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【就活の業界研究】化学業界の構造と総合化学メーカーの概要をチェックしておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では化学業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

化学メーカーの7つのポイントを押さえよう

  • 化学メーカーのビジネスモデルを理解しよう
  • 化学メーカー、業界の現状と課題・未来
  • 化学メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 化学メーカーに働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
  • 化学メーカーに向く人、向かない人はどういう人か
  • 化学業界の構造
  • 総合化学メーカー主要各社の概況
産業の基盤ともいえる原料や素材を製造して日本経済を支え、規模が大きく経済に与える影響力や社会的な責任も大きい化学工業、化学素材メーカーの存在。この記事では化学工業界の構造と大手総合化学メーカーの概況をまとめました。就活生が、化学工業界に自分の未来を託したいと思うか、志望の意思を固める上での参考にして下さい。

化学業界の構造

化学業界は非常に幅広い業種を包含している業界です。整理する意味で総務省がまとめている「日本標準産業分類」による化学工業の分類によると、化学工業の下に「化学肥料」「無機化学工業製品」「有機化学工業製品」「油脂加工製品・石けん・合成洗剤・界面活性剤・塗料」「医薬品」「化粧品・歯磨・その他の化粧品調整品」「その他の化学工業」という業種がまとめられています。

この分類で分かりにくいのは「無機化学工業製品」、「有機化学工業製品」とは具体的に何を指すのか、そして「その他の化学工業」の中身でしょう。一つ一つ説明していきます。

無機化学工業とは

科学的には「機」=炭素を指し、「有機」は炭素を含むものを指し、「無機」は炭素を含まないものを指します。無機化学とは、すべての化学元素・単体ならびに無機化合物を研究対象とする化学の一分野であり、無機化学工業は原料・製品が無機化合物である化学工業で、硫酸工業,ソーダ工業,肥料工業,カーバイド工業,無機顔料製造業、圧縮ガス・液化ガス製造業、塩素製造業などが含まれます。

有機化学工業とは

有機化学工業には石油化学系基礎製品,脂肪族系中間製品,メタン誘導品,コールタール製品,環式中間物・合成染料・有機顔料,プラスチック,合成ゴムなどの製造業などが含まれますが、その中心は石油化学工業ということになります。石油化学工業は、石油や天然ガスを出発原料としてさまざまな生産工程を経て、多種多様な化学製品を製造する産業です。

その他の化学工業

その他の化学工業の中には、「火薬類」「農薬」「香料」「ゼラチン・接着剤」「写真感光材料」「天然樹脂製品・木材化学製品」「試薬」などが含まれています。

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分類より事業の中身が本質

分類の仕方には色んな見方があり、分類そのものにそれほど意味はありません。就活初期段階では、化学業界にはだいたいどんな業種が含まれているのかのイメージが持てれば良いでしょう。たとえば2002年までは化学工業の下に「化学繊維」が含まれていましたが、現在化学繊維は「繊維工業」に分類されています。東レは国内唯一の総合繊維メーカーであると同時に有機合成化学・バイオテクノロジー・ナノテクノロジー・高分子化学という4つのコアテクノロジーを基盤に多様な事業を展開している化学メーカーなのです。

化学業界の中での石油化学工業の位置づけ

石油化学工業は、石油や天然ガスを出発原料としてさまざまな生産工程を経て、合成樹脂、合成繊維原料、合成ゴムなど多種多様な化学製品を製造する工業です。その製品は日常生活のあらゆる分野に使われており、自動車、コ ンピュータ、電子・電気機器などの高度組立産業へ広く供給されています。世界的に高く評価されている日本の製品の品質を支えているのです。石油化学工業は、基礎素材を提供する産業として重大な使命を担っているのです。

具体的な製品としては、原油を精製して作られるナフサ(粗製ガソリン)を熱分解してエチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの基礎製品を製造し、さらにこれらからプラスチック、合成繊維原料、合成ゴム、塗料原料・溶剤、洗剤原料などの誘導品を製造しています。

