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【就活の業界研究】化学業界の構造と総合化学メーカーの概要をチェックしておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では化学業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

化学メーカーの7つのポイントを押さえよう

  • 化学メーカーのビジネスモデルを理解しよう
  • 化学メーカー、業界の現状と課題・未来
  • 化学メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 化学メーカーに働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
  • 化学メーカーに向く人、向かない人はどういう人か
  • 化学業界の構造
  • 総合化学メーカー主要各社の概況
産業の基盤ともいえる原料や素材を製造して日本経済を支え、規模が大きく経済に与える影響力や社会的な責任も大きい化学工業、化学素材メーカーの存在。この記事では化学工業界の構造と大手総合化学メーカーの概況をまとめました。就活生が、化学工業界に自分の未来を託したいと思うか、志望の意思を固める上での参考にして下さい。

化学業界の構造

化学業界は非常に幅広い業種を包含している業界です。整理する意味で総務省がまとめている「日本標準産業分類」による化学工業の分類によると、化学工業の下に「化学肥料」「無機化学工業製品」「有機化学工業製品」「油脂加工製品・石けん・合成洗剤・界面活性剤・塗料」「医薬品」「化粧品・歯磨・その他の化粧品調整品」「その他の化学工業」という業種がまとめられています。

この分類で分かりにくいのは「無機化学工業製品」、「有機化学工業製品」とは具体的に何を指すのか、そして「その他の化学工業」の中身でしょう。一つ一つ説明していきます。

無機化学工業とは

科学的には「機」=炭素を指し、「有機」は炭素を含むものを指し、「無機」は炭素を含まないものを指します。無機化学とは、すべての化学元素・単体ならびに無機化合物を研究対象とする化学の一分野であり、無機化学工業は原料・製品が無機化合物である化学工業で、硫酸工業,ソーダ工業,肥料工業,カーバイド工業,無機顔料製造業、圧縮ガス・液化ガス製造業、塩素製造業などが含まれます。

有機化学工業とは

有機化学工業には石油化学系基礎製品,脂肪族系中間製品,メタン誘導品,コールタール製品,環式中間物・合成染料・有機顔料,プラスチック,合成ゴムなどの製造業などが含まれますが、その中心は石油化学工業ということになります。石油化学工業は、石油や天然ガスを出発原料としてさまざまな生産工程を経て、多種多様な化学製品を製造する産業です。

その他の化学工業

その他の化学工業の中には、「火薬類」「農薬」「香料」「ゼラチン・接着剤」「写真感光材料」「天然樹脂製品・木材化学製品」「試薬」などが含まれています。

分類より事業の中身が本質

分類の仕方には色んな見方があり、分類そのものにそれほど意味はありません。就活初期段階では、化学業界にはだいたいどんな業種が含まれているのかのイメージが持てれば良いでしょう。たとえば2002年までは化学工業の下に「化学繊維」が含まれていましたが、現在化学繊維は「繊維工業」に分類されています。東レは国内唯一の総合繊維メーカーであると同時に有機合成化学・バイオテクノロジー・ナノテクノロジー・高分子化学という4つのコアテクノロジーを基盤に多様な事業を展開している化学メーカーなのです。

化学業界の中での石油化学工業の位置づけ

石油化学工業は、石油や天然ガスを出発原料としてさまざまな生産工程を経て、合成樹脂、合成繊維原料、合成ゴムなど多種多様な化学製品を製造する工業です。その製品は日常生活のあらゆる分野に使われており、自動車、コ ンピュータ、電子・電気機器などの高度組立産業へ広く供給されています。世界的に高く評価されている日本の製品の品質を支えているのです。石油化学工業は、基礎素材を提供する産業として重大な使命を担っているのです。

具体的な製品としては、原油を精製して作られるナフサ(粗製ガソリン)を熱分解してエチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの基礎製品を製造し、さらにこれらからプラスチック、合成繊維原料、合成ゴム、塗料原料・溶剤、洗剤原料などの誘導品を製造しています。

総合化学メーカーとは

総合化学メーカーは一般的に基礎原料(川上)から誘導品(川中)、素材・各種製品(川下)までの一貫生産を行う企業と理解すれば良いです。厳密な定義がある訳ではなく、エチレンセンターを保有する企業に限定して呼ぶ場合もあります。一般的には三菱ケミカルホールディングス、住友化学、三井化学、昭和電工、東ソー、旭化成の6社を指す場合も多いですが、この6社に信越化学工業や宇部興産を加える場合もあります。

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総合化学メーカーの概況

それでは総合化学メーカーと呼ばれる大手企業の現況を直近の有価証券報告書(年度決算)を中心にみていきましょう。

株式会社三菱ケミカルホールディングス

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上収益 (百万円)3,257,535
税引前利益(百万円)32,908
当期利益(百万円)22,722
親会社の所有者に帰属する
当期利益・損失(百万円)
-7,557
当期包括利益(百万円)160,551
親会社の所有者に帰属する
当期包括利益 (百万円)
97,068
従業員数(人)69,607
外、平均臨時雇用者数6,031
子会社506 社
関連会社160社

三菱ケミカルホールディングスグループは子会社506社及び関連会社等160社から構成されており、持株会社である三菱ケミカルホールディングスのもと、三菱ケミカル(株)、田辺三菱製薬(株)、(株)生命科学インスティテュート及び日本酸素ホールディングス(株)の4社を事業会社として、機能商品、 素材及びヘルスケアの3つの分野で事業を展開しています。

各分野はさらに、機能商品、ケミカルズ、産業ガス、ヘルスケアの4つのセグメント及びその他部門の事業区分に分かれており、三菱ケミカルは機能商品、ケミカルズ、その他セグメント、田辺三菱製薬はヘルスケア(医薬品)、生命科学インスティテュートはヘルスケア・ライフサイエンス、日本酸素ホールディングスは産業ガスのセグメントを担っています。

事業セグメント別の業績概要は以下の通りです。

2021年3月期セグメント別業績

セグメント名外部収益売上構成比営業利益(百万円)利益構成比
機能商品1,033,96231.7%61,32032.2%
ケミカルズ858,18026.3%14,1807.4%
産業ガス811,75624.9%85,06644.7%
ヘルスケア390,56912.0%17,9119.4%
その他の事業163,0685.0%11,9046.3%
合計3,257,535100.0%190,381100.0%
調整額-15,971
計上額3,257,535100.00%174,410

