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【就活の業界研究】化学業界の構造と総合化学メーカーの概要をチェックしておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では化学業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

化学メーカーの7つのポイントを押さえよう

  • 化学メーカーのビジネスモデルを理解しよう
  • 化学メーカー、業界の現状と課題・未来
  • 化学メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 化学メーカーに働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
  • 化学メーカーに向く人、向かない人はどういう人か
  • 化学業界の構造
  • 総合化学メーカー主要各社の概況
産業の基盤ともいえる原料や素材を製造して日本経済を支え、規模が大きく経済に与える影響力や社会的な責任も大きい化学工業、化学素材メーカーの存在。

この記事では化学工業界の構造と大手総合化学メーカーの概況をまとめました。就活生が、化学工業界に自分の未来を託したいと思うか、志望の意思を固める上での参考にして下さい。

Contents

化学業界の構造

化学業界は非常に幅広い業種を包含している業界です。

整理する意味で総務省がまとめている「日本標準産業分類」による化学工業の分類によると、化学工業の下に「化学肥料」「無機化学工業製品」「有機化学工業製品」「油脂加工製品・石けん・合成洗剤・界面活性剤・塗料」「医薬品」「化粧品・歯磨・その他の化粧品調整品」「その他の化学工業」という業種がまとめられています。

この分類で分かりにくいのは「無機化学工業製品」、「有機化学工業製品」とは具体的に何を指すのか、そして「その他の化学工業」の中身でしょう。一つ一つ説明していきます。

無機化学工業とは

科学的には「機」=炭素を指し、「有機」は炭素を含むものを指し、「無機」は炭素を含まないものを指します。

無機化学とは、すべての化学元素・単体ならびに無機化合物を研究対象とする化学の一分野であり、無機化学工業は原料・製品が無機化合物である化学工業で、硫酸工業,ソーダ工業,肥料工業,カーバイド工業,無機顔料製造業、圧縮ガス・液化ガス製造業、塩素製造業などが含まれます。

有機化学工業とは

有機化学工業には石油化学系基礎製品,脂肪族系中間製品,メタン誘導品,コールタール製品,環式中間物・合成染料・有機顔料,プラスチック,合成ゴムなどの製造業などが含まれますが、その中心は石油化学工業ということになります。

石油化学工業は、石油や天然ガスを出発原料としてさまざまな生産工程を経て、多種多様な化学製品を製造する産業です。

その他の化学工業

その他の化学工業の中には、「火薬類」「農薬」「香料」「ゼラチン・接着剤」「写真感光材料」「天然樹脂製品・木材化学製品」「試薬」などが含まれています。

分類より事業の中身が本質

分類の仕方には色んな見方があり、分類そのものにそれほど意味はありません。就活初期段階では、化学業界にはだいたいどんな業種が含まれているのかのイメージが持てれば良いでしょう。たとえば2002年までは化学工業の下に「化学繊維」が含まれていましたが、現在化学繊維は「繊維工業」に分類されています。

皆さんよくご存知の、東レは国内唯一の総合繊維メーカーであると同時に有機合成化学・バイオテクノロジー・ナノテクノロジー・高分子化学という4つのコアテクノロジーを基盤に多様な事業を展開している化学メーカーなのです。

化学業界の中での石油化学工業の位置づけ

石油化学工業は、石油や天然ガスを出発原料としてさまざまな生産工程を経て、合成樹脂、合成繊維原料、合成ゴムなど多種多様な化学製品を製造する工業です。

その製品は日常生活のあらゆる分野に使われており、自動車、コ ンピュータ、電子・電気機器などの高度組立産業へ広く供給されています。世界的に高く評価されている日本の製品の品質を支えているのです。石油化学工業は、基礎素材を提供する産業として重大な使命を担っているのです。

具体的な製品としては、原油を精製して作られるナフサ(粗製ガソリン)を熱分解してエチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの基礎製品を製造し、さらにこれらからプラスチック、合成繊維原料、合成ゴム、塗料原料・溶剤、洗剤原料などの誘導品を製造しています。

総合化学メーカーとは

総合化学メーカーは一般的に基礎原料(川上)から誘導品(川中)、素材・各種製品(川下)までの一貫生産を行う企業と理解すれば良いです。

厳密な定義がある訳ではなく、エチレンセンターを保有する企業に限定して呼ぶ場合もあります。一般的には三菱ケミカルホールディングス、住友化学、三井化学、昭和電工、東ソー、旭化成の6社を指す場合も多いですが、この6社に信越化学工業やUBE株式会社(旧社名:宇部興産)を加える場合もあります。

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総合化学メーカーの概況

それでは総合化学メーカーと呼ばれる大手企業の現況を直近の有価証券報告書(年度決算)を中心にみていきましょう。

株式会社三菱ケミカルホールディングス

2022年3月期連結決算 (2021年度)

売上収益 (百万円) 3,976,948
税引前利益(百万円) 290,370
当期利益(百万円) 209,405
親会社の所有者に帰属する
当期利益・損失(百万円)
177,162
当期包括利益(百万円) 332,834
親会社の所有者に帰属する
当期包括利益 (百万円)
268,003
従業員数(人) 69,784
外、平均臨時雇用者数 6,297
子会社 466社
関連会社 159社

三菱ケミカルホールディングスグループは子会社466社及び関連会社等159社から構成されており、持株会社である三菱ケミカルホールディングスのもと、三菱ケミカル(株)、田辺三菱製薬(株)、(株)生命科学インスティテュート及び日本酸素ホールディングス(株)の4社を事業会社として、機能商品、 素材及びヘルスケアの3つの分野で事業を展開しています。

各分野はさらに、機能商品、ケミカルズ、産業ガス、ヘルスケアの4つのセグメント及びその他部門の事業区分に分かれており、三菱ケミカルは機能商品、ケミカルズ、その他セグメント、田辺三菱製薬はヘルスケア(医薬品)、生命科学インスティテュートはヘルスケア・ライフサイエンス、日本酸素ホールディングスは産業ガスのセグメントを担っています。

2022年3月期(2021年度)の連結業績概要

2021年度は新型コロナウイルス感染症による影響から各国の経済活動に持ち直しの動きがみられる中で、国内外の需要が前期(2020年4月~2021年3月)に比べ回復基調で推移しました。

2022年3月期末時点での事業環境は、資源価格の動向を背景に原燃料価格の継続的な上昇や、2022年2月からはウクライナ情勢の影響を受けて更に高騰するなど、不透明感のある状況となっています。

三菱ケミカルホールディングスグループの2022年3月期 (2021年4月1日~2022年3月31日)の連結業績は、売上収益が、3兆9,769億円(前連結会計年度比7,194億円増)と大幅な増収となっています。

利益面では、コア営業利益は2,723億円(同976億円増)、営業利益は3,032億円(同2,557億円増)、税引前利益は2,904億円(同2,575億円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、1,772億円(同1,848億円増)となり、大幅な増収増益の決算となっています。

事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2022年3月期セグメント別業績

セグメント名 外部収益 売上構成比 営業利益(百万円) 利益構成比
機能商品 1,136,341 28.6% 78,724 27.3%
ケミカルズ 1,287,915 32.4% 102,163 35.5%
産業ガス 950,111 23.9% 98,921 34.4%
ヘルスケア 403,638 10.1% -6,974 -2.4%
その他の事業 198,943 5.0% 15,048 5.2%
合計 3,976,948 100.0% 287,882 100.0%
調整額 -15,540
計上額 3,976,948 100.00% 272,342

三菱ケミカルグループの中期経営計画

三菱ケミカルグループは、環境・社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会を皆さまと一緒に築くことを「KAITEKI実現」としてビジョンに掲げています。

経済性や資本効率の追求(MOE)、イノベーションの追求(MOT)、サステナビリティの向上(MOS)を経営の3つの基軸として、これらに沿った企業活動を通じて生み出される価値の総和を企業価値(=KAITEKI価値)と捉え、その向上に努める「KAITEKI経営」を実践して事業を展開しています。

三菱ケミカルホールディンスは2025年度までの中期経営計画において成長戦略を策定し、業績を継続的に向上させるとともに、グループで主要課題に果敢に取り組む体制を整える方針です。

2025年度までを対象とする経営方針「Forging the future 未来を拓く」の重要ポイントは以下の通りです。

  1. 市場の成長性、競争力、サステナビリティにフォーカスしたポートフォリオ
  2. 分離・再編し、独立化を進める事業
  3. グループ会社全体におけるコスト構造改革
  4. 戦略遂行のためのスリムな組織
  5. 戦略的なキャピタル・アロケーション