総合化学メーカーとは

総合化学メーカーは一般的に基礎原料(川上)から誘導品(川中)、素材・各種製品(川下)までの一貫生産を行う企業と理解すれば良いです。厳密な定義がある訳ではなく、エチレンセンターを保有する企業に限定して呼ぶ場合もあります。一般的には三菱ケミカルホールディングス、住友化学、三井化学、昭和電工、東ソー、旭化成の6社を指す場合も多いですが、この6社に信越化学工業や宇部興産を加える場合もあります。

総合化学メーカーの概況

それでは総合化学メーカーと呼ばれる大手企業の現況を直近の有価証券報告書(年度決算)を中心にみていきましょう。

株式会社三菱ケミカルホールディングス

2019年3月期連結決算

売上収益 (百万円)3,923,444
税引前利益(百万円)288,056
当期利益(百万円)216,729
親会社の所有者に帰属する
当期利益(百万円)
169,530
当期包括利益(百万円)205,898
親会社の所有者に帰属する
当期包括利益 (百万円)
161,655
従業員数(人)72,020
外、平均臨時雇用者数7,558
子会社580 社
関連会社174社

三菱ケミカルホールディングスグループは子会社550社及び関連会社等158社から構成されており、持株会社である三菱ケミカルホールディングスのもと、三菱 ケミカル(株)、田辺三菱製薬(株)、(株)生命科学インスティテュート及び大陽日酸(株)の4社を事業会社として、機能商品、 素材及びヘルスケアの3つの分野で事業を展開しています。

三菱ケミカルは機能商品、ケミカルズ、その他セグメント、田辺三菱製薬はヘルスケア(医薬品)、生命科学インスティテュートはヘルスケア・ライフサイエンス、大陽日酸は産業ガスのセグメントを担っています。

事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2019年3月期セグメント別業績

セグメント名セグメント売上高(百万円)売上構成比営業利益(百万円)利益構成比
機能商品1,229,56629.3%68,56420.9%
ケミカルズ1,344,05132.0%131,13240.0%
産業ガス740,34117.6%63,32319.3%
ヘルスケア548,91013.1%56,86517.4%
その他の事業332,0017.9%7,5532.3%
合計4,194,869100.0%327,437100.0%
セグメント間取引調整他-271,425-10,250
計上額3,923,444317,187

連結売上は3兆9,234億にもおよぶ巨大企業です。現在の中期経営計画(2016年度から2020年度まで)では、機能商品、素材、ヘルスケア分野の事業を通じて、高成長・高収益型の企業グループをめざす基本方針で事業を展開しています。

採用活動はホールディングカンパニーとそれぞれの事業会社毎に行われていますので、志望する場合は個別の企業研究を徹底して行いましょう。

住友化学株式会社

2019年3月期連結決算

売上高 (百万円)2,318,572
税引前利益(百万円)188,370
当期利益(百万円)152,466
親会社の所有者に帰属する
当期利益(百万円)
117,992
包括利益(百万円)148,146
親会社の所有者に帰属する
当期包括利益 (百万円)
110,448
従業員数(人)32,542
外、平均臨時雇用者数3,842
関係会社278社

住友化学及びグループでは事業ポートフォリオの高度化として、「環境・エネルギー」「ICT」「ライフサイエンス」を中心とした、「技術」で勝負できる事業分野に経営資源を投入し、社会が抱える諸課題に対し、「技術」を基盤とした新しい価値を提供に注力しています。

重点3分野である「環境・エネルギー」「ICT」「ライフサイエンス」への投資を継続し、研究テーマの着実な事業化を図るほか、重点3分野の「境界領域」でのソリューションを提供していく戦略です。またグローバル経営の深化として中東やアジアなど海外での事業活動を今後一層拡大していく計画です。

主な事業セグメントは以下の通りです。

  • 石油化学:石油化学品、無機薬品、合繊原料、有機薬品、合成樹脂、メタアクリル、合成樹 脂加工製品等の製造・販売
  • エネルギー・機能材料:アルミナ製品、アルミニウム、化成品、添加剤、染料、合成ゴム、エンジニアリングプラスチックス、電池部材等の製造・販売
  • 情報電子化学:光学製品、カラーフィルター、半導体プロセス材料、化合物半導体材料、タッチセンサーパネル等の製造・販売
  • 健康・農業関連事業:農薬、肥料、農業資材、家庭用・防疫用殺虫剤、熱帯感染症対策資材、飼料添加物、医薬化学品等の製造・販売
  • 医薬品:医療用医薬品、放射性診断薬等の製造・販売
  • その他: 電力・蒸気の供給、化学産業設備の設計・工事監督、運送・倉庫業務、物性分析・環境分析業務等

