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【就活の業界研究】:自動車メーカー12社の概要と業績を一挙に俯瞰しておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では自動車業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

自動車業界情報の7つのポイントを押さえよう

  • 自動車業界のビジネスモデルを理解しよう
  • 自動車業界の現状と課題・未来
  • 自動車会社にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  • 自動車会社に働く人のモチベ―ション、やりがいは何か
  • 自動車会社に向く人、向かない人はどんな人か
  • 自動車業界の構造と主要国内完成車メーカー同士の関係
  • 日本の自動車メーカー12社の概要と業績

この記事では就活生に人気が高い自動車メーカー各社の概要や直近の業績をまとめて解説します。乗用車メーカー8社に加えトラック・バス製造会社4社の概要もまとめています。

各社の規模や特徴をまずデータで俯瞰し、志望のプライオリティをつけてから詳細な企業研究に進んでください。

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3大自動車メーカーの現況

トヨタ自動車株式会社

2022年3月期 連結決算  (2021年度)

売上高(百万円) 31,379,507
税引前利益(百万円) 3,990,532
親会社の所有者に帰属する
当期利益(百万円)
2,850,110
親会社の所有者に帰属する当期包括利益(百万円) 3,954,350
従業員数(人) 372,817
外、平均臨時雇用者数(人) 87,120
連結子会社 559社
持分法適用関連会社/共同支配会社 169社

トヨタ自動車の事業セグメントは自動車、金融、その他とシンプルな構成になっています。

自動車事業ではセダン、ミニバン、2BOX、スポーツユーティリティビークル、トラック等の自動車とその関連部品・用品の設計、製造および販売を行ない、製造に関しては自社、日野自動車及びダイハツ工業㈱が主に製造、一部については、トヨタ車体㈱等に生産委託しており、海外では、トヨタ モーター マニュファクチャリング ケンタッキー㈱等が製造する体制を敷いています。

自動車の部品は自社及び株式会社デンソー等で製造しています。

これらの製品の販売は、国内の販売店及び海外の販売会社を通じて行っていますが、一部大口顧客は直接販売をしている場合もあります。

金融はトヨタ自動車および関係会社が製造する自動車および他の製品の販売を補完 するための金融ならびに車両のリース事業です。国内、海外のファイナンス子会社を通じて事業を展開しています。

その他の事業は、情報通信事業等で構成されています。

2022年3月期(2021年度)の連結業績概要

トヨタ自動車の2022年3月期(2021年度)の日本、海外を合わせた自動車の連結販売台数は823万台となり、前連結会計年度(2021年3月期・2020年度)に比べて、58万4千台(7.6%)の増加となっています。

日本での販売台数は、192万4千台と、前連結会計年度に比べて20万1千台(9.5%)減少しましたが、海外は全ての地域で販売台数が増加したことにより、630万6千台と、前連結会計年度比で78万5千台(14.2%)の増加という結果でした。

その結果、トヨタ自動車の2022年3月期の連結業績は、営業収益 31兆3,795億円 (前期比増 4兆1,649億円 ( 15.3%) )、営業利益 2兆9,956億円 (前期比増 7,979億円 ( 36.3%) )、税引前利益 3兆9,905億円 (前期比増 1兆581億円 ( 36.1%) )、親会社の所有者に帰属する当期利益は2兆8,501億円 (前期比増 6,048億円 ( 26.9%) )と、増収集増益を達成しています。

2022年3月期のセグメント別業績は以下の通りです。

2022年3月期 (連結決算)セグメント別業績

セグメント名 セグメント売上高(百万円) 売上構成比 営業利益(百万円) 利益構成比
自動車 28,605,738 89.2% 2,284,290 76.6%
金融 2,324,026 7.2% 657,001 22.0%
その他 1,129,876 3.5% 42,302 1.4%
合計 32,059,640 100.0% 2,983,593 100.0%
セグメント間取引調整他 -680,133 12,104
連結合計 31,379,507 2,995,697

2022年3月期 連結決算 地域別別業績の概要

地域 外部顧客売上高  (百万円) 地域別売上構成比 営業利益又は営業損失(百万円) 地域別利益構成比
日本 8,214,740 26.2% 1,423,445 46.5%
北米 10,897,946 34.7% 565,784 18.5%
欧州 3,692,214 11.8% 162,973 5.3%
アジア 5,778,115 18.4% 672,350 22.0%
その他 2,796,493 8.9% 238,169 7.8%
31,379,507 100.0% 3,062,721 100.0%
消去又は全社 -67,024
連結合計 31,379,507 100.00% 2,995,697

*「その他」は、中南米、オセアニア、アフリカ、中近東からなります

トヨタ自動車の課題

自動車市場は、短期的な循環局面はあるものの、中期的には、新興国を中心とした自動車普及進展もあり、緩やかな拡大に戻ると期待されています。

一方で、地球温暖化などの環境問題など社会課題への対応や、電動化、自動運転、コネクティッド、シェアリングなどの技術革新の急速な進行などにより、自動車産業は100年に一度の大変革の時代を迎えています。

この大変革に対応していくために、トヨタは、これまで培ってきた車両品質や販売・サービスネットワークのリアルの世界と、技術革新に対応するバーチャルの世界の総合力で、人々の移動に関わるあらゆるサービスを提供する「モビリティカンパニー」にモデルチェンジして行くことを標榜しています。

「モビリティカンパニー」にモデルチェンジするために、「トヨタフィロソフィー」を以下のようにまとめています。

  • MISSION:
    • わたしたちは、幸せを量産する
    • 技術でつかみとった未来の便利と幸福を手の届く形であらゆる人に還元する
  • VISION:
    • 可動性(モビリティ)を社会の可能性に変える
    • 人、企業、自治体、コミュニティができることをふやし、人類と地球の持続可能な共生を実現する
  • VALUE:
    • トヨタウェイ
    • ソフト、ハード、パートナーの3つの強みを融合し、唯一無二の価値を生み出す

モビリティカンパニーとして移動にまつわる課題に取り組むことで、人や企業、コミュニティの可能性を広げ、「幸せを量産」することを使命と定めています。

そのために、モノづくりへの徹底したこだわりに加え、具体的には、電動化、自動運転、MaaS(モビリティ・アズ・サービス)他社との連携強化(同じルーツを持つグループ内での連携強化、他の自動車メーカーとのアライアンス強化、モビリティサービスを提供する新しい仲間とのアライアンスの強化)により、唯一無二の価値を生みだすという戦略的課題に取り組んでいます。

2020年1月には「Woven City (ウーブン・シティ)」と名付けられた「コネクティッド・シティ」のプロジェクト概要を発表、2021年2月に着工しました。

トヨタ自動車東日本㈱の東富士工場の用地を発展させ、人々が生活を送るリアルな環境のもと、自動運転、MaaS (モビリティ・アズ・ア・サービス) 、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム技術、人工知能 (AI) 技術などを導入・検証できる実証都市の実現し、将来的には一般入居者の募集や観光施設としての運用も期待されています。

