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志望動機の基本の書き方
まず基本の書き方を覚えましょう。志望動機を書くには、以下のクリティカルな質問に対する質問に答えを用意します。
- 何故、数ある業界の中の、航空という業種なのか?
- 何故、航空という業種、航空会社内の他社ではなく、この航空会社なのか?
- この航空会社で、何を実現したいのか?何がしたいのか?どういう人材になりたいのか?
志望動は、この3つの質問に対し「あなた自身」を起点に答える必要があります。
志望動機の作成方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。もし読んでいなければ航空会社への志望動機を書く前に、ぜひ参照してみてください。志望動機の構成要素に関する理解が深まります。
ここでは、作成のためのフローチャートと、志望動機のまとめ方のフローチャートを掲載しておきます。
志望動機の作成フロー
志望動機の構成要素とまとめ方
航空業界への志望動機の書き方
航空業界への志望動機を説明するために、具体的に日本航空(JAL)への志望動機文を掲載しています。
これは、あくまで航空業界・業種内企業への志望動機文の構成要素と文章フローの参考用です。具体的な事実に基づかないと、参考にし難いという理由からです。航空会社は職種別志望制をとっていますが、客室乗務員を含め、どんな職種にも対応できるように構成し、解説を加えました。
コロナ禍で旅行、観光業界と並び非常に大きな悪影響を受けたのが航空業界です。ANAホールディングスや日本航空と言った業界大手の2020年度(2021年3月期)の決算は大きな赤字を計上しています。地方の航空会社やLCCも打撃を受けており、残念ながら一部職種を除き、大卒新卒の採用を凍結・中止している企業が殆どです。
航空業界を志望している学生の皆さんは、近接した業界や自分の特性が活きる業界も併せて志望し、就活を進めることを強くお勧めします。
ワクチン接種が進んでいる国や地域では、徐々にワクチンパスポートのように、接種を前提とした移動が解禁されつつあり、明るい兆しも出てきています。
航空業界に強い拘りがある就活生は、一旦他の業界でキャリアやスキルを磨いて、アフターコロナで航空需要がV字回復をするタイミングで、キャリア採用で再チャレンジする道もあります。希望を捨てずに、冷静に今やるべきこと、今できることに集中して就活を進めましょう。
志望動機は、あくまで「あなた起点」で書かなければ意味がありません。就活本やマニュアル、就活支援サイトにある例文は参考にして良いですが、コピペや流用は止めましょう。コピペや流用をして一時的にしのげたとしても、面接では説得力がなく選考には勝ち残れないでしょう。
うまく内定がとれたとしても、あなたの本質からずれたところで選んだ企業に入社するリスクになります。入社後にミスマッチが起こると、あなたも企業もお互いに不幸な結果になってしまうので、志望動機は必ず自分の考えと意思で作成しましょう。
例文:日本航空(JAL)への志望動機(業務企画職)
あなたがJALの業務企画職(地上職 事務系)を志望した理由と、JALで何を実現したいかを、具体的に記入してください。
経営破綻のニュースを聞いた時は、背景も分からず驚きましたが、就職活動で企業研究を行う過程で、全社員の貴社再生への努力に感動を覚えました。そしてその挑戦と成長に自ら加わりたいという思いを強くしました。
貴社で実現したいことはパートナーとのコラボレーションによる事業領域の拡大です。アウトバウンドでは海外の教育機関や留学エージェントとの提携による語学研修の事業化、インバウンドでは各国のSNSデータ解析による日本の魅力の分析とJALネットワークの情報発信等、経営マインドを以て新事業の開拓にチャレンジしたいと考えます。
大学三年間マーケティングを学ぶ傍ら、留学生と共に海外での教育ボランティアに参加してきました。これからも企業人として「何が正しいか」を常に考え行動していきたいと強く思います。貴社の挑戦と成長へのイノベーション推進に是非お役に立ちたいと考え志望しました。
その会社で実現したいこと、職種に対するビジョンを結論として初めに書く
