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【就活の業界研究】人気の食品業界の現在、課題、未来を考えよう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するためのコンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

この記事では伝統的に就活生に人気がある食品メーカーの現状と課題、そして未来について解説をしていきます。就活生にとっては将来に関わる情報のため、選考過程でも常に必要になる情報をまとめて解説します。

食品業界情報の7つのポイントを押さえよう

  • 食品業界のビジネスモデルを理解しよう
  • 食品メーカーの現状と課題・未来
  • 食品メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 食品メーカーで働く人のモチベ―ションは何か
  • 食品メーカーに向く人、向かない人はどんな人か
  • 食品業界の構造
  • 大手食品メーカーの概要と業績

食品業界、食品メーカーの現状と課題、そして未来

国内市場の特徴

食品業界は、長い間「安定」した業界と言われてきました。それは「食べるもの」という、ヒトが生命を維持するための根源的な欲求を満たす業界であり、その消費は減りにくいものと考えられてきたからです。

また日本は海に囲まれて、独特の食文化が発達した国です。陸続きではないため、食文化や味覚が守られ、外国から輸入された食文化でも、「日本的に」アレンジされることによって「日本独特の商品」として成長してきたからです。

更に北から南までの気候の違いや四季の存在で、農水産、畜産をベースにした多様な食品が生まれ、世界でもまれに見る豊かな食文化をもっています。

そのことが、ある意味「参入障壁」として機能し、地方の小企業から上場企業まで非常に多くの食品メーカーの存在を可能にしてきました。従って一部の大企業は除き、食品メーカーの売上・収益は「独自の国内市場」に依存するかたちで成長してきたのです。

人口動態による影響

国内市場は、現在既に少子高齢化と人口減少の影響を受けています。食品業界は人口の動態が大きく影響する業界なのです。

日本の総人口は2008 年の 1億2800万人をピークに減少を続けています。2017年12月段階での総務省の推計では、1億2670万人となっています。国立社会保障・人口 問題研究所の推計によれば、2025年に人口1億2,000万人を下回った後も減少を続け、2046年には1億人を割って9,938万人となり、2055年には8,993万人になると推計されているのです。

単純に考えれば2020年に現役新卒で食品メーカーに入社した人が、35年後の57歳になった時の国内の市場規模は現在の約2/3となり、1/3の市場が失われることになります。もちろん国内市場でも外国人居住者の増加が見込まれるため、その割合で失うことはありませんが、国内市場は総需要の意味で非常に厳しい環境になっていくことが予測されています。

人口減少と併せて高齢化も進展していきます。2025年の65歳以上の人口は3,660万になり、総人口の3割に達します。

世帯という視点でも変化が起きています。単身者世帯数が1860万世帯に達し、総世帯数の内に占める割合は36%になることが予測されています。

人口減少は明らかにマイナスファクターですが、この高齢化と単身世帯の増加はプラスの側面もあります。

日本の金融資産は56%が60歳以上の高齢層によって保有されていることもあり、高齢層は品質を重視した単価の高い高付加価値商品、少容量商品を好む傾向にあるため、高齢者世帯の一人当たり食料支出は若年層世帯に比べて高額になる傾向が見られています。

単身世帯も 2 人以上世帯に比べて食料支出が大きく、食料支出に占める中食・外食の割合が高いという特徴があるのです。

この二つはプラスのファクターではありますが、年金支給額の変動リスクや給与所得の動向、景気や経済成長にも大きな影響を受けるため楽観はできません。単身世帯数は当面増加傾向にあるものの、総世帯数は2019年にピークアウト、2020年から減少すると予測されています。

国内市場の構造変化に対する戦略

 

このような厳しい国内市場に対応するには、市場のニーズやウォンツに対応した高付加価値の商品の開発が必要なのです。

シニアや単身世帯のニーズやウォンツに応えた商品の開発は不可欠であり、すでに成功事例も多く存在します。

商品開発の切り口やコンセプト開発が非常に重要になってきます。たとえば、高品質、少量化、鮮度、健康・機能性、無添加・オーガニック、時短、シニア対応、味の改良、体験価値の提供、コミュニケーション、安心・安全、ご当地・地産地消、他業界とのコラボなど、多くの可能性が広がっています。

一つだけ例をあげると、キッコーマンの「しぼりたて 生しょうゆ」でしょう。ちょっと前まではスーパーで買う「しょうゆ」といえば、ペットボトルに入った1リットル規格のもので、スーパーの特売では198円程度で販売されていました。しかし家庭での煮物調理の減少、単身世帯の増加で、1リットルを使い切るまでにしょうゆの品質が落ちてしまうという課題をかかえていました。

それを見事に解消して市場を塗り替えたのが、「消費のスピードに合わせて容器を少量化する」というマーケットインの発想であり、二重構造ボトルで鮮度を保つイノベーションでした。その結果200 ml(ペットボトルの1/5)の量で、特売価格も1リットルの規格と同じレベルを達成できているのです。

また、専業主婦がいる一般家庭から、夫婦共稼ぎの一般的な家庭のあり方になっているため、調理時間の短縮できる時間食品、Ready-to-eat食品の需要も期待できます。

食品メーカーの多くは特定保健食品や、機能性表示食品といった「健康食品」分野へ進出しています。またバイオをはじめとする基礎研究部門から、医薬品の開発を行っている企業もあります。最近では通信販売による「スキンケア・化粧品」を手掛ける企業、ペットブームを捉えた「ペットフード事業」へ多角化をしている会社もあります。このような分野では、事業のウィングを拡げる他業界との厳しい競争に勝っていかなければなりません。

このように、やりようによっては総需要が伸びなくても売り上げや収益を増やしていくことが可能なのです。このような事例は食品業界には沢山あり、ここに業界の奥深さと面白さがあるのです。