現在は定評のある原価低減やトヨタ式生産方式に不断の磨きをかけると同時に、新しいビジネスモデルへのトランスフォーメーションにチャレンジするフェーズなのです。

脱炭素社会の実現に向けては、ENEOSをコアパートナーとして、水素エネルギーの活用についての検討を進めています。

ウーブン・シティ内で定置式の燃料電気(FC)発電機を設置し、水素需要の実用化に受けての検証・実験をするとともに、水素を燃焼させることで動力を発生させる「水素エンジン」の開発も行っています。

現状では未だ課題も多い水素エンジンですが、既に水素エンジン車で耐久レースへ豊田章夫社長自らドライバーとして参戦し、開発を推進しています。

電動化戦略全体としては、BEV、HEV、PHEV、燃料電池車(FCEV)の全方位で進めるとしているのがトヨタ自動車の特徴です。

電気自動車に関しては、ハイブリッドの普及を重視してやや消極的との見方もあったトヨタ自動車ですが、BEVについては、2030年までに30車種を展開し、グローバルで各セグメントにおいてフルラインアップを揃え、年間350万台の販売をめざすことを発表しています。

トヨタ自動車は連結売上約31兆円超への日本のNo.1企業です。トヨタを目指す就活生の皆さんはそれなりの覚悟と、ハイスペックが必要です。

しかし、視野を広げればトヨタ系の優良企業も数多いため、トヨタ自動車と併せて裾野を広げての就活をお勧めします。

自動車業界の企業を目指す就活生の方は、どの企業を目指すにしても、トヨタ自動車の企業研究をしっかり行って下さい。

本田技研工業株式会社

2022年3月期 連結決算 (2021年度)

売上高(百万円) 14,552,696
営業利益(百万円) 871,232
税引前利益(百万円) 1,070,190
親会社の所有者に帰属する
当期利益(百万円)
707,067
親会社の所有者に帰属する当期包括利益(百万円) 1,619,997
従業員数(人) 204,035
外、平均臨時雇用者数(人) 27,069
連結子会社 339社
持分法適用関連会社 67社

本田技研工業及び国内外のグループ各社は、二輪事業、四輪事業、金融サービス事業およびパワープロダクツ事業及びその他のセグメントで事業を展開しています。

2022年3月期(2021年度)の連結業績概要

本田技研工業の2022年3月期の連結会計年度の連結売上収益は、二輪事業や金融サービス事業における増加や為替換算による増加影響などにより、14兆5,526億円と前連結会計年度にくらべ10.5%の増収を達成しています。

営業利益は、売価およびコスト影響による利益減などはあったものの、販売影響による利益増や為替影響などにより、8,712億円と前連結会計年度にくらべ32.0%の増益、税引前利益は、1兆701億円と前連結会計年度比17.1%の増益、親会社の所有者に帰属する当期利益も、7,070億円と7.6%の増益で、増収・増益の決算となっています。

2022年3月期連結決算の各事業別の業績概要は以下の通りです。

2022年3月期 連結決算 セグメント別業績の概要 (2分割)

セグメント別、地域別売上収益(単位:百万円) 二輪事業 四輪事業 金融サービス事業
日本 105,022 1,337,860 146,185
北米 230,766 4,877,900 1,289,076
欧州 202,254 319,340 ーー
アジア 1,307,915 2,314,425 37
その他地域 337,219 280,702 ーー
合計 2,183,176 9,130,227 1,435,298
その他の源泉から認識した収益 2,077 17,271 1,385,369
連結合計 2,185,253 9,147,498 2,820,667
構成比 15.0% 62.9% 19.4%
セグメント別、地域別売上収益(単位:百万円) ライフクリエーション事業及びその他事業 合計 地域構成比
日本 79,182 1,668,249 12.7%
北米 152,096 6,549,838 49.8%
欧州 79,393 600,987 4.6%
アジア 63,861 3,686,238 28.0%
その他地域 24,305 642,226 4.9%
合計 398,837 13,147,538 100.0%
その他の源泉から認識した収益 441 1,405,158
連結合計 399,278 14,552,696
構成比 2.7% 100.0%

本田技研工業の2021年3月期の連結会計年度の連結売上収益は、全ての事業における減少などにより、13兆1,705億円と前連結会計年度にくらべ11.8%の減収となりました。

営業利益は、売上変動及び構成差に伴う利益減などはあったものの、販売費及び一般管理費の減少やコストダウン効果などにより、6,602億円と前連結会計年度にくらべ4.2%の増益、税引前利益は、9,140億円と前連結会計年度にくらべ15.7%の増益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、6,574億円と前連結会計年度にくらべ44.3%の増益となり、減収増益という結果でした。

本田技研工業の課題

本田技研工業では2030年に向けた全社ビジョンとして、「すべての人に、“生活の可能性が拡がる喜び”を提供する」と定め、「移動」と「暮らし」の領域で価値創造を拡げていくことを標榜しています。

具体的には、価値観の多様化や、高齢化の進展・都市化 の加速、気候変動の深刻化、さらに電動化、自動運転化、IoTといった技術の進化による産業構造の変化が、グローバルレベルで進行する大転換期を踏まえて、「2030年ビジョン」実現のための取り組みは、単に4輪の自動車にとどまらず、モビリティ、エネルギー、ロボティクス、サービスまで含めた大きな改革として捉えています。

更に、「地球環境への負荷をなくすこと」、「尊い命を守る安全を達成すること」に徹底的に取り組み、環境においては、2050年にホンダグループの関わる全ての製品と企業活動を通じて、カーボンニュートラルを目指し、安全においては、2050年に全世界で当社グループの二輪、四輪が関与する交通事故死者ゼロを目指すとしています。

具体例としてコネクテッドの分野では、ホンダは電動モビリティサービスとエネルギーサービスが連携する「Honda eMaaS」を提唱し早急に展開を目指す他、環境負荷ゼロ社会の実現に向けてCO2排出量ゼロを掲げ、その中でも移動の自由を楽しめる社会を目指すとし、電動化技術にフォーカスした研究開発の強化交通事故を減らすための「Honda SENSING」の機能拡充や、既存車にも後付け可能な踏み間違い抑制機能を近く発売する等をあげています。

またホンダの「CASE: コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化」への取り組みでは、上記にサービスとエネルギーを加えた「HONDA・CASE」とし、4輪以外の移動体も連携する多様なエネルギー技術を活用したスマートシティを作ることで社会に貢献することを見据えています。

2019年度より名称が変更になったライフクリエーション事業は、従来からの「パワープロダクツ商品の提供」に、エネルギーなど「将来に向けた新事業」を加え、「移動と暮らしに新価値を提供していく」という機能に進化していくことから、「ライフクリエーション事業」という考えに基づいて、事業領域を拡げ ています。

