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就活で理解しておくべき、外資系企業と日系企業の違い

外資系企業への就職も選択肢に入れている就活生が増えてきました。

以前は留学生や帰国子女の学生が多かった外資系企業への就職活動ですが、「若いうちから裁量権が与えられる」、「成果によって高い報酬が得られる」、「効率的な仕事によってワークライフバランスが保てる」、「女性に対しても機会均等」などのポジティブなイメージが広がり、日系企業しか志望しなかった学生層が外資系企業への就活を広げています。

特にコンサルティング業界や投資銀行業界は外資系企業が所謂メジャーな存在であり、そのような業界を志望する学生はむしろ「外資系企業」を積極的に選んで就活しています。

コンサルや金融以外でも、消費財(FMCG)、高級ブランド、BtoBメーカー、医薬品・医療機器等、IT、小売・サービス、外食分野等、外資系グローバル企業が確固とした市場シェアを持っている業界は数多いのです。

外資系企業に対する就活生の意識

上記の外資系企業への就活生の意識は大きく次の3つに分かれます

  1. 語学(主に英語)能力に自信がなく、外資系企業の文化・社風は自分には合わないと思うので、検討の枠から外して日本企業への就活のみに注力する
  1. 語学(主に英語)能力が高く、日本企業の同調圧力や組織重視の文化に馴染めないため、外資系企業を軸に就活をすすめる
  1. 語学(主に英語)能力もあり、「やりたいこと」や「将来なりたい姿」も決まっているため、それを実現できる企業であれば日系・外資にこだわることなく積極的に就活をすすめる

どのパターンで就活を考えるにしても、生涯に一回しかない大切な大学新卒時の就活なので、「日系企業と外資系企業の違い」を中心に、しっかり「外資系企業」に勤めることとは、どういうことなのかを正しく理解しておく必要があるでしょう。

特に先入観のみで、はじめから外資系企業を就活の対象から外してしまうのは、機会損失になる可能性もあります。

結果的に外すことになったとしても、正確に理解してからにしましょう。特に就活本番までにまだ時間があり、自己分析も終わっていないタイミングで正確に「外資系企業」を理解しておきましょう。

その過程で「外資系企業」の方が自分の強みが活かせる、適性がある、と判断することもあるでしょう。

外資系企業のインターンシップは3年生の夏から行われることが多く、コンサルや外銀、投資銀行などの人気の外資はインターンシップへの参加が本選考のように扱われるので動き出しを早くする必要があるのです。

サマーインターンシップへのエントリーは5~6月にオープンになります。興味がある学生は機会損失しないように注意してください。

日本企業と外資系企業の違い

外資系企業の概要

「外資系企業」はその資本の3分の1以上が外国法人・外国人による出資の企業を指します(経済産業省:「外資系企業動向調査」による定義)

第 53 回外資系企業動向調査(2019 年調査)では、2019年3月末の集計企業数は3,287社(前年度比0.6%増加)となっています。

その内訳は製造業が 516 社(15.7%)非製造業が 2,771 社(84.3%)でした。

母国籍別にみると、ヨーロッパ系企業が 1,421 社(シェア 43.2%)、アメリカ系企業が 760 社(同 23.1%)、アジア系企業が 900社(同 27.4%)となっています。

外資系企業と言えども、資比率、母国席、経営者の国籍、日本での事業の歴史等でかなり性格や企業文化、経営方針に違いがあることは意識しておきましょう。

従って日本の企業を研究するように、最終的には個別の企業研究を進めなければ本当のところは分かりません。

以下の記事では、所謂「外資系企業」の一般的な特徴を説明していきます。

外資の採用は職種別採用が基本

外資系企業は日本の新卒採用の「総合職」という人材育成方針をとっていません。新卒採用時から職種別採用をするのが基本です。

外資系企業の募集要項を見ると、マーケティング、セールス、アナリスト、ディーリング、アドミニストレーション(HR、フィナンシャルアカウンタント、リーガル)等々の非常に細分化した「職種・仕事」に対する人材の募集をしていることが分かります。

稀に募集段階では文系、理系、研究職のようにしか分かれていない場合でも、採用(内定)は能力や資格を厳しく評価します。その意味では日系企業の「ポテンシャル採用」とは一線を画すものです。

外資系企業は日本の企業のように、「学生のポテンシャル」を「総合職」として採用し、数年ごとに様々な業務の経験を積ませながら人材を育てるという考えはとりません。

日本企業の人材育成方針は企業ごとに違いますが、それでも部門間の異動は外資系企業より頻繁に起こります。

外資系企業の場合、新卒時から採用された職種で「規定された業務、職責」をこなすことが求められます。配属されたその日から、それを満たすことで給与が支払われるという考え方です。

