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志望動機の基本の書き方
まず基本の書き方を覚えましょう。志望動機については、以下のクリティカルな質問に対する答えを、必ず用意します。
- 何故、他の業界、業種ではなく総合商社なのか？
- 何故、他の総合商社ではなく、この総合商社なのか？
- この総合商社で、何を実現したいのか？何がしたいのか？
志望動機の作成方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。もし読んでいなければ総合商社への志望動機を書く前に、ぜひ参照してみてください。志望動機の構成要素に関する理解が深まります。
ここでは、作成のためのフローチャートと、志望動機のまとめ方のフローチャートを掲載しておきます。
志望動機の作成フロー
志望動機の構成要素とまとめ方
総合商社への志望動機の書き方
総合商社への志望動機を説明するために、具体的に三菱商事への志望動機の例文を掲載しています。これは、あくまで総合商社への志望動機文の構成要素と文章フローの参考用です。具体的な例文に基づかないと、参考にし難いという理由からです。
志望動機は、あくまで「あなた起点」で書かなければ意味がありません。就活本やマニュアル、就活支援サイトにある例文は参考にして良いですが、コピペや流用は止めましょう。コピペや流用をして書類選考を一時的にしのげたとしても、面接では説得力がなく、選考には勝ち残れないでしょう。
うまく内定がとれたとしても、あなたの本質からずれたところで選んだ企業に入社するリスクになります。入社後ミスマッチが起こると、あなたも企業もお互いに不幸な結果になってしまうので、志望動機は必ず自分の考えと意思で作成しましょう。
志望動機が書けない時は、志望動機ジェネレーターを活用してみよう
総合商社の志望動機を作成する際、深く考えても、なかなか良い内容が思い浮かばない方も多いはず。
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例文：三菱商事への志望動機 （250文字）
あなたが三菱商事で挑戦したいこと、実現したい夢について教えてください。 その際、特に興味のある分野や事業があれば、具体的に触れて頂いても構いません。（250字以内）
異文化交流サークルで50名の部員のリーダーとして、他大学との交流を積極的に行い、違った個性を繋ぐことによって斬新なイベントやカルチャーを創ってきました。
世界の企業とのコラボレーションにより、競争力のある製品やサービスを事業化することに挑戦したいと考えています。分野に拘りはありませんが、身近なところでは、エスニックフードを日本向けに開発し、傘下の流通への展開を事業化してみたいと考えています。
その総合商社でやりたいことを結論として初めに書く
エントリーシートでも、面接でも、「この総合商社でやりたいこと、実現したいこと」は志望動機の結論部分になります。結論は、エントリーシートの志望欄には一番初めに、明確に書きましょう。面接では、結論を始めに述べましょう。
総合商社の場合、注意すべき点は「やりたいこと」は大きなビジョンに基づいて書く、ということです。更に言えば、仕事に対する大きなビジョンだけでも良いです。
この場合は「三菱商事で挑戦したいこと、実現したい夢」という質問のため、まさにビジョンを先に書き、その後で、「特に興味のある分野や事業があれば、具体的に触れて頂いても構いません」と親切にアドバイスしています。
総合商社は扱っている商材や、事業そのものが多岐に渡っています。
あなたが本当にある特定部分のスペシャリストで、専門知識があり、その分野にこだわりがあればそれで勝負する方法もあります。しかし採用する側から見ると、その分野に携われない場合、使い難い人材と評価されるリスクが大きいのです。特定分野を書く場合でも、その前提となる「大きなビジョン」から落とし込んで書きましょう。
文の冒頭は、結論＝核心部分から書きましょう。理由から入ると話の核心が見えにくく、弱くなってしまいます。ＥＳでも面接の応答でも基本は結論をはじめに述べてから、その理由を簡潔に説明していくフローを使いましょう。
