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まず通信業界を理解することから始めよう
通信業界という呼び方は曖昧であるため、初めにどこまでを含むのかを決めておきます。
この記事ではテレビ業界を除く、地域通信事業、移動体通信事業、国際・長距離通信事業、データ通信事業を主業務とする企業を対象にして解説を進めます。具体的なイメージとしては通信インフラを支えるNTTグループ各社、KDDI、ソフトバンク他、プロバイダー企業をカバーするものとします。
通信業界の職種
志望動機を書く前に、通信業界の職種について概要を頭にいれておきましょう。非常に高度な専門知識を必要とする基礎研究等の職種、専門職は企業毎に細かく調べるべきですが、理系・文系の学生が通信業界の志望動機を考える上で、学生の日常生活からでは中々見えにくい通信業界の仕事の概要を理解しておきましょう。
主な職種と仕事内容
法人顧客への営業と業務サポート:
企業から経営や業務上の問題点や課題をヒアリングして、企業内のネットワーク構築やコミュニケーションシステムの構築、クラウドサービスの導入や提案を行う
システムエンジニア、もしくはセールスエンジニア:
法人のお客さまに対して最適なソリューションを提案・販売する営業部隊を、技術的な側面から支援する役割を担う。提案書の作成や受注後の設計、構築、納品後のアフターフォローを行う
個人顧客への営業と利用サポート:
個人のお客様へ、スマートフォン・携帯電話やその他通信機器の販売、電話回線やインターネットのデータ通信契約の営業と、ハードやサービスを使用する上でのカスタマーサポート、カスタマーサービスを行う
商品・サービスの開発、企画・販売促進:
企画部門では主に自社技術を活用した新しいサービスやビジネスの開発、新しい販売方法や商品企画の考案を通じて、競合優位性を確保できる企画や販促業務を行う
ハード面ではスマートフォンのコンセプト作りから商品のプロモーション、ソフト面では各種サービスの企画、コンテンツプロバイダとのアライアンス提案等を手がけ、サービス面では通信サービスのみならず、電子決済、電気エネルギー、金融サービスや、法人部門では独自のネットワーク、データセンター、セキュリティ、クラウドサービスを始め、IoTを活用した新たなサービスの企画を担当する
商品・サービス開発部門:
商品・サービス企画部門からのプランを基に、技術的な検討を行い、異なる技術・製品の組み合わせやパートナー企業との協働によって商品・サービスを作っていくことが主な仕事となる
通信設備の構築、設備建設、改良、システムの保守・運用管理:
新しい通信ネットワークのインフラの構築、設備建設、改良、保守管理をおこなう技術分野の仕事。法人顧客の場合企業毎にカスタマイズしたソリューションを提供する必要があるため、技術者、エンジニアの主業務となる
情報システム:
基盤となるシステムの開発を担当し、関係各部からのシステム化依頼に対応して、様々な検討を加え実際のシステムを設計、構築する。開発から試験、システムリリースからその後の運用・保守までを一貫して手掛ける
新卒でITエンジニアになりたいなら、ITと就活の専門知識を持つプロに相談するのが近道
IT技術やWeb技術は今の社会にとって必要不可欠であり、それに係る人材は枯渇しています。
ITを担当するITエンジニアは多種多様な産業に渡り、且つ技術をベースとした専門分野に分かれているため、現状の自分にどんな可能性が広がっているのかを正確に判断するのは難しいものです。
この分野のすそ野は広く、プログラミングの知識が殆どなく、その「さわり」程度の知識しかない文系の学生でもITエンジニアの卵として就職することも可能です。
また大学で情報工学を学んでいる学生や大学院でAIを専門に研究してきた学生が、IT系企業だけではなく、外資系のコンサルティング会社や投資銀行のエンジニアとして就職することも普通にできるのです。
しかしほとんどの学生の場合、産業や企業、IT系の職種に対する知識が乏しいため、具体的な就活をどう進めたらよいのか分からず、最初の段階で躓いたり、無駄な時間を使ってしまいます。
そんな不満や不安を持つ就活生は、ITと就活の専門知識を持つ、ITエンジニアになるための就活に特化した就活エージェントである、レバレッジルーキーに一度相談してみましょう。
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志望動機の基本の書き方
まず基本の書き方を覚えましょう。通信業界への志望動機については、以下のクリティカルな質問に対する答えを必ず用意しておきましょう。
- 何故、他の業種ではなく通信業界なのか?通信業界の中の、この業種なのか?