三菱ケミカルホールディングスグループの2021年3月期 (2020年4月1日~2021年3月31日)の業績は、上期に自動車用途等の需要が低調に推移するなど新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響を受けたものの、下期以降は経済活動の回復とともに国内外の需要が持ち直し、一部の製品において市況が改善するなど、全般的に回復基調となりました。

その結果、売上収益は、3兆2,575億円(前連結会計年度比3,230億円減)、利益面では、1,747億円(同201億円減)、営業利益は非経常項目においてヘルスケア分野に関連する減損損失等を計上したことにより475億円(同968億円減)、税引前利益は329億円(同891億円減)、親会社の所有者に帰属する当期利益(△損失)は、△76億円(同617億円減)で、減収減益の決算となっています。

三菱ケミカルグループは、環境・社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会を皆さまと一緒に築くことを「KAITEKI実現」としてビジョンに掲げています。

経済性や資本効率の追求(MOE)、イノベーションの追求(MOT)、サステナビリティの向上(MOS)を経営の3つの基軸として、これらに沿った企業活動を通じて生み出される価値の総和を企業価値(=KAITEKI価値)と捉え、その向上に努める「KAITEKI経営」を実践して事業を展開しています。

三菱ケミカルホールディンスは2025年度までの中期経営計画において成長戦略を策定し、業績を継続的に向上させるとともに、グループで主要課題に果敢に取り組む体制を整える方針です。

採用活動はホールディングカンパニーとそれぞれの事業会社毎に行われていますので、志望する場合は、新しい中期経営計画の概要を頭に入れた上で、個別の企業研究を徹底して行いましょう。

住友化学株式会社

2021年3月期連結決算(2020年度)

売上収益 (百万円)2,286,978
税引前利益(百万円)137,803
当期利益(百万円)68,074
親会社の所有者に帰属する
当期利益(百万円)
46,043
包括利益(百万円)135,960
親会社の所有者に帰属する
当期包括利益 (百万円)
108,727
従業員数(人)34,743
外、平均臨時雇用者数3,905
関係会社313社

住友化学グループは、住友化学および関係会社313社から構成され、以下のセグメントで事業を展開しています。

主な事業セグメントは以下の通りです。

  • 石油化学:石油化学品、無機薬品、合繊原料、有機薬品、合成樹脂、メタアクリル、合成樹 脂加工製品等の製造・販売
  • エネルギー・機能材料:アルミナ製品、アルミニウム、化成品、添加剤、染料、合成ゴム、エンジニアリングプラスチックス、電池部材等の製造・販売
  • 情報電子化学:光学製品、カラーフィルター、半導体プロセス材料、化合物半導体材料、タッチセンサーパネル等の製造・販売
  • 健康・農業関連事業:農薬、肥料、農業資材、家庭用・防疫用殺虫剤、熱帯感染症対策資材、飼料添加物、医薬化学品等の製造・販売
  • 医薬品:医療用医薬品、放射性診断薬等の製造・販売
  • その他: 電力・蒸気の供給、化学産業設備の設計・工事監督、運送・倉庫業務、物性分析・環境分析業務等

2021年3月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2021年3月期セグメント別業績

セグメント名外部顧客売上収益(百万円)売上構成比営業利益・損失(百万円)利益構成比
石油化学589,32325.8%-11,991-7.3%
エネルギー・機能材料245,24910.7%20,26512.4%
情報電子化学431,81918.9%39,73324.2%
健康・農業関連事業423,01118.5%31,54719.2%
医薬品546,45023.9%71,67243.7%
その他の事業51,1262.2%12,7527.8%
合計2,286,978100.0%163,978100.0%
調整・その他-16,363
計上額2,286,978100.00%147,615

住友化学グループの当連結会計年度の売上収益は、全世界的なコロナ禍の厳しい経営環境にあったものの、前連結会計年度の2兆2,258億円に比べ612億円増加し、2兆2,870億円と増収を達成しています。

利益面ではコア営業利益は1,476億円となり前連結会計年度を上回り、営業利益は1,371億円となり前連結会計年度と同水準でした。親会社の所有者に帰属する当期利益は460億円となり、前連結会計年度を上回る結果となっています。

住友化学及びグループでは、現在2019年度~2021年度中期経営計画、「Change &Innovation」を実行中です。

その計画では「次世代事業の創出を加速」として、「環境負荷低減」「食糧」「ヘルスケア」「ICT」の4つを重点分野とし、サステナブルな社会の実現に向けた次世代技術の開発、新規事業の創出に取り組んでいます。

その中でも、社会の気候変動問題に対する関心の広がりや、コロナ禍による人々の健康意識の高まりを受け、「環境負荷低減」と「ヘルスケア」の2分野には、特に注力していく計画です。

採用活動は住友化学とそれぞれの事業会社毎に行われていますので、志望する場合は、新しい住友化学の中期経営計画の概要を頭に入れた上で、個別の企業研究を徹底して行いましょう。

旭化成株式会社

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高 (百万円)2,106,051
経常利益(百万円)178,036
親会社株主に帰属する当期利益(百万円)79,768
包括利益(百万円)157,941
従業員数(人)44,497
関係会社333社

旭化成の事業セグメントは、マテリアル、住宅、ヘルスケア、その他に分かれています。

  • マテリアルの下には、基礎マテリアル事業、パフォーマンスプロダクツ事業、スペシャルティソリューション事業を展開
  • 住宅セグメントでは住宅事業、建材事業
  • ヘルスケアセグメントでは医薬事業、医療事業、クリティカルケア事業を展開
  • その他事業下には、エンジニアリング事業、各種リサーチ、情報提供事業、人材派遣・紹介事業など

2021年3月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2021年3月期セグメント別業績

セグメント名外部顧客売上高(百万円)売上構成比営業利益(百万円)利益構成比
マテリアル991,22747.1%66,46133.0%
住宅692,63932.9%63,54831.6%
ヘルスケア407,90419.4%67,60333.6%
その他の事業14,2810.7%3,8001.9%
合計2,106,051100.0%201,413100.0%

