就活に正解はない。あるのは自分の「答え」だけ。自分にベストな答えを見つける就活情報サイト

【就活の業界研究】就活のはじめに、電子部品業界の現状と課題、そして未来を把握しよう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では電子部品業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

電子部品業界の7つのポイントを押さえよう

  • 電子部品業界のビジネスモデルを理解しよう
  • 電子部品業界の現状と課題・未来
  • 電子部品メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 電子部品メーカーに働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
  • 電子部品メーカーに向く人、向かない人はどういう人か
  • 電子部品業界の構造
  • 主要電子部品メーカー各社の概況

電子部品業界の現状

グローバル市場相手のビジネス

電子情報技術産業協会(JEITA)による、2020年度(2020年4月から2021年3月)の電子部品の総出荷額は3兆7,460億円となっています。これは2019年度比101%であり、業界全体としては新型コロナウイルスの全世界へのパンデミックが起こったことを考慮すると、なお堅実な成長を達成していたことが分かります。

このうち、日本での出荷額が8,087億円(前年度比95%)でしたので、21.6%を占めていることになり、残りの78.4%が海外市場への出荷になっています。日本の電子部品はグローバル市場相手のビジネスであることが端的に表れています。

同じデータで月次の出荷額を前年比でみると、2020年1月からは、ほぼ前年対比110%以上の伸びを示しており、中国をはじめとして、コロナ禍を克服しつつあり、最悪期を脱して成長トレンドが回復してきていることが分かります。

中期的には米中の貿易摩擦問題は解決していないため、中国の米国市場向け電子製品をはじめとする輸出の減速、そして先行きが見えないための生産計画の見直しにより、中国で組み立てられているスマートフォンをはじめとする電子製品向けの部品需要にネガティブな影響は注視が必要です

更に、中国の経済成長全体も以前よりはスローダウンしており、スマホ以外の民生品やそれを生産する産業機器向けの部品にも影響が出ています。

米中貿易摩擦をはじめとする国家間の貿易問題は、部品メーカー各社の努力では解決できない問題です。

また現在、為替は円安傾向で比較的安定しているため海外取引が多い電子部品メーカーには部品価格の価格競争力には追い風となっています。しかし極端に円高に振れた2008年から2012年は部品メーカーにとっては厳しい状況でした。

このように、グローバルな存在であるだけに政治的な問題や為替に影響を受けるのは産業の性格上不可避であることを頭にいれておきましょう。

産業トレンドの影響

現在電子部品メーカーの大きな支えになっているのはスマートフォン向けの部品と、自動車向けの電子部品です。

スマートフォンの使用電子部品数は600~800点といわれ、世界での爆発的な普及によって日本製電子部品の需要を支えてきました。しかし2018年からはスマホ市場の減速感が高まっています。市場調査会社の米IDCは、18年の世界におけるスマホ販売台数が前年比で4.1%減だったことを挙げ、「史上最悪の年」と位置付けていました。

2019年も世界の出荷台数は微減を続け、スマートフォンの販売は2020年に大幅に落ち込みました。新型コロナウイルス(COVID-19)によりまず供給が減り、その後は消費者の需要も減少し、2020年のスマホ出荷台数は前年比10.5%減とここ数年減少が続いていました。

しかし2021年に、世界でスマホ15億台が出荷され、前年比11.4%増となると予想もあり復調も期待できる状況にありあります。

これはiphoneをはじめとするアップグレードのサイクルが、5Gの浸透と利用しやすい価格で次世代ワイヤレスを提供しようというメーカーとキャリアの動きと相まって需要が掘り起こされていくことが期待できるからです。

もう一つの柱である自動車向けの電子部品は好調が続いています。

ハイブリットカーや電気自動車、運転支援機能や自動運転化、インターフェイスの電子機器化という大きなトレンドは今後も継続していくことが確実なため、クルマの電装化に伴う電子部品需要の増大、成長が期待できます。

日本の電子部品メーカーは、部品メーカーであるがゆえに供給先産業のトレンドに大きな影響を受けます。

しかし、技術を磨いてグローバルニッチを獲得し、更に応用分野を開拓していくことや、伸びが予想される分野で技術力を発揮し、新しい部品を開発していくことで、事業のリスクの分散と成長に向け不断の努力を行っているのです。

