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【就活の業界研究】:工作機械メーカー主要各社の現況を把握しておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では機械業界を、以下の項目に沿って解説していきます。

機械業界の6つのポイントを押さえよう

  • 機械業界の構造とビジネスモデルを理解しよう
  • 機械業界の現状と課題・未来
  • 機械メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 機械メーカーに働く人のモチベ―ションは何か
  • 機械メーカーに向く人、向かない人はどんな人か
  • 機械メーカーの上位企業の特徴と業績

この記事では機械製造業界の中でも工作機械メーカーの売上上位企業に絞って、各メーカーの特徴や現況を、直近の有価証券報告書や中期経営計画を基に解説します。

就活生が、未来をこの業界、工作機械メーカーに託したいと思うか、志望の意思を固める上での参考にして下さい。

機械製造業は工作機械・産業用ロボット、建設機械・プラント、重機械・農業・縫製・食品・印刷産業機械など、様々な分野を専門的に扱っている企業や複数の分野を扱っている企業、更に部品と機械の両方を製造している企業等、あるいは総合電機メーカーの一事業として産業用機械を製造している等、様々なパターンがあります。

従って厳密に分類、カテゴライズするのは難しい部分もありますが、就活生の専門分野や興味のある分野もあるため大枠で分類しています。

それでは、工作機械メーカーの特徴から解説していきます。

工作機械の特徴

 

工作械は総務省の日本標準産業分類では、「金属工作機械製造業」として分類されています。

小さなものから大きなものまで工業製品の殆どが、金属部品で構成されています。これらの金属部品は金属の素材、板や棒などを削ったり、折り曲げたり、穴をあけたりしながら作っていかなければなりません。

工業製品は形状が複雑になり、部品の種類も増えていますが、それに使用する金属部品の加工を行うために特別に設計・製造された機械が工作機械です。

また工作機械は金属だけではなく、セラミックスやガラスなどの非金属などの加工も行います。更にプラスチック品やプレス部品の原型となる金型の殆ども工作機械で加工されます。

このように、機械を作るための機械という意味で、工作機械はマザーマシンと呼ばれることもあります。

工作機械は多種・多様

工作機械は総務省の分類によれば機能・用途別に旋盤、ボール盤、中くぐり盤、フライス盤等に細分化され300種類にも及びます。

加工法別には大きく切削、研削、特殊加工に分けられます。また工作機械の中で最も代表的な機械が、複数の刃物を自動で交換できる装置を持ち、NCのプログラミング(数値制御)に従って穴開けや平面削りなどを1台でこなせる機械であるマシニングセンタ(MC)と、NC(Numerical Control=数値制御)旋盤機です。

IoTによるさらなる進化

工作機器は超精密加工が得意な日本メーカーの評価が高く、既に世界市場に飛躍して競争力を持っていますが、現在ではあらゆるモノがネットにつながる「IoT」技術の応用が最優先課題の一つになっています。

IoTによって「つながる工場」、「スマートファクトリー」がキーワードになっており、工場の生産ラインの工作機械や産業用ロボットのデータがインターネットに接続され、稼働状況や加工プロセスを一元的に管理して、製造工程を最適化・効率化する技術の開発・普及に注力しています。

このIoT技術に関しては、日本企業がキャッチアップしていくべき大きな課題となっています。大手各社はIT企業や通信企業との協業も含め、IoT、Big Data処理、AI技術を取り込んで、製造現場を変革していくことが期待されています。

工作機械メーカー、上位企業の現状

ここからは売上上位の工作機械メーカーの特徴と現状を簡潔に解説します。

ヤマザキ マザック 株式会社

ヤマザキ マザックは非上場企業のため有価証券報告書は公開されていません。公式には発表さえている概要は以下の通りです。

  • 本社所在地:愛知県丹羽郡大口町竹田1-131
  • 創業:1919年
  • 資本金 :20億円(単純合計136億2,000万円)
  • 従業員数:8,429人(グループ企業合計)※2019年6月現在
  • 生産品目:マルチタスキングマシン(複合加工機)、CNC*旋盤、CNC装置立形マシニングセンタ、横形マシニングセンタ、CNCレーザ加工機、FMS生産システム、CAD/CAMシステム、生産支援ソフトウェア

*CNCとはコンピュータ数値制御の意味で(Computerized Numerical Control コンピュータライズド・ニューメリカル・コントロール )の略です。機械工作においては生産工程における加工工程の移動量や移動速度などをコンピュータによって数値で制御することとざっくり理解しておいてください。

ヤマザキ マザックはNC旋盤では業界最大手の企業です。日本の工作機械メーカーとしてはいち早く海外生産を開始し、1974年の米国での生産を皮切りに英国、シンガポール、中国をはじめとしたグローバルな生産体制を確立しています。

また工作機械メーカーとして、開発から生産、販売、海外への輸出まで一連の流れを自社で行っている特徴を持っています。製品開発から提供、サービスまで自分達で行うという「自前主義」を徹底しています。

