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業界・業種研究の考え方
ほとんどの就活生は就活本や就活情報サイトのアドバイスで、「自己分析」から就活をスタートしようと思っているでしょう。
何故なら「自己分析」の目的は、自分はどんな価値観を持った人間で、何に興味関心があり、どんな強みがあり、仕事に求めるものは何なのか、どんな仕事が自分にあっているのか、何を成し遂げたいのか、を探すための始めのプロセスだからです。
業界研究を先にしてしまうと、自分の特性より人気の業界、職業、誰もが知っている一流企業への憧れや、思い込みを優先してしまい、その業界や企業に合わせて自分を作り(思い込み)、結果として就活全体を見誤ってしまうリスクがあるからです。
本当の自分の特性が、その業界、業種、職種、企業に合っていれば良いのですが、人気や見栄、憧れにひっぱられてしまいます。
その結果、本来は向いていない、もしくは実力的に厳しい企業ばかりにエントリーしてしまい、面接に進めない、もしくは進めても内定が取れないという悲劇を招いてしまうという訳です。
「自己分析」をはじめに、先行して行うことは正しいことですが、「就活の答え」では「業界研究」を同時に行うことをアドバイスしています。
その理由は、「就活生は、業界や仕事の知識がない、もしくは決定的に不足している」からです。
就活の目的は自分にベストな企業とのマッチングです。自己分析で自分を深く分析できても、マッチングするもう一方の情報が圧倒的に不足しているために「自己分析」のための「自己分析」をしている学生が非常に多いのです。
自己分析の後、業界研究→企業研究をしてマッチングすれば良いとの意見もありますが、自己分析は自分で行うために「自分を客観評価できない」という点も意識すべきです。
自己分析は必要なプロセスですが、万能ではありません。他己分析との併用をすべきですし、「マッチングする業界・業種・職種の研究を並行して行おう」というのが「就活の答え」の考え方です。
自分の経験からだけで、志望する業界を決められるのかという疑問
就活を、就活としてしかみていない就活本や就活情報サイトは、業界研究の目的を「企業に評価される、説得力のある志望動機を作るため」とアドバイスしていますが、これも一部は正しいですが、すべてではありません。
確かに説得力のある志望動機をつくるために、自己分析の過程で自分のやってきた経験を紐解き、それにマッチする軸を見出してから、仕事で成し遂げたいことを抽出していくことは非常に重要です。しかし、一生を左右する職業選択に結び付くような経験をしている学生がどれだけいるでしょうか?
もちろん大学時代に非常に濃い経験をして、それが就活の軸になり、業種や企業選択に自然に結びつけられれば素晴らしいことです。
面接選考段階では、「何故 この業界なのか」、「何故、当社を志望するのか」を研ぎ澄ませて、明確に答えられなければ内定は獲得できません。説得力をつけるために、自分がしてきた経験や強みに結び付けることも必要です。
しかし、就活初期段階の業界を選ぶ段階で、果たしてそんなことができるのでしょうか?そんなハイパーな学生ばかりではありませんよね。
就活本やマニュアルのように「サークルでの経験」、「アルバイトでの経験」から、志望業界に結び付けられるでしょうか?私はできませんでした。
個人や学生が書いたブログや、就活エージェントや就活サービスへの誘導だけを目的としているような就活情報サイトの一部には、思わず笑ってしまうような、「サークルでの経験」、「アルバイトでの経験」から、志望企業への適性を無理やりこじつけている内容のものがネット上に溢れています。
そのような「良く考えていない例」は論外としても、そもそも、就活生が業界や企業の事を良く知らない段階で、そこまで考えて業界や業種を選択しろと言っても無理でしょう。
「就活の答え」では、就活初期に自己分析だけに膨大な時間をかけ、それができたら業界研究を行うというフローではなく、基本的な自己分析と、簡単な他己分析を行って、ざっくりと自分の性格、価値観や興味、強み・長所を把握する。そして興味が少しでも持てそうな業界を探すために、幅広い業界情報にアクセスすることをおすすめします。
自己分析は、徹底的に行うべきですが、それは就活初期から内定獲得までに必要に応じて「深めていく」ものなのです。
就活は就活の為ではなく、世界に一人のあなたが、一生をかけても悔いのないと思えるような「職業」に出会えるかにあります。内定を取ることが目的ではありません。
企業ではなく業界・業種・職種の情報を仕入れる
就活の初期段階で自己分析をすすめつつ、仕入れるべき情報は業界・業種・職種の情報です。
その業界を代表する企業の情報を見ても良いですが、就活の初期段階においてはあくまで、業界・業種・職種を知るため企業の情報を使うスタンスにしましょう。
何故なら、入りたい企業を決める前に、入りたい業界・業種を決めるべきだからです。これは当たり前だと思うかもしれませんが、非常に大事です。
