「就活の答え」では就活生が特に気になる人気企業を選んで、書類選考を突破するための企業別志望動機の作成方法を解説します。この記事では本田技研工業への志望動機の例文をあげ、その作成方法を解説しています。
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では早速、例文をみてみましょう。
Contents
本田技研への志望動機(例文):技術系
あなたが仕事を通じて成し遂げたいことは何ですか。その根底にある想いや理由をあわせて入力してください。(500文字)
私はロボットシステムによるモビリティ技術を追求し、高齢者やハンディキャップのある人に移動の自由と喜びを提供したい。高齢者による自動車事故が社会問題となっているが、地方ではクルマによる移動が生活の基盤になっている場合が多い。都会では高齢者の単身世帯が増え、日常の買物ニーズを満たすモビリティも必要である。私は電動車椅子が安全かつ意思通りに動かす研究において、主にセンサーによる画像情報をAIに学習させ駆動をアシストするシステムの開発を行ってきた。クルマの自動運転が実現する日は近いと思うが、経済的に日常生活をアシストするモビリティの可能性も大きいと考える。また自動運転が実現した先にある「運転することの喜び」という観点からも、クルマによるモビリティやインフラの再定義が必要と考える。パーソナルモビリティの究極はドローン技術等による空中の移動と考えるが、そこに行きつく前に実現すべきイノベーションも膨大であり、私は今世界に求められているが、達成されていない現実のニーズを満たす技術開発にチャレンジしていきたい。パーソナルモビリティは環境負荷も小さく効率的であることから、二酸化炭素の排出削減にも貢献したい。(500文字)
夢の実現の場としてHondaを志望する理由を入力してください。(300文字)
貴社を志望する理由は、「Hondaイムズ」の全てに強く共感することが大きい。中でも「世のため、人のため、自分たちが何かできることはないか」という原点と「松明は自分の手で」という企業姿勢に惹かれた。貴社はビジネスジェット機の独自開発やクルマの電動化、自動運転をはじめライフクリエーション事業等、多くの分野で技術開発に挑戦し、それを実行している。また社員の方に「技術の前ではみな平等」というイムズが根付き、年齢や職位にとらわれず自由闊達に本気で意見をぶつけ合う職場である聞いた。エンジニアとして研究や経験を現実の製品として結実させたいという思いが強く、インターンの経験も併せて貴社がその場所であると確信した。(298文字)
企業別志望動機を書き始める前の注意点
志望動機を書き始める前に、絶対に注意しておくべきポイントをあげておきます。
- 自分起点、事実起点で、具体的に、ポジティブに書くこと
- 志望動機を構成する要素(下記参照)はあらかじめ全て考え、揃えて、文章にまとめておくこと
- 志望動機単独で書かない事。ES全体の回答要求項目を精査して、そのバランスの中で何をどの質問に対してメインの要素として書いていくかを決めてから書くこと
- ES全体の質問の回答要求項目に対し、文字数制限やスペース制限に従って結論ファーストでドラフトをつくる
- ドラフトが完成したら、その上で面接の質問やつっこみ、会話のつかみを想定して志望動機の論理の一貫性が保たれているか、面接のつっこみ質問に耐えられるかを想定し、推敲、改善すること
- 完成したら信頼のおける友人や近親者に読んでもらい第三者のアドバイスをもらうこと。リクルーターにコンタクトできる場合は、見てもらえるかを相談してみること
- PC上で文字数制限内(少なくとも80%以上)で書き上げ、誤字・脱字をチェックし、手書きの場合はできるかぎり丁寧に、読みやすく清書すること
従ってES解禁前の準備段階では、本サイトや他の信頼のおける就活サイトで志望企業の過去のES(直近年度及びその前)のES内容を把握しておきましょう。
稀にESに「志望動機」を求めない会社も存在します。その場合でも志望動機は面接時に質問されると考え、以下に解説するロジックに従って作成しておいて下さい。
志望動機の作り方
志望動機の作り方のフローは「志望動機に、あなただけの説得力を増す方法」で詳しく解説しています。作成したことがない方は参照してください。
「就活の答え」では、学生に人気のある50の業界・業種別に志望動機の書き方を解説しています。これらの記事も実践的に具体的な企業名をあげ、過去のESの設問に従って50社の志望動機の作り方を解説しています。以下の記事も是非参考にして下さい。