2019年3月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2019年3月期セグメント別業績

セグメント名セグメント売上高(百万円)売上構成比営業利益(百万円)利益構成比
石油化学763,69031.8%61,61027.9%
エネルギー・機能材料290,74212.1%22,95910.4%
情報電子化学397,79116.6%26,22711.9%
健康・農業関連事業343,74214.3%19,7168.9%
医薬品492,14320.5%80,76436.6%
その他の事業113,3954.7%9,4224.3%
合計2,401,503100.0%220,698100.0%
セグメント間取引調整他-82,931-16,446
計上額2,318,572204,252

旭化成株式会社

2019年3月期連結決算

売上高 (百万円)2,170,403
経常利益(百万円)219,976
当期純利益(百万円)147,512
包括利益(百万円)148,696
従業員数(人)39,283
関係会社299社

旭化成の事業セグメントは、マテリアル、住宅、ヘルスケア、その他に分かれています。

  • マテリアルの下には、繊維事業、ケミカル事業、エレクトロニクス事業を展開
  • 住宅セグメントでは住宅事業、建材事業
  • ヘルスケアセグメントでは医薬事業、医療事業、クリティカルケア事業を展開
  • その他事業下には、エンジニアリング事業、各種リサーチ、情報提供事業、人材派遣・紹介事業など

2019年3月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2019年3月期セグメント別業績

セグメント名セグメント売上高(百万円)売上構成比営業利益(百万円)利益構成比
マテリアル1,181,28353.5%129,56553.5%
住宅659,96129.9%68,16128.2%
ヘルスケア316,20114.3%41,82517.3%
その他の事業49,6242.2%2,4111.0%
合計2,207,069100.0%241,962100.0%
セグメント間取引調整他-36,666
計上額2,170,403

中期経営計画の基本戦略として、「成長・収益性の追求」「新事業の創出」「グローバル展開の加速」を掲げて事業を行っています。マテリアル領域では、事業 間の融合・シナジーを追求し、事業ポートフォリオの最適化に注力、住宅領域では、「製品・施工・サービス」の総合力で事業をさらに強化するとともに、バリューチェー ンを拡げる事業展開を図っています。ヘルスケア領域では、国内の収益力強化と、グローバルの事業基盤強化を進め、マテリアル、住宅に次ぐ第3の柱に成長させる戦略です。

その他、外部機関との連携も強化し、イノベーションの推進・加速による「新事業の創出」や、米国、アジア、欧州を中心に「グローバル展開の加速」に取り組んでいます。

旭化成グループでは、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します。」というグループ理念のもと、「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を通して、社会に新たな価値を提供することをグループビジョン(目指す姿)として掲げています。

また従業員の持つべき共通の価値観を「誠実」「挑戦」「創造」と定めており、すべてのステークホルダーに対し「誠実」に経営することを通じて、社会の課題解決や事業環境の変化に積極果敢に「挑戦」し、絶えず新たな価値を「創造」することで、事業を通じて企業の社会的責任を果たしていくことを基本方針にしています。旭化成を目指す皆さんは、この共通の価値観を重視してエントリーシートの作成や面接に臨んでください。

三井化学株式会社

2019年3月期連結決算

売上高 (百万円)1,482,909
経常利益(百万円)102,972
当期純利益(百万円)76,115
包括利益(百万円)79,226
従業員数(人)17,743
子会社126社
関連会社31社

