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志望動機の基本の書き方
まず基本の書き方を覚えましょう。志望動機については、以下の本質的な質問に対する答えを必ず用意しましょう。
- 何故、他の業界・業種ではなく運送業界なのか?
- 何故、他の運送会社ではなく、この運送会社なのか?
- この運送会社で、何がしたいのか?何を実現したいのか?
ここでは、作成のためのフローチャートと、志望動機のまとめ方のフローチャートを掲載しておきます。
志望動機の作成フロー
志望動機の構成要素とまとめ方
運送業界への志望動機の書き方
運送業界への志望動機を説明するために、具体的にヤマト運輸への志望動機の例文を掲載しています。これは、あくまで運送業界への志望動機文の構成要素と文章フローの参考用です。具体的な例文に基づかないと、参考にし難いという理由からです。
志望動機は、あくまで「あなた起点」で書かなければ意味がありません。就活本やマニュアル、就活支援サイトにある例文は参考にして良いですが、コピペや流用は止めましょう。コピペや流用をして書類選考を一時的にしのげたとしても、面接では説得力がなく、選考には勝ち残れないでしょう。
うまく内定がとれたとしても、あなたの本質からずれたところで選んだ企業に入社するリスクになります。入社後にミスマッチが起こると、あなたも企業も、互いに不幸な結果になってしまいます。志望動機は自分の考えと意思を基に作成してください。
例文:ヤマト運輸への志望動機
志望動機を教えてください。(400文字)
私の就職活動の軸は、多くの人々の生活に深く関わり、自分が提供する仕事によって課題を解決し、必要不可欠な存在になることです。
その軸で業界、企業研究をする過程で、自分にとってあたりまえの「宅急便」という存在に気づき、そのパイオニアである貴社の哲学に強い共感を覚えました。宅急便の開発に於いて、荷主だけではなく荷物の受け手をお客様と考えて事業化した先見性、困難を克服する智慧と努力に感動しました。また宅急便サービスで築きあげたITや物流インフラ、人的資産は、まさに日本全国民を荷主、荷受人以上のお客様にできると考えました。
貴社というフィールドで日本が抱える少子高齢化や地方の過疎化、QOLの格差の解決へ向け大きな貢献をすることで、貴社の事業を発展させる原動力になりたいと考え志望しました。
大学ではボランティア活動のサークルを立ち上げ、被災地で親を失った子供に対し、支援コミュニティーの活動とケアを定期的に行ってきました。この活動では、被災地の自治体や現地の支援グループとの協働と役割分担、大学からの参加者のスケジュール調整など、次から次へ発生する問題や課題の解決に奔走しました。
活動を通じて学んだことは、本当のニーズは現場の声を聴いて初めて理解できるということと、過酷な現場では「こうであろう」と思うことが通用しないという現実でした。企業の活動も、私が大切にしてきた「意思」と「主体性」を大切にし、更に現場でのコミュニケーションを大切して目的を達成していきたいです。そして私の仕事が社会的にも意義のある結果に結び付くよう努力します。
貴社はすでに「project G」を展開され、多摩ニュータウンで多摩市とUR都市機構と連携しながらサポートする「ネコサポ」を展開されています。このような事業の可能性は高齢化が加速する日本では大きなビジネスチャンスになると考えました。
将来的には貴社のインフラを最大限活用した新事業開発にチャレンジしたいと考えます。それを実現するため、自分のポリシーとして、まず宅急便をはじめとする貴社のインフラの骨格をしっかり現場で体験・理解することにチャレンジします。私の目標に対する執着心や主体性、現場力を活かし,一つ一つステップアップしていき、新事業をマネージできる人材を目指して努力します。
その運送会社でやりたいことを結論として初めに書く
エントリーシートでも、面接でも、「この運送会社でやりたいこと、実現したいこと」は志望動機の結論部分になります。結論は、エントリーシートの志望欄には一番初めに、明確に書きましょう。面接では、結論を始めに述べましょう。
ヤマト運輸のESは、志望動機関連の質問として、「志望動機」、「社会で活かせるあなたの強み」、「あなたの強みを活かして、当社で実現したいこと」と分けられていて、それぞれ詳細な説明を求める非常に具体的、且つ実務的なフォーマットになっています。
従って、「この運送会社でやりたいこと、実現したいこと」の結論は、三問目の冒頭に記述しています。このように特別な仕様、指示がなく、単に「志望動機を教えて下さい」というESの場合は回答の冒頭で「この運送会社でやりたいこと、実現したいこと」を述べましょう。
理由の説明から入ると話の核心が見えにくく、弱くなってしまいます。ESでも面接の応答でも基本は結論をはじめに述べてから、その理由を簡潔に説明していくフローを使いましょう。
