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志望動機の基本の書き方
まず基本の書き方を覚えましょう。志望動機については、以下のクリティカルな質問に対する答えを必ず用意しましょう。
- 何故、他の業界・業種ではなく、タイヤ・ゴム業界、タイヤメーカーなのか?
- 何故、他のメーカーではなく、このタイヤメーカーなのか?
- このタイヤメーカーで、何がしたいのか?何を実現したいのか?
志望動機の作成方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。もし読んでいなければタイヤメーカーへの志望動機を書く前に、ぜひ参考にしてください。選考に強い志望動機の構成に関して、理解が深まります。
ここでは、作成のためのフローチャートと、志望動機のまとめ方のフローチャートを掲載しておきます。
志望動機の作成フロー
志望動機の構成要素とまとめ方
タイヤメーカーへの志望動機の書き方
タイヤメーカーへの志望動機を説明するために、具体的にブリヂストンへの志望動機の例文を掲載しています。これは、あくまでタイヤメーカーへの志望動機文の構成要素と文章フローの参考用です。具体的な例文に基づかないと、参考にし難いという理由からです。
志望動機は、あくまで「あなた起点」で書かなければ意味がありません。就活本やマニュアル、就活支援サイトにある例文は参考にして良いですが、コピペや流用は止めましょう。コピペや流用をして書類選考を一時的にしのげたとしても、面接では説得力がなく、選考には勝ち残れないでしょう。
うまく内定がとれたとしても、あなたの本質からずれたところで選んだ企業に入社するリスクになります。後にミスマッチが起こると、あなたも企業もお互いに不幸な結果になってしまいます。志望動機は自分の意思と考えで作成しましょう。
例文:ブリヂストンへの志望動機
当社に対してどのようなイメージを持っていますか。また、当社のどのような部分があなたの志向にマッチして、今回の応募に至りましたか。その理由と併せてご記載ください。(500文字以下)
私は日本人として、日本のみならず世界のマーケットで活躍し、モノづくりを通じて新興国の社会や人々に貢献したいという強い思いがある。タイヤという製品はクルマのモビリティと人の命を預かる生命線であり、産業の発展にも欠かせないパーツとして社会的な使命は重い。貴社の一員としてその重責の一端を担いたいと考え志望した。
私はグローバルで活躍するというビジョンの実現のため、英語の学習は続けており直近のTOEICでは800点をマークした。また自分への挑戦としてアジア8ヵ国を2ヵ月間一人旅して、異文化の中でのコミュニケーション能力、対人能力を磨いてきた。このようなチャレンジは緻密な計画がなければ成功は覚束ない。貴社の不断のチャレンジも考え抜かれた目的と緻密な計画によって成り立っていると知り、それを世界で共に推進したいと思い、貴社を志望した。
そのタイヤメーカーで実現したいことを結論とする
エントリーシートでも、面接でも、「このタイヤメーカーで実現したいこと、やりたいこと」は志望動機の結論部分になります。結論は、エントリーシートの志望欄には一番初めに、明確に書きましょう。面接では、結論を始めに述べましょう。
ブリヂストンのESは「当社に対してどういうイメージを持っているか」、また「当社のどのような部分があなたの志向にマッチして応募に至ったか」という質問のため、企業の特徴と、自身のビジョンを重ね合わせて志望動機を説明するフォーマットになっています。このような指定がある場合は、それに従って書くべきですが、そこに自分の意志や意欲を表現することで、あなたの印象を強めることができるのです。
タイヤメーカーを目指す理系の学生は、あなたが本当にある特定部分のスペシャリストで、専門知識があり、その分野にこだわりがあれば、ビジョンとやりたい仕事を一致させて勝負する方法もあります。
しかし採用する側から見ると、その分野に携われない場合、使い難い人材と評価されるリスクが大きいのです。特定分野を書く場合でも、その前提となる「大きなビジョン」から落とし込んで書くようにしましょう。
文の冒頭は、結論=核心部分から書きましょう。ブリヂストンの場合は志望する理由を併せて求めているため、理由を説明しますが、その場合でも「あなたの意思」を反映して書くことがポイントです。単に企業の特長を述べるだけではアピール不足です。