三菱商事志望のＡさんの場合は、以下の部分が結論の「挑戦したいこと、実現したい夢」の部分です。
総合商社の事業分野は大きく、資源と非資源に分かれています。かつてはトレードが生業でしたが、現在は企業の経営に参画して収益を得る事業投資を積極的に行っています。現在、収益における資源事業割合は4割以下になっており、非資源事業の積み上げが欠かせません。
総合商社という業態は、ほぼ日本独自の業態であり中々理解が難しいのですが、共通でくくれる特徴は以下の４点になります。
- 事業・取引がグローバル展開をしていること
- 商社は人が財産。プロフェッショナルな専門知識とコミュニケーションの能力が必要
- 企業と企業を繋ぐ、企業と情報、人と企業を繋ぐネットワークビジネス
- ビジネスを通じて、世界・日本の人や社会に広範な影響を与える（貢献する）
また、志望動機の結論に、「自分の成長」や「自己実現」など、自分へのメリットを書くのは止めましょう。企業はあなたのために採用活動を行っているのではありません。あくまで企業のために行っています。企業のためとは、企業の利益に貢献をすること、そのためには、企業の顧客に価値を提供することです。
多くのエントリーシートを読んでいますが、志望動機の結論部分を自分の成長など、自分へのメリットに重きを置いて書いてしまっている学生は非常に多いのです。自己の成長は重要ですが、志望動機の核として、自己目的化しないように注意しましょう。
この結論部分には、「あなたならでは」の要素を入れましょう。他の学生ではない、あなた独自の情報を入れないと、あなたの志望動機としては弱いものになってしまいます。あなた独自の情報とは、経験、価値観、独自の視点や専門領域を指します。
何故、総合商社なのかを理由付ける
志望動機の作成フローにあるように、あなたがなぜその業界に興味、関心があり職業選択の対象にしたのかを説明しましょう。そして、何が結論である「あなたがその総合商社でやりたいこと」に結び付いているのかを説明します。
三菱商事への志望動機の例では：
何故、商社の中でも総合商社であり、他の総合商社ではなく、この総合商社なのかを理由付ける
このパートに説得力を持たせるのは、徹底した個別の企業研究と、自己分析です。志望企業はもちろんの事、その業界内で競合する企業を研究して、志望企業ならではの特徴、独自性を見つけていきます。
総合商社の場合、扱っている商材や事業分野が広く、収益が見込めれば新事業や新たな投資、Ｍ＆Ａにも果敢に挑戦していく業態であるため、他の業種の企業より、その会社独自の志望動機のウェイトは低いです。
三菱商事の採用の競合するのは、他の総合商社というよりは、外資系投資銀行、コンサルティングファーム、他業種のトップ企業になります。総合商社内の競合であれば三菱商事に入るだろうというプライドがあるため、会社の独自性よりも「なぜ、総合商社なのか」「総合商社で何をやりたいか」の方が重視される傾向です。
三菱商事の場合、文字数が250文字と少ないことと、他の総合商社との差別化はあまり重視しないため、この例文では明確な理由はを説明していません。唯一、傘下にローソン（コンビニ）やライフ（スーパー）を持つことから、新事業の流通展開として関連性をもたせています。
商社による、重視するポイントの違い
住友商事の場合は、住友商事とのカルチャーフィットを重視しています。高い志やビジョンを重視するのは三菱商事と同じですが、「住友の事業精神」を理解して、その文脈にある志望動機を作る方が評価は高いです。
丸紅や伊藤忠商事もそれぞれの特長があります。例えば伊藤忠商事は「伊藤忠の商人」に求められる人物像（粘り強さ、挑戦心、行動力、パッション、伊藤忠らしさ）があり、他の総合商社より結果にこだわって行動する社風です。志望動機も「なぜ伊藤忠なのか」を明確にする必要があります。
このようにそれぞれ違いがありますが、違いをそれほど重視しない三菱商事でも、他の総合商社にそのまま流用できる志望動機はＮＧです。しっかりと企業研究と、ＯＢ/ＯＧ訪問を行い、自分と企業の特長を重ね合わせて志望動機の説得力を増しましょう。
自己ＰＲ要素で、どんな貢献ができるのかを明記しよう
三菱商事の例文のように自己分析から抽出した、あなたの強みや長所、人柄、経験や資格、専門領域などの自己ＰＲ要素を入れていきましょう。
