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フレームワークを活用しよう
グループディスカッションの基本的な思考法が基礎体力だとしたら、その上に技を磨いていけば、試合を有利に運ぶことができます。その技としての、代表的なフレームワークを解説していきます。
グループディスカッション(グループワーク)に臨むには以下の4つの基礎的な考え方を身につけましょう。
ただしフレームワークを使うことを目的化してはいけません。当然、全部使う時間もありません。まず課題や問題の捉え方、考え方や、議論のまとめ方に活用することを目指しましょう。
- MECEで考える
- ピラミッド構造で考える
- マトリクスで考える
- 解決策を導く手順・フローを身につける
- 3C
- SWOT
- 5W1H
- 4P/4C
- AIDOMA/AISAS
- STP分析
- ロジックツリー
1:3C分析
グループディスカッションで課題解決形式のテーマが出され、MECEで問題点の洗い出しを行います。例えばスーパーマーケットの売り上げの問題で、客数はそれほど減っていないが一回当たりの購入金額が減っていることが問題だと分かったとします。
次にやることは、何故一回当たりの購入金額が減っているのか、更に原因を掘り下げて問題を構造的に理解することでした。
問題をCompany (自社)、Competitor (競合他社)、Customer (顧客)の3つの切り口で分析していこうというのが3C分析です。
3C分析で初めに行うのはCustomer (顧客)をMECEで分解することです。スーパーマーケットの顧客は、大きく分ければ新規顧客と既存顧客です。スーパーの売り上げの問題で、客数はそれほど減っていないが一回当たりの購入金額が減っていることが問題であれば、掘り下げていくべきなのは既存顧客の購買行動ということが分かります。
買い物の一回当たりの購入金額が減っているので、その原因は買い上げ点数が減っている、買っている商品の単価が下がっている、のどちらか、もしくはその両方ということになります。
次に、Competitor (競合)を分析します。仮に買い上げ点数が減っているとすれば、既存顧客が商品カテゴリーを分けて競合店を利用している可能性が考えられます。例えば競合店Bは最近、肉の価格を思い切って下げたので、肉だけはB店に買いに行っているために、当店の平均買い上げ点数が減っているという仮説も立てられるでしょう。
このように競合を分析することで、問題の原因が競合にあることが分かれば、それに対抗する策を考えるステップに移れます。
Company (自社)の分析は最後に行いましょう。上記のスーパーマーケットの場合、肉売り場の売り上げが落ちていることがデータとして検証できたとします。しかし競合の肉の価格は良く調べてみると、当店と同じレベルであることが分かりました。更に調べてみると、当店は肉の品ぞろえや、パックの容量のバラエティが少なく問題であるという原因が特定できました。つまり自社の問題は、顧客や競合によって顕在化することが多いので、最後に分析するのがセオリーです。
Customer, Competitor, Company を深く分析することにり、取り組むべき課題が見えてくるのです。
2:SWOT分析
競合と自社を分析するのに役立つのがSWOT分析というフレームワークです。
目的は自社を取り巻く環境と、それに対する現在の自社の状況から、マーケットで勝つためのビジネスチャンスを見つけることです。そのチャンスをつかむためのものが、自社の成功要因(KFS= Key Factor for Success)で、KFSを見つけるための分析です。
SWOTとは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会・チャンス)、Threat(脅威)のことで、その中身をマトリクス構造で書き出し、分析します。
Strength(強み)、Weakness(弱み)はこの会社やブランド、商品・サービスにとっての強み、弱みです。それらを箇条書きにしてマトリクスのセルの中に記述していきます。前述のスーパーの例では、肉の品ぞろえの悪さを、弱みのセルに記載します。
記載するときに注意するのは、「自社の強い所、弱い所」という視点でまとめることです。
Opportunity(機会・チャンス)、Threat(脅威)は外部環境の視点、環境の変化で分析します。新たに競合店の大型店が近接した商圏に進出する事実があれば、それは脅威のセルに書くことになります。消費税の増税が迫っていればそれも脅威です。