また最重要戦略市場を、カーボンニュートラルに貢献するスペシャリティマテリアルズと位置づけ、注力市場を以下のように設定しています。

  • エレクトロニクス:
    • EV:モビリティ軽量化材料、車載用電池材料、ワイドバンドギャップ半導体
    • デジタル:半導体材料、高速通信関連材料

 

  • ヘルスケア&ライフサイエンス
    • 食品:機能性食品材料、ニュートリション、長期保存用材料
    • ヘルスケア:ワクチン、中枢神経、免疫炎症

 

  • その他強みを有する市場
    • その他市場:モビリティ、産業、住生活環境

採用活動はホールディングカンパニーとそれぞれの事業会社毎に行われていますので、志望する場合は、新しい中期経営計画の概要を頭に入れた上で、個別の企業研究を徹底して行いましょう。

住友化学株式会社

2022年3月期連結決算(2021年度)

売上収益 (百万円) 2,765,321
税引前利益(百万円) 251,136
当期利益(百万円) 186,437
親会社の所有者に帰属する
当期利益(百万円)
162,130
包括利益(百万円) 254,867
親会社の所有者に帰属する
当期包括利益 (百万円)
229,765
従業員数(人) 34,703
外、平均臨時雇用者数 3,814
関係会社 296社

住友化学グループは、住友化学および関係会社296社から構成され、以下のセグメントで事業を展開しています。

主な事業セグメントは以下の通りです。

  • 石油化学:石油化学品、無機薬品、合繊原料、有機薬品、合成樹脂、メタアクリル、合成樹 脂加工製品等の製造・販売
  • エネルギー・機能材料:アルミナ製品、アルミニウム、化成品、添加剤、染料、合成ゴム、エンジニアリングプラスチックス、電池部材等の製造・販売
  • 情報電子化学:光学製品、カラーフィルター、半導体プロセス材料、化合物半導体材料、タッチセンサーパネル等の製造・販売
  • 健康・農業関連事業:農薬、肥料、農業資材、家庭用・防疫用殺虫剤、熱帯感染症対策資材、飼料添加物、医薬化学品等の製造・販売
  • 医薬品:医療用医薬品、放射性診断薬等の製造・販売
  • その他: 電力・蒸気の供給、化学産業設備の設計・工事監督、運送・倉庫業務、物性分析・環境分析業務等

2022年3月期(2021年度)の連結業績概要

新型コロナウイルス感染症拡大の長期化やサプライチェーンの混乱、ロシアのウクライナ侵攻による資源価格の高騰や米国のインフレ拡大等の難しい経営環境の中、住友化学グループは、中期経営計画(2019年度~2021年度)に基づき、生産性の飛躍的向上とイノベーションの加速により、サステナブルな社会の実現とグループの持続的な成長を目指して事業を展開してきました。

その結果、2022年3月期(2021年度)の住友化学の連結業績は、売上収益が、前連結会計年度に比べ4,783億円増加し、2兆7,653億円となり、大幅な増収となっています。

利益面では、コア営業利益が2,348億円、営業利益は2,150億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,621億円となり、それぞれ前連結会計年度を上回り、大幅な増収増益の決算となっています。

2022年3月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2022年3月期セグメント別業績

セグメント名 外部顧客売上収益(百万円) 売上構成比 営業利益・損失(百万円) 利益構成比
石油化学 842,511 30.5% 53,515 21.3%
エネルギー・機能材料 316,386 11.4% 20,058 8.0%
情報電子化学 473,742 17.1% 57,827 23.0%
健康・農業関連事業 473,778 17.1% 42,253 16.8%
医薬品 591,709 21.4% 61,712 24.6%
その他の事業 67,195 2.4% 15,784 6.3%
合計 2,765,321 100.0% 251,149 100.0%
調整・その他 -16,370
計上額 2,765,321 100.00% 234,779

住友化学の中期経営計画

2022-24年度中期経営計画

住友化学グループは、現在2022年度から2024年度(2025年3月期まで)を対象とした、新たな中期経営計画を策定し、事業を展開しています。

新たな中期経営計画のスローガンは、前中期経営計画から据え置いたChange and Innovationとし、副題をwith the Power of Chemistryとしています。

住友化学の最大の強みである事業・技術・地域・人材の多様性と、サステナビリティやデジタル革新など、環境変化がもたらす成長機会とをかけあわせることで、総合化学の「Power」を最大限に発揮することを標榜しています

2022-24年度中期経営計画の基本骨子は以下の通りです。

  1. 事業ポートフォリオの高度化(事業の強化と変革):
    • GX(グリーントランスフォーメーション)*の視点を加え、環境負荷低減に関する分野への積極投資を行うとともに、半導体・電池材料などの高機能材料への投資も拡充し、事業ポートフォリオの高度化を推進
  2. 財務体質の改善:
    • ROI志向経営の徹底、投資の厳選、そしてキャッシュ・フロー創出力の強化を行い、2024年度末でD/Eレシオ(有利子負債/純資産)0.7倍を目指す
  3. 次世代事業の創出加速:
    • 環境、ヘルスケア、食糧、ICTの重点4分野において、前中期経営計画中に整備したイノベーションの基盤を活用し、研究開発の加速および、早期の事業化を目指す
  4. カーボンニュートラルへ向けた責務と貢献:
    • カーボンニュートラルの実現に向け、燃料転換などにより自社の温室効果ガス(GHG)排出量をゼロに近づける「責務」と、環境負荷低減に資する製品や技術を通じた社会のGHG削減への「貢献」の両面で取り組みを進める
  5. デジタル革新による生産性の向上と事業強化:
    • 前中期経営計画での生産性向上の取り組み継続に加え、顧客接点強化などの取り組みによる既存事業の競争力強化を行い、また、DX人材の育成を推進
  6. 持続的成長を支える人材の確保と育成・活用:
    • 最重要の経営資源である人材の確保と育成を長期的な視点で推進するとともに、エンゲージメントの強化に取り組む
  7. コンプライアンスの徹底と安全・安定操業の継続:
    • 「安全をすべてに優先させる」という原則を今一度徹底し、安全・安定操業の維持・向上を実現するとともにコンプライアンスの徹底に努める

*GX(グリーントランスフォーメーション)とは、企業における温室効果ガスの排出源である化石燃料や電力の使用を、再生可能エネルギーや脱炭素ガスに転換することで、社会経済を変革し、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という、カーボンニュートラルにいち早く移行することを成長の機会ととらえる考え方

中期計画はカーボンニュートラルへの対応や環境、ヘルスケア、食糧、ICT等の化学メーカーにとっての成長の機会となり得る分野に投資や研究開発を積極的に行う方針となっています。

採用活動は住友化学とそれぞれの事業会社毎に行われていますので、志望する場合は、新しい住友化学の中期経営計画の概要を頭に入れた上で、個別の企業研究を徹底して行いましょう。

旭化成株式会社

2022年3月期連結決算 (2021年度)

売上高 (百万円) 2,461,317
経常利益(百万円) 212,052
親会社株主に帰属する当期利益(百万円) 161,880
包括利益(百万円) 261,502
従業員数(人) 46,751
関係会社 351社

旭化成の事業セグメントは、マテリアル、住宅、ヘルスケア、その他に分かれています。

  • マテリアルの下には、基礎マテリアル事業、パフォーマンスプロダクツ事業、スペシャルティソリューション事業を展開
  • 住宅セグメントでは住宅事業、建材事業
  • ヘルスケアセグメントでは医薬事業、医療事業、クリティカルケア事業を展開
  • その他事業下には、エンジニアリング事業、各種リサーチ、情報提供事業、人材派遣・紹介事業など

2022年3月期(2021年度)の連結業績概要

2022年3月期(2021年度)の旭化成グループの連結業績は、マテリアル及び住宅領域では新型コロナウイルスの感染拡大による影響を大きく受けた前連結会計年度(2020年4月~2021年3月:以下、「前期」)比で大幅な増収となっています。

ヘルスケア領域では、前期のCOVID-19感染症の治療等に貢献する事業の増収要因がなくなったものの、それ以外の事業が堅調に推移して微増収となったことから、グループ連結の売上高は2兆4,613億円となり前期比3,553億円の増収を達成しています。

利益面では、営業利益が2,026億円で前期比308億円の増益、経常利益は2,121億円で前期比340億円の増益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に発生した半導体工場火災関連の費用やVeloxis Pharmaceuticals, Inc.の組織再編に伴う税金費用の低減があったことから、1,619億円と前期比821億円の大幅な増益となっています。