人々の自由時間を創り出し、人が活躍できる時間や空間を拡げるために、「eVTOL」(イーブイトール:動垂直離着陸機のこと)、「アバターロボット」、「宇宙領域へのチャレンジ」という3つの領域に取り組む方針を打ち出しています。

研究開発費や設備投資については、電動化やソフトウェア領域へのリソースシフトをさらに進めるとともに、アライアンスなども活用し、効率的、効果的なリソースマネジメントを行っていく方針です。

ホンダはソニーグループと50%づつの出資で、新たにソニー・ホンダモビリティ株式会社(Sony Honda Mobility Inc.)を設立しています。

新会社によるEVの販売とモビリティ向けサービスの提供開始は、2025年を予定しており、ソニーとHondaが有する多くの強みを掛け合わせることで開発を加速し、安心・安全に根差した感動空間としてのモビリティや関連サービスの具現化を通じて、モビリティの進化をリードしていく計画を打ち出しています。

「2030年ビジョン」は上記以外にも、サステナビリティに配慮した様々な戦略や取組の方向性が示されています。少し難しい内容になりますが、本田技研工業を目指す就活生の皆さんは、深く理解しておくことをお勧めします。

日産自動車株式会社

2022年3月期連結決算 (2021年度)

売上高(百万円) 8,424,585
経常利益又は損出(百万円) 306,117
当社株主に帰属する
当期純利益又は当期純損失(百万円)
215,533
包括利益(百万円) 689,621
従業員数(人) 134,111
外、平均臨時雇用者数(人) 15,743
国内連結子会社 99社
在外連結子会社 141社
持分法適用関連会社 36社

日産自動車の経営はグループの世界的な本社機能とし「グローバル日産本社」を設置し、各事業への資源配分を決定するとともに、グループ全体の事業を管理する体制で、グループを4つの地域に分け、各地域のマネジメント・コミッティによる地域管理と、研究・開発、購買、生産といった機能軸による地域を越えた活動を有機的に統合した組織(グローバル日産グループ)のマトリックスによって行われています。

  • 地域:1.日本/アセアン、2.中国、3.米州、4.アフリカ/中東/インド/ヨーロッパ/オセアニア
  • 機能:販売・マーケティング、商品企画、研究・開発、生産・物流、購買、経理・財務、人事、コーポレート・サポート

また2020年10月1日より、プラミアムブランドであるインフィニティブランド事業を5つ目の経営軸としています。

事業セグメントとしては自動車及び部品の製造と販売を主な事業内容とし、さらに上記事業における販売活動を支援するために販売金融サービスを加えた2つのセグメントになっています。

2022年3月期(2021年度)の連結業績概要

日産自動車の2022年度のグローバル販売台数は前年度比4.3%減の387万6千台でした。この減少は主に半導体の供給不足によるものです。

売上高は8兆4,246億円と前連結会計年度に比べ5,620億円(7.1%)の増収となっています。販売台数の減少はあったものの、販売の質の向上や為替変動によって増収となっています。

連結営業利益は2,473億円となり、売上高営業利益率は2.9%でした。前連結会計年度の1,507億円の損失に対し3,980億円の改善となりました。主な改善要因は、原材料価格の高騰があったものの、販売の質の向上、徹底した費用管理及び為替変動によるものでした。

2022年3月期連結決算の各事業別の業績概要は以下の通りです。

2022年3月期 連結決算 セグメント別業績の概要

セグメント名 セグメント別外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益又は損失(百万円)
自動車事業 7,420,892 88.1% -155,159
販売金融事業 1,003,693 11.9% 374,824
合計 8,424,585 100.0% 219,765
セグメント間取引調整他 27,542
連結合計 8,424,585 100.00% 247,307

2022年3月期 連結決算 地域別別業績の概要

地域 外部顧客売上高  (百万円) 地域別売上構成比 営業利益又は営業損失(百万円)
日本 1,785,246 21.2% -229,766
北米 4,021,733 47.7% 330,695
欧州 955,548 11.3% -28,395
アジア 808,271 9.6% 94,424
その他 853,787 10.1% 55,681
8,424,585 100.0% 222,639
消去 24,668
合計 8,424,585 100.00% 247,307

日産自動車の課題

日産自動車グループは、「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける。」というコーポレートパーパスを定めています。

創業以来大切にしてきた“他がやらぬことをやる”という精神を引き継ぎながら、日産は何のために存在するか、どのように役割を果たすのか、企業としての存在意義を明確化したものです。

長期的には、将来にわたって価値ある持続可能なモビリティの提供に努め、持続可能な社会の発展に貢献し、「ゼロ・エミッション」「ゼロ・フェイタリティ」社会を目指し、2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクル全体におけるカーボンニュートラルを実現することを目標としています。

この目標に向け、2021年11月29日に長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を発表し、「共に切り拓く モビリティとその先へ」をスローガンとして、日産自動車ならではの2つの価値「移動の可能性を広げる」、「社会の可能性を広げる」を提供するため、主に以下の分野でのイノベーションを推進していく方針です。

  • 電動化を推進し、多様な選択肢と体験を提供
    • 2030年度までに15車種のEVを含む23車種の電動車を導入
    • ニッサン、インフィニティの両ブランドをあわせてグローバルに電動車のモデルミックスを50%以上とすることを目指す
    • この目標の達成に向け、2026年度までに約2兆円を投資し、EVとe-POWER搭載車を合わせて20車種導入を通じて、グローバルに電動車のモデルミックス40%以上とすることを目指す

 

  • より多くの人の自由な移動を実現するモビリティの革新
    • リチウムイオン電池の技術をさらに進化させ、コバルトフリー技術を採用することで、2028年度までに1kWhあたりのコストを現在と比べ65%削減することを目指す
    • 2028年度までに自社開発の全固体電池(ASSB)を搭載したEVを市場投入することを目指し、2024年度までに当社横浜工場内にパイロット生産ラインを導入する
    • 需要及び市場のEV台数の増加に対応し、グローバルな電池供給体制を確立
    • 最先端の運転支援技術や知能化技術の提供により、交通事故によって亡くなられる方をゼロにすることを目指すとともに、移動手段を多様化していくことを目指す
    • 2026年度までにプロパイロット技術を搭載したニッサン及びインフィニティ車で250万台以上販売することを目指す
    • 高性能次世代LiDAR(ライダー)技術の開発を2020年代半ばまでに完了させ、2030年度までにほぼ全ての新型車に搭載することを目指す

 

  • モビリティとその先に向けたグローバルなエコシステムを構築
    • 技術の進化に加え、EVをより競争力のあるものにするため、EVの生産と調達の現地化を推進
    • 英国で始動させた、世界初の電気自動車生産のエコシステムを構築するEV生産ハブ「EV36Zero」を日本、中国、米国を含む主要地域へ拡大
    • モビリティとエネルギーマネジメントを組み合わせ、生産とサービスを統合したこのエコシステムにより、カーボンニュートラルの実現を目指す
    • フォーアールエナジー社とバッテリーの二次利用を推進するためのインフラを整備し、エネルギーマネジメントにおける循環サイクルを構築することで、2020年代半ばには、V2Xと家庭用バッテリーシステムの商用化を目指す