幅広い業界・業種の情報にアクセスする
新卒での就活は一生に一度しかチャンスはありません。しかもそのチャンスは、あらゆる業界に門戸が開かれています。これは殆どの日本企業が職業への入り口を日本独特の、「新卒一括採用」と「ポテンシャル採用」という考え方で選考を行っているからです。
このレガシーともいえる制度は、今後少しずつ見直されていくでしょうが、日本の大学生にとってはメリットが大きいため、現状ではその利点を大いに活かすべきです。
大卒から新卒で就職した人の3人に1人は、入社3年以内に離職するトレンドが続いているので、「その企業に合わなければ、辞めて別の会社に入り直せば良い」と思うかもしれません。
しかし中途採用・キャリア採用では、即戦力もしくは、その業界内にいた人材、少なくとも近い業界や、求める職種に就いていた人材を集めていく為、新卒時ほど業界選択の自由度はありません。
また、1~2年で辞めてしまう人材は、現在勤めている会社以上の会社に入るのは難しくなります。会社を転職でランクアップしていくためには、経験と実績が求められるため、1~2年ではそれが中々証明できないからです。
従って、一生に一度しかない新卒での就活初期段階では、できるだけ多くの業界・業種を知って、自分とのマッチングを検討すべきです。
それを自己分析と同時にしよう、というのが「就活の答え」の結論です。
効率の良い業界情報の7つのポイントを押さえよう
そうはいっても日本に120以上もある業界を全て調べる必要もありませんし、限りある時間を有効に使うことは重要です。しかも、就活生が欲しい業界情報が一覧的に便利にまとまっているものは探してもなかなかないのです。
日本経済新聞出版社や東洋経済新報社が出版している「業界地図」は業界を俯瞰してトレンドを知るには優れています。
「就職四季報」は個別企業の平均年収や、3年後離職率など得難い情報を取れますが、業界ごとで俯瞰できません。両誌とも仕事の内容、企業の社風を知ることはできません。
殆どの学生は業界地図や大手ナビサイトをみて、世の中にある多くの業界の概要とトレンドを知り→興味を持った業界に関しては業界本を読み→個別企業の情報を四季報や企業のWEBサイトで研究する、というプロセスになるかと思います。
闇雲に多くの業界を志望すべきと言っている訳ではなく、自己分析と業界・業種研究から、就活の軸をつくり、自分が一生携わっていきたいと思う業界・業種を3から5業種に絞ってその先(志望企業の選定)を進めるべきなのです。
大変ですが、人生の重要な部分を占める職業選択について、自分自身で方針を決めるためには必要な時間とも言えます。
限りある時間を有効に使うために、効率的に業界の情報を理解するのに外してはいけないポイントを知っておきましょう。羅針盤のないまま大量の情報にアクセスして情報を消化するのは効率的ではありません。
そのため「就活の答え」では、就活の初期段階でおさえるべき業界研究の7つのポイントをまとめました。以下のチャートを参考に、出来るだけ効率用業界・業種の情報を読み込んで、絞り込みに役立てましょう。
「自分と合っている業種と思えるか」と「モチベーション」に対して共感できるか、できないかは、業界研究の結論になりますので、しっかりと考えてみてください。明らかにそれがない場合はその先の情報を敢えて集めなくても良いです。迷う、決められない場合は、A、B、Cランクのように仕分けをしておきましょう。
ビジネスモデルの理解はどんな業界でも必ず行いましょう。それがあやふやだと、その後の研究や分析が甘くなり的確な判断ができなくなります。ビジネスモデルの理解にも時間を掛けましょう。
基本的な自己分析を終えたら、「この業界、興味がもてるかも」と思える業界を3~5業界は見つけられるまで、できるだけたくさんの業界の情報にアクセスすることをおすすめします。
就活初期段階での、業界・業種研究まとめ:
- 就活初期では、基本的な自己分析を終えたら業界研究を同時に進めよう
- 自己分析の限界も意識して、他己分析も併用しよう
- 就活初期段階では、企業ではなく業界・業種・職種の情報を仕入れる
- なるべく幅広い業界・業種の情報にアクセスしよう
- 効率の良い業界情報の7つのポイントを押さえよう
- ビジネスモデルを理解しよう
- 業界の現状と課題・将来性
- どんな仕事があるのか、職種の情報
- この業界に働く人のモチベ―ションは何か
- この業界に向く人、向かない人は誰か
- 業界の構造
- 具体的な主要企業名
- 興味が持てる業界を3から5業界はもてるようにしよう
「就活の答え」では、上記を効率的に行えるように、業界研究の記事を主要な業界ごとにまとめています。「カテゴリーで記事検索」の業界研究まとめ記事をクリックして、興味のある業界の情報を活用して下さい。
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