採用された職種で専門性を高め、高い成果を出すことが要求されます。日本企業のように、(特に若いうちは)具体的な成果を求めるより、様々な職場を経験してゼネラリストとして成長してくれれば良い等という考えは持ちません。

同じ職種に携わって専門性を高めていくため、キャリアの途中で別の職種に変わることも難しいと考えてください。

その企業で成長していくためには、常に具体的な成果を出してプロモートしていくしかありません。成果を出せなければ「居づらい」環境に陥ります。

専門性を高めるキャリアの築き方

専門性を高めてプロモートを重ねマネージメントになって、管理職として他の部門もみることはあります。あるいはトップに非常に気に入られて、他部門への異動の希望が聞き入れてもらえることが「なくはない」程度です。

基本的なキャリアパスは以下のようなプロセスをイメージしてください。

例えばあなたがマーケティング部門に所属していてマーケティング部門でのプロモートや報酬に不満が出てきたとします。

その場合は、まず上司に個人的に個別の交渉することになります。

そこで不満が解消できなければ、我慢して勤め続けるか、今まで培ったマーケティングの知見・経験をベースにして、他の企業に転職して新たなキャリアを積んでいきます。

これが外資系企業での一般的なキャリアの築き方になります。

年功序列ではなく、実績・成果に対する報酬

外資系企業に「終身雇用」という概念はありません。あるのは企業が求めるパフォーマンスを発揮してくれれば、それに見合う報酬やポジションを得られるというシンプルな考え方です。

「長く務めること」、「退職」に対する考え方は企業によって大きく違います。

企業全体の業績が良いという前提、事業戦略が大きく変わり利益が出ていても事業再編(リストラ)を行う必要がないという前提にはなりますが、企業が求める成果を出し、本人が報酬やポジションに満足していれば雇用は継続していくと考えてよいでしょう。

しかし企業の収益と人件費の比率、事業再編の必要性に対する考え方は日本企業より外資系企業の判断の方がシビアです。

そのため外資系企業に長く勤めるには「実績・結果を出し続ける」という覚悟は必要です。

実績・結果さえ出していれば年齢や性別は関係ありません。若くてもプロモートでき、高い報酬を得ることも可能なのが外資系企業の大きなメリットでもあります。

自己完結が求められる。組織対応より権限の範囲内で主体的に判断する

外資系企業では、日系企業のような「会議のための会議」等の非効率なことは許されません。また大人数で、何も発言しない人が多いような会議も嫌います。

ルーティンの業務や会議時には、「自分の意見ははっきり言う」ことが求められます。基本的に異文化、多様性の中で仕事をしているため日本人同士のような「忖度」や「場や表情から真意を推測する」文化はないと考えましょう。すべて言語化することが基本です。

日系企業のように、組織のコンセンサスがとれるまで何度も会議をするということもありません。

個人が決められる範囲がはっきりしており、基本的に決められる人が会議に出席をするため、会議の結論とアクションプランは必ず出します。

もちろん出席できない上長がいる場合、上長でないと決済できないことはありますが、少なくとも「○○〇に関して、上長の決済を〇〇までにとる」という結論は出します。

「いったん持ち帰って再度検討」ということを何度も繰り返すのは非常に非効率であるという文化で仕事が回っています。

自分の与えられた権限の範囲では、常に主体的に判断、行動して業務をドライブしていくことが求められるのです。

人間関係は「ドライ」とは限らない

外資系企業でも「根回し」は必要です。結果を出すために有効なことは躊躇せず行う必要があり、「根回し」するべき案件は「根回し」するのです。

外資系企業だからといって全てドライな関係で組織が回っている訳ではありません。むしろ日系企業では「ちょっと恥ずかしい」と思うようなウエットな事象、例えば上司のお誕生日を会社でケーキを買ってきて部下が祝うというようなことも起こります。

本社から幹部が来日するとき、海外法人のマネージメントが来日する際などは「丁重な(社内)接待」もよく行います。

それで社内の雰囲気が良くなる、仕事がスムーズに回れば「それはそれで良い」という考え方です。

社員教育や同僚からのサポートに大きな期待はできない

外資系企業の経営は、その道のプロたちが集まって仕事をして結果を出す、という考え方に立っています。そのため社員教育にどれだけのリソースを割くのかは、企業によって大きく異なります。

