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旅行業界への志望動機の基本の書き方
まず基本の書き方を覚えましょう。志望動機については、以下のクリティカルな質問に対する答えを必ず用意します。
- 何故、数ある業界の中の、旅行代理店という業種、旅行会社なのか?
- 何故、旅行代理店という業種、旅行会社内の他社ではなく、この旅行会社なのか?
- この旅行会社で、何がしたいのか?何を実現したいのか?
志望動機の作成方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。もし読んでいなければ旅行会社への志望動機を書く前に、ぜひ参照してみてください。志望動機の構成要素に対する理解が深まります。
ここでは、作成のためのフローチャートと、志望動機のまとめ方のフローチャートを掲載しておきます。
志望動機の作成フロー
志望動機の構成要素とまとめ方
旅行業界への志望動機の書き方
旅行業界への志望動機を説明するために、具体的にJTBへの志望動機文を掲載しています。これは、あくまで旅行業界・業種内企業への志望動機文の構成要素と文章フローの参考用です。具体的な事実に基づかないと、参考にし難いという理由からです。
ご存知のようにコロナ禍になって、旅行・観光業界は大打撃を受けており、JTBをはじめとした大手企業でも新卒人材の採用を凍結・中止しています。日本でもようやくワクチン接種が進み始め、世界でもワクチン接種が進んでいる国から、徐々に「接種者限定の旅行」需要が芽生えてきました。しかし未だ未だ本格回復は見通せないのが実情です。
旅行業界を志望している皆さんは、旅行業界の動向をモニターしつつ、近接業界や自分の強みを活かせる他の業界も併せて就活を進めていきましょう。
志望動機は、あくまで「あなた起点」で書かなければ意味がありません。就活本やマニュアル、就活支援サイトにある例文は参考にして良いですが、コピペや流用は止めましょう。コピペや流用をして一時的にしのげたとしても、面接では説得力がなく選考には勝ち残れないでしょう。
うまく内定がとれたとしても、あなたの本質からずれたところで選んだ企業に入社するリスクになります。入社後にミスマッチが起こると、あなたも企業もお互いに不幸な結果になってしまうので、志望動機は必ず自分の考えと意思で作成しましょう。
例文:JTBへの志望動機
携わりたい仕事 JTBグループのファーストキャリアで携わりたい仕事について以下選択肢より選択してください。
上記で選択した仕事で具体的に取り組みたいことについて記入をしてください。(全角400文字以内)
旅行会社の収益の源泉は、旅行に参加していただいたお客様の満足度から生まれるものと考えます。法人旅行や修学旅行でも、参加された一人一人の感動や喜びの集合が提供した価値であり、その価値を創るために必要な知識と能力を店頭セールスでしっかり磨きたいと考えています。
私の就活の軸は一人でも多くのお客様に、最高の旅の感動と喜びを提供することです。
大学では観光学を専攻し、長崎県の離島での観光インターンシップや、カンボジアでのフィールドワークなどを通じ、人の心を動かすことの難しさも学んできました。
感動の裏にはきめ細かい配慮や、ミスを起こせない緊張感、先を読む力、問題解決能力、コミュニケーション能力が必要であることを学び、サークルやアルバイトでもそれを磨いてきました。その力で貴社の一員として活躍したいと考え志望しました。
旅はお客様の人生において大切な思い出となり、影響力が大きく、それなりの費用がかかります。その旅を素晴らしいものにできるか、普通の良い思い出になるのか、期待以下のものになってしまうのかは、本当に詳細が詰められるかどうかに係っていると思います。
私は「神は細部に宿る」と考え、自分の目でチェックしないと気が済まないタイプの人間の為、それを長所としてベストな商品を企画していきたいと考えます。
またデジタル技術を駆使して、お客様の旅の目的を満たすテーラーメイドな商品を創り上げることにより、個別のニーズに細かく対応するフィービジネスへの転換に貢献したいと考えます。
その会社でやりたいことを結論として初めに書く
エントリーシートでも、面接でも、「この企業でやりたいこと、実現したいこと」は志望動機の結論部分になります。結論は、エントリーシートの志望欄には一番初めに、明確に書きましょう。面接では、結論を始めに述べましょう。
理由から入ると、話の核心が見えにくく、弱くなってしまいます。ESでも面接の応答でも基本は結論をはじめに述べてから、その理由を簡潔に説明していくフローを使いましょう。