この記事では、自己分析や企業研究を既に行い志望企業が定まった方が、具体的な企業を例に、どのように志望動機を書くべきかを解説します。
志望動機のロジック
「就活の答え」では、以下のチャートでの志望動機のロジックを推奨しています。「本当のあなた」の価値観から積み上げていくロジックです。
正攻法ですが、ESや面接における他の重要視質問、例えば「学部・学科の専攻の理由」、「学問・研究のテーマや、どのような取り組みをして、何を得たか」、「学生時代に最も力を入れて行ったことと、具体的な成果」、「周囲の人を巻き込んで行った経験と成果」、「最も困難な経験と、それを乗り越えるためにどうしたか、何を学んだか」、「これだけは人に負けないと自負している点」等々を答えなければならないため、自分の性格や価値観に紐づいた経験や事実、そこから見出されるあなたの強みと企業選択の理由を結び付けることは非常に重要なエクササイズなのです。
このロジックの一貫性が「就活の軸」です。この軸の説得力があることがESや面接での戦闘力になります。
一部の学生は報酬や福利厚生の良さ、世間体、誰もが知っている大企業、人気企業、上場企業や格好よさげな業界や企業群から企業を選び、赤枠で囲った企業選択理由(志望動機)を考え、後付けでその下の構造を作っていく人もいます。そのやり方自体は理解できますが、お勧めはできません。
そのやり方は時間をセーブできるかもしれませんが、まともな企業であれば一部のハイパー学生(学歴も実績、能力が志望企業の水準に比べてずば抜けて高い学生)しか通用しないでしょう。
あとは人手不足でどんな学生でも欲しい企業、ブラック企業、ブラックでなくても早期離職が当たり前の厳しい業界や企業であれば内定は取れるでしょう。
人事担当や面接官はその企業で評価されている人達です。企業研究の深さや動機の強さ、弱さ、適性はすぐに分かってしまいます。
自動車業界は、人の命に係わる責任を負っており、安全・安心が基本の産業です。そのためコンプライアンスは厳しく、志望者に「嘘」や「ごまかし」、「不誠実さ」が感じられればなおさら選考を通過させません。
本田技研への志望動機(例文)の解説:技術系
それでは上記のロジックで積み上げた、ホンダへの志望動機を再度例示しておきます。本田技研工業の2020年卒用のESでは志望動機部分が、「仕事を通じて成し遂げたいこと、その根底にある思いや理由」と「夢や想いの実現の場としてHondaを志望する理由」の二問で構成されています。
仕事を通じて成し遂げたいことは500文字以内、Hondaを志望する理由は300文字以内と充分な文字数があります。例文では設問の趣旨に沿った回答の中で、ホンダならではの企業哲学や特徴、事業戦略と個人としてのビジネスに対するビジョン、夢や実現したいことが伝わる構成にしています。
再掲:あなたが仕事を通じて成し遂げたいことは何ですか。その根底にある想いや理由をあわせて入力してください。(500文字)
私はロボットシステムによるモビリティ技術を追求し、高齢者やハンディキャップのある人に移動の自由と喜びを提供したい。高齢者による自動車事故が社会問題となっているが、地方ではクルマによる移動が生活の基盤になっている場合が多い。都会では高齢者の単身世帯が増え、日常の買物ニーズを満たすモビリティも必要である。私は電動車椅子が安全かつ意思通りに動かす研究において、主にセンサーによる画像情報をAIに学習させ駆動をアシストするシステムの開発を行ってきた。クルマの自動運転が実現する日は近いと思うが、経済的に日常生活をアシストするモビリティの可能性も大きいと考える。また自動運転が実現した先にある「運転することの喜び」という観点からも、クルマによるモビリティやインフラの再定義が必要と考える。パーソナルモビリティの究極はドローン技術等による空中の移動と考えるが、そこに行きつく前に実現すべきイノベーションも膨大であり、私は今世界に求められているが、達成されていない現実のニーズを満たす技術開発にチャレンジしていきたい。パーソナルモビリティは環境負荷も小さく効率的であることから、二酸化炭素の排出削減にも貢献したい。(500文字)
要素の分解:
結論(仕事を通じて成し遂げたいこと):
- 私はロボットシステムによるモビリティ技術を追求し、高齢者やハンディキャップのある人に移動の自由と喜びを提供したい
- →結論ファーストで(ホンダでの)仕事を通じて成し遂げたいことをストレートに記述
