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面接の自己PRでは、何が見られているのか
学生にとっての面接の目的は、自分を志望企業に売り込むことです。従って全ての回答は自己PRにつながります。
狭義では、エントリーシートに記載した、強み、能力、長所を、面接であらためて「あなたの自己PRをお願いします」、「あなたの長所は何ですか?」という質問で聞かれます。
集中力を自己PRのテーマとしてアピールしたい場合、どう話せば面接官に響くのでしょうか?自己PR質問の意図からおさらいしておきましょう。
面接官が自己PRや長所の質問で知りたいのは次の5点に集約できます。
質問の意図:
- どんな人柄で、どんな特長(強み、長所)を持っているのか
- 物事に対する考え方、価値観、興味、取り組み方、態度・姿勢、行動履歴
- 人柄や特長(学生の主張)の裏付けや経験、事実
- 人柄や特長を、どのように活かしているのか、活かそうとしているのか
- 魅力的で、印象に残す説明ができるか
自己PRで、集中力を取り上げる場合の注意点
集中力は、企業が選考時にあたって重視する項目の一つです。集中力のある人は仕事の処理能力があり、仕事のスピードや継続して取り組む姿勢を評価しています。
ここで注意したい点は、集中力はそれ単体では訴求力は弱いということです。企業側の見方は他の強みや長所とあわせて、実際にどう仕事に貢献してくれそうかを評価します。
集中力単体ではなく、集中力と忍耐力、ストレス耐性、継続力など、他のプラスのポイントと併せないと、仕事に対する貢献が評価しにくいというのが正直なところです。
集中力は長所であることは間違いありませんが、短所として懸念される場合があることを頭に入れておきましょう。
集中力の懸念点
- 興味があることには集中できるかもしれないが、興味が湧かないことにも集中できるのか?
- 集中、没頭して、周囲の状況や環境の変化を無視するのではないか?
- 短期集中はできるかもしれないが、長期的に集中して仕事に取り組めるのか?
- チームワークで仕事ができるのか?
- マルチタスク、同時進行案件に対応できるのか?
集中力を自己PRのポイントにするには工夫とコツが必要です。集中力アピールを魅力的にするためのポイントを解説していきます。
集中力とは何か
あなたは「集中力がある人」を、どうイメージしますか?
- 一つのことに没頭できる
- 長期間に渡り、物事をやり続けることができる
- 与えられた時間内で成果が出せる
- 一度決めた事や、目標に対し、諦めないで最後までやり続けることができる
- 集中するため、続けるために色んな工夫や努力ができる
- 着実に一歩一歩物事を前に進めていく人
また、「集中」と言っても具体的にどの程度の期間を「集中できる」と評価するかも人によって違います。当然、「何に集中しているか」によってその解釈も変わってくることを注意しましょう。
集中力は、それ単体では非常に抽象的で主観的な言葉なのです。具体的に語ること、客観的な指標(数字など)で語らないと、何も伝えられません。
就活の文脈でいう集中力とは何か
多くの学生が習い事や語学、資格の取得、趣味、アルバイト、研究、サークル活動などをテーマに集中力をアピールします。このように具体的な経験を話すこと集中力の自己PRには絶対に必要なことです。
「何をどのくらい集中して取り組んだのか」という具体的な話は必要ですが、企業が本当に知りたいのは、あなたがその活動をどう考え、どう集中して取り組み、何を得ることができたのかという点です。
単に集中した事実を述べるだけではアピールにはなりません。集中して取り組んだ活動を通じて、あなたが払った努力や成長を語り、あなたの人柄を伝えることが大切です。
就活文脈の集中力に必要な要素
就活文脈の集中力をもう少し深く考えてみましょう。企業のニーズにマッチする集中力の要素は以下のようになります。
- 仕事を完遂する意識が高く、一定のタイムライン内で、もしくは、より早く仕事を完遂できる能力
- 高い目的意識と、目標に対する執着力、諦めない心
- 辛いことや厳しい環境の中でも、粘り強く取り組める意志の強さ
- 集中するための工夫や努力ができる資質
- 没頭することによって、より高いレベルの成果を生みだす
- 周囲の状況や環境の変化を理解し、他の仕事とのバランスがとれる
- 必要に応じて臨機応変に対応する柔軟性
- マルチタスク、同時進行案件もこなせる能力
ビジネスで成果を出していくために求められる集中力は、学生が思っている集中力よりはるかに重いものです。