工作機械のほかにも、レーザー加工機なども手掛け、顧客の工場の使用全体に対するビジネスにも注力しています。『工場全体の機能を集約し、金属部品の製造全過程をたった1台で完結させる工作機械』(DONE IN ONE)を究極の未来の工作機械の姿としています。

IoTによる一元管理にも取り組みを強化しており、シスコシステムズとマザック スマートボックスを開発するなど、データ解析による生産性の向上や工作機械のリモート診断、アプリケーションの開発や提供に積極的に取り組んでいる日本を代表する企業の一つです。

F1を代表する名門チームの一角、チーム「マクラーレン」に1998年よりオフィシャルサプライヤーの1社として中に名を連ねています。1,000分の1秒単位のスピードを追求する走りを支えることはMAZAK製工作機械の技術力が世界で認められていることを証明の一つでもあります。

DMG森精機株式会社

2018年12月期連結決算

売上高(百万円)501,248
税引前利益(百万円)31,275
当期純利益(百万円)18,517
包括利益(百万円)9.904
従業員数(人)13,042
連結子会社数/持分適用関連会社数130社/6社

DMG森精機及びグループ会社は工作機械(マシニングセンタ、ターニングセンタ、複合加工機、5軸加工機及びその他の製品)、ソフトウェア (ユーザーインタフェース、テクノロジーサイクル、組込ソフトウェア等)、計測装置、サービスサポート、アプリケーション、エンジニアリングを包括したトータルソリューションの提供を行っています。

日本・北米・欧州・中国の世界四極生産体制を確立して、需要地のニーズに即した迅速な対応を行っているほか、日本マイクロソフトと技術協力をするなど、IoTへの取り組みにも注力しています。

売上高世界トップの工作機械メーカーを目指し、生産技術に関するあらゆる課題に応えるソリューションプロバイダーへ成長することを標榜し、自動車、航空機、医療向け部品加工等、幅広い産業のニーズに応えています。

オークマ株式会社

2019年3月期連結決算

売上高(百万円)211,732
経常利益(百万円)28,186
当期純利益(百万円)18,521
包括利益(百万円)14,986
従業員数(人)3,594
連結子会社数/非連結子会社数10社/13社

オークマ及びグループ会社は、NC旋盤、マシニングセンタ、複合加工機、NC研削盤等の一般機械の製造・販売を主な事業内容としています。

ヤマザキ マザック、DMG森精機に次いで業界3位に位置しており、航空機関連や造船分野など重厚長大産業向けの大型工作機械で強みを発揮しています。

独自技術の開発に定評があるほか、本社工場でスマートファクトリーの取り組みを強化するなど、IoTも積極的に取り入れ、米国のGEグループと協業するなどの取り組みも強化しています。 

株式会社 牧野フライス製作所

2019年3月期連結決算

売上高(百万円)204,709
経常利益(百万円)21,956
当期純利益(百万円)16,981
包括利益(百万円)12,923
従業員数(人)4,805
連結子会社数/非連結子会社/関連会社33社/4社/2社

牧野フライス製作所は工作機械では国内4位のメーカーで、航空機部品向けなど、精度が要求されるMCを得意として、金型産業が主要な顧客です。MCの国内生産はファナック、オークマ、ヤマザキ マザック、DMG森精機に次ぐ存在です。

先端技術志向が強いのが特色で、高精度・高品位な工作機械を商品市場の変化に対応し。タイムリーに提供できる開発力の強化を最優先事項としています。

海外展開の歴史も古く、ドイツ、米国、インド、スロバキア、シンガポール、韓国、中国、ノルウェイでも事業を展開しています。

東芝機械株式会社

2019年3月期連結決算

売上高(百万円)117,40
経常利益(百万円)5,573
当期純利益(百万円)4,079
包括利益(百万円)3,475
従業員数(人)3,346
連結子会社数/関連会社数22社/2社

東芝機械及びグループ会社は、射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機、工作機械、精密加工機、産業用ロボット、電子制御装置などの製造・販売並びに各事業に関連する部品の供給及びサービス等の事業活動を展開しています。

東芝機械は射出、押出、ダイカストなどの成型機に強みがあるメーカーです。また堀削機械や航空機産業向けの大型工作機が得意で、航空機産業の盛んな欧州や、国内では三菱重工や川崎重工の航空機部品向の受注にも注力しています。

また自動車産業向けの産業用ロボットも手掛けて、グローバル化の一層の促進と共にIoT活用のソリューション提案にも積極的に取り組んでいます。

株式会社ジェイテクト

 2019年3月期連結決算

売上高(百万円)1,520,893
経常利益(百万円)69,658
当期純利益(百万円)324,663
包括利益(百万円)21,898
従業員数(人)49,693
連結子会社数/関連会社数151社/17社

 ジェイテクトはトヨタ自動車系の自動車部品メーカーですが、工作機械事業も展開しています。具体的には研削盤、切削機、マシニングセンタ、制御機器(IoE関連製品を含む)、工業用熱処理炉等を生産しています。