三井化学の事業セグメントは他の総合化学メーカーとは一線を画し、特定事業を選択・集中するという戦略が色濃く反映されています。主要セグメントは以下の通りです。

  • モビリティ:自動車産業に特化した化学素材ソリューションの提供。具体的には、エラストマー、機能性コンパウンド、機能性ポリマー及びポリプロピレン・コンパウンドの製造・販売並びに自動車等工業製品の新製品開発支援業務を事業化
  • ヘルスケア:ヘルスケアセグメントにおける、ビジョンケア材料、不織布、歯科材料及びパーソナルケア材料の製造・販売
  • フード&パッケージング:コーティング・機能材、機能性フィルム・シート及び農薬の製造及び販売事業
  • 基盤素材:石化原料(エチレン・プロピレン等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、触媒、フェノール類、高純度テレフタル酸、ペット樹脂、ポリウレタン材料及び工業薬品の製造・販売
重点課題として挙げているのは以下の領域及び活動です。
  • モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージング成長3領域の拡大・成長
  • 投資案件の拡充、周辺事業進出等の事業拡大需要に対応した設備能力の確保
  • 次世代の新事業の育成・新製品創出の加速
  • 基盤素材事業の再構築完遂と更なる競争力強化
  • 新事業、研究開発、成長投資等を遂行するための必要人材の確保
  • IoT、AI等の先進技術活用による工場基盤の強化
  • グループ・グローバル経営に向けた基盤の強化
  • 成長投資の確実な回収と投資案件の成功確率向上
  • 在庫管理の強化等による運転資金日数、投資効率性の維持・改善
  • 安全文化の展開、安全技術の向上及び生産現場力の強化

2019年3月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2019年3月期セグメント別業績

セグメント名セグメント売上高(百万円)売上構成比セグメント利益・損失(百万円)利益構成比
モビリティ407,01724.9%42,73642.5%
ヘルスケア149,3819.2%13,62213.5%
フード&パッケージング200,78412.3%17,79117.7%
基盤素材792,28448.5%27,77627.6%
その他の事業83,0365.1%-1,375-1.4%
合計1,632,502100.0%100,550100.0%
セグメント間取引調整他-149,593
計上額1,482,909

信越化学工業株式会社

2019年3月期連結決算

売上高 (百万円)1,594,036
経常利益(百万円)415,311
当期純利益(百万円)309,125
包括利益(百万円)279,945
従業員数(人)21,735
外、平均臨時雇用者数2,645
子会社129社
関連会社13社

信越化学の事業セグメントは、以下のような分類になります。

  • 塩ビ・化成品事業:塩化ビニル、か性ソーダ、メタノール、クロロメタンの製造・販売
  • シリコーン事業:シリコーンの製造・販売
  • 機能性化学品事業:セルロース誘導体、金属珪素、ポバール、合成性フェロモン、塩ビ・酢ビ系共重合樹脂の製造・販売
  • 半導体シリコン事業:半導体シリコンの製造・販売
  • 電子・機能材料事業:希土類磁石(電子産業用・一般用)、半導体用封止材、LED用パッケージ材料、フォトレジスト、マスクブランクス、合成石英製品、液状フッ素エラストマー、ペリクルの製造・販売
  • 加工・商事・技術サービス事業:樹脂加工製品、技術・プラント輸出、商品の輸出入、エンジニアリング
信越化学工業は何十年も優良企業としての評価を受けている企業であり、財務の健全性は日本企業のトップクラスです。信越化学工業は、主要事業において確固としたシェアを有しているのが最大の強みです。塩ビ、合成石英、半導体シリコン事業においては世界シェア1位、時価総額においては世界の化学メーカーで第11位(国内1位)となる圧倒的な存在です。「フル生産、全量販売」の方針の下、「強い企業」のポジションを維持している企業です。

2019年3月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2019年3月期セグメント別業績

セグメント名セグメント売上高(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
塩ビ・化成品事業527,83530.2%106,52126.4%
シリコーン事業240,48713.7%58,54614.5%
機能性化学品事業142,2768.1%26,6036.6%
半導体シリコン事業380,39721.7%131,99832.7%
電子・機能材料事業234,68713.4%66,99316.6%
加工・商事・技術サービス事業224,37612.8%13,2963.3%
合計1,750,059100.0%403,959100.0%
セグメント間取引調整他-156,022-254
計上額1,594,036403,705

昭和電工株式会社

2018年12月期連結決算

売上高 (百万円)992,136
経常利益(百万円)178,804
当期純利益(百万円)111,503
包括利益(百万円)92,055
従業員数(人)10,476
関係会社153社