総合商社の場合、エントリーしてくる学生のレベルが非常に高いため、エントリーシート段階でも、自分のアピ―ルポイントを明記して、それによってどんな貢献ができるのかを、ビジョンでも良いので書くことが重要です。
そのポイントで勝負できるかは別問題ですが、自分で最も競争力があると思うアピールポイント（経験、能力、長所、強み、資格、専門領域など）を書いておきましょう。書いていない場合、書いていないことで、はじかれるリスクがあるためです。
更に、「斬新なイベントとはどんなイベントなのか？カルチャーとはどういう意味なのか？」という面接での「深堀質問のきっかけ」としても機能する表現です。
自己ＰＲ要素から、就活の軸である「世界の企業とのコラボレーションにより、競争力のある製品やサービスを事業化することに挑戦したい」に繋げているため、異文化交流サークルのリーダーとしての資質で、「世界の企業とのコラボレーションによる新たな事業で、三菱商事に貢献したい」と読める構成になっています。
自己ＰＲ要素を盛り込む際に注意したいのは、いくらあなたの価値観や経験に適合しているからといって、企業の本質から遠い活動に志望動機を結びつけるのはＮＧです。
例えば、三菱商事は世界中で環境保全やボランティア活動など、様々な社会貢献活動を行っていて、素晴らしいと思いますが、それは三菱事商事の事業の一環であっても本質的な活動ではありません。
作成フローにもあるように、最も上位の概念はその企業の存在意義です。そこからナローダウンする必要はありますが、存在意義に基づいた企業や事業の本質的な部分に、あなた自身を結び付けてください。
職種志望は理由を明確に述べ、キャリアプランで補強しよう
具体的にこの総合商社に入って何がしたいのかを、職種希望と結びつけて語りましょう。
あまり無理やりこじつけるのは得策でありませんが、志望職種とキャリアプランまでできていれば、説得力を増すことになります。エントリーシート記載までに、職種志望動機とキャリアプランまでをまとめておきましょう。
その企業に入って、具体的に何をしたいかを結論として書くためには避けては通れません。ESには書けなくても、面接では必ず質問があります。ESと面接との整合性を保つ意味でも早めに固めておきましょう。
就活の軸、「企業選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぼう
志望動機文の最後のフレーズは、就活の軸の実現が、この総合商社だからできるという文脈で結びましょう。それまでの文章のフローで、二度全く同じことを言わないように表現を工夫する必要はあります。
文を締める意味で「貴社を志望しています」、「貴社に貢献したい」という志望意欲を伝えるために、核心部分を別の表現で補強しておきましょう。例文では冒頭のビジョンをより具体的に言い換えています。
総合商社への志望動機のまとめ
- その総合商社でやりたいことを結論として初めに書く
- 何故、総合商社なのかを理由付けをする （業種・業界の存在意義 Ｘ 価値観・経験）
- 何故、他の総合商社ではなく、その総合商社なのかを理由付けをする（志望する総合商社の存在意義・特徴・独自性 Ｘ 価値観 Ｘ 自己ＰＲ要素）
- 就活の軸、「企業選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぶ （志望する総合商社の存在意義・特徴・独自性 Ｘ 就活の軸）
尚、志望動機欄の文字数制限300字以下の場合は、自己ＰＲ要素は削除してもかまいません。殆どのESには自己PR欄や、学生時代に力をいれたことを記述する欄がるため、そちらで集約して、志望動機は全体を簡潔にまとめても良いのです。
ただし上記の４つの要点はカバーしましょう。完全に一つ一つをカバーしなければならないという意味ではありません。文脈の中でうまく伝えることにトライしてください。ES全体として「あなた」という個性と志望動機に一貫性が読み取れ、採用担当に「あなたがこの企業で働いている姿」が想像できれば選考を勝ち抜けます。
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