海外市場への展開

国内の人口が縮小していくのに反し、成長の過程にあるアジア諸国は人口も所得も増加傾向が続いていきます。

特に日本の食品メーカーの進出事例が多い東アジア・東南アジアでは人口増加、所得増加とともに経済成長による所得増加も見込まれ、生鮮食品から加工食品への需要シフトなどにより、加工食品市場の拡大が見 込まれています。北米や EU など巨大な市場を抱える先進国地域でも人口は 増加する見通しなのです。

いままでは、日本の食品は価格が高く輸出も現地の日本人向けやギフト、おみやげ需要が中心で、本格的に海外市場にチャレンジしていったのはキッコーマンやサントリー、日清食品などの即席麺メーカー、ヤクルトなどの限られた大手食品メーカーでした。

全世界的な「健康」志向の高まりや、「日本食」ブーム、訪日外国人旅行者の増加などのフォローのトレンドが続いています。

国内の総需要が減っていくことが明らかなため、今まで国内市場に依存してきた食品メーカーも、成長するためには積極的に海外市場に打って出ることが求められています。

これから食品メーカーを志望する就活生の皆さんには、海外市場開拓の情熱、海外企業とのコラボレーショによる事業開発は、国内市場のイノベーションに加え、もうひとつの大きなテーマになるでしょう。

国内大手小売業対応

国内市場の人口縮小を背景に、小売業も生き残りをかけて激しい競争を続けています。セブンアンドアイ・ホールディングスやイオンといった大手小売業は合従連衡、寡占化を進めていて、食品メーカーに対する影響力を強めています。

筆者がWal-Martから学んだEDLP(Every Day Low Price)の商品戦略では、毎日低価格を実現するのは仕入れボリュームを保証し、POSデータを共有することで、メーカーとの交渉によって実現するナショナルブランド(NB)の低価格化、海外から自社で商品を輸入、調達するダイレクトインポートとPB(プライベートブランド)が柱でした。

現在、セブンアンドアイ・ホールディングスやイオンもPBを強化しています。PBは低価格かつ大手小売業にとっては高収益であり、ナショナルブランド(メーカー)にとっては棚の確保、価格交渉面では頭の痛い存在です。

更に複雑なのは、大手メーカーも大手小売りのPBの一部を製造したりしています。生産設備を遊ばせずに効率的に稼働させることによってのプラスや、対大手流通との関係性維持という側面もあります。

きめ細かな地域・地方ニーズへの対応

メーカー自らが地方や地域のニーズを取り込むためにその地方、地域限定の商品を出すことはよくあります。同じ製品でも、微妙に味を変えていることもあるのです。

大手流通でもかつての本部一極集中のチェーンストア・オペレーションではなく、地域に密着したきめ細かいオペレーションを実施しようというトレンドがあります。

マーケティング や商品開発の機能・権限を本社から地方に委譲することによって、地域専用商品の開発や 地産地消の推進などを実現しようという戦略です。

食品メーカーがこの流通の要求に応えるためには、専用商品の投入により少量多品種生産・アイテム・SKU (Store Keeping Unit: 簡単に言うと商品の規格種類)が増加することになります。自社の計画と合っていれば良いのですが、合っていない場合食品メーカーの生産性が悪化してしまうリスクもあります。

強大な力を持つ大手流通小売業に対する戦略は、食品メーカーにとって頭の痛い問題です。地方の中小メーカーとのアライアンスや、流通PBを適切なバランスで取り込むことによって生産量を拡大して原価を下げるなどのマネージメントの能力が重要な分野です。

貿易協定や規制への対応

TPPやEPAといった自由貿易協定の発効による、輸入原料の関税引き下げは食品メーカーにとっては調達コストの削減というプラスの効果を与えます。また自社製品を輸出する場合でも、低関税によって輸出国での販売価格を安くできる事はプラスです。

しかしながら、安価な輸入品が入ってくることも予想されるため、必ずしもプラスと言い切れません。更に国内の原料メーカーが打撃を受け、それ以外の部分で間接的にマイナスに働くことも考えられます。

いずれにしても自社だけでコントロールできる部分は少なく、政府が合意した内容で最大限メリットを享受する方法で事業を展開する必要があります。

更に、海外市場で生産して、そこから周辺国に輸出するなど、食品メーカーのグローバル企業化を加速させる必要があることも視野にいれておきましょう。

安全・安心への対応と社会的責任

食品メーカーが最も重視して行わなければならないのが、自社製品の安全・安心な品質管理です。どんなに素晴らしい製品や宣伝を打っても、異物混入や製品の不具合、不祥事で大きく信用を失墜してしまうのがこの業界です。皆さんの記憶には、ペヤング、雪印乳業(当時)、不二家などの不祥事の記憶が残っていると思います。

食品メーカーには食品衛生の規制法によるコンプライアンス遵守が求められています。また特定保健用食品や機能性表示食品、JISや業界団体の表示規制など、数多くのレギュレーションが存在します。

人の口に入るものなので、コンプライアンスは非常に重要な業界なのです。更に、「食品ロスを減らす」、「プラスティック容器=マイクロプラスティックの問題」、「栄養」「アレルギー対応」、「食育」など社会的な責任や、社会の要請に応えるべき要素が多い業界なのです。

食品メーカーは生活に密着した存在であり、業界自体の規模も大きく,裾野も広く、社会的な影響力も大きい存在です。そしてこれからの課題を解決し、未来に向けて成長するためには、変化に果敢にチャレンジしてイノベーションを起こしていく必要があることを自覚しましょう。かつてのような「安定」は似合わない業界になるでしょう。

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