「就活の答え」では就活生が特に気になる人気企業を選んで、書類選考を突破するための企業別志望動機の作成方法を解説します。
この記事では、物流業界を代表する日本通運への志望動機の例文をあげ、その作成方法を解説しています。
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では早速、例文をみてみましょう。
Table of Contents
日本通運への志望動機(例文):Generalコース
志望動機を教えてください。(750文字以下)
物流改革に挑戦する人材として成長し、世界に貢献するために貴社を志望します。私は幼少時から貿易に興味があり、特に巨大なコンテナ船が世界各国に物を運び、また世界の各地から物が運ばれる様子に心を躍らせていました。就職活動で貿易が係る仕事を研究する中で、一つの物を必要としている人や場所に運ぶことの奥深さを知り、国際物流ネットワークを持つ総合物流企業を志望しています。その中で貴社を志望する理由は3つあります。第一は日本の物流企業として最大の国際ネットワークがあること、第二は「We Find the Way」の企業理に強く共感したこと、第三は、共同輸送、モーダルシフト、物流データの活用等によって、新しい物流の開発により世界や人々の生活やビジネスを革新・改善することに挑戦したいからです。特に挑戦したいのは、日本企業と輸送会社とともに最高効率の物流ネットワークで国内・海外市場をカバーする仕組みをつくることです。私は高校時代からラグビーをはじめ、大学でもサークル活動として続けてきました。ラグビーで学んだことは、徹底したチームワークの精神です。特にボールを回して前進する過程で、それぞれのポジションがその役割を果たしながら連携してトライを目指すことは総合物流企業の事業にも通じるものがあります。その意味でもチームワークによって、最高のソリューションを提供するという貴社の理念に強く共感しました。ラグビーと共に英語の能力向上に力を入れてきました。アルバイトで資金を稼ぎ、オンラインで海外の先生と繋いで英会話のレッスンを続け、その結果、TOEICでは850点までスコアを伸ばすことができました。この英語の能力も貴社の事業で活かし、一つ一つの仕事を丁寧に行いながら実力を磨いて成長していきたいです。そして将来は新しい物流の創出に挑戦したいです。(749文字)
近年の日本通運のエントリーシートは、重要な設問に関しては、文字数をかけてしっかりと記述させるフォーマットになっています。
志望動機と強み(チカラ)に関する設問がその代表です。それぞれ750文字以内となっており、重視していることが分かります。
企業別志望動機を書き始める前の注意点
志望動機を書き始める前に、絶対に注意しておくべきポイントをあげておきます。
- 自分起点、事実起点で、具体的に、ポジティブに書くこと
- 志望動機を構成する要素(下記参照)はあらかじめ全て考え、揃えて、文章にまとめておくこと
- 志望動機単独で書かない事。ES全体の回答要求項目を精査して、そのバランスの中で何をどの質問に対してメインの要素として書いていくかを決めてから書くこと
- ES全体の質問の回答要求項目に対し、文字数制限やスペース制限に従って結論ファーストでドラフトをつくる
- ドラフトが完成したら、その上で面接の質問やつっこみ、会話のつかみを想定して志望動機の論理の一貫性が保たれているか、面接のつっこみ質問に耐えられるかを想定し、推敲、改善すること
- 完成したら信頼のおける友人や近親者に読んでもらい第三者のアドバイスをもらうこと。リクルーターにコンタクトできる場合は、見てもらえるかを相談してみること
- PC上で文字数制限内(少なくとも80%以上)で書き上げ、誤字・脱字をチェックし、手書きの場合はできるかぎり丁寧に、読みやすく清書すること
従ってES解禁前の準備段階では、本サイトや他の信頼のおける就活サイトで志望企業の過去のES(直近年度及びその前)のES内容を把握しておきましょう。
稀に企業の独自の考え方でESに「志望動機」を求めない会社も存在します。その場合でも志望動機は面接時に質問されると考え、以下に解説するロジックに従って作成しておいて下さい。
志望動機の作り方
志望動機の作り方のフローは「志望動機に、あなただけの説得力を増す方法」で詳しく解説しています。作成したことがない方は参照してください。
「就活の答え」では、学生に人気のある50の業界・業種別に志望動機の書き方を解説しています。これらの記事も実践的に具体的な企業名をあげ、過去のESの設問に従って50社の志望動機の作り方を解説しています。以下の記事も是非参考にして下さい。
この記事では、自己分析や企業研究を既に行い志望企業が定まった方が、具体的な企業を例に、どのように志望動機を書くべきかを解説します。
志望動機のロジック
