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志望動機の基本の書き方
まず基本の書き方を覚えましょう。志望動機については、以下の本質的な質問に対する答えを必ず用意します。
- 何故、他の業界ではなくトイレタリー・生活用品業界のか?
- 何故、他のトイレタリー・生活用品メーカーではなく、このメーカーなのか?
- このトイレタリー・生活用品メーカーで、何がしたいのか?何を実現したいのか?
志望動機の作成方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。もし読んでいなければトイレタリー・生活用品メーカーへの志望動機を書く前に、ぜひ参考にしてください。志望動機の構成要素に関する理解が深まります。
ここでは、作成のためのフローチャートと、志望動機のまとめ方のフローチャートを掲載しておきます。
志望動機の作成フロー
志望動機の構成要素とまとめ方
トイレタリー・生活用品メーカーへの志望動機の書き方
トイレタリー・生活用品メーカーへの志望動機を説明するために、具体的に花王への志望動機例文を掲載しています。これは、あくまでトイレタリー・生活用品メーカーへの志望動機の構成要素と文章フローの参考用です。具体的な事実に基づかないと、参考にし難いという理由からです。
志望動機は、あくまで「あなた起点」で書かなければ意味がありません。就活本やマニュアル、就活支援サイトにある例文は参考にして良いですが、コピペや流用は止めましょう。コピペや流用をして一時的にしのげたとしても、面接では説得力がなく選考には勝ち残れないでしょう。
うまく内定がとれたとしても、あなたの本質からずれたところで選んだ企業に入社するリスクになります。入社後にミスマッチが起こると、あなたも企業もお互いに不幸な結果になってしまうので、志望動機は必ず自分の考えと意思で作成しましょう。
例文:花王(総合職)への志望動機
きっかけは人それぞれだと思いますが、数ある企業の中でどうして花王へご応募いただいたのか、教えてください。(300文字以下)
私は人々の生活を身近なところで支え、快適にしていく日用品メーカーを志望している。
貴社を志望する理由は二つある。第一は、すべての部門・社員が「よきモノづくり」に一貫して挑戦している点にある。基礎研究からマーケティングまで、消費者・顧客のニーズと技術シーズの融合を徹底している点に大きな魅力を感じた。
第二は貴社のグローバル志向である。イギリスへ短期語学留学をした際、痛感したのが貴社製品の品質の高さである。私も貴社の一員として、グローバル市場へ挑戦し、人々のQOL向上に貢献したいと考えた。
「花王ウェイ」について(300文字以内) 花王には『花王ウェイ』という企業理念があります。『花王ウェイ』の中で一番共感した点やこころに残った言葉は何でしょうか?それはきっと、その言葉がご自身の経験、考え方とどこかで通じ合うものがあるからだと思います。あなたの経験も含め、あなたの言葉で教えてください。
私は物事を色んな角度から考え、「危なそう」なところには先に手を打っていく性格である。例えば大学入試でも過去問を徹底して解き、苦手な出題を克服してきた。人間関係においても、常に相手が何を考え、期待しているのかを考えてきた。相手の気持ちを先回りして動くことは「健全な危機意識」に通じるところがあり、異文化交流サークルの運営で、何度も解散の危機を回避した経験がある。
目標の達成や、課題を解決するためには、それができない事への危機感と、現状行っていることはこれで良いのかという問題意識が必要であり、私が常に意識してきたことである。
トイレタリー・生活用品メーカーでやりたいことを結論として初めに書く
花王のエントリーシートの場合、志望の「きっかけ」と理由を質問しているため、それに従って記述しています。そのような指定がない場合は、「この企業でやりたいこと」を志望動機の結論部分としましょう。そして結論は、エントリーシートの志望欄には一番初めに、明確に書きましょう。面接では、結論を始めに述べましょう。
理由から入ると、話の核心が見え難く、弱くなってしまいます。ESでも面接の応答でも基本は結論をはじめに述べてから、その理由を簡潔に説明していくフローを使いましょう。
また「理由」を述べる場合でも、企業の特徴を挙げているだけでは、あなたを感じることはできません。理由にも、あなたの「意思」や視点を入れて書かないとアピール不足になります。
花王志望のAさんの志望動機の場合は、以下の部分が冒頭の結論になります。