全世界的なコロナ禍での旭化成グループの連結業績の概況は、「ヘルスケア」セグメントはCOVID-19の治療等に貢献する事業を中心に前連結会計年度比で増収増益となりましたが、「マテリアル」セグメントでは世界経済悪化及び住宅領域における消費増税やCOVID-19による影響があったことから、売上高は2兆1,061億円となり前期比456億円の減収、営業利益は1,718億円で前期比55億円の減益、経常利益は1,780億円で前期比60億円の減益となっています。

また、親会社株主に帰属する当期純利益は、半導体工場火災の影響等による特別損失の計上等により、798億円と前期比242億円の減益となり、減収減益の決算となりました。

旭化成グループでは、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します。」というグループ理念のもと、「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を通して、社会に新たな価値を提供することをグループビジョン(目指す姿)として掲げています。

現在は「持続可能な社会の実現」への貢献と「持続的な企業価値の向上」を実現するため、2019年4月より3ヵ年の中期経営計画「Cs+(シーズプラス) for Tomorrow 2021」を進めています。「Cs+ for Tomorrow 2021」では、前 中 期 経 営 計 画  で 定 め た 「Compliance」、「Communication」、「Challenge」、「Connect」という“Cs”に、「Care for People」「Care for Earth」(人と地球の未来を想う)という2つの“C”を追加し、人びとと地球のサステナブルな発展に貢献していくことを標榜しています。

また従業員の持つべき共通の価値観を「誠実」「挑戦」「創造」と定めており、すべてのステークホルダーに対し「誠実」に経営することを通じて、社会の課題解決や事業環境の変化に積極果敢に「挑戦」し、絶えず新たな価値を「創造」することで、事業を通じて企業の社会的責任を果たしていくことを基本方針にしています。

旭化成を目指す皆さんは、この共通の価値観を重視してエントリーシートの作成や面接に臨んでください。

三井化学株式会社

2021年3月期連結決算(2020年度)

売上高 (百万円)1,211,725
税引前利益 (百万円)74,243
当期純利益(百万円)64,219
親会社株主に帰属する当期利益(百万円)57,873
包括利益(百万円)95,872
親会社の所有者に帰属
する当期包括利益 (百万円)
88,974
従業員数(人)18,051
子会社125社
関連会社31社

三井化学の事業セグメントは他の総合化学メーカーとは一線を画し、特定事業を選択・集中するという戦略が色濃く反映されています。主要セグメントは以下の通りです。

  • モビリティ:自動車産業に特化した化学素材ソリューションの提供。具体的には、エラストマー、機能性コンパウンド、機能性ポリマー及びポリプロピレン・コンパウンドの製造・販売並びに自動車等工業製品の新製品開発支援業務を事業化
  • ヘルスケア:ヘルスケアセグメントにおける、ビジョンケア材料、不織布、歯科材料及びパーソナルケア材料の製造・販売
  • フード&パッケージング:コーティング・機能材、機能性フィルム・シート及び農薬の製造及び販売事業
  • 基盤素材:石化原料(エチレン・プロピレン等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、触媒、フェノール類、高純度テレフタル酸、ペット樹脂、ポリウレタン材料及び工業薬品の製造・販売

2021年3月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2021年3月期セグメント別業績

セグメント名部顧客売上収益(百万円)売上構成比セグメント利益・損失(百万円)利益構成比
モビリティ315,48026.0%30,17733.3%
ヘルスケア143,93311.9%19,85221.9%
フード&パッケージング197,70016.3%21,98924.3%
基盤素材541,38244.7%19,64221.7%
その他の事業13,2301.1%-1,045-1.2%
合計1,211,725100.0%90,615100.0%
調整額-5,475
計上額1,211,725100.0%85,140

三井化学グループの売上収益は、前連結会計年度に比べ1,378億円減(10.2%減)の1兆2,117億円となりました。これは、ナフサなどの原燃料価格の下落に伴う販売価格下落の影響等があったことに加え、新型コロナウイルス感染症の影響等により販売数量が減少したことなどによるものです。

海外売上収益は6,557億円となり、売上収益全体に占める割合は前連結会計年度に比べ3.5ポイント増の54.1%でした。

利益面では、営業利益が前連結会計年度に比べ135億円増(20.9%増)の781億円、税引前利益は、前連結会計年度に比べ134億円増(22.1%増)の742億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ239億円増(70.4%増)の579億円となり、減収増益の決算となっています。

三井化学では2030年を見据えて、長期経営計画を見直し15〜20年先に目指すべき企業グループ像を改定し、「化学の力で社会課題を解決し、多様な価値の創造を通して持続的に成長し続ける企業グループ」と定義しています。

目指すべき企業グループ像に向けた通過点となる2030年においては、大きく変容して行く社会環境や課題に正面から対峙し、三井化学グループが新成長戦略を実現する姿を「未来が変わる。化学が変える。Chemistry for Sustainable World変化をリードし、サステナブルな未来に貢献するグローバル・ソリューション・パートナー」であると定義しています。

三井化学を志望する皆さんは、中長期の経営計画の概要を理解し、近未来への方向性を良く理解し手志望動機作成の参考にしてください。

信越化学工業株式会社

2021年3月期連結決算  (2020年度)

売上高 (百万円)1,496,906
経常利益(百万円)405,101
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)293,732
包括利益(百万円)262,230
従業員数(人)24,069
外、平均臨時雇用者数2,455
子会社131社
関連会社13社

信越化学の事業セグメントは、以下のような分類になります。

  • 塩ビ・化成品事業:塩化ビニル、か性ソーダ、メタノール、クロロメタンの製造・販売
  • シリコーン事業:シリコーンの製造・販売
  • 機能性化学品事業:セルロース誘導体、金属珪素、ポバール、合成性フェロモン、塩ビ・酢ビ系共重合樹脂の製造・販売
  • 半導体シリコン事業:半導体シリコンの製造・販売
  • 電子・機能材料事業:希土類磁石(電子産業用・一般用)、半導体用封止材、LED用パッケージ材料、フォトレジスト、マスクブランクス、合成石英製品、液状フッ素エラストマー、ペリクルの製造・販売
  • 加工・商事・技術サービス事業:樹脂加工製品、技術・プラント輸出、商品の輸出入、エンジニアリング
信越化学工業は何十年も優良企業としての評価を受けている企業であり、財務の健全性は日本企業のトップクラスです。信越化学工業は、主要事業において確固としたシェアを有しているのが最大の強みです。塩ビ、合成石英、半導体シリコン事業においては世界シェア1位、時価総額においては世界の化学メーカーで第11位(国内1位)となる圧倒的な存在です。「フル生産、全量販売」の方針の下、「強い企業」のポジションを維持している企業です。