また長期ビジョンを達成する上で、アライアンスでの連携も不可欠であるため、日産自動車とルノー及び三菱自動車工業株式会社は、新たな協力的ビジネスモデルを通して、各社の強みを生かし、互いの戦略を補完することで、競争力と収益性を高めることを目指しています。

そのため共通のプロジェクトと実行計画(ロードマップ)である「Alliance 2030」を2022年1月27日に発表しています。

アライアンス共同で今後5年間に230億ユーロを投資すること、プラットフォームの共用化率の向上、グローバルで220GWhのバッテリー生産能力を確保することを目指し共通のバッテリー戦略を強化すること等を掲げています。

短期的な課題

日産自動車では、2020年5月28日に、これまでの事業規模拡大による成長戦略から転換し、収益性を重視しながらコストを最適化することで、持続的な成長と安定的な収益の確保を目指す2023年度までの4か年計画「NISSAN NEXT」を発表しています。

この計画の中では、日産がこれまで行ってきた、需要が拡大することを前提に、新興市場を中心とした事業規模(生産能力)の拡大を進め、販売台数を最優先とする、ストレッチした成長戦略を見直し、しっかりとした財務基盤の構築とグローバルに競争力のある商品づくりに集中し、持続可能な事業を回復するべく、大変革を通じて、会社の真価を発揮していく方針に転換しています。

そのために重視する改革を以下の分野としています。

1.最適化:

  • 事業の構造改革、原価低減及び効率化を目的とする確かな計画を実行
  • 台数規模や市場占有率にとらわれず、利益拡大と収益性の向上に集中し、強みを伸ばすことで、よりリーンな企業体質を実現
  • 具体的方法は、生産能力の最適化、グローバルな商品ラインアップの整理により大幅な固定費削減を可能にする

2.選択と集中:

  • アライアンスの力を活かしながら、重点市場、主力商品及び重点技術のコア・コンピタンスに改めて注力
  • お客様の見方を変えるような商品づくりを通じて、競争に今まで以上に強く挑むことができる事業基盤を確立

これらの改革を断行することにより、中国の合弁企業を50%比例連結したベースで、2023年度末に営業利益率5%、マーケットシェア6%レベルとすることを目指しています。

またルノー及び三菱自動車とのアライアンスの利点や「技術の日産」のDNAを活かして、持続可能な成長と自動車産業における技術及びビジネスの進化をリードしていくことを目指しています。

2020年5月27日には、メンバー各社の競争力と収益性を向上させるための新たな協力的ビジネスモデルの一環としての取り組みを発表しています。

このモデルでは、メンバー各社が各々の持つリーダー的な領域と地理的な強みを活用して、他のメンバー各社の事業をサポート、共同購買やサプライチェーンといった既存のアライアンスのメリットを基盤として、2023年度末までに業績を回復していく計画となっています。

日産自動車を目指す皆さんは、中長期的な戦略と今直面している問題点・課題を理解するとともに、外資系(グローバル企業)のマネジメントスタイルをとっている企業であることも意識して就活に臨んでください。

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売上規模4位から8位の自動車会社

スズキ株式会社

2022年3月期 連結決算 (2021年度)

売上高(百万円) 3,568,380
経常利益(百万円) 262,917
親会社株主に帰属する
当期純利益(百万円)
160,345
包括利益(百万円) 289,176
従業員数(人) 69,193
外、平均臨時雇用者数(人) 40,502
子会社 121社
関連会社 31社

スズキ自動車及びグループ各社は、四輪車、二輪車及び船外機・電動車いすの製造販売や不動産の販売を主な内容とし、さらに各事業に関連する物流及びその他のサービス等の事業を展開しています。

会計上の事業セグメントは四輪事業(四輪車及び部品の製造・販売、物流)、二輪事業(二輪車及び部品の製造・販売)、マリン事業他(船外機の製造・販売、国内での電動車いすの販売、住宅の販売)の3事業で構成しています。

2022年3月期(2021年度)の連結業績概要

スズキ自動車の2022年3月期(2021年度)の連結業績は、売上高が3兆5,684億円となっています。コロナ禍で落ち込んだ前連結会計年度に比べると3,902億円(12.3%)の増収でした。

営業利益は原材料価格の高騰等により1,915億円と前連結会計年度(以下前年度)に比べ29億円(1.5%)減少しましたが、経常利益は金融収支改善等により2,629億円と前年度に比べ146億円(5.9%)増加、親会社株主に帰属する当期純利益は1,603億円と前年度比139億円(9.5%)の増加という結果でした。

2022年3月期連結決算の各事業別の業績概要は以下の通りです。

2022年3月期 連結決算 セグメント別業績の概要

セグメント名 セグメント売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益(百万円) 利益構成比
自動車事業 3,204,877 89.8% 152,832 79.8%
二輪事業 253,458 7.1% 10,859 5.7%
マリン事業 97,981 2.7% 24,017 12.5%
その他事業 12,064 0.3% 3,750 2.0%
合計 3,568,380 100.0% 191,460 100.0%
セグメント間取引調整他
連結合計 3,568,380 100.00% 191,460 100%

2022年3月期 連結決算 地域別別業績の概要

地域 外部顧客売上高  (百万円) 地域別売上構成比 営業利益(百万円) 地域別利益構成比
日本 1,305,150 36.6% 121,018 63.1%
欧州 352,831 9.9% 12,561 6.6%
アジア 1,658,301 46.5% 43,765 22.8%
その他の地域 252,096 7.1% 14,361 7.5%
3,568,380 100.0% 191,706 100.0%
消去 -246
合計 3,568,380 100.00% 191,460

スズキ自動車の課題

スズキは、「消費者の立場になって価値ある製品を作ろう」を社是の第一に掲げ、「小さなクルマ、大きな未来。」をスローガンに、地球環境にやさしい製品づくりと安全及び品質を第一とし、「小さく・少なく・軽く・短く・美しく」=「小・少・軽・短・美」を徹底した効率的な経営を行っている企業です。

世界の『生活の足』を守り抜く」こと、「新興国は今後も成長の柱」としていくことがスズキのこだわりであり、それを更に推進しています。

特にインドでは現在シェア43%を占有しており、スズキの大きな特徴となっています。インド市場は2030年ころに1000万台の市場に成長する可能性があり、現状のシェアを維持できればインドのみで400万~500万台という理論値になるため、スズキにとって成長のための最大のチャレンジとなるマーケットです。

ちなみに2021年の販売台数でいえば、スズキの国内販売(1月~12月)は60.8万台、インドでは133万台とインドの方が圧倒的に多いことでもインドの重要性を理解できるでしょう。