- 何故、他の通信企業ではなく、この通信企業なのか?
- この通信企業で、何を実現したいのか?何がしたいのか?
志望動機の作成フロー
志望動機の構成要素とまとめ方
通信企業への志望動機の書き方
通信企業への志望動機を説明するために、具体的に就活生の人気が高いKDDIへの志望動機の例文を掲載しています。これは、あくまで通信企業への志望動機文の構成要素と文章フローの参考用です。具体的な例文に基づかないと、参考にし難いという理由からです。
しかし通信企業でも特徴は大きく違います。例えばNTTグループの企業でも、地域通信を主業務とするNTT東日本や西日本と、移動体通信のNTTドコモでは事業のドメインそのもの異なっています。
また同じ業種内でもその企業のポジショニングによっても差が出ますので注意が必要です。例文はあくまで基本の考え方を示すものなので、志望企業毎の徹底した企業研究が必要であり、個別のカスタマイズが必要なことを強調しておきます。
志望動機は、あくまで「あなた起点」で書かなければ意味がありません。就活本やマニュアル、就活支援サイトにある例文は参考にして良いですが、コピペや流用は止めましょう。コピペや流用をして書類選考を一時的にしのげたとしても、面接では説得力がなく、選考には勝ち残れないでしょう。
うまく内定がとれたとしても、あなたの本質からずれたところで選んだ企業に入社するリスクになります。入社後にミスマッチが起こると、あなたも企業もお互いに不幸な結果になってしまうので、志望動機は必ず自分の考えと意思で作成しましょう。
例文:KDDIへの志望動機
- 志望職種:業務系
- 志望業務:商品・サービスを生み出す仕事
なぜKDDIで実現したいか、入社後のキャリアパスを踏まえて教えてください。(300字以下)
学生時代、ライブイベントのプロデュースを手掛け、配信にも技術的に携わってきたため、ライブのVRデータ配信事業は現時点での私が実現したい、究極の新サービスです。
入社後は法人のソリューション営業を経験して課題解決に貴社の持つ技術や組織の活かし方の基礎を身に付け、その後は新たな商品・サービス企画を開発したいと考えています。
その通信企業で実現したいことを結論として初めに書く
エントリーシートでも、面接でも、「この通信企業でやりたいこと、実現したいこと」は志望動機の結論部分になります。結論は、エントリーシートの志望欄には一番初めに、明確に書きましょう。面接では、結論を始めに述べましょう。
KDDIのESでは、まさに志望動機の1問目の回答が、KDDIで実現したいことの結論になっています。
KDDIは、中期経営計画の中でライフデザイン企業への変革を掲げています。
Eコマース、金融、教育、シェアエコノミー等、通信が関係するあらゆるサービスに参入してく方針であり、柔軟な発想力で新たなビジネスに果敢に挑戦していくことを標榜しています。KDDIはNTTグループに比べて自由闊達な社風であり、個人の裁量や挑戦を重視している企業でもあります。
KDDIを志望するAさんの場合は、以下の構造によってAさんとKDDIを結び付けています。
私自身と企業を結ぶ理由・共通点:
私自身:
実現したいことは、「エンターテイメントとスタジアムソリューションを結び付け、大容量通信によって高精細VRデータを遠隔地の会場や個人に配信することによって、ライブのワクワク感を共有できるサービスを事業化したい」である
実現したいことの背景・根拠は、「学生時代、ライブイベントのプロデュースを手掛け、配信にも技術的に携わってきたため」である
企業側:
「第一に貴社がライフデザイン企業への変革を標榜し、通信による新しい体験価値の提供を目指していること。第二にオープンイノベーションによる、パートナーとの協働に柔軟であること、第三に世の中にない価値の創造に対し挑戦をし続けてきた歴史と社風があることです」
通信企業を志望する場合、まずその企業が所属する業種と、他の業種との違いをしっかり理解して志望動機を作りましょう。しかし「何故、この業種なのか」という点は、あなたがその業種に専門性が無い場合は、明確に語ることは難しいと思います。
その対策として、通信企業の志望動機の場合は次の2点を考慮して書くことをお勧めします。
- 自分はなぜその通信企業が所属する業種に魅力を感じるのか
