新型コロナウイルスが就活に及ぼす影響で最も顕著なのが、学生と企業が大規模に直接触れ合える機会の減少です。就活の初期段階では合同説明会、単独説明会の開催の中止や延期、WEBセミナーへの置き換えが一気に進みました。そして2022年卒の就活生は、インターンシップにもオンラインで参加することも一般化しています。
就活生にとっては、知らなかった業界や企業は能動的に調べていくことが求められています。現在は合同説明会等で偶然目にしたり、話を聞いて興味を持つという機会が持ちにくい状況です。
有名企業、就活人気の高い企業、何万何全というエントリーが集まる企業は別にしても、優良企業であるにも関わらずBtoBで知名度がないため十分な候補者数を集めるのが難しい企業はアピールの大事な機会が失われており、就活生、企業ともに頭の痛い不透明な状況です。
適性検査もテストセンター試験からWEBテストに切り替える企業も多く、面接もリモート化しています。面接をオンラインで行った企業の比率は5割近くに達し、大企業では8割に上り、最終面接までオンラインで行った企業も7割近くとなったという調査もあります。(2021年卒の就活)
一部企業で活用されている「リクルーター面談」は、候補になり得る学生との個別のコンタクトを強化できる手法の一つであることから、企業は新型コロナウイルス対策として例年以上に活用する傾向が出ています。
この記事では、就活生にとっても「謎」の多いリクルーター面談の重要なポイントと面談で失敗しない方法を徹底解説します。
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リクルーター面談って何?
リクルーター面談(就活用語では「リク面」と約されています)とは、企業の人事部に依頼、指名された主に20代、30代(前半の人が多い)の若手社員が、個別に就活生と面談する機会を持つというものです。
企業が「面接」ではなく「面談」、「相談会」、「社員との懇親会」、「OB/OGと会える機会」としている理由は、政府が企業に要請している採用活動開始時期(2023年卒の場合は2022年6月1日)、以前に行われるものが多いため、採用活動を意味する「面接」ではないと主張できるからです。ただし、「面談」は建前に過ぎず、実質的には「面接」と同じ、少なくとも近い機能を果たしています。
OB・OG訪問は学生側の自主的な活動であり、それ自体は企業主体の活動ではないため基本的に選考の評価材料にはならないのに対し、リクルーター面談は企業の人事部が主体となって行っている疑似的な採用活動です。
企業が自らのお金と時間を使い、学生に対するサービスで行っている活動ではありません。実質的には採用活動の一環として行われているため、そこには学生に対する「評価」がつきます。
リクルーター面談の目的にもよりますが、リクルーターがつける評価が低かった学生は、次のステップに進めないということも起こります。
具体的にはESや面接の通過通知が行われる前にリクルーター面談があり、その結果によってESや面接が通過できるか、できないかに影響を与えるケースです。
リクルーター面談の場所
コロナ以前では、企業内のカフェテリアや近隣のカフェ、ホテルのカフェレストランでドリンク、ランチ、軽食をともなって行われる場合が多いですが、企業によっては小会議室で面接風に行うこともありました。コロナ禍ではリクルーターとのコンタクトもオンラインで行う場合多くなりました。
リクルーター面談の時期と狙い
時期は企業によって様々です。パターンとしては以下のタイミングと狙いで行われます。
時期 | 主な狙い |
夏・秋・冬のインターンシップ後 | インターンシップで優秀と判断した学生を本選考に乗せる |
プレエントリー後、もしくは説明会参加後 | 学歴フィルター等を使い、有望な候補にしたい学生の本音と適合性を確かめ、本選考に乗せる |
WEBテスト後 | テスト結果も踏まえた絞り込みで、有望な候補にしたい学生の本音と適合性を把握し、選考対策をアドバイス |
ES提出後 | ES内容を踏まえた絞り込みで、有望な候補にしたい学生の本音と適合性を把握し、面接対策をアドバイス |
〇次面接直後 | 面接通過後のタイミングで次の面接や役員面接、最終面接対策 |
リクルーター面談の時間
企業によってまちまちですが、最低30分から1時間で行うことが多いです。1時間程度と考えておきましょう。
リクルーター面談に呼ばれる学生
リクルーター面談を実施している企業は、リクルーター面談に呼ぶ学生と、リクルーター面談を実施せず一般採用プロセスのみで選考を行う学生に分けて採用を行っています。
どのように分けているのかを公表している企業はなく、ブラックボックスです。しかしその中に学歴フィルターが効いていることは間違いありません。
企業毎ではなく、一般論としては東京大学、一ツ橋大学、東京工業大学、慶応大学、早稲田大学、旧帝国大学の就活生につくことが多いとされ、次のランクではMARCH、関関同立という傾向になります。
もちろん、上記の大学だから必ず呼ばれるとも限りません。