昭和電工の事業セグメントは以下のようになっています。

  • 石油化学:オレフィン、有機化学品、合成樹脂等の製造・販売
  • 化学品:機能性化学品、産業ガス、基礎化学品、情報電子化学品等の製造・販売
  • エレクトロニクス:ハードディスク、化合物半導体、レアアース磁石合金、リチウムイオン電池材料等 の製造・販売及びリチウムイオン電池材料事業
  • 無機 :黒鉛電極、セラミックス、ファインセラミックス等の製造・販売
  • アルミニウム:コンデンサー用高純度箔、レーザービームプリンター用シリンダー、押出品、鍛造 品、熱交換器、飲料用缶等の製造・販売
  • その他:卸売、建材等の製造・販売等
昭和電工グループでは中期経営計画「Project 2020+」において、「個性派事業」の拡大・強化により、世界または一定規模の競争市場でシェアトップの事業を持つ戦略を推進しています。

また「インフラケミカルズ」、「エネルギー」、「移動・輸送」、「生活環境」、「情報電子」の5つ の市場領域事業を「成長加速」、「優位確立」、「基盤化」、「再構築」 からなる事業ポートフォリオに区分し、戦略的な経営・投資を進めています。

海外展開については、成長著しいアジア・ASEANでの戦略的投資を実施すると共に、欧米 などの先進国市場も含めた成長機会の獲得を追求、「個性派事業」のさらなる拡大を図っていく方針です。

2018年12月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。尚、無機セグメントは2017年下期に実施した黒鉛電極事業の統合効果の顕現と国際市況の上昇により大幅な増収、増益となっています。

2018年12月期セグメント別業績

セグメント名セグメント売上高(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
石油化学268,87925.6%20,33310.7%
化学品156,54114.9%17,3939.1%
エレクトロニクス105,82310.1%12,3976.5%
無機266,14925.4%132,44569.6%
アルミニウム108,25410.3%4,9422.6%
その他143,41313.7%2,8931.5%
合計1,049,058100.0%190,403100.0%
セグメント間取引調整他-56,922-10,400
計上額992,136180,003

尚、2019年12月には、昭和電工は日立製作所の主要子会社の化学大手、日立化成を買収し、完全子会社化することを発表しました。両社の年間売上げを単純合計すると1兆7000億円規模となり、住友化学や旭化成に次ぐ規模になる予定です。

昭和電工を目指す就活生の皆さんは、この統合の動きを必ずフォローしておいてください。

東ソー株式会社

2019年3月期連結決算

売上高 (百万円)861,456
経常利益(百万円)113,027
当期純利益(百万円)78,133
包括利益(百万円)71,823
従業員数(人)12,955
子会社101社
関係会社17社

東ソー株式会社は、「東洋曹達工業株式会社」が1987年に社名変更をして現在に至っています。その化学品事業は、東ソー創業以来、経営と技術展開の原点となっており、アジア最大級の電解設備から苛性ソーダと塩素、水素を生産しています。

苛性ソーダは、紙・パルプや化学繊維、アルミナなど幅広い産業で使われ、塩素はEDCを経て塩ビモノマー、塩ビ樹脂とつながるビニル・チェーンをはじめ各種塩化物に展開。水素は石英素材の製造に利用されています。東ソーの主要セグメントは以下の通りです。

  • 石油化学事業:エチレン・プロピレン等オレフィン製品、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及び樹脂加工製 品、機能性ポリマー等の製造・販売
  • クロル・アルカリ事業:苛性ソーダ、塩化ビニルモノマー、塩化ビニル樹脂、無機・有機化学品、セメント、ウレタン原料等の 製造・販売
  • 機能商品事業:無機・有機ファイン製品、計測・診断商品、電子材料(石英ガラス、スパッタリングターゲット)、機能材 料等の製造・販売
  • エンジニアリング事業 :水処理装置、純水装置、イオン交換樹脂等の製造・販売及び」そのための原材料の供給。各種プラント工事、電気工事の設計・製作・取付・施工
  • その他事業:グループの製品・原材料の運送・荷役、保険代理の業務、石油化学製品、工業薬品等の販売、酸素、窒素、炭酸ガス等の製造・販売
東ソー株式会社は、2008年以降の約10年間で、合計2161件の特許を取得しています。有機高分子化合物の製造または化学的加工、それに基づく組成物や有機化学などの技術領域の製品開発分野では大手の一角を占めています。