志望動機の質問が「理由を述べよ」、もしくは特定の事柄に対する回答を求めていない場合は、理由の説明から入ると話の核心が見えにくく、弱くなってしまいます。ESでも面接の応答でも基本は結論をはじめに述べてから、その理由を簡潔に説明していくフローを使いましょう。
ブリヂストン志望のAさんの場合は、以下の部分が「当社に対してどういうイメージを持っているか」についての結論です。
更に、どの点がそのイメージを作ったかという理由を、次の文でフォローしています。
冒頭に書くのは結論=核心部分なので、タイヤメーカーの独自性、特長や業界でのポジショニングを反映していないと、非常に弱い結論になってしまいます。他業界の企業にもあてはまるような、「日本・世界に貢献している」、「技術で人々の生活を豊かにしている」などという抽象的なものではアピールできません。
二番目の質問の「当社のどのような部分があなたの志向にマッチして応募に至ったか」に関する結論を次に述べています。
志望動機の結論に、「自分の成長」や「自己実現」など、自分へのメリットを中心にするのは止めましょう。企業はあなたのために採用活動を行っているのではありません。あくまで企業のために行っています。企業のためとは、企業の利益に貢献をすること、そのためには、企業の顧客に価値を提供することです。
多くのエントリーシートを読んでいますが、志望動機の結論部分を自分の成長など、自分へのメリットに重きを置いて書いてしまっている学生は非常に多いのです。自分の成長は大切なことですが、自己目的化した志望動機になってしまわないように注意してください。
この結論部分には、「あなたならでは」の要素を入れましょう。他の学生ではない、あなた独自の情報を入れないと、あなたの志望動機としては弱いものになってしまいます。あなた独自の情報とは、経験、価値観、独自の視点や専門領域を指します。
何故、タイヤメーカーという業種なのかを理由付ける
タイヤメーカーを志望する場合、まず他の業種との違いをしっかり理解して志望動機を作りましょう。何故、タイヤメーカーなのか、を明確にする必要があります。
言うまでもなく、タイヤは自動車の重要なパーツです。タイヤメーカーを目指す場合、そのポジショニングをしっかりと把握しておくことが重要です。自動車産業は日本を代表する産業です。また各社とも立派なグローバル企業です。その中で、タイヤメーカーを志望する理由を明確に答えられるようにしておきましょう。
志望動機の作成フローにあるように、あなたが何故その業界に興味、関心があり職業選択の対象にしたのかを説明しましょう。そして、何が結論である「あなたがそのタイヤメーカーで実現したいこと、やりたいこと」に結び付いているのかを説明します。
ブリヂストンへの志望動機の例では、次の部分がそれを説明しています。
何故、同業他社ではなく、このタイヤメーカーなのかを理由付ける
このパートに説得力を持たせるのは、徹底した個別企業の研究と、自己分析です。志望企業はもちろんの事、その業界内で競合する企業を研究して、志望企業ならではの特徴、独自性を見つけていきます。
企業の独自性と、「あなた自身の理由」を結び付けて下さい。「私のしたい仕事、ビジョンを実現できるのは、○○○という特長を持っている貴社である」という文脈を構成しましょう。
ブリヂストンのエントリーシートの場合、「当社のどのような部分があなたの志向にとマッチして、今回の応募に至りましたか」と具体的に質問しているため以下の構成になっています。
「世界No.1のシェアを誇るタイヤメーカーであり、海外売上比率が8割以上、全世界に170もの生産拠点を持ち、革新的技術開発により常に創造的で最高の品質の製品を産み出し続けている点」
Aさんの就活の軸:
「私は日本人として、日本のみならず世界のマーケットで活躍し、モノづくりを通じて新興国の社会や人々に貢献したいという強い思いがある」
この二つがマッチして応募に至ったと結びつけています。
どんな場合でも、しっかりと企業研究と、出来る限りインターンシップへの参加やOB/OG訪問を行なって生きた情報を仕入れ、自分と企業の特長を重ね合わせて志望動機の説得力を増しましょう。
自己PR要素を加えて志望動機を補強しよう
タイヤメーカーの場合、エントリーしてくる学生のレベルが高いため、エントリーシート段階でも、自分のアピ―ルポイントを明記して、それによってどんな貢献ができるのかを、ビジョンでも良いので書くことが重要です。
自分で最も競争力があると思うアピールポイント(経験、能力、長所、強み、資格、専門領域など)を書いておきましょう。書いていない場合、書いていないことでESがはじかれるリスクも避けられます。