2021年3月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2021年3月期セグメント別業績

セグメント名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
塩ビ・化成品事業469,76331.4%97,05124.7%
シリコーン事業208,32413.9%45,11211.5%
機能性化学品事業112,6327.5%21,8265.6%
半導体シリコン事業374,09725.0%144,10036.7%
電子・機能材料事業234,88315.7%70,29817.9%
加工・商事・技術サービス事業97,2046.5%14,3593.7%
合計1,496,906100.0%392,748100.0%
調整額-535
計上額1,496,906100.0%392,213

信越化学工業の2021年3月期の連結業績は、全世界的なコロナ禍による経済活動の抑制が影響し、売上高が前期に比べ3.0%(466億1千9百万円)減少し、1兆4,969億6百万円、営業利益は、前期に比べ3.4%(138億2千8百万円)減少し、3,922億1千3百万円、経常利益は、前期に比べ3.1%(131億4千1百万円)減少し、4,051億1百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ6.5%(202億9千5百万円)減少し、2,937億3千2百万円となり、減収減益となりました。

しかし、依然として高収益企業であることには変わりはありあせん。

信越化学工業は、素材と技術によって他の追随できない価値を社会と産業のために生み出し、顧客や産業の課題解決に資する製品を数多く開発することを目指しています。

その製品が用いられれば用いられるほど産業と人々の暮らしに貢献できるというように取り組み、世界の産業と人々の生活を支えるエッセンシャルサプライヤーとしての役割を果たすことを標榜しています。

主要国が温室効果ガス排出量の削減目標を設定し、いわゆるカーボンニュートラル(気候中立)の達成に向けての動きが加速しています。

信越化学工業の事業には総じて、それ自体が温室効果ガス排出量の削減に役立つものが揃っており、加えて、温室効果ガス排出量の削減に役立つ技術の導入にも注力しています。

就活で信越化学工業を目指す皆さんは、時代の変化に素早く対応することで、年次ごとの増収増益を経営指標としている企業の哲学や事業の方向性、企業の社会的な意義を良く理解して臨んで下さい。

昭和電工株式会社

2020年12月期連結決算 (2020年度)

売上高 (百万円)973,700
経常利益・損失(百万円)-43,971
親会社株主に帰属する当期当期純利益・純損失(百万円)-76,304
包括利益(百万円)-70,188
従業員数(人)33,684
関係会社239社

昭和電工の事業セグメントは以下のようになっています。

  • 石油化学:オレフィン、有機化学品、合成樹脂等の製造・販売
  • 化学品:機能性化学品、産業ガス、基礎化学品、情報電子化学品、コーティング材料等の製造・販売
  • エレクトロニクス:ハードディスク、化合物半導体、レアアース磁石合金、リチウムイオン電池材料等 の製造・販売及びリチウムイオン電池材料事業
  • 無機 :黒鉛電極、セラミックス、ファインセラミックス等の製造・販売
  • アルミニウム:コンデンサー用高純度箔、レーザービームプリンター用シリンダー、押出品、鍛造 品、熱交換器、飲料用缶等の製造・販売
  • 昭和電工マテリアルズ*:電子材料、配線板材料、モビリティ部材、蓄電デバイス・システム、ライフサイエンス関連製品等の製造・販売
  • その他:卸売、建材等の製造・販売等
    • *日立製作所の主要子会社の化学大手、日立化成を買収、連結子会社化したことにより新しいセグメントとして追加

2020年12月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2020年12月期セグメント別業績

セグメント名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益・損失(百万円)
石油化学184,17318.9%4,927
化学品139,51714.3%13,481
エレクトロニクス96,2969.9%9,133
無機77,1587.9%-32,300
アルミニウム73,5597.6%421
昭和電工マテリアルズ302,68731.1%-6,303
その他100,31010.3%1,199
合計973,700100.0%-9,443
調整額-10,006
計上額973,700100.0%-19,449

昭和電工の2020年度の連結売上高は、無機セグメントは鉄鋼業界の世界的な減産を受けた黒鉛電極事業の数量減と市況低下により大幅に減収になるなど、5セグメントで減収となりましたが、昭和電工マテリアルズセグメントが第3四半期期首からの新規連結になったことにより増収となり、エレクトロニクスセグメントの小幅増収と併せて、総じては増収の9,737億0百万円(前連結会計年度比7.4%増)となっています。

利益面では営業損益が、エレクトロニクスセグメントはハードディスクとリチウムイオン電池材料の数量増により増益となったものの、無機セグメントは黒鉛電極事業の数量減に加え、市況に伴う棚卸資産低価法による簿価切り下げの影響で大幅な減益、石油化学セグメントも原料ナフサの受払差が悪化したため減益、新規連結した昭和電工マテリアルズセグメントはCOVID-19の影響で自動車需要が減退したことに加え、のれん等償却費等約280億円の計上によって減益となっています。

化学品、アルミニウム、その他、の3セグメントも出荷量が減少し減益となり、総じて営業損益は大幅な悪化となる194億49百万円(同1,402億47百万円減)の損失、経常損益は日立化成㈱株式取得に関する資金調達関連等の一時費用約161億円が加わり、439億71百万円(同1,632億64百万円減)の損失、親会社株主に帰属する当期純損益は、特別損失としてアルミ圧延品事業やセラミックス事業等での減損損失166億2百万円の計上や黒鉛電極事業におけるドイツ製造拠点の閉鎖関連費用51億42百万円の計上もあり、前連結会計年度と比べ大幅な悪化となる763億4百万円(同1,493億92百万円減)の損失となっています。