また「理由」を述べる場合でも、企業の特徴を挙げているだけでは、「あなた」を感じることはできません。理由にも、あなたの「意思」や視点を入れて書かないとアピール不足になります。
冒頭に書くのは結論=核心部分なので、運送会社の独自性、特長や業界でのポジショニングを反映していないと、非常に弱い結論になってしまいます。他業界の企業にもあてはまるような、「日本経済に貢献している」「人々の生活を豊かにしている」などという抽象的なものではアピールできません。
また、志望動機の結論に、「自分の成長」や「自己実現」など、自分へのメリットを中心にするのは止めましょう。企業はあなたのために採用活動を行っているのではありません。あくまで企業のために行っています。企業のためとは、企業の利益に貢献をすること、そのためには、企業の顧客に価値を提供することです。
多くのエントリーシートを読んでいますが、志望動機の結論部分を自分の成長など、自分へのメリットに重きを置いて書いてしまっている学生は非常に多いのです。自分の成長は大切なことですが、自己目的化した志望動機になってしまわないように注意してください。
この結論部分には、「あなたならでは」の要素を入れましょう。他の学生ではない、あなた独自の情報を入れないと、あなたの志望動機としては弱いものになってしまいます。
あなたならではの要素とは、あなた自身の経験や価値観、独自の視点や専門分野などの情報です。単に企業のWEBサイトをなぞったようなものにならないように意識をしてください。
一問目の「志望動機」の回答では、以下の部分でヤマト運輸の絶対的な強みである宅急便の本質的な特徴を、ヤマト運輸を志望するきっかけとして、Aさん独自の視点で述べています。
何故、運送会社なのかを理由付ける
運送業界を志望する場合、まず他の業種との違いをしっかり理解して志望動機を作りましょう。何故、運送業界なのか、そして海運・郵船業、航空業、倉庫業などと明確に差別化された理由を提示する必要があります。
志望動機の作成フローにあるように、あなたがなぜその業界に興味、関心があり職業選択の対象にしたのかを説明しましょう。そして、何が結論である「あなたがその運送会社でやりたいこと」に結び付いているのかを説明しましょう。
何故、同業他社ではなく、この運送会社なのかを理由付ける
このパートに説得力を持たせるのは、徹底した個別企業の研究と、自己分析です。志望企業はもちろんの事、その業界内で競合する企業を研究して、志望企業ならではの特徴、独自性を見つけていきます。
企業の独自性と、業界を志望する「あなた自身の理由」を結び付けて下さい。「私のしたい仕事、ビジョンを実現できるのは、○○○という特長を持っている貴社である」という文脈を構成しましょう。
例文では、ヤマト運輸でなければならない理由を以下の部分で説明しています。
「宅急便の開発に於いて、荷主だけではなく荷物の受け手をお客様と考えて事業化した先見性、困難を克服する智慧と努力に感動しました。また宅急便サービスで築きあげたITや物流インフラ、人的資産は、まさに日本全国民を荷主、荷受人以上のお客様にできると考えました」
三問目のチャレンジしたいこと:
「貴社はすでに「project G」を展開され、多摩ニュータウンで多摩市とUR都市機構と連携しながらサポートする「ネコサポ」を展開されています」
どんな場合でも、しっかりと企業研究と、出来る限りインターンシップへの参加やOB/OG訪問を行い、自分と企業の特長を重ね合わせて志望動機の説得力を増しましょう。
自己PR要素で、どんな貢献ができるのかを明記しよう
運送業界は、インターネット通販の盛隆により国民の購買行動そのものが大きく変化し、それに従って成長が見込まれる産業です。
成長産業のためエントリーシート段階でも、自分のアピ―ルポイントを明記して、それによってどんな貢献ができるのかを、ビジョンでも良いので書くことが重要です。自分で最も競争力があると思うアピールポイント(経験、能力、長所、強み、資格、専門領域など)を書いておきましょう。書いていない場合、書いていないことではじかれるリスクも避けられます。
また運送業界の場合、観念的なことではなく、具体的な経験や実績に基づいて、「強み」や「長所」を説明しましょう。
例文では2問目の「社会で活かせると思うあなたの強みを教えてください」への回答で、自分の体験から実証される「強み」を説明しています。
ヤマト運輸の例文のように自己分析から抽出したあなたの人柄・性格、強み、長所、経験や資格、能力や専門領域などの自己PR要素を入れていきましょう。ESのフォーマットにもよりますが、志望動機欄が300字であれば、自分のアピールポイントを選んで、結論を補強できます。