2022年3月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2022年3月期セグメント別業績

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 営業利益(百万円) 利益構成比
マテリアル 1,198,246 48.7% 110,274 46.2%
住宅 833,351 33.9% 73,159 30.6%
ヘルスケア 415,883 16.9% 52,159 21.8%
その他の事業 13,838 0.6% 3,247 1.4%
合計 2,461,317 100.0% 238,838 100.0%

旭化成グループでは、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します。」というグループ理念のもと、「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を通して、社会に新たな価値を提供することをグループビジョン(目指す姿)として掲げています。

また従業員の持つべき共通の価値観を「誠実」「挑戦」「創造」と定めており、すべてのステークホルダーに対し「誠実」に経営することを通じて、社会の課題解決や事業環境の変化に積極果敢に「挑戦」し、絶えず新たな価値を「創造」することで、事業を通じて企業の社会的責任を果たしていくことを基本方針にしています。

旭化成を目指す皆さんは、この共通の価値観を重視してエントリーシートの作成や面接に臨んでください。

旭化成の中長期経営計画

旭化成は、2022年4月に新中期経営計画2024~Be a Trailblazer~を発表しています。“「持続可能な社会の実現」への貢献と「持続的な企業価値の向上」”を掲げた前中期経営計画「Cs+(シーズプラス) for Tomorrow2021」の基本的な考え方は変わらず追求し、変化の大きな経営環境の中で、よりスピードを意識した取り組みを推進する方針となっています。

旭化成の2030年の目指す姿:

5つの価値提供分野:フォーカスする事業展開

  • カーボンニュートラル/循環型社会に貢献する「Environment & Energy」
  • 安全・快適・エコなモビリティに貢献する「Mobility」
  • より快適・便利なくらしに貢献する「Life Material」
  • 人生を豊かにする住まい・街に貢献する「Home & Living」
  • 生き生きとした健康長寿社会に貢献する「Health Care」

上記の事業機会に対して旭化成グループの「コア技術」「変革のDNA」「多様な人財」を強みとして、更なる成長を目指す

  • 2030年近傍には、営業利益4,000億円、ROE15%以上、ROIC10%以上を展望
  • グループのGHG排出量目標として2013年度比で30%以上の削減を目指す

この新しい中期経営計画を、2030年の目指す姿に向けたファーストステップとして位置付け、「次の成長事業への重点リソース投入」とともに、「成長投資の刈り取りと戦略再構築事業の改革」も並行して進めることに加えて、中期視点での抜本的構造転換に着手し、「事業ポートフォリオの進化」を追求する方針となっています。

中期計画の最終年度である、2024年度の目標として、営業利益2,700億円、ROE11%以上、ROIC8%以上を目指します。

また新中期経営計画2024~Be a Trailblazerでは、次の成長を牽引する10の事業を、「10のGrowth Gears(以下、GG10)」として設定しています。

具体的には、以下の領域・事業となっています。

  • マテリアル領域:「水素関連」、「CO2ケミストリー」、セパレータを含む「蓄エネルギー」、「自動車内装材」、「デジタル関連ソリューション」の5つ、
  • 住宅領域:「北米・豪州住宅」の展開に加えて、「環境配慮型住宅・建材」
  • ヘルスケア領域:「クリティカルケア」、「グローバルスペシャリティファーマ」、「バイオプロセス」の3つになります。

これらの事業領域をカバーする旭化成及びグループ各社を志望する方は、企業研究や事業内容の研究を進めて、自分自身のキャリアビジョンと重ねてみる等の活用をしてみましょう。

三井化学株式会社

2022年3月期連結決算(2021年度)

売上高 (百万円) 1,612,688
税引前利益 (百万円) 141,274
当期純利益(百万円) 118,551
親会社株主に帰属する当期利益(百万円) 109,990
当期包括利益(百万円) 150,700
親会社の所有者に帰属
する当期包括利益 (百万円)
139,352
従業員数(人) 18,780
子会社 131社
関連会社・共同支配会社 28社

三井化学の事業セグメントは他の総合化学メーカーとは一線を画し、特定事業を選択・集中するという戦略が色濃く反映されています。主要セグメントは以下の通りです。

  • モビリティ:自動車産業に特化した化学素材ソリューションの提供。具体的には、エラストマー、機能性コンパウンド、機能性ポリマー及びポリプロピレン・コンパウンドの製造・販売並びに自動車等工業製品の新製品開発支援業務を事業化
  • ヘルスケア:ヘルスケアセグメントにおける、ビジョンケア材料、不織布、歯科材料及びパーソナルケア材料の製造・販売
  • フード&パッケージング:コーティング・機能材、機能性フィルム・シート及び農薬の製造及び販売事業
  • 基盤素材:石化原料(エチレン・プロピレン等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、触媒、フェノール類、高純度テレフタル酸、ペット樹脂、ポリウレタン材料及び工業薬品の製造・販売

注意:三井化学では2022年4月に新たに作成した2020年を見据えての長期経営計画「VISION 2030」に基づき、事業本部を「ライフ&ヘルスケアソリューション」、「モビリティソリューション」、「ICTソリューション」、「ベーシック&グリーンマテリアルズ」の4つに再編しています。

2022年3月期(2021年度)の連結業績概要

2022年3月期(2021年度)の三井化学の連結業績は、売上収益が、前連結会計年度(以下、前年度)に比べ4,010億円増収(33.1%増)の、1兆6,127億円となっています。

増収の理由はナフサなどの原燃料価格の上昇に伴う販売価格上昇の影響があったことに加え、経済活動の再開に伴う需要回復により各セグメントにおいて販売数量が増加したことなどによるものです。

海外売上収益は7,709億円となり、売上収益全体に占める割合は前年度に比べ0.5ポイント増の47.8%に達しています。

利益面では、市況が上昇したことによる交易条件の改善に加え、各セグメントにおける販売数量の増加や持分法投資利益が増加したことなどにより、コア営業利益が、前連結会計年度に比べ767億円増(90.1%増)の増益で1,618億円となっています。

営業利益は、コア営業利益の増加に伴い、前連結会計年度に比べ692億円増(88.7%増)の1,473億円、税引前利益は、前連結会計年度に比べ671億円増(90.3%増)の1,413億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ521億円増(90.1%増)の1,100億円大幅な増益の決算となっています。

2022年3月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2022年3月期セグメント別業績

セグメント名 外部顧客売上収益(百万円) 売上構成比 セグメント利益・損失(百万円) 利益構成比
モビリティ 411,622 25.5% 49,015 28.9%
ヘルスケア 164,544 10.2% 19,789 11.7%
フード&パッケージング 235,167 14.6% 26,557 15.7%
基盤素材 786,330 48.8% 75,153 44.4%
その他の事業 15,025 0.9% -1,157 -0.7%
合計 1,612,688 100.0% 169,357 100.0%
調整額 -7,542
計上額 1,612,688 100.0% 161,815

三井化学の中長期計画

三井化学では2030年を見据えて、長期経営計画を見直し15〜20年先に目指すべき企業グループ像を改定し、「化学の力で社会課題を解決し、多様な価値の創造を通して持続的に成長し続ける企業グループ」と定義しています。

目指すべき企業グループ像に向けた通過点となる2030年においては、大きく変容して行く社会環境や課題に正面から対峙し、三井化学グループが新成長戦略を実現する姿を「未来が変わる。化学が変える。Chemistry for Sustainable World変化をリードし、サステナブルな未来に貢献するグローバル・ソリューション・パートナー」であると定義しています。

2022年度は、以下を重点戦略の柱として、取り組みを強化しています。

  1. 事業ポートフォリオ変革の追求
  2. ソリューション型ビジネスモデルの構築
  3. サーキュラーエコノミーへの対応強化
  4. DXを通じた企業変革
  5. 経営基盤・事業基盤の変革加速

三井化学を志望する皆さんは、中長期の経営計画の概要を理解し、近未来への方向性を良く理解し手志望動機作成の参考にしてください。

信越化学工業株式会社

2022年3月期連結決算  (2021年度)

売上高 (百万円) 2,074,428
経常利益(百万円) 694,434
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 500,117
包括利益(百万円) 668,238
従業員数(人) 24,954
外、平均臨時雇用者数
子会社 132社
関連会社 12社