逆に言えばそれができないと、大きなトレンドに流されて、次第にキャッチアップしてくる新興国のメーカーにコスト競争力で劣ってしまい市場を失ってしまうことになります。

電子部品業界の課題

需要予測、生産・在庫のコントロール、サプライチェーン マネージメント

電子部品は汎用部品もありますが、スペックの違いや顧客のニーズに合わせて製造するものが多く、非常に多くの種類になります。そのため素材調達から製造、供給までのサプライチェーンは複雑化しています。

更に電子部品が多用される最先端の製品は技術革新のテンポが速く、それにキャッチアップし、更に需要に着実に応えらえるようにしなければ信用を無くしてしまうため、緻密な生産計画や在庫のコントロールが必要になります。

韓国・台湾・中国メーカーのキャッチアップ

かつて日本企業市場が市場を席巻していた液晶ディスプレイ、ディスプレイデバイスの分野も、サムソンを筆頭とする韓国メーカーにシェアを奪われ、その韓国メーカーのシェアも中国企業に脅かされつつあります。

現在ニッチ市場でシェアを獲得している日本企業でも、技術と品質が同質化してくると競争に勝てなくなる可能性はあります。

現地生産でコストを抑える努力はもちろん、将来的には一部の事業はファブレス化するモデルも考えられるでしょう。

他メーカーの活動はコントルールできないため、ひたすら自社の技術やノウハウを磨いてニッチにおけるリーダーのポジションを保つことが最優先にはなりますが、並行して新分野への投資も重要なのです。

就活目的では、電子部品メーカーの新分野への取り組みや挑戦の姿勢にも注目することをお勧めします。

電子部品メーカーの未来

電子部品メーカーは、現状大きな需要を支えているスマートフォンと自動車分野に加えて、更にこれから成長が期待できる分野があります。

5G無線通信分野

「2020年代の社会を支えるモバイルネットワーク」と位置づけで開発が進められているのが5Gという通信技術です。5Gの位置づけは、スマートフォンだけではなく、インターネットにつながる全ての機器をモバイルでつなぐこと、つまりIoT社会の実現を支える技術と考えて下さい。

スマートフォンではインターネットコンテンツの大容量化にともなう機能の向上や新たなサービスの創造が期待されており、それを支えるためには、使用する部品の高度化も必要になるため新たな電子部品の需要が期待できます。

またすべての電子機器をインターネットでつなぐ、IoTのデータ通信も高速大容量に加えて多接続、低遅延を特徴とする5G技術によって実現されていくため、自動車の自動運転に必要な車車間通信、路車通信への活用に必要な通信機器の開発が必要になってきます。

当然高精度、ハイスペックな電子部品が必要になるため、5GやCPS*(サイバーフィジカルシステム)、IoTにおける需要をいかに取り込んでビジネスにできるかが非常に重要になります。

  • *CPS(サイバーフィジカルシステム)とは実世界(フィジカル空間)にある多様なデータをセンサーネットワーク等で収集し、サイバー空間で大規模データ処理技術等を駆使して分析/知識化を行い、そこで創出した情報/価値によって産業の活性化や社会問題の解決を図っていくものです。CPSをモノづくりに活かすことをインダストリー4.0と呼んでいます。

AI/ロボティクス分野

製造業の生産現場ではロボット化が進められています。かつてのロボットは人といっしょに作業するのは危険であるため、生産現場の機械化が進んでも人しかできないものは人が行う分業がほとんどでした。

しかしAIやセンサ技術の発展によって、人が行うような繊細な作業もロボットが行えるようになったり、人と混じって仕事ができるようなロボットが生産現場や外食産業などに使用できるようになっていくでしょう。

ロボットの実現には高精度のセンサをはじめとする電子部品が必要になるため、ファクトリー・オートメーション、スマートファクトリーを実現するAI/ロボティクス分野も成長が期待できます。