2019年3月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2019年3月期セグメント別業績

セグメント名セグメント売上高(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
石油化学280,44526.1%13,39212.7%
クロル・アルカリ368,48734.3%45,99643.5%
機能商品211,75119.7%35,34833.4%
エンジニアリング115,59510.7%8,3037.9%
その他99,1519.2%2,6982.6%
合計1,075,430100.0%105,739100.0%
セグメント間取引調整他-213,974
計上額861,456105,739

宇部興産

2019年3月期連結決算

売上高 (百万円)730,157
経常利益(百万円)47,853
当期純利益(百万円)32,499
包括利益(百万円)32,031
従業員数(人)11,010
関係会社149社

宇部興産及びそのグループ企業は化学、医薬、建材資材、機械、エネルギー・環境、その他のセグメントで事業を展開しています。

各セグメントの主な製品・サービスは以下の通りです。

  • 化学:ナイロン樹脂、カプロラクタム(ナイロン原料)、工業薬品、ポリブタジエン(合成ゴム)、電池材料、ファインケミカル、ポリイミド、機能品等の製造、販売
  • 医薬:医薬品(原体・中間体)の製造、販売
  • 建設資材:セメント、生コン、建材関連製品、石灰石、カルシア・マグネシア、機能性無機材料等の製造、販売、資源リサイクルとして廃棄物の利用
  • 機械:成形機、産業機械(運搬機、粉砕・破砕機)、橋梁・鉄構、製鋼品等の製造、販売
  • エネルギー・環境:石炭の輸入、販売、コールセンターの運営、電力卸供給事業(IPP)を含む電力供給事業
  • その他:不動産の売買、賃貸借および管理等

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2019年3月期連結決算セグメント別業績

セグメント名セグメント売上高(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
化学314,98441.8%23,75152.5%
医薬10,1291.3%8551.9%
建設資材250,25033.2%11,89326.3%
機械97,26412.9%5,41011.9%
エネルギー・環境75,85310.1%2,5655.7%
その他4,9350.7%8041.8%
合計753,415100.0%45,278100.0%
セグメント間取引調整他-23,258-727
計上額730,15744,551

宇部興産は120年を超える歴史を刻むグループです。「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」という2つを創業の精神として受け継ぎ、時代と産業構造の変化に対応しながら、新たな技術への挑戦と自己変革を重ねて業容を多角化、拡大してきました。

現在では「2025年のありたい姿」とその方向性を「Vision UBE 2025」として描き、その達成に向けたマ イルストーンとなる、2021年度までの3ヶ年の中期経営計画「Vision UBE 2025 ~Prime Phase~」を策定して事業を展開しています。

中期計画の基本方針は、事業の成長基盤強化、経営基盤(ガバナンス)の強化、資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献を骨子としています。

特に事業基盤の強化では以下の5項目に注力して2021年度で営業利益、550億円、経常利益580億円の達成を目標にして事業を展開しています。

  1. 化学セグメントを中心とした次なる成長の実現
  2. 海外拠点の拡充と国内外グループ会社の連携進化およびグローバルな事業環境変化へのスピーディな対応
  3. 安定的・持続的なキャッシュフロー創出と、成長投資の実施
  4. 人材確保と競争力向上のため、人材と働き方の多様化を推進
  5. 価値創出と業務効率化へのICT技術活用と関連する人材の育成

大手化学素材メーカーの概況

総合化学メーカーとは一線を画しますが、規模という意味で特出している化学素材メーカーである東レ、花王、富士フィルム、AGCの概況は以下の通りです。

東レ株式会社

2019年3月期連結決算

売上高 (百万円)2,388,848
経常利益(百万円)134,518
当期純利益(百万円)79,373
包括利益(百万円)72,576
従業員数(人)48,320
子会社261社
関係会社43社