これからのインドでの成長はHV車やEV車の普及が必要不可欠であるため、2019年8月にトヨタ自動車と資本提携を行う合意を発表、2022年3月末時点で、トヨタ自動車はスズキ自動車の株式の4.94%を保有する、第三位の株主となっています。

スズキの中期経営計画:

スズキは2021年2月、「中期経営計画(2021年4月~2026年3月)~「小・少・軽・短・美」~」を発表しています。

今後カーボンニュートラル化を実現することが益々重要になると考え、モビリティのカーボンニュートラル化を積極的に推進し、そのためにモビリティの電動化やソフトウェアの高度化に注力し、「走行時CO2排出」、「製造時CO2排出」、「高品質な製品づくり」の3つの課題に優先的に取り組む計画です。

スズキ自動車を目指す就活生の皆さんは、スズキのカルチャーや事業の特徴を深く理解するとともに、2018年に問題になった一部の排出ガス・燃費測定試験において不適切な行為等のニュースやトヨタとの資本提携の背景、2021年7月に締結したトヨタ自動車株式会社、いすゞ自動車株式会社、日野自動車株式会社、ダイハツ工業株式会社と商用事業における協業に関する共同企画契約の進展などもチェックしておきましょう。

マツダ株式会社

2022年3月期 連結決算 (2019年度)

売上高(百万円) 3,120,349
経常利益(百万円) 123,525
親会社株主に帰属する
当期純利益(百万円)
81,557
包括利益(百万円) 129,823
従業員数(人) 48,750
連結子会社 71社
持分法適用関連会社 18社

マツダ及び国内外のグループ会社は自動車及び同部品の製造・販売、及び関連事業を展開しており、事業セグメントは「日本」、「北米」、「欧州」、「その他の地域」で分かれています。

2022年3月期(2021年度)の連結業績概要

2022年3月期におけるマツダの連結業績は、売上高が効率的な在庫運用と単価改善により、3兆1,203億円(前期比2,383億円増、8.3%増)となっています。

国内は、供給不足による販売減少等により、5,696億円(前期比249億円減、4.2%減)でしたが、海外は、主として北米市場向けの出荷台数の増加等により、2兆5,507億円(前期比2,632億円増、11.5%増)と増収となっています。

製品別では、成長を牽引する米国市場での販売力強化、ブランド力向上への取り組みが成果を出しています。

利益面では、売上高増加に加え、販売の質的改善や固定費の効率化の結果、営業利益は1,042億円(前期比954億円増)、連結売上高営業利益率は3.3%(前期比3.0ポイント増)と向上しています。

経常利益は持分法による投資損失41億円の計上はありましたが、主に為替差益303億円の計上により、1,235億円(前期比953億円増、337.2%増)、当期純利益は816億円(前期は317億円の損失)という結果でした。

2022年3月期連結決算の各事業別の業績概要は以下の通りです。

2022年3月期 連結決算 セグメント別業績の概要

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益・損失(百万円)
日本 816,357 26.2% 85,700
北米 1,206,667 38.7% -9,485
欧州 539,399 17.3% 14,888
その他地域 557,926 17.9% 16,542
合計 3,120,349 100.0% 107,645
調整他 -3,418
連結合計 3,120,349 100.00% 104,227

2022年3月期 連結決算 地域別別業績の概要

地域 売上高(百万円) 地域別売上構成比
日本 569,568 18.3%
米国 977,816 31.3%
北米(米国除く) 229,224 7.3%
欧州 540,550 17.3%
その他の地域 803,191 25.7%
合計 3,120,349 100.0%

マツダの課題

マツダは、2020年に創立100周年という大きな節目を迎えました。今後も成長・発展し続ける上で重視しているのが「マツダの独自性」です。またその独自性を人と共に創ることを標榜している企業です。

次なる100年に向けての中期経営方針を2019年5月に発表しています。2020年3月期から2025年3月期を新型「MAZDA3」から始まる新世代商品群の完遂までの6年間を新しい中期経営計画の期間としています。

この中期の方針を踏まえ、2019年11月に公表中期経営計画の骨子は以下の通りです。

独自の商品・顧客体験-ブランド価値向上への投資:

技術・商品

  • CASE時代を乗り切る技術開発・商品化計画を着実に推進
  • 少ないモデル数でグローバルに電動化技術を含む様々なパワートレインによるバリエーション展開で世界中のお客様の多種多様な使い方、嗜好をカバー
  • 電動化を含むパワートレインのバリエーション拡大、先進技術拡大により、価格カバレッジの拡大への挑戦
  • Large商品群は、単に高価格を目指すのではなく、非常に高い商品価値に対して、納得感のある価格で提供

販売・顧客体験・ネットワーク

  • 商品・ブランド価値を体感いただけるデジタル・リアル双方への投資
    •  現場スタッフがお客様に接する余裕を持つための投資
    •  居心地よく過ごせる空間への投資
    •  お客様イベント・体験の充実への投資

 

ブランド価値を低下させる支出の抑制:

変動・固定販促費

  • 販売の質的向上による支出の抑制
  • お客様の資産であるクルマの残価を高い状態で維持
  • 支払い方法の多様化に対する競合力ある対応

品質問題の抑制

  • 自動車の技術が複雑化する中で、品質問題の未然防止に努め、早期発見と早期解決により品質対応費用を削減

遅れている領域への投資:

  • インフラへの投資(米国新工場の建設、IT投資など)
  • 仲間づくりへの投資(アライアンスパートナーとの協業など)
  • 環境安全への投資

2020年2月以降、新型コロナウイルス感染拡大によるリスクが顕在化し、経営環境は大きく変化したことから、コロナ禍での学びや反省、グローバルでの環境規制強化と加速、並びにCASE時代の新しい価値創造競争への対応を踏まえ、2020年11月に方針と施策を一部見直しています。

中期経営計画の修正では、以下の5つの領域で方針・施策の見直しが行われています。(太文字部分が変更、強化されたポイントです。)

■ ブランド価値向上への投資 -独自の商品・技術・生産・顧客体験への投資-

  • 効率化と平準化による継続
  • 段階的な新商品/派生車の導入
  • 継続的な商品改良の実行

■ ブランド価値を低下させる支出の抑制

固定費/原価低減を加速し損益分岐点台数を低減

■ 遅れている領域への投資、新たな領域への投資開始

■ 協業強化(CASE対応、新たな仲間作り)

中期計画策定時ではこれらの施策を実行することで、2025年3月期に売上約4.5兆円、販売台数約180万台をめざす計画となっていましたが、コロナ禍による見直しを受け、中期経営計画の達成年度を1年遅らせ、2026年3月期に変更しています。

またマツダでは中期経営計画を達成するとともに社会的責任を果たすため、最重要課題として、カーボンニュートラル化に取り組み、2021年2月には、中期経営計画見直しの内容などを踏まえて2050年のカーボンニュートラル化への挑戦を発表しています。