コーチングや研修イベントを定期的に行う企業もありますが、「プロとしての自己完結」を基本にしている場合もあります。

一般的には「仕事を通じて専門性を高める」ことが第一義的に求められるため、手厚い社員教育はあったらラッキーという感じです。

「やるべき仕事の範囲が明確」で「業務を効率的にこなして、高いパフォーマンスを上げる」ことが求められるのが外資系企業のワークスタイルです。

従って、日系企業のように「自分の仕事以外の、チームのために残業する」、「同僚の仕事を助ける」ということはありません。

基本的に自分の仕事は自分で行う自己完結主義で貫かれているため、自分の仕事が終われば残業せずに退社しても誰も文句は言わないのが外資系企業のスタイルです。

もちろん人材のリソースに関連した多少の連携や業務の調整はありますが、それは上長からの要求がある場合であり、直接同僚に「お願い」する文化、あるいは見かねて「助け舟」を自ら出す文化はありません。

残業をしないで、効率的に高いパフォーマンスを出せることが「優秀な社員」の証明という文化です。

日系企業の場合「遅くまで残業して、一生懸命仕事をすること」、「組織や同僚をサポートするのに残業は厭わない」ということが「美しい」とするスタイルがありますが、外資系企業には当てはまりません。

決裁権や自由度と中央集権的なメソッド

外資系企業の特徴の一つは個人権限が明確であり、その範囲内では主体的に判断を行って良いという自由度にあります。

むしろ主体的に物事を決めていき、業務をドライブしながら周囲を巻き込んでコンセンサスをとっていくスタイルが好まれます。

若いうちからこのような自由度があるスタイルで仕事ができることは、なんでも「報告・連絡・相談」が求められる日系企業にはないスピード感があり、仕事が「楽しい」と感じる機会も多いものです。

しかしながら、全て自由度が高い訳ではありません。

本社や外国人トップによる非自由度

外資系企業では、日本法人の外国人CEOやその先の本国の本社が強大な権限を持っていることが常であり、その「やり方」に従うことが求められます。

日本法人のトップが持っている権力は、トップであっても一般の日系企業の日本人トップが持っている権力より限定的な場合がほとんどです。

特に消費財(FMCG)やブランド品、OTC医薬品や消費者サービスのマーケティングにおいては、調査メソッドから、分析手法、コミュニケーション戦略立案の方法、広告開発やクリエイティブガイドライン、媒体戦略、コミュニケーションコスト、広告調査のKPI等が細かく規定されているのが一般的です。

マーケティング業務では、本社への報告と承認が必要であり、「自由度が少ない」と感じることが多いのも事実です。

マーケティング以外でも、ある一定金額以上の決済は本社の承認がなければならないのが一般的です。

中央集権か、地方分権かは本社がどのようなスタンスで日本法人、日本の事業をみているかにも大きく関わるため外部の一般情報ではなかなか分かりません。

本社と日本法人の関係性はOB/OG訪問やインターンシップを通じて、本音を取材してみるのが一番確かな方法です。(やりがい、にも影響するので、かなり重要)

女性のキャリア形成

女性のキャリア形成に対する考え方は、外資系企業の方が先進的です。基本的に性差別に対して敏感であり、女性に対しても機会均等、報酬の差もありません。

結果や実績が評価の対象となるため、キャリア志向の高い女性には外資系企業は向いているでしょう。

実際に活躍している女性も多く、企業も重要な戦力として女性を処遇しています。

結婚や、出産、育児に対しても一般的な日本企業より就労継続へのサポートは期待できるでしょう。

それでも「パフォーマンスを上げている」ことが大前提になるため、決して「優しい道」ではありません。キャリアを継続していくためには、外資系企業でもパートナーや周囲のサポートは必要になってくると思います。

まとめ

 外資系企業に働くメリット・デメリット

外資系企業と日系企業を比較しながら外資系企業の特徴を解説してきましたが、それをメリット・デメリットという形でまとめておきます。

メリット

  1. 職種別採用のため専門性を高めるキャリア形成が可能
  2. 徹底した結果・成果主義で、成果に応じた報酬が期待できる
  3. 転職でのキャリア、報酬Upがしやすい
  4. 若くても成果によってプロモート可能
  5. 自己完結型のワークスタイルでワークライフバランスをコントロールしやすい
  6. 効率的・合理的な仕事の進め方が可能
  7. 決裁権の範囲内で主体的に判断でき、自由度が高い
  8. 女性のキャリア形成は日系企業より優れている

デメリット

  1. 若いうちに様々な業務を経験することができない(コンサルティング業界等の一部業界は例外)
  2. 結果・成果を出さなければ昇給や昇格が期待できない(プロセス評価のウェイトが低い・年功序列ではない)
  3. 一社で長期的なキャリア形成に向かない傾向(短期での結果で評価が決まる)
  4. 収益と人件費率、事業の構造改革に対する意識は日本企業よりはシビアであるため、雇用の安定度は低い
  5. 社員教育や周囲からのサポートに関しては大きな期待はできない
  6. 外資系だからと言って人間関係がドライとは限らない
  7. 日本法人の外国人トップ、本国・本社が中央集権的に強大な権力を持ち、自由度がない場合も多い

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