「就活の答え」では、以下のチャートでの志望動機のロジックを推奨しています。「本当のあなた」の価値観から積み上げていくロジックです。
正攻法ですが、ESや面接における他の重要視される質問、例えば近年の日本通運のエントリーシートでは、志望動機以外でも「研究内容」、「ゼミ・卒論の内容」や「クラブ・サークルの詳細」、「アルバイトの経験」に加え、「日本通運で、自身のどのような力を発揮していきたいと考えているか」、等々を答えなければならないため、自分の性格や価値観に紐づいた経験や事実、そこから見出されるあなたの強みと企業選択の理由を結び付けることは非常に重要なエクササイズなのです。
このロジックの一貫性が「就活の軸」です。この軸の説得力があることがESや面接での戦闘力になります。
一部の学生は報酬や福利厚生の良さ、世間体、誰もが知っている大企業、人気企業、上場企業や格好よさげな業界や企業群から企業を選び、赤枠で囲った企業選択理由(志望動機)を考え、後付けでその下の構造を作っていく人もいます。そのやり方自体は理解できますが、お勧めはできません。
そのやり方は時間をセーブできるかもしれませんが、まともな企業であれば一部のハイパー学生(学歴も実績、能力が志望企業の水準に比べてずば抜けて高い学生)しか通用しないでしょう。
あとは人手不足でどんな学生でも欲しい企業、ブラック企業、ブラックでなくても早期離職が当たり前の厳しい業界や企業であれば内定は取れるでしょう。
人事担当や面接官はその企業で評価されている人達です。企業研究の深さや動機の強さ、弱さ、適性はすぐに分かってしまいます
また物流企業は、「モノ」を預かる事業であり、それを安全・且つ約束した納期通りに届けることが絶対的な価値です。そのためにコンプライアンスは厳しく、選考過程で「嘘」や「ごまかし」、「不誠実さ」が感じられれば選考を通過させません。
志望動機はもとより、ESは必ず自分自身を深く掘り下げ、そこから抽出できたものを起点に作成していきましょう。
日本通運への志望動機(General コース)の例文解説
それでは上記のロジックで積み上げた、日本通運への志望動機(Generalコース)への志望動機を再度例示しておきます。
再掲:志望動機を教えてください。(750文字以下)
物流改革に挑戦する人材として成長し、世界に貢献するために貴社を志望します。私は幼少時から貿易に興味があり、特に巨大なコンテナ船が世界各国に物を運び、また世界の各地から物が運ばれる様子に心を躍らせていました。就職活動で貿易が係る仕事を研究する中で、一つの物を必要としている人や場所に運ぶことの奥深さを知り、国際物流ネットワークを持つ総合物流企業を志望しています。その中で貴社を志望する理由は3つあります。第一は日本の物流企業として最大の国際ネットワークがあること、第二は「We Find the Way」の企業理に強く共感したこと、第三は、共同輸送、モーダルシフト、物流データの活用等によって、新しい物流の開発により世界や人々の生活やビジネスを革新・改善することに挑戦したいからです。特に挑戦したいのは、日本企業と輸送会社と共に最高効率の物流ネットワークで国内・海外市場をカバーする仕組みをつくることです。私は高校時代からラグビーをはじめ、大学でもサークル活動として続けてきました。ラグビーで学んだことは、徹底したチームワークの精神です。特にボールを回して前進する過程で、それぞれのポジションがその役割を果たしながら連携してトライを目指すことは総合物流企業の事業にも通じるものがあります。その意味でもチームワークによって、最高のソリューションを提供するという貴社の理念に強く共感しました。ラグビーとともに英語の能力向上に力を入れてきました。アルバイトで資金を稼ぎ、オンラインで海外の先生と繋いで英会話のレッスンを続け、その結果、TOEICでは850点までスコアを伸ばすことができました。この英語の能力も貴社の事業で活かし、一つ一つの仕事を丁寧に行いながら実力を磨いて成長していきたいです。そして将来は新しい物流の創出に挑戦したいです。(749文字)
要素の分解:
結論 1-1:日本通運への志望動機
物流改革に挑戦する人材として成長し、世界に貢献するために貴社を志望します
-
- →設問は「志望動機を教えてください」というシンプルなものです。シンプルな設問の割に文字数制限が750文字もあるため、読み手が長文を読んでも、あなたの主張(志望動機)が容易に理解でき、腑に落ちる構造にすること
- →この志望者の例文では、日本通運で実現したいこと=志望者のビジョンを冒頭にストレートに記述することで「これをしたいから、日本通運を志望する」という動機に対する質問に結論ファーストで答えるフォーマットを使用
- 私は幼少時から貿易に興味があり、特に巨大なコンテナ船が世界各国に物を運び、また世界の各地から物が運ばれる様子に心を躍らせていました
- →冒頭の結論がビジョンのため、何故そのビジョンを持つに至ったか=何故その動機を持つに至ったかnの根拠を説明する