日立化成㈱(2020年10月1日より昭和電工マテリアルズ㈱に社名変更)との2021年7月の実質的な統合、2023年1月の法人格統合を目指し、“統合新会社の長期ビジョン(2021~2030)”を2020年12月10日に発表しました。

基本骨子は以下の通りです。

  •  存在意義(パーパス)と目指す姿:「化学の力で社会を変える」
    • 先端材料パートナーとして、時代が求める機能を創出し、グローバル社会の持続可能な発展に貢献
    • 「世界で戦える会社」、「持続可能なグローバル社会に貢献する会社」の2つを掲げ、その実現に向けて邁進していく
    • 昭和電工の川中の素材技術、昭和電工マテリアルズの川下のアプリケーション技術、両社の評価・解析技術、これらの融合でブレークスルーを実現

具体的には統合によって構築された事業を、コア成長事業、次世代事業、安定収益事業、基盤事業、に分け、この役割の異なる4つの事業群がそれぞれに高い競争力を持って役割を発揮することで、補完性の高い事業ポートフォリオによって市場に新たな機能を提供し続け、持続的な成長を実現していこうというものです。

昭和電工グループを志望する皆さんは、中長期計画や、それぞれの事業の特性や主たる事業会社を研究して、長期的な方向性を理解しておきましょう。

東ソー株式会社

2021年3月期連結決算(2020年度)

売上高 (百万円)732,850
経常利益(百万円)95,138
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)63,276
包括利益(百万円)80,834
従業員数(人)13,631
子会社100社
関係会社17社

東ソー株式会社は、「東洋曹達工業株式会社」が1987年に社名変更をして現在に至っています。その化学品事業は、東ソー創業以来、経営と技術展開の原点となっており、アジア最大級の電解設備から苛性ソーダと塩素、水素を生産しています。

苛性ソーダは、紙・パルプや化学繊維、アルミナなど幅広い産業で使われ、塩素はEDCを経て塩ビモノマー、塩ビ樹脂とつながるビニル・チェーンをはじめ各種塩化物に展開。水素は石英素材の製造に利用されています。東ソーの主要セグメントは以下の通りです。

  • 石油化学事業:エチレン・プロピレン等オレフィン製品、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及び樹脂加工製 品、機能性ポリマー等の製造・販売
  • クロル・アルカリ事業:苛性ソーダ、塩化ビニルモノマー、塩化ビニル樹脂、無機・有機化学品、セメント、ウレタン原料等の 製造・販売
  • 機能商品事業:無機・有機ファイン製品、計測・診断商品、電子材料(石英ガラス、スパッタリングターゲット)、機能材 料等の製造・販売
  • エンジニアリング事業 :水処理装置、純水装置、イオン交換樹脂等の製造・販売及び」そのための原材料の供給。各種プラント工事、電気工事の設計・製作・取付・施工
  • その他事業:グループの製品・原材料の運送・荷役、保険代理の業務、石油化学製品、工業薬品等の販売、酸素、窒素、炭酸ガス等の製造・販売
東ソー株式会社は、2001から2019年の19年間で、合計5,233件の特許を取得しています過去5年間の出願件数(2015〜2019年、計1,521件)の平均値は304件、中央値は279件であり、有機高分子化合物の製造または化学的加工、それに基づく組成物や有機化学などの技術領域の製品開発分野では大手の一角を占めています。

2021年3月期のセグメント別業績の概要は以下の通りです。

2021年3月期セグメント別業績

セグメント名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
石油化学131,38617.9%7,7038.8%
クロル・アルカリ274,86237.5%41,51947.3%
機能商品180,59324.6%23,53826.8%
エンジニアリング106,20714.5%11,98813.7%
その他39,8015.4%3,0693.5%
合計732,850100.0%87,819100.0%
セグメント間取引調整他
計上額732,850100.0%87,819

東ソーグループの2021年3月期の連結業績としては、売上高が、ナフサ等の原燃料価格及び海外製品市況の下落による販売価格の下落により、7,329億円と前連結会計年度に比べ532億円(6.8%)の減収となりました。

利益面では、営業利益が、ナフサ等の原燃料価格下落による影響が販売価格下落の影響を上回ることで交易条件が改善し、878億円と前連結会計年度に比べ62億円(7.5%)の増益、経常利益は、円安進行により為替差益に転じたことにより、951億円と前連結会計年度に比べ92億円(10.7%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は、633億円と前連結会計年度に比べ77億円(13.9%)の増益となり、減収増益の決算となっています。

東ソーは、2019年5月17日に、2021年度を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を公表して事業を展開し、2021年度の目標を売上高8,900億円、営業利益1,100億円、営業利益率10%以上、ROE10%を掲げて事業を展開しています。

宇部興産

2021年3月期連結決算 (2020年度)

売上高 (百万円)613,889
経常利益(百万円)23,293
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)22,936
包括利益(百万円)35,598
従業員数(人)10,897
連結子会社・持分法適用会社含む67社
非連結子会社34社
関連会社41社

宇部興産及びそのグループ企業は化学、建材資材、機械、その他のセグメントで事業を展開しています。

各セグメントの主な製品・サービスは以下の通りです。

  • 化学:ナイロン樹脂、カプロラクタム(ナイロン原料)、工業薬品、ポリブタジエン(合成ゴム)、電池材料、ファインケミカル、ポリイミド、機能品等の製造、販売、医薬品(原体・中間体)の製造、販売
  • 建設資材:セメント、石灰石の製造・販売、資源リサイクル事業、石炭の輸入・販売、コールセンター(石炭中継基地)の運営及び電力供給事業
  • 機械:成形機(ダイカストマシン、押出プレス、射出成形機)、産業機械(窯業機、運搬機、粉砕・破砕機、除塵機等)、橋梁・鉄構、製鋼品等の製造、販売
  • その他:不動産の売買、賃貸借および管理等

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2021年3月期連結決算セグメント別業績

セグメント名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
化学258,61242.1%8,18431.2%
建設資材276,22945.0%14,74456.3%
機械77,30012.6%2,83110.8%
その他1,7480.3%4471.7%
合計613,889100.0%26,206100.0%
調整額-304
計上額613,889100.0%25,902