東レは売り上げ規模2兆3,888億円を誇る化学素材メーカーで、以下のセグメントで事業を展開しています。

  • 繊維事業: 合成繊維製品(糸・綿・織編物・人工皮革等)の製造・販売
  • 機能化成品事業: 樹脂、フィルム、ケミカル製品他各種機能性化成品及び電子情報材料の製造・販売
  • 炭素繊維複合材料事業: 炭素繊維・同複合材料の製造・販売
  • 環境・エンジニアリング事業: 機能膜及び同機器、住宅・建築・土木材料等の製造・販売、建設・不動産事業、エンジニアリング、建材・精密機器製作等、自社工場設備建設・設備保全
  • ライフサイエンス事業: 医薬品、医療機器、オプティカル製品等の製造・販売
  • その他: 上記セグメントに属さないリサーチ、情報システム、サービス産業等の種々の分野
東レグループでは2017年4月より、2019年度までの3ヵ年を期間とする中期経営課題“プロジェクトAP-G 2019”を進行中であり、「成長分野での事業拡大」、「成長国・地域での事業拡大」、「競争力強化」を要とした成長戦略を実行しています。その結果2019年3月期の結会計年度の売上高は過去最高を記録しています。

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2019年3月期連結決算セグメント別業績

セグメント名セグメント売上高(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
繊維事業975,63738.8%72,88043.2%
機能化成品事業887,83235.4%67,70240.1%
炭素繊維複合材料事業216,7338.6%11,5426.8%
環境・エンジニアリング事業332,63313.2%12,2367.3%
ライフサイエンス事業53,6532.1%1,3010.8%
その他45,0331.8%3,0841.8%
合計2,511,521100.0%168,745100.0%
セグメント間取引調整他-122,673-27,276
計上額2,388,848141,469

花王株式会社

2018年12月期連結決算

売上高 (百万円)1,508,007
税引前利益(百万円)207,251
当期利益(百万円)153,698
包括利益(百万円)122,324
従業員数(人)33,664
外、平均臨時雇用者数12,624
子会社117社
関連会社6社

花王の事業セグメントはコンシューマープロダクト事業、ケミカル事業、その他事業に分けられています。コンシューマープロダクト事業は更にビューティケア事業(スキンケア・ヘアケア製品)、ヒューマンヘルスケア事業、ファブリック&ホームケア事業に分かれていてます。具体的な製品群は化粧品、シャンプー、石鹸、健康食品や紙おむつ、オーラルケア商品、洗剤・トイレタリーなどの製品群です。

ケミカル事業も事業全体のシェアはコンシューマー事業と比較すれば低いですが、2018年12月期決算での営業利益は、海外での油脂製品の伸長と高付加価値化により、最高益を更新し306億円(対前期3億円増)という結果でした。

油脂製品、機能材料製品、スペシャルティケミカルズ製品、情報材料関連製品やハードディスク関連製品などの需要が伸び、売り上げは順調に推移しています。環境負荷低減に貢献する水性インクジェット用顔料インクの開発と事業のグローバル展開にも取り組んでいます。

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2018年12月期連結決算セグメント別業績

セグメント名セグメント売上高(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
化粧品事業279,63518.1%27,71013.4%
スキンケア・ヘアケア事業341,41922.1%48,82723.7%
ヒューマンヘルスケア事業267,70217.3%27,90713.5%
ファブリック&ホームケア事業344,10522.3%71,24934.5%
ケミカル事業312,80720.2%30,63114.8%
合計1,545,668100.0%206,324100.0%
セグメント間取引調整他-37,6611,379
計上額1,508,007207,703

富士フイルムホールディングス株式会社

2019年3月期連結決算

売上高 (百万円)2,431,489
税引前利益(百万円)212,762
当期純利益(百万円)138,106
包括利益(百万円)144,272
従業員数(人)72,332
外、平均臨時雇用者数10,509
子会社279社
関連会社32社

富士フイルムグループでは事業区分を大きく三つに分類してします。

イメージング ソリューション事業:

  • カラーフィルム、デジタルカメラ、写真プリント用カラーペーパー・サービス・機器、インスタントフォトシステム、光学デバイス等

ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション事業:

  • メディカルシステム機材、化粧品・サプリメント、医薬品、バイオ医薬品製造開発受託、再生医療製品、化成品、グラフィックシステム機材、インクジェット機材、ディスプレイ材料、記録メディア、電子材料等

ドキュメント ソリューション事業(富士ゼロックスによる)