もちろん、学生のあなたに、全てを求めている訳ではありません。しかし、あなたが集中力を自己PRのポイントにするならば、あなたが語るエピソードにこれらの要素が一部でも感じられないと非常に弱い自己PRになってしまいます。選ぶエピソードは、他人から設定されたものではなく、自発的に行った活動の方がアピールできます。
ESであれば、提出する前に自己PR文をもう一度読んであなたのアピール、あなた自身が「志望する企業の仕事に活きる、ポテンシャルがある」という印象が残るかどうかをチェックポイントとして下さい。
もし残らなければ、あなたの自己PR文は「就活」という括りの中ではうまく機能していません。もう一度、就活文脈の「集中力」の要素が際立つようにリライトして下さい。
集中力を具体的に語ろう
集中力の言葉の持つ意味が抽象的で、評価軸の個人差があるため、集中力をアピールする際には、具体的にどんな強みなのかを定義して語ってください。自分がアピールしたい集中力とは何かをはっきり定義するべきなのです。この自分なりの定義を結論として冒頭に語ってください。
集中力のアピールポイントを語っただけでは誰も信じてくれません。なぜそう主張できるのかを事実・経験に基づいたエピソードで証明しましょう。特に、どうやって集中力を身に着けたのかを、具体的に語ると説得力を増すことができます。
集中力を維持するために行っている自分なりの努力や工夫があれば、積極的に語りましょう。仕事での再現性をアピールできます。
エピソードはESに取り上げるメインを含めて、少なくとも3つエピソードを用意しておきましょう。
1つのエピソードだけでは根拠と言えず、仕事での再現性をアピールできません。2つの場合でも、どちらかのエピソードの評価がイマイチの場合、不安定であり、根拠が薄いという判断を受ける可能性があります。3つの場合、「自己分析をしっかりした上での強み」としての印象が強まり、面接官は根拠と再現性を評価しやすくなります。
深堀質問がこなくても、簡潔にに複数のエピソードを紹介できるようにしておきましょう。
自己PRをエントリーシートに書くために、あなたの強み・長所は事実・経験から抽出していますね。その過程で使用したエピソードの展開フレームを面接にも応用しましょう。集中力を的確にアピールするために、次の強み・長所を上手に伝えるパターンを応用してください。
強み・長所を上手に伝えるパターン
- 結論を先に述べる:「私の強み・長所は○○○を○○○する集中力です」(強み・長所の集中力を具体的に表現する)
経験・エピソードパート:
- 強み・長所の根拠である経験、力を発揮できたエピソードの概要を簡潔に語る
- そこにあった問題点と課題。課題に対して考えたこと、解決への動機
- 問題・課題に対してとった行動(努力や工夫)とその結果
まとめパート:
- あなたの集中力のまとめと、学んだ事、成長した点を仕事へ活かす決意
これらの要素を一気に話すのではなく、できるだけ面接官との会話の中で伝えてください。面接に慣れてくれば、順番を敢えて崩して印象を深めるなどの余裕も出てくると思います。
暗記した文の棒読みはだめです。キーワードをしっかり頭に入れて、会話で伝えることを心がけましょう。
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集中力を自己PRする場合の回答例
物事を中途半端にしておくことや、自分が決めたことを、その日の内や時間内でしないことが嫌いな性格です。私の好きな言葉、口癖は「ミッション・コンプリート」です。
この力が身に就いたのは中学校・高校と剣道部に所属していた経験が大きかったと思います。県内でも強豪校の一つで、中学校の顧問の先生は特に厳しい方でした。訓練方法の一つに1日1000本の素振りがあり、中学・高校を通じて続けてきました。
この訓練のポイントは、500本を過ぎると体力も精神力も疲労する中で、1000本を達成するというものです。しかし集中して、きれいな素振りをしないと意味がないため、自分で適度な休息を入れて良いという、ある意味自分でコントロールしてタスクを達成することも目的にしている鍛錬です。
私は集中するために、自分自身をコントロールする方法を見出し、受験期は除きますが週5日は必ず1000本素振りを6年間続けてきました。
剣道で養った集中力は受験勉強や資格の取得にも活きています。大学では日商簿記2級を目標に掲げ、一日3時間集中して勉強を続けた結果、3年の11月に合格することができました。
私の集中力の強みは、短時間集中して行うことを粘り強くコンスタントに続けることができる点です。この強みを生かして、将来的には御行のプロジェクト・ファイナンス業務に携わりたいと考え志望いたしました。
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