宇部興産は120年を超える歴史を刻むグループです。「共存同栄」と「有限の鉱業から無限の工業へ」という2つを創業の精神として受け継ぎ、時代と産業構造の変化に対応しながら、新たな技術への挑戦と自己変革を重ねて業容を多角化、拡大してきました。

現在では「2025年のありたい姿」とその方向性を「Vision UBE 2025」として描き、その達成に向けたマ イルストーンとなる、2021年度までの3ヶ年の中期経営計画「Vision UBE 2025 ~Prime Phase~」を策定して事業を展開しています。

中期計画の基本方針は、事業の成長基盤強化、経営基盤(ガバナンス)の強化、資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献を骨子としています。

環境面では、2020年5月に「UBEグループ環境ビジョン2050」を策定し、2050年までにGHG(温室効果ガス=Greenhouse Gasの略)排出量の80%削減を目指すとともに、製品・技術によりサプライチェーン全体のGHGを削減し、脱炭素社会の実現に貢献していくことを発表しましたが、昨今の社会情勢を鑑み、2021年4月には、更にもう一段踏み込んで「UBEグループ 2050年カーボンニュートラルへの挑戦」を宣言しました。

自らの事業活動から排出されるGHGの実質排出量ゼロに挑戦するとともに、環境に貢献する製品・技術に関わる研究開発の推進とイノベーションの実用化により、社会全体のカーボンニュートラルに貢献していくことを標榜しています。

宇部興産は2022年4月1日よりUBE株式会社(ゆーびーいーかぶしきがいしゃ、英文表記:UBE Corporation)へ商号を変更することを決定しています。就活で宇部興産を目指す方は注意してください。

大手化学素材メーカーの概況

総合化学メーカーとは一線を画しますが、規模という意味で特出している化学素材メーカーである東レ、花王、富士フィルム、AGCの概況は以下の通りです。

東レ株式会社

2021年3月期連結決算(2020年度)

売上高 (百万円)1,883,600
税引前当期利益(百万円)65,566
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)45,794
親会社の所有者に帰属する包括利益(百万円)143,039
従業員数(人)46,267
子会社267社
関係会社41社

東レは売り上げ規模1兆8,836億円を誇る化学素材メーカーで、以下のセグメントで事業を展開しています。

  • 繊維事業: ナイロン・ポリエステル・アクリル等の糸・綿・紡績糸及び織編物、不織布、人工皮革、アパレル製品
  • 機能化成品事業: ナイロン・ABS・PBT・PPS等の樹脂及び樹脂成形品、ポリオレフィンフォーム、ポリエステル・ポリエチレン・ポリプロピレン等のフィルム及びフィルム加工品、合成繊
  • 維・プラスチック原料、ファインケミカル、電子情報材料、印写材料
  • 炭素繊維複合材料事業: 炭素繊維・同複合材料及び同成形品の製造・販売
  • 環境・エンジニアリング事業:  総合エンジニアリング、マンション、産業機械類、情報関連機器、水処理用機能膜及び同機器、住宅・建築・土木材料
  • ライフサイエンス事業: 医薬品、医療機器
  • その他: 分析・調査・研究等のサービス関連事業

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2021年3月期連結決算セグメント別業績

セグメント名外部顧客売上収益(百万円)売上構成比セグメント利益・損失(百万円)利益構成比
繊維事業719,23938.2%36,56531.8%
機能化成品事業720,41838.2%66,96358.3%
炭素繊維複合材料事業182,8849.7%-7,476-6.5%
環境・エンジニアリング事業193,52410.3%14,53212.7%
ライフサイエンス事業52,9652.8%1,2951.1%
その他14,5700.8%2,9392.6%
合計1,883,600100.0%114,818100.0%
調整額-24,553
計上額1,883,600100.0%90,265

2021年3月期の東レグループの連結業績は、売上収益は前期比9.9%減の1兆8,836億円、利益面では、事業利益が同28.1%減の903億円となり、米国子会社において減損損失を計上したことから、営業利益は同51.3%減の559億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同45.6%減の458億円となり、減収減益となっています。

東レグループは、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」に示す「2050年に向け東レグループが目指す世界」を長期ビジョンとして、その実現に向けて、マイルストーンとしての「2030年度に向けた数値目標」の達成を目指しています。

今後の事業環境は、人口分布・環境問題・技術イノベーションなどで大きな変化が想定され、産業構造や社会システムの変化により事業機会が創出される一方で、これまで存在した事業が縮小するリスクもあるため、産業の潮流の変化を的確に捉えて、「ビジネスモデルの変革」を進めながら「持続的かつ健全な成長」を実現することを目標としております。

東レグループは2020年5月より、「持続的かつ健全な成長」を目指し、「成長分野でのグローバルな拡大」、「競争力強化」、「経営基盤強化」を基本戦略とした新たな中期経営課題“プロジェクト AP-G 2022”をスタートさせています。

中でも地球環境問題や資源・エネルギー問題の解決に貢献するグリーンイノベーション(GR)事業及び医療の充実と健康長寿、公衆衛生の普及促進、人の安全に貢献するライフイノベーション(LI)事業の拡大に注力しています。

就活で東レを志望する皆さんは、中長期の計画とその考え方、戦略をよく理解して、自分自身の就活の軸や志望動機に活かしていきましょう。

花王株式会社

2020年12月期連結決算(2020年度)

売上高 (百万円)1,381,997
税引前利益(百万円)173,971
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)126,142
親会社の所有者に帰属する包括利益(百万円)132,941
従業員数(人)33,409
外、平均臨時雇用者数11,969
子会社114社
関連会社5社

花王の事業セグメントはコンシューマープロダクト事業、ケミカル事業、その他事業に分けられています。コンシューマープロダクト事業は更に化粧品事業、スキンケア・ヘアケア事業、ヒューマンヘルスケア事業、ファブリック&ホームケア事業に分かれています。具体的な製品群は化粧品、シャンプー、石鹸、健康食品や紙おむつ、オーラルケア商品、洗剤・トイレタリーなどの製品群です。