活動を通じて学んだことは、本当のニーズは現場の声を聴いて初めて理解できるということと、過酷な現場では「こうであろう」と思うことが通用しないという現実でした。企業の活動も、私が大切にしてきた「意思」と「主体性」を大切にし、更に現場でのコミュニケーションを大切して目的を達成していきたいです。そして私の仕事が社会的にも意義のある結果に結び付くよう努力します」
キャリアプランで志望意欲を補強しよう
エントリーシートの記載までに、職種志望動機とキャリアプランまでをまとめておきましょう。その企業に入って、具体的に何をしたいかを結論として書くためには避けては通れません。
ヤマト運輸のESでは、三問目で「あなたの強みを活かして、当社で実現したいことやチャレンジしたいこと」を聞いています。普通の企業のESではここまで具体的に答えを求めず、ただ「志望動機」を教えて下さいというフォーマットが多いです。このように漠然と質問される場合でも、より具体的なビジョンやプランを志望動機に書くようにしましょう。
例文では、具体的に「実現したいこと」とキャリアプランに関するAさんの考え方を、以下のように説明しています。
ヤマト運輸の場合、新卒の定期採用者全員が、入社後のジョブローテーションそして、まずは最前線の現場に立って働き、宅急便サービスを学ぶことになります。
そして主管支店、支社、グループ会社など、各セクションで多様な経験を積み、横断的にキャリアアップし、グループの経営人材として成長していく人材育成をしています。
どのような将来のビジョンがあろうとも、現場で起こっていることに対する理解がないと、その先へ進ませないという非常に明確な理念を感じます。運送業界への志望動機は、「現場力」が重視されます。
運送業界でも指示やマニュアルに従うことは重要ですが、その範疇に収まらない事態が多発するのが運送業界の現場です。その際、企業が大切にしている規範にのっとって、主体的、自主的な判断ができることが重視されます。
例文では将来的に実現したいことをビジョンとして述べていますが、それをサポートしているのが、上記のキャリアプランと、自己PR要素という構造になっています。
就活の軸、「企業選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぼう
志望動機文の最後のフレーズは、就活の軸の実現が、この運送会社だからできるという文脈で結びましょう。それまでの文章のフローで、二度全く同じことを言わないように表現を工夫する必要はあります。
文を締める意味で「貴社を志望しています」、「貴社に貢献したい」という志望意欲を伝えるために、核心部分を別の表現で補強しておきましょう。例文では冒頭のビジョンをより具体的に言い換えています。
この回答の最後で「貴社というフィールドで日本が抱える少子高齢化や地方の過疎化、QOLの格差の解決へ向け大きな貢献をすることで、貴社の事業を発展させる原動力になりたいと考え志望しました」と志望動機を結んでいます。
このように例文では大きなビジョンから、運送会社、ヤマト運輸でなければならない理由と自己PRを挟み、ヤマト運輸でチャレンジしたいことに落とし込まれています。
就活の軸の実現のためにヤマト運輸を志望した、というロジックが貫かれており、一貫した志望動機が三問の回答を通じて読みとれる構成になっています。
運送業界への志望動機のまとめ
- その運送会社でやりたいこと、ビジョンを結論として初めに書く
- 何故、運送業界、運送会社なのかを理由付ける(業種・業界の存在意義 × 価値観・経験)
- 何故、同業他社ではなく、その運送会社なのかを理由付ける(志望する運送会社の存在意義・特徴・独自性 × 価値観 × 自己PR要素)
- 就活の軸、「企業選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぶ (志望する運送会社の存在意義・特徴・独自性 × 就活の軸)
尚、志望動機欄の文字数制限が300字以下の場合は、自己PR要素は削除してもかまいません。殆どのESには自己PR欄や、学生時代に力をいれたことを記述する欄がるため、そちらで集約して、志望動機は全体を簡潔にまとめてください。
ただし上記の4つの要点はカバーしましょう。完全に一つ一つをカバーしなければならないという意味ではありません。文脈の中でうまく伝えることにトライしてください。ES全体として「あなた」という個性と志望動機に一貫性が読み取れ、採用担当が「あなたがこの企業で働いている姿」を想像できれば選考を勝ち抜けます。
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あとは志望企業のESにあわせてチューニングするだけなので、準備を大幅に効率化できます。
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