  • デジタル複合機、パブリッシングシステム、ドキュメントマネジメントソフトウェア及び関連ソリューション・サービス等
富士フイルムグループは、写真感光材料やドキュメント等の事業で培った材料化学、光学、解析、画像等の幅広い基盤技術のもと、機能性材料、ファインケミカル、エレクトロニクス、メカトロニクス、生産プロセス等の技術領域で多様なコア技術を持っています。これらの技術をさまざまな分野でビジネスを展開し重点事業分野への研究開発を進める一方、将来を担う新規事業の創出も進めています。

「バイオサイエンス&テクノロジー開発センター」と「精密プロセス技術センター」を設立し、バイオ医療の研究開発の加速、革新的なモノづくり基盤技術や新規事業創出を支える生産プロセス技術の開発にも注力しています。

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2019年3月期連結決算セグメント別業績

セグメント名セグメント売上高(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
イメージング ソリューション389,07415.9%51,12820.9%
ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション1,040,52542.6%97,57939.8%
ドキュメント ソリューション1,014,78641.5%96,36639.3%
合計2,444,385100.0%245,073100.0%
セグメント間取引調整他-12,896-35,246
連結合計2,431,489209,827

AGC株式会社 (旧:旭硝子株式会社)

2018年12月期

売上高 (百万円)1,522,904
税引前利益(百万円)128,404
当期純利益(百万円)89,593
包括利益(百万円)6,629
従業員数(人)54,101
外、平均臨時雇用者数4,752
子会社236社
関連会社45社

旧社名、旭硝子は日本を代表する素材メーカーの一つで、旧社名の通りガラスメーカーとしてフロート板ガラス、型板ガラス、網入り磨板ガラス、Low-E(低放射)ガラス、装飾ガラス、建築用加工ガラス(断熱・遮熱複層ガラス、防災・防犯ガラス、防・耐火ガラス等)、自動車用ガラス等の製造を行っています。

2018年社名変更をして、AGC株式会社となっています。AGCはメインのガラスセグメントの他に、電子と化学品のセグメントで事業を展開しています。

電子事業では、液晶用ガラス基板、ディスプレイ用特殊ガラス、車載ディスプレイ用カバーガラス、ディスプレイ用周辺部材、ソーラー用ガラス、産業用加工ガラス、半導体プロセス用部材、オプトエレクトロニクス用部材、照明用製品、理化学用製品等の製造・販売を行っています。

また化学品は塩化ビニル、塩化ビニル原料、苛性ソーダ、ウレタン原料、フッ素樹脂、撥水撥油剤、ガス、溶剤、医農薬中間体・原体、ヨウ素製品等が主力製品です。

AGCでは「2025年のありたい姿」=「コア事業が確固たる収益基盤となり、戦略事業が成長エンジンとして一層の収益拡大を牽引する、高収益のグローバルな優良素材メーカー」の実現に向けて、ガラス、化学品、ディスプレイ、セラミックスといった「コア事業」における研究開発で安定的な収益の基盤づくりに貢献するとともに、モビリティ、エレクトロニクス、ライフサイエンスをターゲット領域とする「戦略事業」についての開発活動にも重点的に注力しています。

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2018年12月期連結決算セグメント別業績

セグメント名セグメント売上高(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)営業利益利益構成比
ガラス757,45748.1%22,52218.7%
電子252,64616.1%24,04119.9%
化学品484,35030.8%71,13859.0%
セラミックス・その他79,0305.0%2,8182.3%
合計1,573,485100.0%120,520100.0%
セグメント間取引調整他-50,58134
連結合計1,522,904120,555

まとめ

以上、駆け足で総合化学メーカーと有力化学素材メーカーの現況をみてきました。いずれの企業も規模が大きく、産業を支える重要な役割を果たしています。

化学工業のキーワードは高付加価値化、成長分野への注力、新成長分野・市場への技術開発とグローバルオペレーションの高度化です。また業務面ではIoTによるビックデータ活用や、デジタル技術による業務改革、顧客との情報活用やパートナーシップの強化がこれからの課題です。それぞれが特徴を持った優良企業なので、化学業界に興味を持ったら、徹底した企業研究を行って志望動機を固めていきましょう。

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