ケミカル事業も事業全体のシェアはコンシューマー事業と比較すれば低いですが、以下のカテゴリーと主要製品で事業を展開しています。

  • 油脂製品:高級アルコール、油脂アミン、脂肪酸、グリセリン、業務用食用油脂
  • 機能性材料製品:界面活性剤、プラスチック用添加剤、コンクリート用混和剤、道路用薬剤
  • スペシャルティケミカルズ製品:トナー、トナーバインダー、水性インクジェット用顔料インク、香料

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2020年12月期連結決算セグメント別業績

セグメント名外部売上高(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
化粧品事業234,06816.9%2,5841.5%
スキンケア・ヘアケア事業308,89722.4%50,82329.1%
ヒューマンヘルスケア事業233,97116.9%12,8507.3%
ファブリック&ホームケア事業374,36727.1%80,90846.3%
ケミカル事業230,69416.7%27,69215.8%
合計1,381,997100.0%174,857100.0%
セグメント間取引調整他706
計上額1,381,997100.0%175,563

花王の2020年12月期は、全世界での新型コロナウイルスの蔓延による衛生意識の高まりにより、ハンドソープ、手指消毒液やホームケア製品全般で需要が高まり、日本を中心に前期に比べ売り上げ、利益は伸長した一方で、化粧品事業では日本でインバウンド需要が消滅、外出自粛の影響もあり市場が大幅に縮小し、売り上げ、利益を大きく落とす結果となりました。

また海外では、中国を除く世界中で店舗閉鎖や外出規制の影響を受け、さらには感染症拡大に対応するための特別支出もあり、連結業績全体では前期を下回る結果となりました。

その結果売上高は、前期に対して8.0%減の1兆3,820億円(実質5.2%減)、営業利益は1,756億円(対前期362億円減)、営業利益率は12.7%となり、税引前利益は1,740億円(対前期367億円減)、当期利益は、1,281億円(対前期223億円減)と、減収減益の決算になっています。

ケミカル事業は売上の16.7%、営業利益では15.8%のシェアであり、事業の重要な一角を担っています。

花王グループは、2030年までにあるべき姿として、持続的な利益ある成長と社会のサステナビリティへの貢献との両立によって、これまでの『グローバルで存在感のある会社「Kao」』になるという将来像をさらに一歩進め、『グローバルで存在価値のある企業「Kao」』を目指しています。

ESGを通じて将来にわたって、人・社会・地球にとって価値のある存在になることを標榜し、環境(E)においては、ゼロ浪費、カーボンゼロを、社会(S)においては、無駄な消費がなくなることを願い、その人に寄り添った唯一無二のパーソナライズを進め、ガバナンス(G)をしっかりと効かせながら、最小限の資源で最大の価値を生み出す、”Maximum with minimum”を経営の指針としています。

また2030年のあるべき姿を実現するために、2025年までの5年間をカバーする中期経営計画「K25」を策定して事業を展開しています。豊かな持続的社会への道を歩む Sustainability as the only pathをビジョンとして、持続的社会に欠かせない企業になることを目的にして具体的な戦略を組んでいます。

就活で花王を目指す皆さんは、企業理念である「花王ウェイ」や中長期の計画の概要を理解して、企業の社会的意義や今後の事業の方向性をしっかり理解して、自身の就活の軸や志望動機の参考にしてください。

富士フイルムホールディングス株式会社

2021年3月期連結決算(2020年度)

売上高 (百万円)2,192,519
税金等調整前当期純利益(百万円)235,870
当社株主帰属当期純利益(百万円)181,205
当社株主帰属当期包括利益(百万円)292,469
従業員数(人)73,275
外、平均臨時雇用者数9,731
子会社294社
関連会社25社

富士フイルムグループでは事業区分を大きく三つに分類してします。

イメージング ソリューション事業:

  • カラーフィルム、デジタルカメラ、写真プリント用カラーペーパー・サービス・機器、インスタントフォトシステム、光学デバイス等

ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション事業:

  • メディカルシステム機材、化粧品・サプリメント、医薬品、バイオ医薬品製造開発受託、再生医療製品、化成品、グラフィックシステム機材、インクジェット機材、ディスプレイ材料、記録メディア、電子材料等

ドキュメント ソリューション事業(富士フイルム ビジネス イノベーション【旧:富士ゼロックスによる】)

  • デジタル複合機、パブリッシングシステム、ドキュメントマネジメントソフトウェア及び関連ソリューション・サービス等
富士フイルムグループは、写真感光材料やドキュメント等の事業で培った材料化学、光学、解析、画像等の幅広い基盤技術のもと、機能性材料、ファインケミカル、エレクトロニクス、メカトロニクス、生産プロセス等の技術領域で多様なコア技術を持っています。

これらの技術をさまざまな分野でビジネスを展開し重点事業分野への研究開発を進める一方、将来を担う新規事業の創出も進めています。

「バイオサイエンス&テクノロジー開発センター」と「精密プロセス技術センター」を設立し、バイオ医療の研究開発の加速、革新的なモノづくり基盤技術や新規事業創出を支える生産プロセス技術の開発にも注力しています。

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2021年3月期連結決算セグメント別業績

セグメント名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント利益(百万円)利益構成比
イメージング ソリューション285,23613.0%15,5917.9%
ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション1,052,59348.0%107,50754.7%
ドキュメント ソリューション854,69039.0%73,28437.3%
合計2,192,519100.0%196,382100.0%
セグメント間取引調整他-30,909
連結合計2,192,519100.0%165,473

富士フイルムグループの2021年3月期の連結売上は、バイオCDMO事業、医薬品事業、電子材料事業等で売上を伸ばしたものの、フォトイメージング事業、光学・電子映像事業、ドキュメント事業の売上減少等より2,192,519百万円(前年度比5.3%減)となっています。

利益面では営業利益が、165,473百万円(前年度比11.3%減)、税金等調整前当期純利益は235,870百万円(前年度比36.3%増)、当社株主帰属当期純利益は181,205百万円(前年度比45.0%増)と言う結果でした。

富士フイルムでは2021年4月15日に新たな中期経営計画「VISION2023」を発表しています。

「VISION2023」では、「事業ポートフォリオマネジメント」と「キャッシュフローマネジメント」の強化等により、成長投資原資の確保と、重点・新規/将来性事業への経営資源の集中投下の循環の加速・強化を図ることで、「ヘルスケア・高機能材料の成長加速と、持続的な成長を可能とする強靭な事業基盤の構築」を進めていく計画です。