結論のRTB (Reason to believe):
- 高齢者による自動車事故が社会問題となっているが、地方ではクルマによる移動が生活の基盤になっている場合が多い。都会では高齢者の単身世帯が増え、日常の買物ニーズを満たすモビリティも必要である
- →なぜそれを成しとげたいのか、社会環境の変化によるニーズを記述
- 私は電動車椅子が安全かつ意思通りに動かす研究において、主にセンサーによる画像情報をAIに学習させ駆動をアシストするシステムの開発を行ってきた
- →志望者ならでは情報を根拠として記述
- クルマの自動運転が実現する日は近いと思うが、経済的に日常生活をアシストするモビリティの可能性も大きいと考える
- また自動運転が実現した先にある「運転することの喜び」という観点からも、クルマによるモビリティやインフラの再定義が必要と考える
- →ホンダが注力している自動運転と、成し遂げたいことの関係を説明
まとめ:
- パーソナルモビリティの究極はドローン技術等による空中の移動と考えるが、そこに行きつく前に実現すべきイノベーションも膨大であり、私は今世界に求められているが、達成されていない現実のニーズを満たす技術開発にチャレンジしていきたい
- →エンジニアとしての究極の夢と、志望者の技術に対するアプローチの方法
- パーソナルモビリティは環境負荷も小さく効率的であることから、二酸化炭素の排出削減にも貢献したい
- →何故、パーソナルモビリティなのかの理由を社会的ニーズからも補強
再掲:夢の実現の場としてHondaを志望する理由を入力してください。(300文字)
貴社を志望する理由は、「Hondaイムズ」の全てに強く共感することが大きい。中でも「世のため、人のため、自分たちが何かできることはないか」という原点と「松明は自分の手で」という企業姿勢に惹かれた。貴社はビジネスジェット機の独自開発やクルマの電動化、自動運転をはじめライフクリエーション事業等、多くの分野で技術開発に挑戦し、それを実行している。また社員の方に「技術の前ではみな平等」というイムズが根付き、年齢や職位にとらわれず自由闊達に本気で意見をぶつけ合う職場である聞いた。エンジニアとして研究や経験を現実の製品として結実させたいという思いが強く、インターンの経験も併せて貴社がその場所であると確信した。(298文字)
要素の分解:
結論(夢の実現の場としてのHondaの志望理由):
- 貴社を志望する理由は、「Hondaイムズ」の全てに強く共感することが大きい。
- →ホンダならではの情報と志望者の価値観をストレートに連結
- 中でも「世のため、人のため、自分たちが何かできることはないか」という原点と「松明は自分の手で」という企業姿勢に惹かれた
- →上記の結論をブレイクダウンして記述
結論のRTB (Reason to believe):
- 貴社はビジネスジェット機の独自開発やクルマの電動化、自動運転をはじめライフクリエーション事業等、多くの分野で技術開発に挑戦し、それを実行している
- →ホンダならではの情報を理由(事実)として記述
- また社員の方に「技術の前ではみな平等」というイムズが根付き、年齢や職位にとらわれず自由闊達に本気で意見をぶつけ合う職場である聞いた
- 志望者の体験を通じての理由づけ、Hondaイムズへの共感を補強
まとめ:
- エンジニアとして研究や経験を現実の製品として結実させたいという思いが強く、インターンの経験も併せて貴社がその場所であると確信した
- →志望者の経験を通じた意志、意欲の表明でまとめる
まとめ
ESの設問のパターンによって答え方、書き方をアレンジする必要はありますが、志望動機のロジックツリーはあらかじめ作っておけるはずです。あなたの軸が強ければ後は書き方を工夫すれば良いだけです。
ホンダの場合、技術部門も、事務部門もイワークショップやンターンシッププログラムに力を入れています。選考は厳しいですが、既に参加できた人、これから参加を実現できた人はインターンシップでのTake Outを志望動機に活かせるかも検討してください。そのままホンダならでの情報と、あなたとの接点を強く表現できます。
面接ではES全体の記述内容を基にした志望動機関連の質問は絶対にありますので、しっかり準備をしておきましょう。
そして文章化したものを信用のおける第三者にみてもらい、ブラシュアップをしていきましょう。
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