志望動機の結論に、「自分の成長」や「自己実現」など、自分へのメリットを中心に書くのは止めましょう。企業はあなたのために採用活動を行っているのではありません。あくまで企業のために行っています。企業のためとは、企業の利益に貢献をすること、そのためには、企業の顧客に価値を提供することです。
多くのエントリーシートを読んでいますが、ここをはき違えてしまっている学生は多いのです。自分の成長は大事なことですが、志望動機の核として自己目的化しないように気をつけましょう。
冒頭に書くのは結論=核心部分なので、トイレタリー・生活用品メーカーの独自性、特長やポジショニングを反映していないと、非常に弱い結論になってしまいます。他業界にもあてはまる、「技術で人々の生活を豊かにしたい」「世界の人々の幸せに貢献したい」「お客様との信頼を築く」など、どの企業でも言えるようなことは、全くアピール力がないことは、言うまでもありません。
この結論部分には、「あなたならでは」の要素を入れましょう。花王の例では、「きっかけ」は個人でそれぞれ違うものなので、と説明までしており、まさに「あなたならでは」の要素が知りたいという内容になっています。例文では下記の部分がそれにあたります。
このように他の学生ではない、あなたの経験や価値観、独自の視点、強みや専門領域などの情報を入れないと、あなたの志望動機としては弱いものになってしまいます。
何故、トイレタリー・生活用品という業種を選んだのか
志望動機の作成フローにあるように、あなたがなぜその業界に興味、関心があり人生の重い決断である職業選択の対象にしたのかを説明しましょう。そして、何が結論である「あなたがその企業でやりたいこと、実現したいこと」に結び付いているのかを説明します。
花王への志望動機の例では、上記の東日本大震災の経験というきっかけから、人々の日常生活を身近なところで支え、快適にしていく日用品メーカーの役割・使命への共感を語っています。
何故、このトイレタリー・生活用品メーカーなのか
このパートに説得力を持たせるのは、徹底した個別企業の研究と、自己分析です。志望企業はもちろんの事、その業界内で競合する企業を研究して、志望企業ならではの特徴、独自性を見つけていきます。
大手企業を志望する場合は、インターンシップへの参加やOB/OG訪問を行い、実際に企業と触れ合うことが特に重要になります。面接まで進むと、リアルな企業体験の有無は説得力に差が出るため、ぜひ積極的にトライしてください。
得た情報を基に企業の独自性と、業界を志望する「あなた自身の理由」を結び付けて下さい。「私のしたい仕事、ビジョンを実現できるのは、○○○という特長を持っている貴社である」という文脈を構成しましょう。
例文ではAさんは二つの理由を挙げています。
花王の企業理念である、「よきモノづくり」と、それを達成するために重視している、全員、全部門の創造性と力の結集を自分の言葉で表現しています。さらに日本のトイレタリー業界のリーディングカンパニーとして、積極的に海外展開を行っている点を理由としてあげています。
企業理念・行動指針とあなたとの関係を言語化してみる
花王のESの場合は、志望動機に関わる質問として、企業理念である「花王ウェイ」に関する質問を設け、あなた自身の共感ポイントを記述する形式です。
このように直接回答を求められない場合でも、ESを書く前に企業の理念や行動指針とあなた自身を重ねて考えてみることは非常に大切なエクササイズになります。
その際、観念的なことでだけではなく、自分の経験や、学生時代に力を入れた活動に照らして、具体的に語れるように準備しておきましょう。面接では必ず役に立ちます。
花王の例では2問目の質問に対する回答が、そのパターンで書かれています。
私は物事を色んな角度から考え、「危なそう」なところには先に手を打っていく性格である。例えば大学入試でも過去問を徹底して解き、苦手な出題を克服してきた。人間関係においても、常に相手が何を考え、期待しているのかを考えてきた。相手の気持ちを先回りして動くことは「健全な危機意識」に通じるところがあり、異文化交流サークルの運営で、何度も解散の危機を回避した経験がある。
目標の達成や、課題を解決するためには、それができない事への危機感と、現状行っていることはこれで良いのかという問題意識が必要であり、私が常に意識してきたことである」
自己PR要素で志望動機を補強しよう
生活用品・トイレタリーメーカーの場合、生活に密着した馴染みのある製品群やBtoCのマス・マーケティングが行われているため、人気業種であり、特に大手はエントリーしてくる学生の数も多く、レベルが高いため選考のハードルは高い業種です。
従ってエントリーシート段階でも、自分のアピ―ルポイントを明記して、それによってどんな貢献ができるのかを、ビジョンでも良いので書くことが重要です。