就活で富士フイルムを目指す皆さんは、長期CSR計画「サステナブル バリュー プラン(Sustainable Value Plan)2030」と、その目標を達成するための中期経営計画の概要を理解し、自身の就活の軸や志望動機の作成に活かして下さい。

特にヘルスケア事業領域での成長戦略は、富士フイルムの方向性を色濃く反映した内容になっています。

AGC株式会社 (旧:旭硝子株式会社)

2020年12月期 (2020年度)

売上高 (百万円)1,412,306
税引前利益(百万円)57,121
親会社の所有者に帰属する当期純利益(百万円)32,715
親会社の所有者に帰属する包括利益(百万円)-6,426
従業員数(人)56,179
外、平均臨時雇用者数4,189
連結子会社217社
持分法適用会社35社

旧社名、旭硝子は日本を代表する素材メーカーの一つで、旧社名の通りガラスメーカーとしてフロート板ガラス、型板ガラス、網入り磨板ガラス、Low-E(低放射)ガラス、装飾ガラス、建築用加工ガラス(断熱・遮熱複層ガラス、防災・防犯ガラス、防・耐火ガラス等)、自動車用ガラス、車載ディスプレイ用カバーガラス等の製造を行っています。

2018年社名変更をして、AGC株式会社となっています。AGCはガラスセグメントの他に、電子と化学品のセグメントで事業を展開しています。

電子事業では、液晶用ガラス基板、ディスプレイ用特殊ガラス、車載ディスプレイ用カバーガラス、ディスプレイ用周辺部材、ソーラー用ガラス、産業用加工ガラス、半導体プロセス用部材、オプトエレクトロニクス用部材、照明用製品、理化学用製品等の製造・販売を行っています。

また化学品は塩化ビニル、塩化ビニル原料、苛性ソーダ、ウレタン原料、フッ素樹脂、撥水撥油剤、ガス、溶剤、医農薬中間体・原体、ヨウ素製品等が主力製品です。

各セグメントの売上収益、セグメント利益の状況は以下の通りです。

2020年12月期連結決算セグメント別業績

セグメント名外部顧客売上高(百万円)売上構成比セグメント営業利益・営業損失(百万円)利益構成比
ガラス648,39445.9%-16,579-21.8%
電子283,02520.0%37,79749.8%
化学品449,73931.8%50,47766.5%
セラミックス・その他31,1452.2%4,2265.6%
合計1,412,306100.0%75,922100.0%
調整額-142
連結合計1,412,306100.0%75,780

AGCグループの2020年12月期の連結売上高は、前連結会計年度比1,057億円(7.0%)減の1兆4,123億円、営業利益は、同258億円(25.4%)減の758億円、税引前利益は、同191億円(25.0%)減の571億円、親会社の所有者に帰属する当期純利益は、同117億円(26.4%)減の327億円の減収減益の決算となりました。

2020年度はコロナ禍で自動車用ガラスや建築用ガラス、輸送機器向けフッ素関連製品などが需要減少の影響を受け厳しい環境でした。このような事業環境の下でも、戦略事業領域のうちエレクトロニクス事業で、EUV露光用フォトマスクブランクスの供給体制の大幅増強やライフサイエンス事業では国内外の生産能力増強に加え、米国バイオ医薬品原薬製造工場や遺伝子・細胞治療CDMOを手掛けるMolecular Medicine S.p.A.(現AGC BiologicsS.p.A.)の買収など、積極的に事業拡大を進めています。

AGCでは新経営方針AGC plus 2.0及び新長期経営戦略「2030年のありたい姿」を以下の通り定めています。

新経営方針AGC plus 2.0

  • 世の中に「安心・安全・快適」を
  • お客様・取引先様に「新たな価値・機能」と「信頼」を
  • 従業員に「働く喜び」を
  • 投資家の皆様に「企業価値を」
  • 将来世代に「より良い未来」をプラスする

新長期経営戦略 2030年のありたい姿

独自の素材・ソリューションの提供を通じてサステナブルな社会の実現に貢献するとともに継続的に成長・進化するエクセレントカンパニーでありたい

「2030年のありたい姿」実現のために、コア事業と戦略事業を両輪として、最適な事業ポートフォリオへの転換を図り、継続的に経済的・社会的価値を創出することを目指します。

建築用ガラス、自動車用ガラス、ディスプレイ、基礎化学品、フッ素化学品などのコア事業では、各事業の競争力を高め、強固で長期安定的な収益基盤を構築、また高成長分野であるエレクトロニクス、ライフサイエンス、モビリティの戦略事業においては、自社の強みを活かし、当社グループの将来の柱となる高収益事業を創出・拡大する計画です。また新しい事業領域(エネルギー関連領域等)も積極的に探索していく方針です。

就活でAGCを目指す皆さんは、各事業での中長期の課題と成長戦略を理解して、自身の就活の軸や志望動機の作成に活かしていきましょう。

まとめ

以上、駆け足で総合化学メーカーと有力化学素材メーカーの現況をみてきました。いずれの企業も規模が大きく、産業を支える重要な役割を果たしています。

化学工業のキーワードは高付加価値化、成長分野への注力、新成長分野・市場への技術開発とグローバルオペレーションの高度化です。

また業務面ではIoTによるビックデータ活用や、デジタル技術による業務改革、顧客との情報活用やパートナーシップの強化がこれからの課題です。それぞれが特徴を持った優良企業なので、化学業界に興味を持ったら、徹底した企業研究を行って志望動機を固めていきましょう。

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【平均は58点】あなたの就活力を診断してみよう

ウィズコロナの就活はイベントの自粛などもあり、思うように動けず、不安を感じている就活生も多いのではないでしょうか?
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「Analyze U+」は251問の質問に答える本格的な診断テストで、質問に答えていくと経済産業省が作った「社会人基礎力」を基に、25項目に分けてあなたの強みを偏差値的に解析してくれます。本当のあなたの強みや向いている仕事を素早く「見える化」してくれる優れたツールなのです。

「AnalyzeU+」を利用するには、スカウト型就活サイト「OfferBox」への会員登録が必要です。もちろん全て無料で利用できます。

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