信越化学の事業セグメントは、以下のような分類になります。

  • 生活環境基盤材料事業:塩化ビニル、か性ソーダ、メタノール、クロロメタン、ポバールの製造・販売
  • 電子材料事業:半導体シリコン、希土類磁石、(電子産業用・一般用)、半導体用封止材、LED用パッケージ材料、フォトレジスト、マスクブランクス、合成石英製品の製造・販売
  • 機能材料事業:シリコーン、セルロース誘導体、金属珪素、合成性フェロモン、塩ビ・酢ビ共重合樹脂、液状フッ素エラストマー、ペリクルの製造・販売
  • 加工・商事・技術サービス事業:樹脂加工製品、技術・プラント輸出、商品の輸出入、エンジニアリング

信越化学工業は何十年も優良企業としての評価を受けている企業であり、財務の健全性は日本企業のトップクラスです。信越化学工業は、主要事業において確固としたシェアを有しているのが最大の強みです。塩ビ、合成石英、半導体シリコン事業においては世界シェア1位、時価総額においては世界の化学メーカーで第11位(国内1位)となる圧倒的な存在です。「フル生産、全量販売」の方針の下、「強い企業」のポジションを維持している企業です。

2022年3月期(2021年度)の連結業績概要

2022年3月期(2021年度)における、信越化学工業の連結業績は、売上高が、前期に比べ38.6%(5,775億2千2百万円)増加して2兆744億2千8百万円となり、大幅な増収となっています。

利益面では、営業利益が前期に比べ72.4%(2,841億9百万円)増加し、6,763億2千2百万円となり、経常利益は、前期に比べ71.4%(2,893億3千3百万円)増加し、6,944億3千4百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ70.3%(2,063億8千5百万円)増加し、5,001億1千7百万円となり、大幅な増収・増益、最高益を大きく更新した決算となっています。

2022年3月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2022年3月期セグメント別業績

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益(百万円) 利益構成比
生活環境基盤材料事業 857,189 41.3% 317,792 46.9%
電子材料事業 708,979 34.2% 244,778 36.1%
機能材料事業 395,626 19.1% 94,774 14.0%
加工・商事・技術サービス事業 112,632 5.4% 20,910 3.1%
合計 2,074,428 100.0% 678,255 100.0%
調整額 -1,933
計上額 2,074,428 100.0% 676,322

信越化学工業は、素材と技術によって他の追随できない価値を社会と産業のために生み出し、顧客や産業の課題解決に資する製品を数多く開発することを目指しています。

その製品が用いられれば用いられるほど産業と人々の暮らしに貢献できるというように取り組み、世界の産業と人々の生活を支えるエッセンシャルサプライヤーとしての役割を果たすことを標榜しています。

主要国が温室効果ガス排出量の削減目標を設定し、いわゆるカーボンニュートラル(気候中立)の達成に向けての動きが加速しています。

信越化学工業の事業には総じて、それ自体が温室効果ガス排出量の削減に役立つものが揃っており、加えて、温室効果ガス排出量の削減に役立つ技術の導入にも注力しています。

経営面では、目標としている経営指標が「年次ごとの増収、増益」と非常にシンプルであるところに、信越化学工業らしさが現れています。

就活で信越化学工業を目指す皆さんは、時代の変化に素早く対応することで、年次ごとの増収増益を経営指標としている企業の哲学や事業の方向性、企業の社会的な意義を良く理解して臨んで下さい。

昭和電工株式会社

2021年12月期連結決算 (2021年度)

売上高 (百万円) 1,419,635
経常利益・損失(百万円) 86,861
親会社株主に帰属する当期当期純利益・純損失(百万円) -12,094
包括利益(百万円) 50,925
従業員数(人) 26,054
関係会社 192社

昭和電工の事業セグメントは以下のようになっています。

  • 石油化学:オレフィン、有機化学品、合成樹脂等の製造・販売
  • 化学品:機能性化学品、産業ガス、基礎化学品、情報電子化学品、コーティング材料等の製造・販売
  • エレクトロニクス:ハードディスク、SiCエピタキシャルウェハー、化合物半導体、リチウムイオン電池材料等 の製造・販売
  • 無機 :黒鉛電極、セラミックス、ファインセラミックス等の製造・販売
  • アルミニウム:レーザービームプリンター用シリンダー、押出品、鍛造 品、熱交換器の製造・販売
  • 昭和電工マテリアルズ*:電子材料、配線板材料、モビリティ部材、ライフサイエンス関連製品等の製造・販売
  • その他:卸売、建材等の製造・販売等

注意:2022年1月、昭和電工株式会社と昭和電工マテリアルズ株式会社(旧:日立化成)は、両社の経営体制を一本化し、社長以下12名の両社共通の執行役員が両社のマネジメントを遂行する体制により実質的統合を実現しています。(2023年1月に完全統合予定)

2021年12月期(2021年度)の連結業績概要

2021年12月期の昭和電工の連結業績は、売上高が大幅な増収となる1兆4,196億35百万円(前連結会計年度比45.8%増)でした。

これは、大幅な減収要因となった子会社の昭光通商(株)の株式譲渡による非連結化や、アルミニウムセグメントもアルミ圧延品、アルミ缶の各事業売却により減収となったものの、石油化学セグメントの市況回復、化学品、エレクトロニクス、無機の各セグメントは新型コロナウイルスの影響を受け落ち込みの大きかった前連結会計年度に比べ数量が回復したことによります。さらに昭和電工マテリアルズセグメントの通期連結化が反映されたものです。

利益面では、営業利益が各セグメントで半導体供給不足に伴う自動車等生産減や、原材料価格高騰の影響を受けるなか、昭光通商(株)の非連結化によりその他セグメントが減益となりましたが、石油化学セグメントは主にナフサ要因の大幅な改善、無機セグメントは鉄鋼需要の回復に伴う販売数量の大幅な増加、昭和電工マテリアルズセグメントの通期連結化、化学品、エレクトロニクス、アルミニウムの3セグメントも諸施策の効果により増益となったことから、全体では大幅増益となる871億98百万円(同1,066億47百万円増)を達成しています。

その結果、経常利益は868億61百万円(同1,308億32百万円増)、親会社株主に帰属する当期純損益は、特別損失として蓄電デバイス・システム事業の譲渡に係る事業構造改善費用301億円、アルミ機能部材事業の生産拠点における環境対策費90億円等を計上したことにより、120億94百万円の損失となりましたが、前連結会計年度比では642億10百万円の大幅な改善になっています。

2021年12月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2021年12月期セグメント別業績

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益・損失(百万円) 利益構成比
石油化学 277,717 19.6% 20,701 20.7%
化学品 175,562 12.4% 21,597 21.6%
エレクトロニクス 119,470 8.4% 16,153 16.1%
無機 98,991 7.0% 14,412 14.4%
アルミニウム 72,434 5.1% 6,902 6.9%
昭和電工マテリアルズ 634,792 44.7% 20,316 20.3%
その他 40,668 2.9% -38 0.0%
合計 1,419,635 100.0% 100,043 100.0%
調整額 -12,845
計上額 1,419,635 100.0% 87,198

昭和電工の中長期計画

2022年1月、昭和電工(株)と昭和電工マテリアルズ(株)は、両社の経営体制を一本化し、社長以下12名の両社共通の執行役員が両社のマネジメントを遂行する体制により実質的統合を実現しています。(2023年1月に完全統合予定)

また、新マネジメント体制と新経営理念の始動に伴い統合新会社の経営理念を次のように発表しています。

統合新会社の経営理念:

  • Purpose/存在意義:化学の力で社会を変える
    • 先端材料パートナーとして時代が求める機能を創出し、グローバル社会の持続可能な発展に貢献する
  • Values/私たちが大切にする価値観:
    • プロフェッショナルとしての成果へのこだわり
      • 仕事に情熱と誇りを持つ
      • 実力主義、成果にこだわる
      • 結果、グローバルで認められる一流としての実力を持つ
    • 機敏さと柔軟性
      • 挑戦を称賛し失敗に寛容になる
      • 思考と行動に柔軟性とスピードを持つ
      • 結果、組織としての基本速度をあげる
    • 枠を超えるオープンマインド
      • 互いへの信頼と尊重を示す
      • オープンに、領域を定めず関わりあう
      • 結果、内外のステークホルダーとの共創を実現する
    • 未来への先見性と高い倫理観
      • 化学と真摯に向き合う
      • 数世代先の未来を見通す先見性を持つ
      • 化学技術への自律した倫理観と全てのステークホルダーに対する誠実さを持つ

 

統合新会社の目指す姿:

「世界トップクラスの機能性化学メーカー」を目指す中で、

質的な面、計数的な面それぞれを兼ね備えた「世界で戦える会社」、

イノベーションと事業開発力で「持続可能なグローバル社会に貢献する会社」、

他企業からも注目されるような「国内の製造業を代表する人材輩出企業」

を実現していく。

統合新会社の主要戦略:

「サステナビリティ」が全社戦略の根幹となる。

「世界トップクラスの機能性化学メーカー」に向け「プラットフォーム」を確立させ、サステナビリティが組み込まれた「グローバル水準の収益基盤の確立」、「ポートフォリオ経営の高度化」、「イノベーション」の各戦略を推進していく。

・グローバル水準の収益基盤の確立:世界で戦える会社のエントリーチケットとして、売上1兆円以上、EBITDAマージン20%以上という規模と収益性を追求していく。

・ポートフォリオ経営の高度化:重視してきた戦略適合性、ベストオーナーといった視点に加え、採算性・資本効率の視点をより一層取り込むべく管理指標としてROICを導入する。

これらの観点から引き続きポートフォリオの最適化に注力する方針であり、事業ポートフォリオの見直し・入替も継続することで、企業価値の最大化に取り組む。

「コア成長事業」(半導体材料・モビリティ部材等)に経営資源を集中し、成長を加速させる。全事業の画一的な成長ではなく、集中的な経営資源配分を行うコア成長事業が全社の成長をけん引し、世界で戦える会社の規模と収益性、資本効率を実現していく。

ポートフォリオ戦略に即した新たな開示セグメントへ変更:

  • 「半導体・電子材料」:半導体材料とHDそしてSiCエピタキシャルウエハーを含む電子機能材料
  • 「モビリティ」:モビリティ材料
  • 「イノベーション材料」:セラミックス・アルミ・樹脂等の基盤事業
  • 「ケミカル」:石油化学・化学品・黒鉛電極等
  • 「その他」:ライフサイエンス事業等

半導体材料への集中投資に代表されるポートフォリオ属性に応じたメリハリある経営資源配分やポートフォリオの見直し・入替と言った戦略の効果をより確認頂きやすい開示を目指す

・イノベーション:川中から川下までの幅広い材料・技術を有することで、川下の顧客ニーズを明確化すると共に複数技術の擦り合わせでイノベーションを発現し、顧客価値として提供

・プラットフォーム:これらの戦略を実現するため、新たな経営理念の浸透、変革をリードする新経営陣、人材育成を主軸とする新人事制度を推進

サステナビリティ:

パーパス「化学の力で社会を変える」に込められたサステナビリティの理念を経営の根幹におき、社会への価値提供を通じて持続的な成長と企業価値の向上を実現していく。そのために統合新会社としてのサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を「責任ある事業運営による信頼の醸成」、「イノベーションと事業を通じた競争力向上と社会的価値創造」、「自律的・創造的な人材の活躍と文化醸成」と再定義した。今後もサステナビリティ・マネジメントを強化していく。

この新たな経営目標に沿って、2030年までの新たな数値目標も定めています。

就活で昭和電工グループ各社を志望する方は、新統合会社の大きな方向性や戦略を、既に発表されているものや、これから発表されるものも含め、企業サイトにあるIR資料等で研究していきましょう。

東ソー株式会社

2022年3月期連結決算(2021年度)

売上高 (百万円) 918,580
経常利益(百万円) 160,467
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 107,938
包括利益(百万円) 119,605
従業員数(人) 13,858
子会社 102社
関係会社 15社

東ソー株式会社は、「東洋曹達工業株式会社」が1987年に社名変更をして現在に至っています。その化学品事業は、東ソー創業以来、経営と技術展開の原点となっており、アジア最大級の電解設備から苛性ソーダと塩素、水素を生産しています。

苛性ソーダは、紙・パルプや化学繊維、アルミナなど幅広い産業で使われ、塩素はEDCを経て塩ビモノマー、塩ビ樹脂とつながるビニル・チェーンをはじめ各種塩化物に展開。水素は石英素材の製造に利用されています。東ソーの主要セグメントは以下の通りです。

  • 石油化学事業:エチレン・プロピレン等オレフィン製品、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及び樹脂加工製 品、機能性ポリマー等の製造・販売
  • クロル・アルカリ事業:苛性ソーダ、塩化ビニルモノマー、塩化ビニル樹脂、無機・有機化学品、セメント、ウレタン原料等の 製造・販売
  • 機能商品事業:無機・有機ファイン製品、計測・診断商品、電子材料(石英ガラス、スパッタリングターゲット)、機能材 料等の製造・販売
  • エンジニアリング事業 :水処理装置、純水装置、イオン交換樹脂等の製造・販売及び」そのための原材料の供給。各種プラント工事、電気工事の設計・製作・取付・施工
  • その他事業:グループの製品・原材料の運送・荷役、保険代理の業務、石油化学製品、工業薬品等の販売、酸素、窒素、炭酸ガス等の製造・販売

東ソー株式会社は、2001から2021年の20年間で、合計5,684件の特許を取得しています。有機高分子化合物の製造または化学的加工、それに基づく組成物や有機化学などの技術領域の製品開発分野では大手の一角を占めています。

2022年3月期(2021年度)の連結業績概要

2022年3月期(2021年)の東ソーの連結業績は、売上高が、ナフサ等の原燃料価格及び海外製品市況の上昇による販売価格の上昇に加え、需要の回復による販売数量の増加により、9,186億円と前連結会計年度に比べ(以下、前年度比)1,857億円(25.3%)の増収となっています。

利益面では、営業利益が販売価格の上昇が原燃料高の影響を上回ることで交易条件が改善し、1,440億円となり前年度比562億円(64.0%)の増益、経常利益は、1,605億円となり前年度比653億円(68.7%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,079億円となり、前年度比447億円(70.6%)の増益となり、増収増益の決算となっています。

2022年3月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2022年3月期セグメント別業績

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益(百万円) 利益構成比
石油化学 177,185 19.3% 15,655 10.9%
クロル・アルカリ 361,623 39.4% 69,522 48.3%
機能商品 226,219 24.6% 43,535 30.2%
エンジニアリング 116,294 12.7% 12,280 8.5%
その他 37,257 4.1% 3,051 2.1%
合計 918,580 100.0% 144,045 100.0%
セグメント間取引調整他
計上額 918,580 100.0% 144,045 100.0%

東ソーは、2022年5月に2024年度を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を公表予定でしたが、ロシアによるウクライナ侵攻以降、原燃料価格は急激な変動を見せており、事業環境の先行きを合理的に見通すことが困難でると判断し、新たな中期経営計画の発表2022年8月に延期しています。

新たな中期経営計画においては、成長と脱炭素の両立を最大の経営課題と捉え、引き続きハイブリッド経営を基本としつつ、スペシャリティ事業の収益拡大に注力する方針です。

就活で東ソーグループ各社を志望する方は、採用サイトは当然のことですが、新たに策定・発表される中期経営計画を含め、企業サイトにあるIR資料等を参照しながら、企業研究を進めていきましょう。

UBE株式会社(旧社名:宇部興産株式会社)

2022年3月期連結決算 (2021年度)

売上高 (百万円) 655,265
経常利益(百万円) 41,549
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) 24,500
包括利益(百万円) 31,637
従業員数(人) 9,849
連結子会社・持分法適用会社非連結子会社・関係会社 137社

UBE株式会社及びそのグループ企業は化学、建材資材、機械、その他のセグメントで事業を展開しています。

各セグメントの主な製品・サービスは以下の通りです。

  • 化学:ナイロン樹脂、カプロラクタム(ナイロン原料)、工業薬品、ポリブタジエン(合成ゴム)、電池材料、ファインケミカル、ポリイミド、機能品等の製造、販売、医薬品(原体・中間体)の製造、販売
  • 建設資材:セメント、石灰石の製造・販売、資源リサイクル事業、石炭の輸入・販売、コールセンター(石炭中継基地)の運営及び電力供給事業
  • 機械:機械事業統括、成形機(ダイカストマシン、押出プレス、射出成形機)、産業機械(窯業機、運搬機、粉砕・破砕機、除塵機等)、橋梁・鉄構、製鋼品等の製造、販売
  • その他:不動産の売買、賃貸借および管理等

UBE株式会社(旧:宇部興産)は、2022年4月に「UBE株式会社(ユービーイー株式会社)」という新社名の下、化学事業持株会社へと経営構造を転換し新たなスタートを切っています。

今後は、スペシャリティ化学の企業グループとしてグローバルに持続的成長を図るとともに持続可能な社会への貢献に取り組み、機械事業やセメント関連事業については、持株会社としての経営を推進し、UBEグループとしての企業価値の最大化を図る体制となっています。