また上記以外の大学から選ばれる場合もあります。リクルーター面談コースは有利ではありますが、一般ルートで採用される学生も多いので上記の大学でないと選考に残れないということではありません。
リクルーター面談で注意すること
リクルーター面談での服装
リクルーター面談を積極的に行っている企業は、金融やインフラ、歴史と伝統があるメーカー、建設などが多く、採用活動の一環であることから特別な指示がない場合はオンラインでもリクルートスーツで参加してください。
企業側から「フランクに話したいので普段着で来てください」、「参加してください」という明確な指示がある場合はそれに従ってください。ただし、普段着と言ってもスマートカジュアルです。ジーンズとTシャツのような本当の普段着はNGです。
リクルーター面談でのマナー・言葉使い
プレエントリー直後など、比較的早い段階でのリクルーター面談は「雑談形式」であることが多く、リクルーターもあえてフランクな態度で話し、学生の本音や他に志望している業界や企業等の本音情報を引き出すことを狙っています。
そのため学生の言葉使いもラフになりがちです。「ため口」とまではいかないと思いますが、丁寧な言葉使いをするように充分気を付けて下さい。
リアルな面談の場合は食事は勧められても断って飲み物だけとして、リクルーターの発言のメモを取るようにしてください。メモを取りながら食事はできないです。
「食事」を強く勧められ、どうしても断れない、断るのが失礼なレベルと感じたら、サンドウィッチ等、簡単に且つ綺麗に食べられるものにしましょう。
リクルーター面談へ準備すること
心構え:
企業があなたにリクルーターをつける、リクルーター面談の機会をくれるということは、企業があなたに興味がある証拠です。
この段階で、リクルーター面談の機会をオファーされない一般の志望者より一歩リードしていることは間違いありませんが、そのリードを活かすも殺すもあなた次第であることを強く自覚してください。
あなたに対する期待が大きいために企業は時間とお金を使っているのです。その期待を裏切る結果になったら、次のステップに進めないものと考えて臨んでください。
当然ですが、リクルーター面談のオファーを受けたにもかかわらず、それを拒否したらその段階で終わりと思ってください。どうしても都合がつかない場合は、理由を述べて日程調整をお願いしましょう。
電話連絡への対応:
リクルーター面談のオファーはあなたの携帯電話に直接電話でかかってくる場合もあります。非通知で掛けてくる場合もあるので、非通知拒否設定は解除しておいて、ください。
電話に出られない場合は、常識的なビジネスアワーの範囲で折り返してください。
メールも小まめにチェックをして、返信が遅れないようにしましょう。リクルーター面談は採用活動の公式なプログラムではない(一部の学生しか受けられない)ため、日程も不明で突然のオファーになります。
あなたの志望している企業が、例年リクルーター面談を行っている場合は特に注意してください。
企業研究:
リクルーター面談を受ける以上、あなたがその企業の研究を深く行っていない場合、リクルーターはそれを見抜いて「あなたの志望度は低い」、「本気度は低い」と判断します。
リクルーター面談はそもそも「本気度」や「適合性」を確かめ、優秀であれば「囲い込む」ことを目的としているため、あなたの「本気度」が低いと判断したら、企業側がそれでも「是非に」と思えるくらいの特別な資質や能力がない限りその企業の選考に残るのは難しくなります。
そのため、あなたがその企業の選考を受け、内定を獲得したいと思っているなら、面談前に真剣に企業研究を行い、リクルーターの生の声でそれを確かめるようにしてください。
逆質問の準備:
企業研究の延長線上になりますが、リクルーター面談はWEB情報や会社案内では分からない深い情報やその企業で活躍している社員の「生の声」を取材できる貴重な機会です。
この機会を活かせるようにリクルーターが「何か聞いておきたいことはありますか」と逆質問をしてきます。逆質問だけをテーマにしたリクルーター面談の機会を設ける企業もあるくらいです。あるいは逆質問だけで30分程度(1時間の面接時間の場合は半分)を費やし、納得した上で志望意欲を固めて欲しいというのが真意です。
リクルーター面談のプロセスにおいて逆質問が無い場合は、面談の最後にこちらから積極的に質問をしましょう。質問をすることは「意欲」や「本気度」をアピールすることにつながります。折角、企業側がくれたチャンスを逃す手はありません。
逆質問の作り方は、OB/OG訪問の際にするべき質問と基本的に同じです。
ただし、リクルーター面談が選考の初期段階なのか、面接に入ってからなのか、雑談形式なのか、面接形式なのかでも違ってきます。そのTPOを見極めて、自分の聞きたい質問を10問は準備しておきましょう。質問の重要度のプライオリティをつけて、時間を考えながら質問をしてください。
リクルーターへのお礼メール
リクルーター面談が終わったら、担当のリクルーターにお礼メールを送っておきましょう。メールを送るタイミングは、その日中です。
以下のテンプレートを参考にして、クイックに対応してください。ただし誤字脱字は必ずチェックすること。間違っても使いまわしで、他社宛てのものを送らないように!