ブリヂストンの例文のように自己分析から抽出したあなたの強みや長所、性格、経験や資格、専門領域などの自己PR要素を入れていきましょう。500字であれば例文のように、十分自己の経験、実績、能力、強み、長所、人格から、結論を補強できます。
自己PR要素を盛り込む際に注意したいのは、いくらあなたの価値観や経験に適合しているからといって、企業の本質から遠い活動に志望動機を結びつけるのはNGです。
例えば、ブリヂストンの場合は、日本を代表するグローバル企業として世界中で様々な社会貢献活動を行っています。それはブリヂストンの事業の一環であっても、本質的な活動ではありません。
企業の個別の活動が、あなたの企業に対する「きっかけ」になった場合でも、個別の活動をそのまま志望理由にせず、個別の活動の奥にある企業の存在意義まで深堀をしましょう。
作成フローにもあるように、最も上位の概念はその企業の本質的な存在意義です。そこからナローダウンする必要はありますが、存在意義に基づいた企業や事業の本質的な部分に、あなた自身の志望動機を結び付けてください。
職種・キャリアプランを加え、意欲をアピールしよう
あまり無理やりこじつけるのは得策でありませんが、志望職種とキャリアプランまでできていれば、説得力を増すことになります。エントリーシートの記載までに、職種志望動機とキャリアプランまでをまとめておきましょう。その企業に入って、具体的に何をしたいかを結論として書くためには避けては通れません。
ES段階で詳細な職種志望の選択が必要な場合は当然ですが、そうでない場合でも志望動機欄が、300文字以上であれば、キャリアプランをビジョンとして入れておきましょう。
文字数の制限がある場合はESには入れられなくても、自分が実現したいことには関わるため、ビジョンとしてでもまとめておきましょう。面接では必ず質問がありますので、ES提出段階で、早めに固めておくことをお勧めします。
注意すべきことは、限定的なイメージを持たれないように書くことです。企業はあなたの希望ではなく、企業の論理で人事配置を決定することを忘れないでください。エントリーシートでは具体的なキャリアパスのイメージを持っておくことは重要ですが、「それしかない」と思われてしまわないように書き方を注意しましょう。
就活の軸、「企業選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぼう
志望動機文の最後のフレーズは、就活の軸の実現が、このタイヤメーカーだからできるという文脈で結びましょう。それまでの文章のフローで、二度全く同じことを言わないように表現を工夫する必要はあります。
文を締める意味で「貴社を志望しています」、「貴社に貢献したい」という志望意欲を伝えるために、核心部分を別の表現で補強しておきましょう。例文では冒頭のビジョンをより具体的に言い換えています。
以下の部分が、「ブリヂストンでやりたい仕事」に対する結論部分となります。
「私は日本人として、日本のみならず世界のマーケットで活躍し、モノづくりを通じて新興国の社会や人々に貢献したいという強い思いがある」
志望動機を締めるビジョンの言い換え:
「貴社の不断のチャレンジも考え抜かれた目的と緻密な計画によって成り立っていると知り、それを世界で共に推進したいと思い、貴社を志望した」
タイヤメーカーへの志望動機のまとめ
- そのタイヤメーカーで実現したいこと、やりたいことを結論として初めに書く
- 何故、タイヤメーカーなのかを理由付ける (業種・業界の存在意義 × 価値観・経験)
- 何故、他のタイヤメーカーではなく、そのタイヤメーカーなのかを理由付ける(志望するタイヤメーカーの存在意義・特徴・独自性 × 価値観 × 自己PR要素)
- 就活の軸、「企業選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぶ(志望するタイヤメーカーの存在意義・特徴・独自性 × 就活の軸)
尚、志望動機欄の文字数制限が300字以下の場合は、自己PR要素は削除してもかまいません。殆どのESには自己PR欄や、学生時代に力をいれたことを記述する欄がるため、そちらで集約して、志望動機は全体を簡潔にまとめてください。
ただし上記の4つの要点はカバーしましょう。完全に一つ一つをカバーしなければならないという意味ではありません。文脈の中でうまく伝えることにトライしてください。ES全体として「あなた」という個性と志望動機に一貫性が読み取れ、採用担当が「あなたがこの企業で働いている姿」を想像できれば選考を勝ち抜けます。
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