2022年3月期(2021年度)の連結業績概要

2022年3月期(2021年度)の宇部興産(現:UBE株式会社)の連結業績は、前連結会計年度に比べ413億7,600万円の増収となり、6,552億6,500万円という結果でした。

これは主に化学セグメントを中心に新型コロナウイルス対策の進展に伴う経済活動の回復を受けて需要が堅調に推移し、また原燃料価格の高騰などを背景に販売価格の是正も進んだことによります。

利益面では営業利益・経常利益が建設資材セグメントにおいて石炭価格上昇の影響等を受けましたが、化学品の販売価格改善の効果が大きく、前連結会計年度を上回りっています。

営業利益は181億3,600万円増の440億3,800万円、経常利益は182億5,600万円増の415億4,900万円、親会社株主に帰属する当期純利益は15億6,400万円増の245億円となり、増収・増益の決算となっています。

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2022年3月期連結決算セグメント別業績

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益(百万円) 利益構成比
化学 340,675 52.0% 35,472 79.6%
建設資材 217,353 33.2% 3,405 7.6%
機械 95,579 14.6% 5,130 11.5%
その他 1,658 0.3% 573 1.3%
合計 655,265 100.0% 44,580 100.0%
調整額 -542
計上額 655,265 100.0% 44,038

宇部興産は120年を超える歴史を刻むグループです。「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」という2つを創業の精神として受け継ぎ、時代と産業構造の変化に対応しながら、新たな技術への挑戦と自己変革を重ねて業容を多角化、拡大してきました。

2022年4月に「UBE株式会社」という新社名の下、化学事業持株会社へと経営構造を転換し新たなスタートを切っています。

UBEの長期戦略

UBEグループは、2030年の目指す姿とその達成に向けた経営施策を長期ビジョン「UBE Vision 2030 Transformation」として描き、2024年度までのアクションプランとなる3カ年の中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」を策定し、事業を展開しています。

将来の目指す姿と中期経営計画の基本方針は以下の通りです。

長期ビジョン:(2030年)の目指す姿

「地球環境と人々の健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学を中核とする企業グループ」

  • この目指す姿の実現に向け、「エネルギー負荷の低い」、「市況変動に左右されにくい」、「収益性の高い」スペシャリティ製品を主体とする事業構造への転換を進める
  • 事業構造改革と省エネ推進・プロセス改善等の施策により、温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標の達成を目指すとともに、環境に貢献する製品や技術の開発と実用化を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献する

中期経営計画の基本方針:

  1. スペシャリティ化学を中心にグローバルな利益成長を追求
  2. 地球環境問題に対応した事業構造改革の推進
  3. 持続的成長に向けた人的資本の充実
  4. DX(デジタルトランスフォーメション)の推進による企業価値の向上と顧客価値の創出
  5. ガバナンスの更なる向上

地球環境問題に対応した事業構造改の推進いついては、2021年4月に「UBEグループ 2050年カーボンニュートラルへの挑戦」を宣言しました。

石炭を主要なエネルギー源として事業展開してきたUBEグループは、エネルギー多消費型の事業構造を変革することが大きな課題であると認識し、自らの事業活動から排出されるGHGの実質排出量ゼロに挑戦するとともに、環境に貢献する製品・技術に関わる研究開発の推進とイノベーションの実用化により、社会全体のカーボンニュートラルに貢献していくことを標榜しています。

具体的な2030年度までの中期目標として、GHG排出削減率を50%(2013年度比)、環境貢献型製品・技術の連結売上高比率を60%以上にすることを目指しています。

UBEグループを志望する就活生は、時代の変化やその要請とともに、生まれ変わったUBEの中長期戦略を研究、理解して、自分の志望動機やキャリアビジョンの参考にしていきましょう。

大手化学素材メーカーの概況

総合化学メーカーとは一線を画しますが、規模という意味で特出している化学素材メーカーである東レ、花王、富士フィルム、AGCの概況は以下の通りです。

東レ株式会社

2022年3月期連結決算(2021年度)

売上高 (百万円) 2,228,523
税引前当期利益(百万円) 120,315
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 84,235
親会社の所有者に帰属する包括利益(百万円) 187,909
従業員数(人) 48,842
子会社 274社
関係会社 43社

東レは連結売上規模2兆2,285億円を誇る化学素材メーカーで、以下のセグメントで事業を展開しています。

  • 繊維事業: ナイロン・ポリエステル・アクリル等の糸・綿・紡績糸及び織編物、不織布、人工皮革、アパレル製品
  • 機能化成品事業: ナイロン・ABS・PBT・PPS等の樹脂及び樹脂成形品、ポリオレフィンフォーム、ポリエステル・ポリエチレン・ポリプロピレン等のフィルム及びフィルム加工品、合成繊維・プラスチック原料、ファインケミカル、電子情報材料、印写材料
  • 炭素繊維複合材料事業: 炭素繊維・同複合材料及び同成形品の製造・販売
  • 環境・エンジニアリング事業:  総合エンジニアリング、マンション、産業機械類、情報関連機器、水処理用機能膜及び同機器、住宅・建築・土木材料
  • ライフサイエンス事業: 医薬品、医療機器
  • その他: 分析・調査・研究等のサービス関連事業

2022年3月期(2021年度)の連結業績概要

東レグループは2020年5月より、「持続的かつ健全な成長」を目指し、「成長分野でのグローバルな拡大」、「競争力強化」、「経営基盤強化」を基本戦略とした新たな中期経営課題“プロジェクト AP-G 2022”を実行してきました。

中期計画2年目にあたる2022年3月期(2021年度)の東レグループの連結業績は、売上収益が前期比18.3%増の2兆2,285億円の大幅な増収となっています。

利益面では、事業利益は同46.3%増の1,321億円、営業利益は同80.0%増の1,006億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同83.9%増の842億円となり、大幅な増益を達成しています。

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2022年3月期連結決算セグメント別業績

セグメント名 外部顧客売上収益(百万円) 売上構成比 セグメント利益・損失(百万円) 利益構成比
繊維事業 836,182 37.5% 42,191 27.1%
機能化成品事業 910,000 40.8% 90,961 58.4%
炭素繊維複合材料事業 215,215 9.7% 1,581 1.0%
環境・エンジニアリング事業 199,285 8.9% 16,549 10.6%
ライフサイエンス事業 51,954 2.3% 1,373 0.9%
その他 15,887 0.7% 3,018 1.9%
合計 2,228,523 100.0% 155,673 100.0%
調整額 -23,610
計上額 2,228,523 100.0% 132,063

セグメントごとの売上収益は、前期に比べ、ライフサイエンス事業を除くすべてのセグメトで増収となり、事業利益は、すべてのセグメントで増益という結果でした。

東レの中長期計画:

東レグループは、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」に示す「2050年に向け東レグループが目指す世界」を長期ビジョンとして、その実現に向けて、マイルストーンとしてのTORAY VISION 2030における「2030年度に向けた数値目標」の達成を目指しています。

今後の事業環境は、人口分布・環境問題・技術イノベーションなどで大きな変化が想定され、産業構造や社会システムの変化により事業機会が創出される一方で、これまで存在した事業が縮小するリスクもあるため、産業の潮流の変化を的確に捉えて、「ビジネスモデルの変革」を進めながら「持続的かつ健全な成長」を実現することを目標としています。

東レグループは2020年5月より、「持続的かつ健全な成長」を目指し、「成長分野でのグローバルな拡大」、「競争力強化」、「経営基盤強化」を基本戦略とした新たな中期経営課題“プロジェクト AP-G 2022”を基に事業を展開しています。

中でも地球環境問題や資源・エネルギー問題の解決に貢献するグリーンイノベーション(GR)事業及び医療の充実と健康長寿、公衆衛生の普及促進、人の安全に貢献するライフイノベーション(LI)事業の拡大に注力しています。

就活で東レを志望する皆さんは、中長期の計画とその考え方、戦略をよく理解して、自分自身の就活の軸や志望動機に活かしていきましょう。

花王株式会社

2021年12月期連結決算(2021年度)

売上高 (百万円) 1,418,768
税引前利益(百万円) 150,002
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 109,636
親会社の所有者に帰属する包括利益(百万円) 161,686
従業員数(人) 33,507
外、平均臨時雇用者数 11,215
子会社 111社
関連会社 5社