JTBの志望動機に関するESフォーマットは、非常に明確です。まず、入社後にやりたい職種・仕事を選択させ、それに従ってよって具体的に取り組みたい仕事を質問しています。
更に、2問目はJTBグループで挑戦したいことを質問しています。JTBの場合、様々な機能別で分社化したグループを形成しており、求人方法の一つとしてグループ総合職を設定しています。
「グループ総合職」は、応募時に会社を特定しない、JTBグループのあらゆる事業・業務に従事する社員を募集対象としたコースであり、この例文は19年卒のグループ総合職用のESのフォーマットにのっとっています。
JTB志望のAさんの志望動機の場合は、以下の部分が結論になります。
志望動機の結論に、「自分の成長」や「自己実現」など、自分へのメリットを書くのは止めましょう。企業はあなたのために採用活動を行っているのではありません。あくまで企業のために行っています。企業のためとは、企業の利益に貢献をすること、そのためには、企業の顧客に価値を提供することです。
多くのエントリーシートを読んでいますが、ここをはき違えてしまっている学生は多いのです。自分の成長は重要ですが志望動機が自己目的化しないように注意しましょう。
また、結論=核心部分なので、その旅行会社の独自性、特長や業界でのポジショニングを反映していないと、非常に弱い結論になってしまいます。どの業界にもあてはまるような、「人々の幸せに貢献したい」「暮らしを豊かにしたい」「お客様第一主義に感銘を受けました」などでは抽象的過ぎて全くアピール力がないことは、言うまでもありません。
旅行会社への志望動機で本当に良くあるのが、「私は旅行が好きである」→「何故なら、○○旅行で感動した経験がある」→「同様の感動体験を多くの人に提供したい」というロジックです。
ロジックとしては有りなのですが、多くの応募者がこのロジックのフローを使用するため、あなた自身の本当にユニークな情報を盛り込めないと差別化はできません。
この結論部分には、「あなたならでは」の要素を入れましょう。
何故、旅行会社なのかを理由付ける
志望動機の作成フローにあるように、あなたがなぜその業界に興味、関心があり人生の重い決断である職業選択の対象にしたのかを説明しましょう。そして、何が結論である「あなたがその企業でやりたいこと」に結び付いているのかを説明します。
JTBへの志望動機の例では、Aさんの専攻とそこでの経験として:
何故、同業他社ではなく、この旅行会社なのかを理由付ける
このパートに説得力を持たせるのは、徹底した個別企業の研究と、自己分析です。志望企業はもちろんの事、その業界内で競合する企業を研究して、志望企業ならではの特徴、独自性を見つけていきます。
旅行会社への志望動機を書く際に、注意しなければならない点が、何故この会社を選んだのかという理由付けです。
次にその独自性と、業界を志望する「あなた自身の理由」を結び付けて下さい。
このように志望する旅行会社の中期経営計画、経営戦略を研究して、自分とのマッチングを考えてみましょう。
自己PR要素で更に補強しよう
旅行業界は就活生に非常に人気が高い業界です。女性の人気は高く、トップ、業界大手企業は難易度も非常に高いです。
旅行業界の志望動機の中に、自己PR要素を入れることのプライオリティは、他の業界の志望動機より高いと思ってください。理由は他の業界より人格や長所の適性が重視される業界だからです。
旅行が好きなだけで、旅行業界を志望するのはお勧めできません。
何故なら、旅行を楽しむのはあなたではなく、お客様だからです。旅行会社のあなたの役割は、お客様の楽しみや感動に奉仕することです。ホスピタリティの資質、サービスマインドがないと、就職しても仕事のハードさに負けてしまうでしょう。
ホスピタリティ精神の他に、必要な資質や能力は、コミュニケーション能力(傾聴力、相手のニーズをつかむ力、思いやり・気遣い)主体性・行動力(自分で主体的に考え行動できる)、協調性、企画力、注意深さなどがあげられます。
更に、ずさんな手配やミスは致命的な失敗に繋がること、また、予想しえないことが起こることもあるため、ストレス耐性も必要です。
華やかなイメージだけで旅行会社を志望するのはお勧めできません。志望する場合は徹底的な研究や、インターンシップ、OB・OG訪問を通じて、本当に自分に適性があるのかを見極めましょう。
人気が集中する業種の為、自己分析から抽出したあなたの強みや長所、性格、経験や資格、専門領域などの自己PR要素を入れていきましょう。
例文では以下の部分を自己PRポイントとして志望動機のロジックの中に上手く入れています。
「大学では観光学を専攻し、長崎県の離島での観光インターンシップや、カンボジアでのフィールドワークなどを通じ、人の心を動かすことの難しさも学んできました」