- →この志望者の例文では、幼いころから貿易を象徴するシーンに魅せられ、それによって貿易に興味を持ってきたことを根拠(RTB=Reason to believe)とする
- 就職活動で貿易が係る仕事を研究する中で、一つの物を必要としている人や場所に運ぶことの奥深さを知り、国際物流ネットワークを持つ総合物流企業を志望しています
- →幼いころからの興味から、就活において物流企業を研究した結果、更に興味・関心が深まり、職業選択に至ったことを根拠とする(RTB=Reason to believe)
- →ここまでが業種志望動機(志望者独自の情報)であり、そこから日本通運を志望する理由に展開する
- その中で貴社を志望する理由は3つあります
- →日本通運を志望する理由を3つに分けて説明することをはじめに記述し、論旨を明確にする
- 第一は日本の物流企業として最大の国際ネットワークがあること、第二は「We Find the Way」の企業理に強く共感したこと、第三は、共同輸送、モーダルシフト、物流データの活用等によって、新しい物流の開発により世界や人々の生活やビジネスを革新・改善することに挑戦したいからです
- →3つの理由は日本通運の独自の情報で構成し、日本通運でなければならない根拠として補強 (企業の独自情報をRTB:Reasosn to believeとして示す)
- →3つ目の理由は、日本通運の特徴から志望者が入社後チャレンジしたいことをビジョンとして示し、冒頭の結論を別の表現で補強する(志望者の独自情報と企業の独自情報がつながって、実現したいビジョンに結実する構造をつくる)
- 特に挑戦したいのは、日本企業と輸送会社と共に最高効率の物流ネットワークで国内・海外市場をカバーする仕組みをつくることです
- →志望者の実現したいビジョンである「新しい物流の開発」をより具体的に記述
- 私は高校時代からラグビーをはじめ、大学でもサークル活動として続けてきました
- ラグビーで学んだことは、徹底したチームワークの精神です
- 特にボールを回して前進する過程で、それぞれのポジションがその役割を果たしながら連携してトライを目指すことは総合物流企業の事業にも通じるものがあります
- その意味でもチームワークによって、最高のソリューションを提供するという貴社の理念に強く共感しました
- →ビジョンを実現したいと思う根拠を志望者独自の経験で補強し、志望者の視点で日本通運の事業遂行に必要なもの(例文の場合はチームワークと唯一最高の解決策を目指すという理念)と繋げることで、志望者には経験に裏打ちされたポテンシャルがあることをアピールする
- ラグビーとともに英語の能力向上に力を入れてきました
- アルバイトで資金を稼ぎ、オンラインで海外の先生と繋いで英会話のレッスンを続け、その結果、TOEICでは850点までスコアを伸ばすことができました
- →(チームワークの経験以外で)個人として大学時代に努力したこと(例文の場合は英語能力向上への努力と結果)を記述し、更に志望者が日本通運で活躍するポテンシャルがあることをアピール
- この英語の能力も貴社の事業で活かし、一つ一つの仕事を丁寧に行いながら実力を磨いて成長していきたいです。そして将来は新しい物流の創出に挑戦したいです
- →ビジョンを実現するまでのキャリアの積み上げ方に対する志望者の着実な(地に足の着いた)考え方を示し、意欲の表現で文を締める
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まとめ
ESの設問のパターンによって答え方、書き方をアレンジする必要はありますが、志望動機のロジックツリーはあらかじめ作っておけるはずです。あなたの軸が強ければ後は書き方を工夫すれば良いだけです。
例文はGeneralコースの志望動機ですが、他の分野への志望理由にも応用は可能です。要素の分解の→以下の要素を参考にしながら、自分のオリジナルを作っていくことです。例文は要素や文脈、構成の参考に止め、内容は自分自身の言葉で紡いでいきましょう。
またインターンシップに参加できた人は、その体験を通じての気づきや感動、日本通運の社員から得られたものを理由にあげることで、実際の体験を通じた「日本通運ならでは」を表現することも非常に有効です。インターンシップに参加できた方はぜひ検討してみて下さい。
ただしその場合でも、単に日本通運の社員の方や企業自体の良い所をあげるのではなく、必ず自分起点で書くことがポイントです。
稀にESで志望動機の記述を求めない企業もありますが、面接では志望動機関連の質問は絶対にありますので、しっかり準備をしておきましょう。
そして文章化したものを信用のおける第三者にみてもらい、ブラシュアップをしていきましょう。
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