花王の事業セグメントはコンシューマープロダクト事業、ケミカル事業、その他事業に分けられています。

コンシューマープロダクト事業は更にハイジーン&リビングケア事業、ヘルス&ビューティケア事業、ライフケア事業、化粧品事業に分かれています。

具体的な製品群は以下の通りです。

ハイジーン&リビングケア事業:

  • ファブリックケア製品:衣料用洗剤、洗濯仕上げ剤
  • ホームケア製品:台所用洗剤、住居用洗剤、掃除用紙製品
  • サニタリー製品:生理用品、紙おむつ

ヘルス&ビューティケア事業

  • スキンケア製品:化粧石けん、洗顔料、全身洗浄料
  • ヘアケア製品:シャンプー、コンディショナー、ヘアスタイリング剤、ヘアカラー、メンズプロダクツ
  • パーソナルヘルス製品:入浴剤、歯みがき、歯ブラシ、温熱用品

ライフケア事業

  • ライフケア製品:業務用衛生製品、健康飲料

化粧品事業

  • 化粧品:カウンセリング化粧品、セルフ化粧品

ケミカル事業も事業全体のシェアはコンシューマー事業と比較すれば低いですが、以下のカテゴリーと主要製品で事業を展開しています。

  • 油脂製品:高級アルコール、油脂アミン、脂肪酸、グリセリン、業務用食用油脂
  • 機能性材料製品:界面活性剤、プラスチック用添加剤、コンクリート用混和剤、道路用薬剤
  • スペシャルティケミカルズ製品:トナー、トナーバインダー、水性インクジェット用顔料インク、香料

2021年12月期(2021年度)の連結業績概要

花王グループの2021年12月期(2021年度)における連結業績は、売上高が前期に対して2.7%増の1兆4,188億円(実質0.3%増)という結果でした。

利益面では、将来の成長に向けた戦略転換のために、ベビー用紙おむつ事業の減損損失45億円、棚卸資産整理損25億円を計上したこともあり、営業利益が1,435億円(対前期321億円減)、営業利益率は10.1%という結果でした。

その結果税引前利益は1,500億円(対前期240億円減)、当期利益は、1,114億円(対前期167億円減)となり、減益の決算となっています。

主力である日本のトイレタリー (化粧品を除くコンシューマープロダクツ)市場は、前期並みの推移でしたが、化粧品市場は、前期並みに推移しましたが、感染症拡大前の水準までには回復していない状況となっています。

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2021年12月期連結決算セグメント別業績

セグメント名 外部売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益(百万円) 利益構成比
ハイジーン&リビングケア事業 496,845 35.0% 51,762 36.4%
ヘルス&ビューティケア事業 354,488 25.0% 49,684 34.9%
ライフケア事業 53,032 3.7% 3,614 2.5%
化粧品事業 239,335 16.9% 7,492 5.3%
ケミカル事業 275,068 19.4% 29,627 20.8%
合計 1,418,768 100.0% 142,179 100.0%
セグメント間取引調整他 1,331
計上額 1,418,768 100.0% 143,510

ケミカル事業の売上は、前年度2,692億円に対し、2021年度は3,143億円となり、前年比16.7%増、営業利益は前年度277億円に対し、296億円となり6.9%増という結果でした。

花王の中長期計画

花王グループは、2030年までにあるべき姿として、持続的な利益ある成長と社会のサステナビリティへの貢献との両立によって、これまでの『グローバルで存在感のある会社「Kao」』になるという将来像をさらに一歩進め、『グローバルで存在価値のある企業「Kao」』を目指しています。

ESGを通じて将来にわたって、人・社会・地球にとって価値のある存在になることを標榜し、環境(E)においては、ゼロ浪費、カーボンゼロを、社会(S)においては、無駄な消費がなくなることを願い、その人に寄り添った唯一無二のパーソナライズを進め、ガバナンス(G)をしっかりと効かせながら、最小限の資源で最大の価値を生み出す、”Maximum with minimum”を経営の指針としています。

また2030年のあるべき姿を実現するために、2025年までの5年間をカバーする中期経営計画「K25」を策定して事業を展開しています。豊かな持続的社会への道を歩む Sustainability as the only pathをビジョンとして、持続的社会に欠かせない企業になることを目的にして具体的な戦略を組んでいます。

花王グループ中期経営計画「K25」の骨子

Vision(ビジョン):持続可能で豊かな社会への道を歩む Sustainability as the only path

Concept(コンセプト):きれいを こころに 未来に

方針(目的):

  • 目的1:持続的社会に欠かせない企業になる
  • 目標:サステナブル自走社会をリードする:ESG投資=未来財務
  • 主要成果:
    • カーボンリサイクル(炭酸ガスを原料に転換する)
    • ポジティブリサイクル(再利用により新事業を創造する)
    • ストップパンデミック(感染症発生源を絶つ)
  • 目的2:投資して強くなる事業への変革
  • 目標:もうひとつの花王始動と基盤花王を強くする:“命を守る”を軸とするグローバル躍進
  • 主要成果:
    • 新事業:デジタル・プレシジョンヘルスケア始動(高精度生体解析と恒常性強化ソリューション)
    • 既存事業:ダントツ商品づくりへの投資・面事業の拡大
    • 化粧品、サニタリー事業:Next Innovation
  • 目的3:社員活力の最大化
  • 目標:活動生産性2倍:挑戦の見える化とオープンイノベーション
  • 主要成果:
    • 挑戦と貢献度に応じたフェアな報酬(グローバル全社員によるOKR活動実践)
    • 花王外の人財の積極的登用と協業成果倍増
    • デジタル花王への抜本改革(2023年完了)

目標とする経営指標:投下資本のコストを考慮した真の利益を表すEVAを経営の主指標とする

  • 株主等の資金提供者の視点を持って、資本を効率的に活用し利益を生み出す
  • EVAを継続的に増加させていくことが企業価値の増大につながり、株主だけでなく全てのステークホルダーの長期的な利益とも合致する
  • 事業規模の拡大を図りながら、EVAを増加させることを事業活動の目標とし、個別事業の評価、設備や買収等の投資評価、年度ごとの業績管理や報酬制度等に活用する

就活で花王を目指す皆さんは、企業理念である「花王ウェイ」や中長期の計画の概要、具体的な現在の進捗状況を理解しておきましょう。そのことにより、花王という企業の価値観や性格を理解することができます。

企業の社会的意義や今後の事業の方向性をしっかり理解して、自身の就活の軸や志望動機の参考にしてください。

富士フイルムホールディングス株式会社

2022年3月期連結決算(2021年度)

売上高 (百万円) 2,525,773
税金等調整前当期純利益(百万円) 260,446
当社株主帰属当期純利益(百万円) 211,180
当社株主帰属当期包括利益(百万円) 340,009
従業員数(人) 75,474
外、平均臨時雇用者数 9,564
子会社 280社
関連会社 31社

富士フイルムグループでは事業区分を大きく四つに分類してします。

ヘルスケア事業:

  • メディカルシステム機材、バイオ医薬品製造開発受託、細胞・培地・試薬等の創薬支援材料、医薬品、化粧品・サプリメント等

マテリアルズ事業:

  • 電子材料、ディスプレイ材料、産業機材、ファインケミカル、記録メディア、グラフィックコミュニケーションシステム機材、インクジェット機材等

ビジネスイノベーション事業(富士フイルム ビジネス イノベーション【旧:富士ゼロックスによる】)

  • デジタル複合機、ソリューション・サービス等

イメージング事業:

  • インスタントフォトシステム、カラーフィルム、写真プリント用カラーペーパー・サービス・機器、デジタルカメラ、光学デバイス等

富士フイルムグループは、写真感光材料やドキュメント等の事業で培った材料化学、光学、解析、画像等の幅広い基盤技術のもと、機能性材料、ファインケミカル、エレクトロニクス、メカトロニクス、生産プロセス等の技術領域で多様なコア技術を持っています。

これらの技術をさまざまな分野でビジネスを展開し重点事業分野への研究開発を進める一方、将来を担う新規事業の創出も進めています。

「バイオサイエンス&テクノロジー開発センター」と「精密プロセス技術センター」を設立し、バイオ医療の研究開発の加速、革新的なモノづくり基盤技術や新規事業創出を支える生産プロセス技術の開発にも注力しています。

2022年3月期(2021年度)の連結業績概要

2022年3月期における富士フイルムのグループ連結業績は、売上高がメディカルシステム事業、バイオCDMO事業、ライフサイエンス事業、電子材料事業等で売上を伸ばしたことにより2,525,773百万円(前年度比15.2%増)となり、増収となっています。