自動車業界向けが中心ですが、鉄道車両の車軸用研削機や航空機部品様に複雑な工程をこなすMCにも注力し、新規顧客の開拓にも積極的です。

 2019年3月期の連結決算の工作機械事業の業績は、日本や北米、中国において販売が増加したこと等により、売上高は1,750億70百万円と前連結会計年度に比べて134億73百万円、率にして8.3%の増収、営業利益は売上高増加や原価低減の効果により、168億45百万円と前連結会計年度に比べて39億96百万円、率にして31.1%の増益を達成しています。 

株式会社 アマダホールディングス

2019年3月期連結決算

売上高(百万円)338,715
営業利益(百万円)45,316
当期純利益(百万円)33,420
包括利益(百万円)33,197
従業員数(人)9,256
連結子会社数/関連会社数95社/5社

アマダグループでは金属加工機械器具・金属工作機械器具の開発、製造、販売、サービス等(ファイナンスを含む。)を主要な事業としてしており、金属の板を折ったり、打ち抜いたりする板金加工機では国内トップ企業業です。

国内の板金加工機のシェアは7割を超えると言われ、金属加工をした板金を使う家電製品やパパソコン、自動販売機等の製造を裏で支えているガリバー企業です。

1970年代から欧米への進出をはじめ、その後中国やアジアを含めた海外展開を本格化しており、グローバル経営を展開しており、現在海外の売上構成比は55.9%に達しています。 

株式会社 ツガミ

 2019年3月期連結決算

売上高(百万円)68,486
税引前利益(百万円)10,384
当期純利益(百万円)6,192
包括利益(百万円)4,297
従業員数(人)2,326
連結子会社数非連結子会社数13社/1社

 ツガミは小型の高精度自動旋盤機や研削機を手掛けている工作機械メーカーです。日本及び中国を中心に自動旋盤、研削盤、マシニングセンタ、転造盤等の製造・販売をメインとし、更に各企業に関連する研究及びその他のサービスを事業活動として展開しています。

事業セグメントは、日本、中国、インド、韓国、その他と地域制をとっています。なかでも中国は最大の市場となっています。

中期的経営課題として、今後成長が期待される分野、例えば環境・省エネ対応が求められる自動車向け部品、更に高度化するHDD・IT分野・医療分野等への新製品の市場投入や、引き続き重視しなければならないアジア市場(中国・東南アジア・インド等)への生産・販売・アフターサービス体制の更なる強化に取り組んでいます。

シチズンマシナリー株式会社

シチズンマシナリー株式会社は、シチズン時計株式会社の連結子会社であり、上場企業ではないため有価証券報告書の公開はしていません。

企業の概要は以下の通りです。

  • 業務内容:工作機械(CNC旋盤)の開発・製造・販売
  • 所在地: 長野県北佐久郡御代田町御代田4107-6
  • 従業員数:700名(グループ連結 2,000名)2019年4月現在

シチズンマシナリーはCNC自動旋盤世界シェアNo.1の企業です。シチズンマシナリーの製品ラインナップは以下の通りです。

  • 主軸台移動形CNC自動旋盤Cincom:高精度かつ高速加工に優れ、使いやすさでも定評があります。小径長物加工を得意とし、高生産性を実現するNC制御技術と共に、先進のネットワーク技術も開発・提供し、個々の部品加工のニーズに合った最適なアプリケーションを提供しています
  • 主軸台固定形CNC自動旋盤Miyano:高剛性の主軸台固定形CNC自動旋盤は世界から高い評価を受けています。中径短尺加工を得意とした充実のラインナップと周辺機器のトータルソリューションで多彩なニーズに対応し、自動車部品、建機、油空圧機器分野などに信頼性・耐久性に優れた機械を提供しています
  • マルチステーションマシニングセルMC20:「マルチステーションマシニングセル」で、大量生産の超高生産性と変種・変量の自由度を両立し、「個の量産」を具現化しています。3台分の単軸旋盤を1台に集約し従来の自動旋盤の限界を超える高生産性を実現、また生産ラインの移設が機械1台の移動で生産ラインの変更が機械1台の段取で完了。更に旋削に限らない様々なモジュールの搭載で更に多機能に進化させるハイエンドモデルです
尚、2019年3月期の決算概要は以下の通りです。

  • 売上高:544億3600万円
  • 営業利益:74億7700万円
  • 経常利益:122億1400万円
  • 純利益:95億5000万円

まとめ

以上、工作機械メーカーの上位企業の現状をみてきました。凝縮したサマリーですが、工作機械メーカーの事業内容と規模感、各社がいかにグローバルな存在であるかは感覚的にも理解できたと思います。

上位企業は理工系の学生に非常に人気の高い企業であり、難関です。機械業界に興味や志望意欲を繋ぐことができた方は、志望企業候補のあたりをつけて、詳細な企業研究を進めて下さい。

また上位企業の多くはインターンシップに積極的です。OB・OG訪問も含めぜひトライして門戸を開いていってください。

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