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【就活の企業研究】:学生が本音で企業を選ぶだけでは通用しない理由とは?

「企業にとってのあなたの価値」、「あなたにとっての企業の価値」

 

自己分析→業界・業種研究→職種研究→企業研究と進んできた学生は、自分の就活のアウトラインができている状況ですね。

実際にプレエントリーする最低30社~50社の企業リストが完全ではないにしろ出来ていると思います。

ここで他の学生がどういう基準で会社選びをしているが分かるデーをみてみましょう。少し古いデータにはなりますが、2018年リクルートキャリア社の「就職白書2018」では、2018年卒の就活状況を調査しています。

就活を始めた時期と12月時点でのデータで、学生が会社選ぶ際に最も重視した点を比較しています。結果は以下の通りです。(シングルアンサー:サンプル数1,825人)*スマートフォンの方は表を横にスクロールできます。

①    就活開始時 ②    12月時点 ①と②の差
業種 29.7 21.8 -7.9
職種 17.6 17.6 0.0
勤務地 13.6 15.3 + 1.7
給与水準 8.4 6.9 - 1.5
安定性 6.7 8.8 +2.1
勤務時間・休暇 6.6 7.8 + 1.2
大学・大学院の専門分野との関連 4.9 3.4 - 1.5
一緒に働きたいと思える人がいるかどうか 4.3 10.4 + 6.1
知名度 4.0 2.1 -1.9
雇用形態 2.8 3.3 + 0.5
企業・各種団体の規模 1.1 1.4 + 0.3

最も重視した条件は「業種」、「職種」、「勤務地」、「給与水準」、「安定性」の順で就活開始時と12月時点で変わりませんが、業種に関してはマイナス7.9ポイントと有意な減少がみられます。

これは就活の進行、最終1社の内定決定までのプロセスで「自分が当初第一志望にしていた業種」と「自分を評価してくれた会社」の違いによるもの、もしくは、就活の過程で業種への理解が深まり、当初の認識とのギャップ生じたことが主因と推察できます。

また、「いっしょに働きたいと思える人がいるかどうか」は6.1ポイントの有意な増加を示しています。

こちらも企業とのリアルな接触によって、そこに自己投影できる社会人のロールモデル(こんな働き方を自分もしたい、企業の一員として役割を担いたいと思える対象)ができたことを物語っていて、それが会社選択に大きな影響を与えたことが分かります。

このデータから分かるのは「学生は自分が働く業種や職種に重きを置くが、柔軟に自分のモチベーションを変化させている。勤務地・安定性・給与・勤務時間・休暇など労働者として重視して当然のポイントは、しっかり押さえている」という傾向です。

就活の始めから1業種のみに自分の将来を賭けなくても、就活の過程で思いがけない発見や出会もあるのです。あなたは「金鉱」をみつけるつもりで、いくつかの山へ旅に出かけましょう。

企業選択の本音

次にマイナビの「大学生就職意識調査」をみてみましょう。こちらも2018年のデータですが2019年卒生の就職に対する意識調査になります。(有効回答数 15,894件)調査の実施時期は2018年2月1日から4月10日ですので就活の比較的初期段階の調査です。

「あなたが企業選択をする場合、どのような企業がよいと思いますか」という問いに対して、重視するものを2つ選択した結果は以下の通りです。ポイントの高い順に並べてみます。

  • 自分のやりたい仕事(職種)ができる会社:38.1%
  • 安定している会社:33.0%
  • 給料の良い会社:15.4%
  • 社風が良い会社:14.1%
  • 働きがいのある会社:13.7%
  • 勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社:13.7%
  • これから伸びそうな会社:12.3%
  • 休日、休暇の多い会社:10.15%
  • 自分の能力・専門を活かせる会社:6.6%
  • 一生続けられる会社:6.3%
  • 転勤のない会社:4.9%
  • 海外で活躍できそうな会社:4.2%
  • 有名な会社:3.7%
  • いろいろな職種を経験できる会社:3.4%
  • 志望業種の会社:3.4%
  • 親しみのある会社:3.3%
  • 研修制度のしっかりしている会社:2.7%
  • 若手が活躍できる会社:2.1%
  • 大学・男女差別のない会社:1.9%
  • 事業を多角化している会社:1.3%

この調査は2001年から行われていて、各項目のポイントの変化を追うことが出来ます。また上記は全体の平均で、文系男子、女子、理系男子、女子別のデータもありますので興味がある学生は検索してみてください。

経年の顕著な傾向としては2013年卒から2018年卒の5年間で「安定している会社」が全体で10ポイント以上増加している点が挙げられます。

2019 年卒では更に広がり14ポイントの増加になりました。安定している会社、給料の良い会社もここ4年で増加しており、就活生全体は保守的な傾向が強まっています。

また「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」は常にトップの項目ですが、過去18年間で最も低い割合を更新た昨年と同じポイントでした。学生の「安定志向」がより顕著になったと分析されています

二つの調査からみえてくるのは会社選択にあたっては「できるだけ自分のやりたい業種と仕事(職種)で、安定して働きたい」という平均的な学生像です。

あなたはどう思いますか?ご自分の考え方に合っているでしょうか?

学生の本音と就活の現実

採用担当者が「あなたはどういう仕事をしたいですか?」と質問したとき「はい。自分のやりたい職種で安定して働きたいです」と答えたとします。すると採用担当者は「やりたい職種とは何ですか?」「安定して働きたいとはどういう意味ですか?」と矢継ぎ早に質問してくるでしょう。

企業側に「あなたを採用したい」という採用意欲を掻き立てるような答えを用意できますか?

「安定して働きたい」は別に悪いことではありません。

「浮き沈みなく常に安定したパフォーマンスを発揮したい」という返しもできるでしょう。しかしそれだけでは弱いのです。

あなたの「素」も大切ですが、就活は企業側に「あなたを採用したい」と思ってもらう必要がどうしてもあるのです。

あなた自身に企業を重ねて、その「企業にとってのあなたの価値」を見つけましょう。

リクナビ、マイナビの二つの調査は「あなたにとっての企業の価値」を聞いているのです。就活は他者の評価がすべてです。その違いを常に意識してください。

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