利益面では、営業利益が229,702百万円(前年度比38.8%増)となりました。税金等調整前当期純利益は260,446百万円(前年度比10.4%増)、当社株主帰属当期純利益は211,180百万円(前年度比16.5%増)となり、増収増益の決算となっています。

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2022年3月期連結決算セグメント別業績

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益(百万円) 利益構成比
ヘルスケア 801,743 31.7% 100,536 38.1%
マテリアルズ 627,118 24.8% 68,386 25.9%
ビジネスイノベーション 763,549 30.2% 57,914 22.0%
イメージング 333,363 13.2% 36,977 14.0%
合計 2,525,773 100.0% 263,813 100.0%
セグメント間取引調整他 -34,111
連結合計 2,525,773 100.0% 229,702

富士フイルムの中期経営計画

富士フイルムでは2021年4月15日に中期経営計画「VISION2023」を発表しています。

「VISION2023」では、「事業ポートフォリオマネジメント」と「キャッシュフローマネジメント」の強化等により、成長投資原資の確保と、重点・新規/将来性事業への経営資源の集中投下の循環の加速・強化を図ることで、「ヘルスケア・高機能材料の成長加速と、持続的な成長を可能とする強靭な事業基盤の構築」を進めていく計画です。

中期計画では事業を通じて「環境」「健康」「生活」「働き方」の課題に取り組み、各事業部門毎の成長戦略も具体的に示されています。

中期経営計画初年度の2021年度は、「営業利益」「税金等調整前当期純利益」「当社株主帰属当期純利益」いずれも過去最高を記録し、「VISION2023」で掲げた2023年度売上高2兆7,000億円、営業利益2,600億円達成に向けて順調なスタートを切っています。

就活で富士フイルムを目指す皆さんは、長期CSR計画「サステナブル バリュー プラン(Sustainable Value Plan)2030」と、その目標を達成するための中期経営計画の概要を理解し、自身の就活の軸や志望動機の作成に活かして下さい。

特にヘルスケア事業領域での成長戦略は、富士フイルムの方向性を色濃く反映した内容になっています。

AGC株式会社

2021年12月期 (2021年度)

売上高 (百万円) 1,697,383
税引前利益(百万円) 210,045
親会社の所有者に帰属する当期純利益(百万円) 123,840
親会社の所有者に帰属する包括利益(百万円) 231,244
従業員数(人) 55,999
外、平均臨時雇用者数 4,421
連結子会社 206社
持分法適用会社 27社

旧社名、旭硝子は日本を代表する素材メーカーの一つで、旧社名の通りガラスメーカーとしてフロート板ガラス、型板ガラス、網入り磨板ガラス、Low-E(低放射)ガラス、装飾ガラス、建築用加工ガラス(断熱・遮熱複層ガラス、防災・防犯ガラス、防・耐火ガラス等)、自動車用ガラス、車載ディスプレイ用カバーガラス等の製造を行っています。

2018年社名変更をして、AGC株式会社となっています。AGCはガラスセグメントの他に、電子と化学品のセグメントで事業を展開しています。

電子事業では、液晶用ガラス基板、ディスプレイ用特殊ガラス、車載ディスプレイ用カバーガラス、ディスプレイ用周辺部材、ソーラー用ガラス、産業用加工ガラス、半導体プロセス用部材、オプトエレクトロニクス用部材、照明用製品、理化学用製品等の製造・販売を行っています。

また化学品は塩化ビニル、塩化ビニル原料、苛性ソーダ、ウレタン原料、フッ素樹脂、撥水撥油剤、ガス、溶剤、医農薬中間体・原体、ヨウ素製品等が主力製品です。

上記の製品の他、グループではセラミックス製品、物流・金融サービス等も扱っています。

2021年12月期(2021年度)の連結業績概要

2021年12月期(2021年度)におけるAGCの連結業績は、売上高が前連結会計年度比(以下前年度比)2,851億円(20.2%)増の1兆6,974億円となり、大幅な増収という結果でした。

利益面では、営業利益は、前年度比1,304億円(172.1%)増の2,062億円、税引前利益は、欧州の自動車用ガラス事業とプリント基板材料事業に係る固定資産の減損損失の計上がありましたが、営業利益の増加に加え、北米建築用ガラス事業の事業譲渡益等を計上したことから、前年度比1,529億円(267.7%)増の2,100億円、親会社の所有者に帰属する当期純利益は、同911億円(278.5%)増の1,238億円の大幅な増益となっています。

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2021年12月期連結決算セグメント別業績

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント営業利益・営業損失(百万円) 利益構成比
ガラス 732,230 43.1% 27,747 13.4%
電子 303,049 17.9% 36,362 17.6%
化学品 629,487 37.1% 138,756 67.2%
セラミックス・その他 32,615 1.9% 3,497 1.7%
合計 1,697,383 100.0% 206,363 100.0%
調整額 -195
連結合計 1,697,383 100.0% 206,168

AGCの中長期計画

AGCは2021年2月に、長期経営戦略「2030年のありたい姿」およびその実現のための中期経営計画 AGCplus-2023 を定めています。

グループビジョンである、“Look Beyond”のもと、2030年のありたい姿を定義し、経営方針のAGC plus 2.0と中期経営計画の AGC Plus-2023を基に事業を展開しています。

グループビジョン“Look Beyond” におけるグループ全体で共有すべき最も重要な価値観及びグループメンバーが世代を超えて受け継ぎ、実践していく基本精神(スピリット):

私たちの価値観:

「イノベーション&オペレーショナル・エクセレンス(革新と卓越)」、

「ダイバーシティ(多様性)」、「エンバイロンメント(環境)」、「インテグリティ(誠実)」

私たちのスピリット:

“易きになじまず難きにつく”

AGCでは新経営方針AGC plus 2.0及び新長期経営戦略「2030年のありたい姿」を以下の通り定めています。

新経営方針AGC plus 2.0

  • 世の中に「安心・安全・快適」を
  • お客様・取引先様に「新たな価値・機能」と「信頼」を
  • 従業員に「働く喜び」を
  • 投資家の皆様に「企業価値を」
  • 将来世代に「より良い未来」をプラスする

新長期経営戦略 2030年のありたい姿

独自の素材・ソリューションの提供を通じてサステナブルな社会の実現に貢献するとともに継続的に成長・進化するエクセレントカンパニーでありたい

「2030年のありたい姿」実現のために、コア事業と戦略事業を両輪として、最適な事業ポートフォリオへの転換を図り、継続的に経済的・社会的価値を創出することを目指します。

建築用ガラス、自動車用ガラス、ディスプレイ、基礎化学品、フッ素化学品などのコア事業では、各事業の競争力を高め、強固で長期安定的な収益基盤を構築、また高成長分野であるエレクトロニクス、ライフサイエンス、モビリティの戦略事業においては、自社の強みを活かし、AGCグループの将来の柱となる高収益事業を創出・拡大する計画です。また新しい事業領域(エネルギー関連領域等)も積極的に探索していく方針です。

中期経営計画であるAGC plus-2023 の初年度にあたる2021年度は、戦略事業、コア事業それぞれにおいて設定した主要課題に取り組み、戦略事業では、エレクトロニクスやライフサイエンスを中心として積極投資を行い、コア事業では、クロールアルカリ事業の基盤を一段と強化し収益拡大に取り組むとともに、北米建築用ガラス事業の譲渡や、自動車用ガラス事業の生産ライン集約などの構造改革を実施しています。

これらの取り組みの結果、 AGC plus-2023 の財務目標の多くを2021年に前倒しで達成したことから、財務目標を大幅に上方修正しています。

就活でAGCを目指す皆さんは、各事業での中長期の課題と成長戦略を理解して、自身の就活の軸や志望動機の作成に活かしていきましょう。

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まとめ

以上、駆け足で総合化学メーカーと有力化学素材メーカーの現況をみてきました。いずれの企業も規模が大きく、産業を支える重要な役割を果たしています。

化学工業のキーワードは高付加価値化、成長分野への注力、新成長分野・市場への技術開発とグローバルオペレーションの高度化です。

そして、カーボンニュートラルという時代の要請やモビリティやエネルギー分野に必要不可欠な事業であるため、技術開発による一層の成長が期待される産業でもあります。

また業務面ではIoTによるビックデータ活用や、デジタル技術による業務改革、顧客との情報活用やパートナーシップの強化がこれからの課題です。

それぞれが特徴を持った優良企業なので、化学業界に興味を持ったら、徹底した企業研究を行って志望動機を固めていきましょう。

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