就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。
「就活の答え」では電子部品業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。
電子部品業界の7つのポイントを押さえよう
- 電子部品業界のビジネスモデルを理解しよう
- 電子部品業界の現状と課題・未来
- 電子部品メーカーにはどんな仕事があるのか、職種の情報
- 電子部品メーカーに働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
- 電子部品メーカーに向く人、向かない人はどういう人か
- 電子部品業界の構造
- 主要電子部品メーカー各社の概況
電子部品業界を俯瞰してみよう
理工系の学生なら先輩の就職先や、自分の研究分野に関連していくつかの電子部品メーカーの名前を思い浮かべることが出来ると思います。しかし文系の就活生の皆さんは、身の回りにある電子製品(完成品)メーカーの名前なら良く知っていますが、電子部品メーカーの複数の名前を即答はできないものです。
「部品メーカー」というビジネスの構造から、基本はBtoBのビジネスであること、そして世の中には何万種類という電子部品が存在していること、各電子部品の機能に関してはほとんど知識がないことから、「よくわからない」、もしくは「興味が湧かない」という学生が多いのです。
しかし、電子部品産業は日本の産業全体を見渡しても、世界の中で競争力のある重要な産業であり、規模も大きく経済全体に与える影響も大きい業界なのです。
業界トップクラスの企業はグローバル企業であり、業績の良い優良企業も沢山あります。
まずは業界全体を把握することからはじめましょう。
電子部品業界をざっくり分類
電子部品業界を分類する仕方はいくつか存在しますが、その中に含まれるのは電子デバイス製造業、電子部品製造業、記録メディア製造業、電子回路製造業、 ユニット部品製造業、その他の電子部品・デバイス・電子回路製造業ということになります。
電子部品とは、電気機械類がそれぞれの正常な動作を行うために内蔵されている部品と理解しておきましょう。そして電子部品を以下の5つカテゴリーで把握しておきましょう。
- 能動部品:入力と出力を持ち、電気を加えることで入力と出力に一定の関係を持つ素子を能動素子と呼びます。半導体、トランジスタ、IC、ダイオード、オペアンプなどが含まれます。
- 受動部品:自身では機能しないが、能動素子と組み合わせることで機能する部品です。抵抗器やコイル、トランス、コンデンサ、インダクタなどが含まれます
- 補助部品・接続部品:素子を接続したり固定したりするための部品で、コネクタ、スイッチ、端子、線材、基盤などが含まれます
- 変換部品:音響部品、センサ、アクチュエーター(小型モーター等)
- その他の部品:電子回路基板や電源部品、高周波部品など
業界の特徴:
半導体の歴史をみると、1960年代初頭には日本は世界最大のトランジスタ生産国になり、トランジスタは「産業の米」として日本の高度経済成長を牽引しました。
そして1986年には、世界全体の半導体市場に於ける日本の半導体シェアは米国を抜きトップとなり、1988年には世界市場の50%のシェアを持っに至りました。
しかしその後、インテルやTI、クアルコムといった米国企業の巻き返しや、サムソンをはじめとした韓国企業、台湾メーカーが市場に参入しシェアを奪われてしまい、現在の世界シェアは10%以下となって苦しい展開が続いています。
半導体以外の電子部品分野では、日本製品が世界の市場の40%を占めており、現在でも高い競争力を持っています。
電子部品の用途、種類は多岐に渡っていて、企業によって専門分野を持っています。電子部品の大半を製造しているような「総合メーカー」は存在しません。
日本メーカーは画像センサーといった特定分野で強みを維持しており、素材や製造装置でトップシェアの企業も多いのが特長です。
現在でも高いシェアを保っているのは、全世界的にスマートフォンを中心とする小型携帯端末の需要が爆発的に伸び、その需要に日本企業の製造する部品がミートしたこと、自動車産業の電子化が進んでいることが大きな要因となっています。
この二つの領域でスマートフォンを中心とした通信機器と、自動車の二つの需要先で日本の電子部品全体の6割以上を占めていると言われています。
電子部品業界のビジネスモデル
半導体製造は装置産業とも言われ、且つ製品のライフサイクルが短いために先端技術を搭載した製造ラインを構築するためには常に巨額の投資や研究開発費を投じつづける必要があります。
日本企業は、少量多品種生産を得意として自社設備で設計から製造まで行う垂直統合モデルで成長してきましたが、半導体に関しては設計・開発力に優っている米国系企業と、巨額投資を大胆に決断でき、水平分業モデルで成長してきたアジア勢の挟撃にあって半導体のシェアを奪われてしまいました。
一方、半導体以外の電子部品では、日本の強みである高度、高品質な素材産業の存在と、多品種少量生産も得意で、きめ細かな顧客のニーズに応えてきた日本の部品メーカーの技術対応力が他の追随を許さない分野を数多く育ててきました。
それが現在でも高い競争力を保っている大きな理由となっています。
更に海外生産も進めており、現在主流となっているEMS(Electronics Manufacturing Service: 電子機器の受託生産を行う)企業に対し現地で生産した部品を納入することでコスト面での対応力もつけています。
グローバルニッチ戦略
村田製作所、日本電産、日東電工、マブチモーター、キーエンスなど、電子部品メーカーには高収益企業と言われる企業が数多く存在します。
これらの企業に共通するのは「他社と競争する必要がない、自分だけが生きられる市場」をもっており、その市場で圧倒的な地位を築くことによって市場を支配し、コスト競争に巻き込まれないというビジネスモデルをとっていることです。
その市場がそれほど大きくなくても世界市場で確固たるポジションをつかむ、またそういう市場を徐々に増やしていくことで企業を成長させているのです。
価格競争に巻き込まれないで済むということは、その市場で利益を産み出すことができるのです。
その利益をその分野の研究開発に注ぎ込むことによって、更に技術力を上げて品質の高い部品を製造していくことで他社の参入を阻んでいくという好循環が生みだしているのです。
日本の電子部品メーカーは地方にも分散しており、かつグローバルで高いシェアを持っている企業は少なくありません。
もちろん大企業だけではなく、中堅、中小企業も含まれますが、経済産業省もグローバルニッチトップ企業100選として、ニッチ分野において高い世界シェアを有し、優れた経営を行っている中堅・中小企業との関係を強化していく活動を行っています。
最終製品メーカーがファブレス化(自社で工場を持たない)にが進んでいる現在、ある意味「ものづくり」の醍醐味ややりがいを感じられることができる企業群でもあります。
各地方の大学に通っている「ものづくり」に興味のある就活生の方はぜひ、BtoB分野、特に電子部品メーカーのグローバルニッチトップ企業も調べて、就活の幅を広げてみてください。
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