「感動の裏にはきめ細かい配慮や、ミスを起こせない緊張感、先を読む力、問題解決能力、コミュニケーション能力が必要であることを学び、サークルやアルバイトでもそれを磨いてきました」
性格:
「私は「神は細部に宿る」と考え、自分の目でチェックしないと気が済まないタイプの人間の為、それを長所として」
ここで注意したいのは、いくらあなたの価値観や経験に適合しているからといって、企業の本質から遠い企業活動に志望動機を結びつけるのはNGです。たとえばJTBは、旅や環境に対する様々なCSR活動を展開しており素晴らしいと思いますが、その活動は事業の一環ではあっても企業の根幹、本質の活動ではありません。
個別の活動やサービスが、その旅行会社に興味を持つ「きっかけ」になった場合でも、それをそのまま志望動機にするのではなく、その奥になる企業の考え方まで深堀をしていきましょう。
作成フローにもあるように、最も上位の概念はその企業の存在意義です。そこからナローダウンする必要はありますが、存在意義に基づいた企業や事業の本質的な部分に、あなた自身を結び付けてください。
キャリアプランで志望意欲をアピールしよう
あまり無理やりこじつけるのは得策でありませんが、志望職種とキャリアプランまでできていれば、説得力を増すことになります。エントリーシートの記載までに、職種志望動機とキャリアプランまでをまとめておきましょう。その企業に入って、具体的に何をしたいかを結論として書くためには避けては通れません。
文字数の制限がある場合はESには入れられなくても、自分が実現したいことには関わるため、ビジョンとしてでもまとめておきましょう。面接では必ず質問がありますので、ES提出段階で、早めに固めておくことをお勧めします。
就活の軸、「企業選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぼう
志望動機文の最後のフレーズは、就活の軸の実現がこの企業だからできるという文脈で結びましょう。それまでの文章のフローで、二度同じことを言わないように表現を工夫する必要はあります。
文を締める意味で「貴社を志望しています」で結ぶために、核心部分を別の表現で補強しておきましょう。
JTB志望のAさんの場合、全体(2問)の答えを通じて
- 「様々なお客様に、期待を越える旅の感動をお届けしたい」
- 「私の就活の軸は一人でも多くのお客様に、最高の旅の感動と喜びを提供すること」
- 「お客様の旅の目的を満たすテーラーメイドな商品を創り上げる」
志望動機に時間をかけられない時は、「志望動機作成ツール」を活用してみよう
志望動機を作成する際、伝えたいことは沢山あっても、文章で上手くまとめる自信がない就活生も多いはず。
そんな時は、「志望動機作成ツール」を活用してみましょう。
就活サービスを提供している、キャリアパークの「志望動機作成ツール」を使えば、Step1:簡単な質問に答えていくだけ、Step2:志望企業・業界の有力企業の内定者ESを参照できる、Step3:人事が見ているポイント、他の学生との差別化をするポイントが分かり、自分独自、かつ理想的な流れの志望動機が完成します。
あとは志望企業のESにあわせてチューニングするだけなので、準備を大幅に効率化できます。
無料でダウンロードして効率的に基本の流れを作り、自分独自の志望動機を完成させましょう。またこのツールを利用する際、就活をより効率化できる無料の就活サービスを同時登録することも忘れずに!
旅行業界企業への志望動機のまとめ
- その旅行会社でやりたいこと、実現したいことを結論として初めに書く
- 何故、旅行代理店という業種、旅行会社なのかを理由付ける (業種・業界の存在意義 X 価値観・経験)
- 何故、この業種内の他社ではなく、この旅行会社なのかを理由付ける(志望企業の存在意義・特徴・独自性 X 価値観 X 自己PR要素)
- 就活の軸、「企業選択で譲れない基準」を基に志望動機を結ぶ (志望企業の存在意義・特徴・独自性 X 就活の軸)
尚、文字数制限300字以下の場合は、自己PR要素やキャリアプランは削除してもかまいません。殆どのESには自己PR欄や、学生時代に力をいれたことを記述する欄がるため、自己PRはそちらで集約して、志望動機は全体を簡潔にまとめてください。
ただし上記の4つの要点はカバーしましょう。完全に一つ一つをカバーしなければならないという意味ではありません。文脈の中でうまく伝えることにトライしてください。ES全体として「あなた」という個性と志望動機に一貫性が読み取れ、採用担当に「あなたがこの企業で働いている姿」が想像できれば選考を勝ち抜けます。
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