逆に商圏内に大型マンションが間もなく竣工して、入居が開始される予定であればチャンスということになります。
SWOT分析は、マーケットで勝っていくための要因を、考えながらつくっていくことが大事です。つまり自社で全く対応できないもの、どう考えても実現できないもの、夢や単なる希望を書いても意味はありませんので注意しましょう。コントロールできるものに集中しましょう。
3:5W1H
物事を正確に把握していく場合、物事を正確に伝える場合に必要なフレームワークです。
学校で習っているので特別な説明は必要ないと思いますが、グループディスカッションで、フレームワークとして使用するポイントを解説しておきます。
- いつ(When)
- どこで(Where)
- だれが(Who)
- なにを(What)
- なぜ(Why)
- どのように(How)
上記に以下の2つを加えて6W2Hという考え方をする場合もあります。
- だれに(Whom)
- いくら(How much)
埋まらないと、その解決策は具体まで落とし込まれていないものと判断されてしまいます。5W1Hをグループディスカッションで具体策を提案する際に活用しましょう。
4:マーケティングの4P/4C
こちらも大学生の皆さんには馴染みがあるでしょう。商品のマーケティング戦略を分析する場合に以下の4つのファクターを深堀して見ていきます。
自社の商品の特長を浮き彫りにしていく分析です。
- 商品(Product)
- 価格(Price)
- 販促 (Promotion)
- 流通( Place)
4Pは企業側、つまり商品を売る側からの視点でマーケティングをとらえています。
4Pに加えて、消費者視点でマーケティングを考えるのがマーケティングの4Cと呼ばれる手法です。
- Customer value (顧客にとっての価値)
- Cost to the customer (顧客の負担)
- Communication (コミュニケーション)
- Convenience (入手の容易性)
グループディスカッションのテーマで、「当社の新製品を考えて下さい」という設問の場合は、威力を発揮するフレームワークです。特に4Cの考え方は非常に重要です。
Customer Value は商品のスペックからではなく、その商品が顧客にとって、どんな価値をもたらすのかを考えていくアプローチです。「いい気分になれる」とか、「こういう時に、こう使う商品は今までに無かったので便利」、というように顧客の価値から発想できるからです。
Cost to customerも顧客にとっての価値から逆算して設定可能ですし、Communicationも既存の広告や媒体に縛られないで、顧客・消費者発信を仕組みに入れるなどの発想の転換もできます。Convenienceも顧客の時間コストを低減したり、価値に見合った新しいチャネルや販売方法を考案したりもできるでしょう。
実現できない夢ばかりではだめですが、新製品開発のテーマの場合は、学生らしい斬新な、顧客・消費者視点の商品を企画して提案すれば良いのです。是非応用してみて下さい。
5:AIDMAとAISAS
プロモーションの具体策を考えるのに最適なフレームワークです。顧客・消費者の製品購入プロセスをMECEで説明するためのものです。
グループディスカッションの場合は、商品やサービスの具体的な広告宣伝や、PR、販売促進方法を考える時に活用できます。AIDMAは以下の行動モデルになります。
- 製品認知 (Attention)
- 製品への興味/関心・理解 (Interest)
- 製品への購入欲求 (Desire)
- 製品を記憶 (Memory)
- 購買行動 (Action)
AISASは2005年に株式会社 電通が提唱したフレームワークです。購買行動をインターネットを前提に組み替えています。
- 製品認知 (Attention)
- 製品への興味/関心 (Interest)
- 製品の情報検索・理解 (Search)
- 購買行動 (Action)
- 情報の共有 (Share)
いずれの場合でも購入に関わるプロセスをMECEで考えることは、販促の具体策を考える上で、話を整理しやすいので活用してみて下さい。
6:STP分析
STP分析とは Segmentation, Targeting, Positioning の頭文字をとった分析フレームワークです。