独自のEV専用プラットフォームの開発も進めており、2025年ごろから2030年にかけて複数のモデルを導入する計画で、2030年時点での生産における電動化比率は100%、EV比率は25%を目指しています。

マツダを目指す就活生の皆さんは、マツダのカルチャーやロータリーエンジンを生みだした歴史や、独自のデザインへのこだわり等の特徴を深く理解するとともに、中期経営計画の内容を深く理解して、マツダの進む方向性を把握しておきましょう。またトヨタとの資本提携の動向*などもチェックしておきましょう。

*2022年3月末現在、トヨタ自動車はマツダの発行済株式の5.07%を保有する第二位の株主です。

株式会社 SUBARU

2022年3月期 連結決算(2021年度)

売上高(百万円) 2,744,520
税引前利益(百万円) 106,972
親会社株主に帰属する
当期純利益(百万円)
70,007
親会社株主に帰属する
包括利益(百万円)
155,894
従業員数(人) 36,910
外、平均臨時雇用者数(人) 8,362
連結子会社 73社
持分法適用会社 10社

SUBARU及びグループ会社は、自動車部門、航空宇宙部門及びその他部門の3部門とそれらに関係する事業を主として行っています。

自動車事業:

  • 軽自動車、小型自動車、普通自動車並びにその部品の製造、販売及び修理
  • トヨタ及びダイハツと開発・生産における協力関係のもと、ダイハツからは軽・小型自動車のOEM供給
  • SUBARUの生産拠点である群馬製作所では、トヨタと共同開発したスポーツカーの生産

 

航空宇宙:

  • 航空機、宇宙関連機器並びにその部品の製造、販売及び修理

 

その他:

  • 不動産の賃貸、ハウスの製造・販売及び修理のサービス業務等

2022年3月期(2021年度)の連結業績概要

2022年3月期(2021年度)におけるSUBARUの連結業績は、売上収益が自動車売上台数の減少等により2兆7,445億円と前連結会計年度に比べ(以下前年度比)857億円(3.0%)の減収となっています。

利益面では営業利益が販売奨励金の抑制や保証修理費の低減を行ったほか、為替変動による増益効果等があったものの、原材料価格の高騰や自動車売上台数の減少等により905億円と前年度比120億円(11.7%)の減益となっています。

税引前利益は1,070億円となり前年度比70億円(6.1%)の減益、親会社の所有者に帰属する当期利益は700億円となり、前年度比65億円(8.5%)の減益という結果でした。

2022年3月期連結決算の各事業別の業績概要は以下の通りです。

2022年3月期 (連結決算)セグメント別業績の概要

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 営業利益・損失(百万円)
自動車事業 2,677,465 97.6% 92,541
航空宇宙 62,291 2.3% -7,005
その他 4,764 0.2% 4,782
合計 2,744,520 100.0% 90,318
消去又は全社 134
連結合計 2,744,520 90,452

2022年3月期 連結決算 地域別別業績の概要

地域 外部顧客売上高  (百万円) 地域別売上構成比
日本 478,586 17.4%
北米 2,001,829 72.9%
欧州 64,211 2.3%
アジア 73,403 2.7%
その他 114,918 4.2%
その他の源泉から認識した収益 11,573 0.4%
合計 2,744,520 100.0%

主力の自動車事業は世界的な半導体の供給不足等により、各国の自動車生産や販売にも大きな影響を及ぼしています。

SUBARUも取引先から調達している部品の供給制約が継続し、米国および国内の生産拠点において生産調整や操業の一時停止を行ったことにより、海外の売上台数は64.5万台と前期比11.4万台(15.0%)の減少、国内の売上台数は8.9万台と前期比1.2万台(12.1%)の減少となりました。

以上の結果、海外と国内の売上台数の合計は73.4万台と前期比12.6万台(14.7%)の減少、自動車事業の売上収益は2兆6,775億円と前連結会計年度に比べ600億円(2.2%)の減収、セグメント利益は925億円と前連結会計年度に比べ165億円(15.2%)の減益の結果となっています。

SUBARUの課題

SUBARUでは2018年7月に中期経営計画「STEP」を発表しています。その後、2021年5月には中期経営ビジョン「STEP」の進捗報告を行い、「STEP2.0」として公表し、その中で2025年の「ありたい姿」を定義しました。

自動車業界の大変革期を乗り越えるためには、CASE (:Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の略称)を含む新しい領域への対応が必須です。この課題に対し、SUBARUはトヨタ自動車株式会社と長期的提携関係のさらなる発展・強化を目的に、2019年9月に新たな業務資本提携を行っています。

これらの経営環境の変化を踏まえた中期経営計画の骨子は以下の通りです。

2025年ビジョン:

  1. 個性を磨き上げ、お客様にとってDifferentな存在になる
  2. お客様一人一人が主役の、心に響く事業活動を展開する
  3. 多様化する社会ニーズに貢献し、企業としての社会的責任を果たす

ありたい姿、提供価値、経営理念:

  • <ありたい姿> 笑顔をつくる会社
  • <提供価値> 安心と愉しさ
  • <経営理念> “お客様第一”を基軸に「存在感と魅力ある企業」を目指す

基本方針

<品質方針>

私たちは何より品質を大切にしてお客様の信頼に応えます

  • お客様に安心して長くお使いいただける商品をお届けします
  • お客様の声に常に耳を傾け、商品とサービスに活かします
  • 法令・社会規範・社内規則を遵守し、お客様に信頼される仕事をします

「STEP」の中で最優先事項にあげられているのが「組織風土改革」です。

「正しい会社」をつくる活動と、風土改革に向けた持続的な取り組みを行うとともに「個の成長」に焦点を当てた活動を推進し、従業員一人ひとりが成長や働き甲斐を実感できるよう、エンゲージメントを高めるフェーズへ移行していく方針を掲げています。

SUBARUでは2017年10月以降発覚した一連の完成検査における不適切事案の再発防止と信用回復も、引き続き重要課題となっているのです。

品質改革や新たなモビリティ領域でのアライアンス強化などによる「会社の質の向上」、“人の命を守る”ことにこだわり、2030年に死亡交通事故ゼロ*を目指す安心・安全への取り組みやコネクトを活用した新価値創出などを通じて「強固なブランドの構築」、そして「集中戦略を軸とした持続的成長」の取り組みを進め、SUBARUづくりを刷新し、時代の変化に対応する新技術・新ビジネスの創出にチャレンジするとしています。

*SUBARU乗車中の死亡事故及びSUBARUとの衝突による歩行者・自転車等の死亡事故をゼロ

就活でSUBARUを目指す皆さんはSUBARUのDNAの理解はもちろんのこと、水平対向エンジンや独自の安全技術の思想も良く理解しておきましょう。

またコンプライアンス問題にも意識を高くもって経緯や現在の取り組みを理解しておきましょう。

三菱自動車工業株式会社

2022年3月期連結決算 (2021年度)