エントリーシートでも、面接でも、「この企業で実現したいこと、やりたいこと、どんな人材になりたいか」は志望動機の結論部分になります。結論は、エントリーシートの志望欄には一番初めに、明確に書きましょう。
JALのESのでは、業務企画職(地上職 事務系)を志望した「理由」を始めに質問していますのでそれに従うべきですが、そのような具体的な指示がなく、「志望動機を教えて下さい」とするESや面接では、「この企業で実現したいこと、やりたいこと」を結論として始めに述べましょう。
航空会社の場合は、職種別採用のため、例えば「どんな客室乗務員になりたいか」という、該当職種に対するビジョンを聞いてくる場合も同じです。例えば「客室乗務員」として、自分は何をして、どんな貢献をしたいかを結論にしてください。
一般的に理由から入ると、話の核心が見えにくく、弱くなってしまいます。ESでも面接の応答でも基本は結論をはじめに述べてから、その理由を簡潔に説明していくフローを使いましょう。
日本航空(営業企画職)志望のAさんの志望動機の場合は、以下の部分が結論になります。
多くのエントリーシートを読んでいますが、ここをはき違えてしまっている学生は多いのです。自分の成長は非常に重要ですが、自己目的化した志望動機にならないように注意してください。
また、結論=核心部分なので、その企業の独自性、特長や業界でのポジショニングを反映していないと、非常に弱い結論になってしまいます。どの業界にもあてはまるような、「人々の幸せに貢献したい」「お客様を笑顔にしたい」「お客様第一主義に感銘を受けました」などの抽象的な答えでは、全くアピール力がないことは言うまでもありません。
航空会社、特に客室乗務員への志望動機で本当に良くあるのが、「私は旅行が好きである」→「貴社の客室乗務員のサービスで感動した経験がある」→「同様の感動体験を多くの人に提供したい」というロジックです。
客室乗務員に対する興味を抱いた「きっかけ」としては良いのですが、多くの応募者がこのロジックのフローを使用するため、あなた自身の本当にユニークな情報を盛り込めないと差別化はできません。また、志望「動機」としては希薄なものになりますので、もっと強い「動機」としての説明が必要になります。
この結論部分には、「あなたならでは」の要素を入れましょう。
何故、航空会社なのかを理由付ける
志望動機の作成フローにあるように、あなたがなぜその業界に興味、関心があり、人生の重い決断である職業選択の対象にしたのかを説明しましょう。そして、何が結論である「あなたがその企業でやりたいことや、志望する職種に対するビジョン」に結び付いているのかを説明します。
JALのESでは、「業務企画職(地上職 事務系)を志望した理由と、JALで何を実現したいかを、具体的に記入してください」というストレートな質問のため、航空会社という業種=JALとして以下のように回答しています。
何故、他の航空会社ではなく、この航空会社なのかを理由付ける
このパートに説得力を持たせるのは、徹底した個別企業の研究と、自己分析です。志望企業はもちろんの事、その業界内で競合する企業を研究して、志望企業ならではの特徴、独自性を見つけていきます。
航空会社への志望動機を書く際に、注意しなければならない点が、何故この会社を選んだのかという理由付けです。
自己PRの要素で更に補強しよう
航空業界は就活生に非常に人気が高い業界です。企業数も少なく、就職難易度も非常に高い業界です。
航空会社は社会・経済の基盤を担う交通インフラ企業です。そして人の生命と安全を担う非常に重たい社会的責任を負っています。就活という側面を考えても、学歴を含めてエリートと呼ばれる就活生の中で、競争を勝ち抜いていく必要がある業界です。
航空業界の志望動機の中に、自己PR要素を入れることのプライオリティは、他の業界の志望動機より高いと思ってください。理由は他の業界より、人格や長所の適性が重視される業界だからです。
例えば、客室乗務員を志望する場合、「旅行が好き」という理由で志望するのはお勧めできません。何故なら、旅行を楽しむのはあなたではなく、お客様だからです。航空会社のあなたの役割は、お客様の楽しみや感動に奉仕することです。ホスピタリティの資質がないと、就職しても仕事のハードさに負けてしまうでしょう。そして旅行が好きなら旅行会社でも良く、航空会社の志望動機としては不十分です。