簡単に言うと、どんな市場に(マーケットのセグメンテーション)、誰に対して(ターゲットにする顧客はどんな人か)、どういう立ち位置(ポジショニング)で製品やサービスを展開することが、自社に最も優位になるかの戦略をたてるためのフレームワークです。
プロセスとてはまず市場を細分化していきます。次にその細分化した市場のターゲットを特定していきます。
その後、市場を規定する価値軸(商品やサービスが提供する価値)を二つ決めて、十字のマトリックスをつくり、競合商品、自社商品をポジショニングしていきます。顧客視点の価値軸にすべきなので、3C分析のCustomer value から2軸を選びながらプロットしていきます。
一つのカテゴリーに自社、競合も含めて多くの商品がひしめいている場合に、空白のポジションを探す、または自社商品が最も優位に展開できるポジションを見つける場合に有効な方法です。シャンプーのマーケットを想像すれば分かり易いでしょう。簡単に言えば、自社製品が勝てる場所を探すフレームワークです。
注意点としては、セグメントしたマーケットのボリュームを意識して考える事です。
空白地帯を見つけて、そこに出て行っても、ターゲットのボリュームがあまりにも少ない、または、ターゲットにコミュニケーションし難い場合は、折角のポジショニングも意味がなくなります。
7:ロジックツリー
ロジックツリーとは、物事を分解していくときに使うフレームワークです。
ツリーは左から右への横ピラミッド構造で階層的に作っていきます。使用方法は主に以下の3つです。グループディスカッションの場合は、まず原因究明に使用することから、慣れていってください。
- 問題の原因を特定するためのツリー
- 問題の原因は一つとは限りません。考えられる原因を出していき、その原因の原因を考え、またその原因を掘り下げて考ええ行きます。Why(なぜ)を5回繰り返せばあらゆる原因の本質を探っていくことができます
- 課題解決のためのツリー
- 課題の大テーマを一番左に置き、それを解決するための選択肢を、右に向かって階層をつくって掘り下げていきます。課題解決の選択肢を出し切ったあと、全体を俯瞰して、どこにプライオリティをおくことが最善策になるのかを考えます
- 数値目標があった場合に、階層ごとにブレークダウンして配分していくと、寄与の度合いが分かり易いツリーになります
- 要素を洗い出すためのツリー
- 多くの選択肢を階層別に整理するために使用します。あまりにも多様な選択肢がある場合は、選択肢を主観で整理していく場合(=自分の考えを整理するため)に使用します。
- グループディスカッションには、売り上げをつくっている構成要素の分解や、同一カテゴリー内の商品のまとめなどに使用する限定的な使用法が考えられます。
ロジックツリーを書く場合はMECEで書くこと、そして、階層を揃えて書くことが重要です。要素にダブりがある、または、階層(要素・概念のレベル)がずれていると混乱しますので注意しましょう。
グループディスカッションは時間が極めて短いために、ロジックツリーの階層を増やすこと、細分化することを目的化してはいけません。これはとても大切です。精緻にやろうとし過ぎるとどんどん時間がなくなっていきます。大事なポイントを見つける手段に過ぎないので注意してください。
上記の7つ以外にもフレームワークは沢山存在します。しかし短期間で全ては身に付きませんし、慣れないことを無理やり使用して、かえって混乱してしまうこともあるでしょう。
この記事で紹介したフレームワークは、マーケティングセクションに配属された人材が、社内研修や配属1年目で身につけるべきレベルのものなので、知識レベルとしてはそれほど高度ということでもありません。
しかしロジカルシンキングや、マーケティングに慣れていなければ、うまく使いこなせません。現在学生のあなたが使いこなせなくても恥ずかしくありません。使いこなせなくても概念を理解して、考え方のヒントにすることは可能です。
フレームワークは、複雑なものをできるだけシンプルに構造化して考えるためのものです。
グループディスカッションは時間が限られているため、フレームワークを使って、かえって複雑になって議論がすすまなくなるリスクもあります。フレームワークを使うというより、発想法やまとめ方に活用すると考えた方が現実的です。
これらのエッセンスはグループディスカッションの過程で、解決策を導くための大きなヒントになります。ぜひ活用してみてください。
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