売上高(百万円) 2,038,909
経常損益(百万円) 100,969
親会社株主に帰属する
当期純損益(百万円)
74,037
包括利益(百万円) 106,757
従業員数(人) 28,796
外、平均臨時雇用者数(人) 7,948
連結子会社 35社
持分法適用関連会社 18社

三菱自動車及びその国内外のグループ会社は、自動車及びその部品の開発、生産、販売、金融事業を行っており、自動車の開発は三菱自動車が中心となって行っています。

また事業セグメンの一つである金融事業は、三菱自動車ファイナンス株式会社(2021年2月にMMCダイヤモンドファイナンス株式会社より社名変更)が自動車のリース事業、販売金融等の事業を担っています。

2022年3月末現在、三菱自動車の筆頭株主は日産自動車であり、日産自動車が発行済株式の34.02%を保有しています。そしてルノー、日産とアライアンス(3社連合)を組んでグループを形成しています。

日産自動車株式会社とは戦略的アライアンスを締結し、購買、車両プラットフォームの共用、新技術の開発分担、生産拠点の共用等、および成長市場を含む、複数の面で協力している関係となっています。

2022年3月期(2021年度)の連結業績概要

三菱自動車の2022年3月期(2021年度)における連結業績は、通期販売台数はグローバルで前年度比17%増の93万7千台、通期売上高は前年度比40%増の2兆389億円となり、回復軌道に乗っています。

利益面では営業利益が為替の追い風に加え、販売台数の増加、値引き抑制効果や、コスト改善効果により、873億円(前年度比+1,826億円)まで回復しています。

営業利益率は4.3%となり、前年からおよそ11ポイントの改善し、経常利益は1,010億円(前年度比+2,062億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は740億円(前年度比+3,863億円)となり、増収増益の決算となっています。

2022年3月期連結決算の各事業別の業績概要は以下の通りです。

2022年3月期 連結決算 セグメント別業績の概要

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益又は損失(百万円) 利益構成比
自動車 2,003,322 98.3% 83,538 94.8%
金融 35,586 1.7% 4,625 5.2%
合計 2,038,909 100.0% 88,164 100.0%
セグメント間取引調整他 -832
連結合計 2,038,909 87,331

2022年3月期 連結決算 地域別別業績の概要(以下は外部顧客の所在地を基礎として区分した外部顧客に対する売上高です)

地域 外部顧客売上高  (百万円) 地域別売上構成比 営業利益・損失(百万円) 利益構成比
日本 755,160 37.0% 39,640 40.7%
北米 391,326 19.2% 13,360 13.7%
欧州 211,883 10.4% 3,238 3.3%
アジア 414,421 20.3% 31,516 32.4%
オセアニア 254,681 12.5% 9,112 9.4%
その他 11,435 0.6% 497 0.5%
合計 2,038,906 100.0% 97,366 100.0%
調整 -10,034
合計 2,038,909 100.0% 87,331

地域内訳:

北 米:米国、プエルトリコ  欧 州:ドイツ、イギリス、イタリア、ロシア アジア:タイ、フィリピン、中国、インドネシア オセアニア:オーストラリア、ニュージーランド その他:ブラジル、U.A.E.

三菱自動車の課題:

三菱自動車では、限られた経営資源を、強みを持つ地域と、市場や顧客からの評価の高い競争力のあるセグメントに集中的に投下することを基本戦略としています。

「拡大」や「成長」を追求するのではなく、「競争力強化」や「刷新」を優先し、規模は小さくとも収益力の光る存在になることを目指しています。

この考え方を表す「Small but Beautiful」を2020年度から始まる次期中期経営計画のコンセプトとして、収益力強化と持続的な成長の両立に向けた具体的な戦略の検討を進めている段階です。

直近の課題としては、低収益状態からの構造的な脱却を図るために抜本的な構造改革が必須になっています。そのため、2020年度より、以下の構造改革を実施しています。

構造改革の概要

  1.  アセアン等コアマーケットへの集中
  2.  アセアン向け商品開発の強化を軸とした抜本的な商品ラインナップの見直し
  3.  販売・開発・生産・本社/管理部門のすべての領域で抜本的な固定費・経費削減を進め、固定費を今後2年間で20%以上削減

クルマづくりでは中長期的な持続的成長に向けた、「三菱自動車らしさ」を以下のように再定義しています。

「三菱自動車らしさ」:環境を軸とした、安全・安心・快適

三菱自動車が強みを持つ

  1. 電動化技術
  2. オフロードの高い走破性を持ったSUV技術
  3. 機能的で愉しい空間での快適性能

特に三菱自動車の電動化技術の根幹にあるプラグイン・ハイブリッド技術を、急速に普及する脱炭素社会への最適解として大きな武器にしていく方針です。

2022年度は、中期経営計画「Small but Beautiful」の最終年度であり、中国において3月に投入を開始した新型『エアトレック』、日産との共同開発により発売したの軽乗用EVである『eKクロスEV』、この秋に販売を再開する予定の『ミニキャブ・ミーブ』と、3つのBEV(電気自動車)を投入して販売強化を図っています。

三菱自動車を目指す皆さんは、企業の歴史やDNA、日産・ルノーとのアライアンスをよく理解して就活に臨みましょう。また三菱自動車の強みや新たに発表される予定の2020年度を起点とする経営計画の理解は必要不可欠です。ぜひ志望動機やキャリアプランと結び付けて語れるようにしておきましょう。

ダイハツ工業株式会社

2022年3月期連結決算

売上高(百万円) 1,327,000
売上総利益(百万円) 148,000
営業利益(百万円) 50,000
経常利益(百万円) 77,000
当期純利益(百万円) 79,000
従業員数(人) 12,426
連結子会社 60社

ダイハツ工業株式会社はトヨタ自動車株式会社の100%連結子会社であり、上場企業ではないため、有価証券報告書は発行されておらず、詳細なセグメント情報は開示されていません。ダイハツブランドでの販売以外でも、トヨタやSUBARUへのOEM供給も行っています。

ダイハツの現状の強みは軽自動車にあります。

2021年度には国内で155万4,971台の軽自動車が新車として販売されました。販売台数の推移としては、3年連続のマイナスとなっています。

軽自動車全体の販売台数は、小型/普通車を含めた国内新車販売総数(軽自動車含む)421万5,826台の36.9%を占めています。

2021年度におけるダイハツの軽自動車販売台数は、50万6,436台であり、販売台数シェアで32.6%となっています。

ダイハツは2006年年以降、2014年を除きスズキをおさえて軽自動車の販売では首位を続けています。

ダイハツ工業の課題

ダイハツは2017年~2025年の中期経営シナリオ「D-Challenge 2025」を発表し、成長目標としてダイハツ開発車のグローバル台数を2025年目線で250万台として事業を展開しています。