自分で最も競争力があると思うアピールポイント(経験、能力、長所、強み、資格、専門領域など)を書いておきましょう。書いていない場合、書いていないことではじかれるリスクも避けられます。
花王のESでは志望動機に関連する質問が2問に分かれおり、且つ自己PR欄も別の設問で詳細に記載する為、志望理由としては下記の情報しか入れていません。
また二問目の回答にも自分の具体的な経験を基に記載しているため、Aさんの性格や経験が下記の自己PR要素として、上手に表現できています。
「人間関係においても、常に相手が何を考え、期待しているのかを考えてきた」
志望動機欄の文字数に余裕がある場合は、自己分析から抽出したあなたの強みや長所、性格、経験や資格、専門領域などの自己PR要素を入れていきましょう。400字であれば十分自己の経験、実績、能力、強み、長所、人格から、結論を補強できます。
文字数に制限があり、余裕がない場合は無理やり詰め込む必要はありませんが、ひとつのESとして、自己PR欄や学生時代に力を入れたことの記述欄と一貫性が読み取れるような内容にしましょう。
自己PR要素を盛り込む際に注意したいのは、いくらあなたの価値観や経験に適合しているからといって、事業の本質から距離のある活動に、志望動機を結びつけるのはNGです。例えば、花王の場合、環境、教育、コミュニティを柱に様々な社会貢献活動を行っています。特に生活化学を扱う会社として、サステナビリティや環境活動には力を入れています。
これらは全て素晴らしい活動ですが、最も上位の概念はその企業の本質的な存在意義です。そこからナローダウンする必要はありますが、個別の活動の奥にある、企業の存在意義に基づいた本質的な部分に、あなた自身の志望動機を結び付けてください。
キャリアプランで志望意欲をアピールしよう
あまり無理やりこじつけるのは得策でありませんが、志望職種とキャリアプランまでできていれば、説得力を増すことが出来ます。
エントリーシートの記載までに、職種志望動機とキャリアプランまでをまとめておきましょう。その企業に入って、具体的に何をしたいかを結論として書くためには避けては通れません。
文字数の制限がある場合はESには入れられなくても、自分が実現したいことには関わるため、ビジョンとしてでもまとめておきましょう。面接では必ず質問がありますので、ES提出段階で、早めに固めておくことをお勧めします。
就活の軸、「企業選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぼう
志望動機文の最後のフレーズは、就活の軸の実現がこの企業だからできるという文脈で結びましょう。それまでの文章のフローで、二度同じことを言わないように表現を工夫する必要はあります。
文を締める意味で「貴社を志望しています」で結ぶために、核心部分を別の表現で補強しておきましょう。
就活の軸である「私は人々の生活を身近なところで支え、快適にしていく日用品メーカーを志望している」から、第二の理由の「花王のグローバル志向」、そして自己PR要素を根拠に、最終的に「グローバル市場へ挑戦し、人々のQOL向上に貢献したいと考えた」と結んでいるため、一貫性やAさんの個性、意欲が伝わる内容になっています。
生活用品・トイレタリーメーカーへの志望動機のまとめ
- そのトイレタリー・生活用品メーカーでやりたいこと、実現したいことを結論として初めに書く
- 何故、トイレタリー・生活用品業界・メーカーなのかを理由付ける(業種・業界の存在意義 X 価値観・経験)
- 何故、同業他社ではなく、そのトイレタリー・生活用品メーカーなのかを理由付ける(志望するトイレタリー・生活用品メーカーの存在意義・特徴・独自性 X 価値観 X 自己PR要素)
- 就活の軸、「企業選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぶ(志望するトイレタリー・生活用品メーカーの存在意義・特徴・独自性 X 就活の軸)
尚、志望動機欄の文字数制限が300字以下の場合は、自己PR要素は削除してもかまいません。殆どのESには自己PR欄や、学生時代に力をいれたことを記述する欄がるため、そちらで集約して、志望動機は全体を簡潔にまとめてください。
ただし上記の4つの要点はカバーしましょう。完全に一つ一つをカバーしなければならないという意味ではありません。文脈の中でうまく伝えることにトライしてください。ES全体として「あなた」という個性と志望動機に一貫性が読み取れ、採用担当が「あなたがこの企業で働いている姿」を想像できれば選考を勝ち抜けます。
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