ヘルスケア分野、エネルギー分野

医療機器分野も技術革新のスピードが速く、成長もしているため電子部品メーカーにとっても重要な業界です。

また電気を中心とするエネルギー分野、スマートエネルギーも地球温暖化対策という社会的な要請もあり更に発展が期待できる分野です。

これらの分野にも日本の電子部品メーカーは注力しており、中期経営戦略の中で掲げ、取り組みを開始しています。

まとめ

米中の貿易摩擦や、スマートフォン市場の成長の鈍化、韓国・台湾・中国メーカーの成長、為替動向などの懸念材料はあるものの、技術革新によって大きく世界を変えるために電子部品は必要不可欠であり、成長が期待できる分野も数多くあります。

問題は日本の電子部品メーカーがその変化を確実に捉え、圧倒的な技術力、品質によって世界市場のシェアを占有できる分野を増やしていけるかにかかっています。

今までは取引先の要求にこたえることでその技術を進化させてきた部品メーカーですが、これからは部品メーカーから機能を提案するようなことも多くなっていくでしょう。

BtoBビジネスなので専門分野の学生以外には馴染みが少ない業界ですが、ビジネスはすでにグローバルに広がっており、優良企業も沢山ある業界です。ぜひ個別の企業研究を行い、就活の選択肢として検討してみてください。

この記事を読んだ人は、以下の記事も併せて読んでいます。

36の質問で、あなたの強み・適職を診断

就活は自己分析が必須!…ただ、やり方がわからず、悩んでいる人も多いはず。

そんな時は、自己分析ツール「My analytics」を活用しましょう

My analyticsを使えば、36の質問に答えるだけであなたの強み・適職を診断できます。My analyticsを活用して、サクッと自己分析を終わらせ、内定を勝ち取りましょう。

またこのツールを利用する際、就活をより効率化できる無料の就活サービスを同時登録することも忘れずに!

▶︎My analyticsで自己分析する(無料)

36の質問で、あなたの強み・適職を診断

就活は自己分析が必須!…ただ、やり方がわからず、悩んでいる人も多いはず。 そんな時は、自己分析ツール「My analytics」を活用しましょう My analyticsを使えば、36の質問に答えるだけであなたの強み・適職を診断できます。 My analyticsを活用して、サクッと自己分析を終わらせ、内定を勝ち取りましょう。

My analyticsで自己分析する(無料)

あわせて読みたい!就活に即効の記事、ベスト5

offer_box_fixed_icon_150x150.jpg1
25年卒の登録が殺到中!大手企業も利用するオファーボックスでスカウトをもらおう

資生堂、マイクロソフト、朝日新聞、ニトリ、コクヨ、KUMON、TREND MICRO、ぴあ、CO・OP、ATEAM、sansan、MicroAd、istyle、RISOなども利用している逆求人型スカウトサービスのOfferBoxを賢く使い、就活のもう一つのルートを開いておこう

doda_campus_fix_image.jpg2
就活が不安な25年卒の就活生には、dodaキャンパスを賢く利用する打ち手がある

少しでも納得感が高い内定を目指す25年卒の就活生は、スカウトサービスで急成長しているdodaキャンパスを試してみよう。オファーの受信率は99%(23卒2022年6月時点、プロフィール入力率80%以上の場合)。ベネッセならではの充実したオンライン講座やイベント、本格的な適性診断まで無料で使えます!

kuchikomi_150x150.jpg3
2025年卒就活の情報戦へ、【就活会議】に無料登録すれば、88,000枚以上の本物のESを閲覧できる!

就活は情報戦。企業が提供する情報は重要ですが、それだけでは不安です。実際の社員の評価や、選考を受けた先輩達の口コミによる生の声を入手できる「就活会議」を徹底解説。ESや選考情報のリアルを手に入れよう

Kimisuka_after_Sq.jpg4
落ちてしまった選考の結果を、スカウト獲得に活用できる心強いサービスがある

スカウトサービスの大手、【キミスカ】の特徴は、落ちてしまった選考の結果さえもスカウト獲得に利用できる点です。それまでの頑張りを評価してくれる、「本当のあなた」を認めてくれる企業からのオファーを獲得しよう

 b3b75e7093f0c280652cb24dec855b9c.jpg5
【24年卒】首都圏の学生で、納得できる内定が取れていない人への神サービスを試してみよう

もう一人で悩まなくていい。就活の専任アドバイザーがマンツーマンでES添削・面談対策をしてくれ、しかもあなたに合った優良企業を紹介、完全無料の就活サポートをしてくれる「キャリアチケット」を紹介します