株式会社 〇〇〇〇 (社名:株式会社は略さず、前、後を間違えない事)
〇〇部 〇〇課 (リクルーターの所属する部門名)
〇〇 〇〇様 (リクルーターの氏名)
お世話になっております。
本日はお忙しい中、貴重な機会を設けていただき有難うございました。
○○様からお聞きした○○○に関する○○○お話、また○○○のアドバイスに大変感銘を受け、益々御社で自分を活かしたいとの意を強くしました。○○様からいただいたアドバイスを活かして〇〇に取り組んでまいります。
またご質問させていただくことがあるかもしれませんが、その際はご指導よろしくお願いいたします。
本日は貴重なお時間をいただいたこと、誠にありがとうございました。
○○大学○○学部△△学科
(氏名)
携帯番号
メールアドレス
文面は、実際の面談の内容を簡潔に反映してください。メールを送るだけなら2-3分でできることです。面倒くさがらず、やっておきまししょう。
リクルーターがチェックするポイント
リクルーターは、あなたの「何」をチェックし、評価しているのでしょうか。面談と言っても実質はフランクな面接であるため、あなたをチェックし、評価するポイントは面接と同じと考えて下さい。
ただし、非公式な面接、面談であるため普通の面接よりは砕けた雰囲気での質疑応答となります。基本的なポイントですが、以下に箇条書きでまとめておきます。
- 第一印象:身だしなみ・マナー・言葉使い、姿勢、ルックス、元気度
- コミュニケーション能力:人の話を傾聴できるか、理解度、論理的な思考能力、自分の意見を伝える能力、面談の機会、状況をふまえた対応ができるか
- 自己アピール力:自己紹介、学業で力を入れた事、ガクチカ、
- 性格(素のあなたのキャラクター)、資質、長所・強み
- 志望動機:本気度(強さ、他業界、他社への志望意向)
もちろんすべて一回のリクルーター面談で上記を評価するという意味ではありません。このような視点を持ってあなたを観察していると考えておいてください。
リクルーターの狙い
リクルーターの狙いは面談がどういうタイミングで行われるかによって変わってきます。
プレエントリー段階や説明会を受けた後の段階では、選別した学生とよりカジュアルなコミュニケーションをとることによって、就活生の心に食い込み、志望度を上げること、本選考のルートに乗せる事が主な目的となります。その逆で、学歴や書類ではわからない学生の本音を見極めておくという目的もあります。
企業アピールの生の声版、双方向のコミュニケーションによる企業理解の促進によって、本気で受けてもらうことを目的にしています。
WEBテスト後、ES提出後、〇次面接後という選考段階では「入社してほしい」リストに入った学生に内定までのナビゲーションをすることが主な狙いとなります。
企業側も期待値が上がっているため、企業にもよりますが具体的な「ES対策」、「面接対策」を伝授してくれる場合もあります。
逆に言えば、そこまでしても就活生が本選考のプロセスで期待に応えられない場合は、残念な結果になります。リクルーターにアドバイスやフィードバックしてもらったことを次の面接で反映できない場合は、そこで選考が終わってしまうことも多くの先輩が経験しています。
リクルーターがついてくれたからと言って、最後まで気を抜かないことです。安心して、内定確実と考えることは危険です。注意しましょう。
まとめ
ブラックボックスのリクルーター面談ですが、準備することは通常の選考プロセスと変わりません。つまり、リクルーター面談があってもなくても準備は同じです。
しかし囲い込みの為に何度も呼ばれると物理的な時間をとられることになるため、自分の志望している企業がリクルーター面談を行っているかどうかを、過去の学歴フィルターも含めてチェックしておきましょう。
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