ホスピタリティ精神やサービスマインドの他に、必要な資質や能力は、コミュニケーション能力(傾聴力、相手のニーズをつかむ力、思いやり・気遣い)、主体性・行動力(自分で主体的に考え行動できる)、協調性、体力、注意深さなどがあげられます。更に、ずさんな手配やミスは致命的な失敗に繋がること、また、予想しえないことが起こることもあるため、ストレス耐性も必要です。
華やかなイメージだけで航空会社を志望するのはお勧めできません。志望する場合は徹底的な研究や、インターンシップへの参加、OB・OG訪問を通じて、本当に自分に適性があるのかを見極めましょう。
人気が集中する業種の為、自己分析から抽出したあなたの強みや長所、性格、経験や資格、専門領域などの自己PR要素を入れていきましょう。例文では以下の部分を自己PRポイントとして志望動機のロジックの中に上手く入れています。
日本航空の例では、「大学三年間マーケティングを学ぶ傍ら、留学生と共に海外での教育ボランティアに参加してきました。これからも企業人として「何が正しいか」を常に考え行動していきたいと強く思います」がアピール要素です。
ここで注意したいのは、いくらあなたの価値観や経験に適合しているからといって、企業の特定、個別の活動を志望動機の中心に据えるのは控えましょう。
たとえば日本航空は、地球との共生、地域社会への貢献、次世代育成という三つの柱で様々なCSR活動を展開しています。一例ですが東北の被災地の支援や、東北への旅行需要喚起なども積極的に行っています。これらのCSR活動は事業の一環として、どれも素晴らしいと活動です。
このような個別の活動を「きっかけ」として使用する場合でも、志望動機は、最も上位の概念である企業の存在意義に立ち返るべきです。そこからナローダウンする必要はありますが、存在意義に基づいた企業や事業の本質的な部分に、あなた自身を結び付けてください。
就活の軸、「企業選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぼう
志望動機文の最後のフレーズは、就活の軸の実現がこの企業だからできるという文脈で結びましょう。それまでの文章のフローで、二度同じことを言わないように表現を工夫する必要はあります。
文を締める意味で「貴社を志望しています」で結ぶために、核心部分を別の表現で補強しておきましょう。例文では、「JALで何を実現したいか」を直截的に質問しているため、具体的な例を挙げて説明しています。
航空業界企業への志望動機のまとめ
- その航空会社で実現したいこと、志望する職種へのあなた自身のビジョンを結論として初めに書く
- 何故、航空という業種、航空会社なのかを理由付ける (業種・業界の存在意義 X 価値観・経験)
- 何故、同業他社ではなく、この航空会社なのかを理由付ける(志望する航空企業の存在意義・特徴・独自性 X 価値観 X 自己PR要素)
- 就活の軸、「企業選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぶ (志望する航空企業の存在意義・特徴・独自性 X 就活の軸)
尚、志望動機は、企業毎に書かせるポイントがや文字数制限が異なるため、添えに従ったアダプテーションが必要です。質問にもよりますが、300字以下の場合は、自己PR要素は削除してもかまいません。殆どのESには自己PR欄や、学生時代に力をいれたことを記述する欄がるため、そちらで集約して、志望動機は全体を簡潔にまとめてください。
ただし上記の4つの要点はカバーしましょう。完全に一つ一つをカバーしなければならないという意味ではありません。文脈の中でうまく伝えることにトライしてください。
文字数がある場合は、キャリアプランまで広げて書くことも可能でしょう。どんな場合でも、ES全体として「あなた」という個性と志望動機に一貫性が読み取れ、採用担当に「あなたがこの企業で働いている姿」が想像できれば選考を勝ち抜けます。
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