- その通信企業が得意とする分野、取り組んでいる事業の魅力、社会的な重要性を自分はどう思うのか、自分にとっての意味は何か
通信企業の場合、企業毎に得意とするサービスに違いがあります。しかしその中でも、以下のような共通点があります。
- 事業・取引が広域に展開をしていること(国内・海外)
- 移動体通信技術、IoT、AI等の情報技術の更新速度が速く、新しい商品・サービスが生まれる頻度も高い
- プロフェッショナルな専門知識が必要
- 通信を媒介とし、企業と企業を繋ぐ、企業と情報、人(技術者)と企業を繋ぐBtoBビジネスと、個人顧客を対象としたB to Cビジネスに多様な可能性がある
また、志望動機の結論に、「自分の成長」や「自己実現」など、自分へのメリットを書くのは止めましょう。企業はあなたのために採用活動を行っているのではありません。あくまで企業のために行っています。企業のためとは、企業の利益に貢献をすること、そのためには、企業の顧客に価値を提供することです。
多くのエントリーシートを読んでいますが、志望動機の結論部分を自分の成長など、自分へのメリットに重きを置いて書いてしまっている学生は非常に多いのです。自己の成長は重要ですが、志望動機を自己目的化しないように注意しましょう。
この結論部分には、「あなたならでは」の要素を入れましょう。他の学生ではない、あなた独自の情報を入れないと、あなたの志望動機としては弱いものになってしまいます。あなた独自の情報とは、経験、価値観、独自の視点や強み、専門領域を意味します。
何故、通信企業なのかを理由付ける
志望動機の作成フローにあるように、あなたがなぜその業種に興味、関心があり職業選択の対象にしたのかを説明しましょう。そして、何が結論である「あなたがその通信企業でやりたいこと、実現したいこと」に結び付いているのかを説明します。
KDDIへの志望動機の例では「なぜKDDIで実現したいか」とストレートに質問していますので、KDDIの独自性の中に通信業界、通信企業への志望理由を併せて語っています。KDDIのように業界大手でインフラ企業の場合は企業の存在そのものが業界を象徴しているため、このような出題が多くなります。
何故、同業他社ではなく、この通信企業なのかを理由付ける
このパートに説得力を持たせるのは、徹底した個別の企業研究と、自己分析です。志望企業はもちろんの事、その業界内で競合する企業を研究して、志望企業ならではの特徴、独自性を見つけていきます。
通信企業が求める人材のスキルセットは、技術革新のスピードが速く、システムが大規模化、高度化していくために、それに従って高度化・細分化していく傾向にあります。
通信企業が募集する職種に関して、あなたが本当にある特定部分のスペシャリストで、専門知識や経験があり、その分野にこだわりがあればそれを核に志望動機をつくるべきです。特に理系の技術職志望の場合はそれが必須と考えて下さい。
更に同じ業種内で、いくつかの通信企業が競合しています。業種までは自分の専門性や価値観、経験に結び付けられたとしても、更に、何故競合企業ではなく、この企業なのかの答えを用意しておきましょう。
KDDIの例では、企業の中期経営方針と歴史・社風という独自の要素の中から3点を抽出して説明しています。
自己PR要素を加えて補強しよう
文字数が許す範囲という制約はありますが、自分で最も競争力があると思うアピールポイント(経験、能力、長所、強み、資格、専門領域など)を書いておきましょう。学生時代の経験で、リーダーシップや交渉力、実行力や粘り強い性格などの人間的な力でも良いのです。
自己PR要素を盛り込む際に注意したいのは、いくらあなたの価値観や経験に適合しているからといって、企業の本質から遠い活動と志望動機を結びつけるのはNGです。例えば、KDDIはインフラ企業としてサステナビリティという柱のコンセプトのもとに、様々なCSR活動を積極的に行っています。通信事業者として障がい者支援や東北被災地を中心とした継続的な復興支援活動、ミャンマーでの通信インフラの構築・支援事業等を展開しています。
