります。
最近では、友人と率直に話したり、テニスのような別のスポーツで遊んだりすることで気分転換も上手くできるようになりました。
まとめ
- 注意点1:ストレス耐性やコントロール力は直接的な質問に対する答えのみで判断していない
- 注意点 2: ストレスに関連する間接的な質問を理解しておこう
- ストレスに関して企業が面接でチェックする7つのポイントを理解しよう
- 注意点 3 正直にも程がある。これだけは避けるべき答え方
- ストレスは必ず解消法・解決策と共に答える
- ストレスを他人のせいにした答えはしない
- 軽すぎるものをストレスの原因にしない
- 志望している業種・企業やビジネスに必要なものをストレスの原因としてあげない
- ストレスの解消法は社会的受け入れられ、誰もが好感をもてるものを選ぶ
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