これらは全て素晴らしい活動であり、KDDIの事業の一環ではありますが中核の活動ではありません。作成フローにもあるように、最も上位の概念はその企業の存在意義です。そこからナローダウンする必要はありますが、存在意義に基づいた企業や事業の本質的な部分に、あなた自身を結び付けてください。
キャリアプランを明確にしよう
エントリーシート段階では、職種希望を書く必要がない企業の場合でも面接では必ず聞かれます。徹底した企業研究をしっかりして、少なくともその会社の強みや特長を、「自分が感じた、仕事の魅力」として答えられるようにしておきましょう。
具体的にこの通信企業に入って何がしたいのかを、職種希望と結びつけて語りましょう。
そして文字数が許す範囲で、キャリアプランまで熱く語るのが基本の考え方になります。その際自分のアピ―ルポイントを明記して、それによってどんな貢献ができるのかを、ビジョンでも良いので書くことが重要です。
KDDI場合は、ES段階で職種と業務を絞って応募する形です。質問では実現したいことを、「なぜKDDIで実現したいのか」、「キヤリアパスを踏まえて」と明確に求めています。
企業研究、インターンシップへの参加やOB/OG訪問を通じて、しっかりとしたプランを持った学生しかESを通過できません。人気の集中する通信業界を志望する場合はES提出時までに、志望職種とキャリアプランを明確にしておきましょう。実現したいことを語る上では、避けては通れません。
就活の軸、「企業選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぼう
KDDIのESは例外になりますが、「志望動機を教えて下さい」と漠然と答えを求められる場合は、文の締め方も工夫しましょう。その場合、志望動機文の最後のフレーズは、「就活の軸の実現が、この通信企業だからできる」という文脈で結びましょう。それまでの文章のフローで、二度全く同じことを言わないように表現を工夫する必要はあります。
文を締める意味で「貴社を志望しています」、「貴社に貢献したい」という志望意欲を伝えるために、核心部分を別の表現で補強しておきましょう。
志望動機に時間をかけられない時は、「志望動機作成ツール」を活用してみよう
志望動機を作成する際、伝えたいことは沢山あっても、文章で上手くまとめる自信がない就活生も多いはず。
そんな時は、「志望動機作成ツール」を活用してみましょう。
就活サービスを提供している、キャリアパークの「志望動機作成ツール」を使えば、Step1:簡単な質問に答えていくだけ、Step2:志望企業・業界の有力企業の内定者ESを参照できる、Step3:人事が見ているポイント、他の学生との差別化をするポイントが分かり、自分独自、かつ理想的な流れの志望動機が完成します。
あとは志望企業のESにあわせてチューニングするだけなので、準備を大幅に効率化できます。
無料でダウンロードして効率的に基本の流れを作り、自分独自の志望動機を完成させましょう。またこのツールを利用する際、就活をより効率化できる無料の就活サービスを同時登録することも忘れずに!
通信業界・企業への志望動機のまとめ
- その通信企業で実現したいこと、やりたいことを結論として初めに書く
- 何故、通信企業なのかを理由付ける(業種・業界の存在意義 X 価値観・経験)
- 何故、同業他社ではなく、その通信企業なのかを理由付ける(志望する通信企業の存在意義・特徴・独自性 X 価値観 X 自己PR要素)
- 就活の軸、「企業選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぶ (志望する通信企業の存在意義・特徴・独自性 X 就活の軸)
尚、文字数制限300字以下の場合は、自己PR要素は削除してもかまいません。殆どのESには自己PR欄や、学生時代に力をいれたことを記述する欄がるため、そちらで集約して、志望動機は全体を簡潔にまとめてください。
ただし上記の4つの要点はカバーしましょう。完全に一つ一つをカバーしなければならないという意味ではありません。文脈の中でうまく伝えることにトライしてください。ES全体として「あなた」という個性と志望動機に一貫性が読み取れ、採用担当に「あなたがこの企業で働いている姿」が想像できれば選考を勝ち抜けます。
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