モノづくりでは、新世代の車づくりを「DNGA(ディーエヌジーエー/Daihatsu New Global Architecture)」と呼んでおり、このDNGAプラットフォームでの新車の開発に注力しています。

DNGAプラットフォームは軽自動車用に設計したものではなく、A・Bセグメントのコンパクトカーとも共通して使用できることを目標としたものです。

軽自動車やコンパクトカーまでの部品併用率が75%以上となり、新型車の投入ペースは約1.5倍にスピードアップされ、2025年までに15ボディタイプ、21車種に展開していくプランを立てています。

また先進技術(電動化、自動運転、コネクティッド)については、トヨタ自動車との連携を推進して、ダイハツ独自システムとして手の内化を推進する計画です。

ダイハツが強みを持つインドネシア、マレーシアを中心にASEAN市場を最優先に取り組み、トータルで2025年、250万台の目標に向けて事業を展開しています。

またコトづくりとして、お客様や地域との接点の拡大として、従来から販売会社、メーカーが取り組んできた草の根活動を継続、更に高齢者、女性、地方の人々を中心に、ダイハツと関わる全ての方々が、いきいきとモビリティライフを過ごせる社会に向け活動開始しています。

ダイハツ工業を目指す皆さんは、ダイハツ独自のDNAや強みの理解は当然ですが、トヨタグループ内での位置づけや役割を十分理解して就活に臨んでください。

トラック・バスメーカー4社の概況

いすゞ自動車株式会社

2022年3月期 連結決算 (2021年度)

売上高(百万円) 2,514,291
経常利益(百万円) 208,406
親会社株主に帰属する
当期純利益(百万円)
126,193
包括利益(百万円) 208,023
従業員数(人) 44,299
外、平均臨時雇用者数(人) 14,320
連結子会社 100社
持分法適用関連会社 40社

いすゞ自動車及びグループ各社は、自動車及び部品並びに産業用エンジンの製造、販売を主な事業内容とし、これらに関連する物流等の各種サービスを展開しています。

いすゞグループは、大型トラック・バス、小型トラックを中心とした商用車及びLCV(Light Commercial Vehicleの略、ピックアップトラック及び派生車)の製造・販売に加え、エンジン・コンポーネントの製造・販売、それらに関連する事業をグループの中核事業として国内外に展開しています。

尚、いすゞ自動車は2021年4月1日付で、UDトラックス株式会社の全株式を取得し、同社を連結子会社としています。

生産体制は、いすゞによる製造・組立と、いすゞが供給するコンポーネントを在外グループ企業により組立てる現地生産をとっています。

自動車以外の主力製品であるエンジンは、日本、アジア、米国の3極体制で生産しています。

国内の販売体制は、中央官庁並びに大口需要者の一部に対しては、大型トラック・バスをいすゞが直接販売に当たり、大型トラック・バス、小型トラックほかの、その他の需要者に対する販売は販売会社がその販売を行う体制です。

海外への販売は、いすゞグループ企業の販売網及びゼネラル モーターズ グループ各社等の販売網並びに商社等を通じて行う事業形態となっています。

2022年3月期(2021年度)の連結決算概要

2022年3月期(2021年度)における、いすゞ自動車の連結総販売台数は、前連結会計年度に比べ(以下、前年度比)125,822台(27.7%)増加の579,957台でした。

国内の車両販売台数は、部品供給の問題で生産面の影響が出て、前年度比6,482台(10.6%)減少の54,589台でした。

一方、海外車両販売台数は、旺盛な需要を背景に多くの地域で販売台数が増加し、前年度比132,304台(33.7%)増加の525,368台と、大幅な増加となっています。

加えて海外生産用部品やエンジンコンポ―ネントの販売も増加したことで、連結売上高は、前年度比6,061億円(31.8%)増加の2兆5,142億円と大幅な増収となっています。

利益面では、上記の増収効果、原価低減活動の推進、為替環境の好転により、資材費や物流費の高騰によるコスト増加を吸収し、営業利益が1,871億円(前年度比95.5%増)、経常利益は2,084億円(前年度比99.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,261億円(前年度比195.5%増)となり、大幅な増益を達成しています。

2022年3月期連結決算の各事業別の業績概要は以下の通りです。

2022年3月期 連結決算 セグメント別業績の概要

セグメント名 外部顧客への売上高(百万円) 売上構成比
車両 1,726,507 68.7%
海外生産用部品 54,926 2.2%
エンジン・コンポーネント 170,390 6.8%
その他 562,466 22.4%
合計 2,514,291 100.0%

2022年3月期 連結決算 地域別別業績の概要

地域 外部顧客売上高  (百万円) 地域別売上構成比
日本 878,148 34.9%
タイ 440,609 17.5%
その他 1,195,534 47.5%
合計 2,514,291 100.0%

いすゞ自動車の課題

いすゞでは2019年3月期から2021年3月期までを対象とした中期経営計画を策定して事業を展開しています。

この中期経営計画では、既存事業をより深く掘り進めて収益の拡大に努めるとともに、中長期に目指す姿の実現に向けた、既成概念にとらわれない新たな事業領域への挑戦も掲げています。

更に「中期経営計画 2024」(2022年3月期から2024年3月期まで)を策定し、「既存事業の拡大・収益向上」を図ると共に、「カーボンニュートラル戦略」および「進化する物流へ商用車メーカーとして貢献」の2つを「イノベーションの基軸」と位置づけ、変革期を乗り越え、認められ、存続できる企業(=サステナブルな企業)となるべく「ESGを視点とした経営への進化」を強化していく計画です。

特にカーボンニュートラル・脱炭素社会の実現は、トラック・バスメーカーにとって大きな課題です。

いすゞでは、「いすゞ環境長期ビジョン2050」を策定し、2050年までに製品のライフサイクル全体、および事業活動から直接排出される温室効果ガス(GHG)ゼロに向けた取組みを進める計画です。

2030年に向けて、いすゞグループの中長期に目指す姿:

「人々の生活環境、社会の生産活動を支えるCV・LCVとパワートレインのエクセレントカンパニーとして、広く愛される会社」

  • CV: Commercial Vehicle 商用車
  • LCV: Light Commercial Vehicleピックアップトラック及び派生車
  • パワートレイン:エンジン、トランスミッション、及び駆動系のコンポーネント

中期経営計画の7つの課題

  1. 商品/販売/サービス力強化
  2. ものづくり革新
  3. カーボンニュートラル戦略
  4. 進化する物流へ商用車メーカーとしての貢献
  5. 株主価値重視
  6. ガバナンス強化と開示拡充
  7. イノベーションを創出する集団

いすゞ自動車を目指す皆さんは、トラック、バス等の商用車ビジネスの特性、顧客のビジネスの特性、脱炭素社会への対応などを十分理解しておくことが重要です。

その上でいすゞの特徴や強み、中期経営計画の方向性をしっかりと頭に入れて就活に臨んでください。

トラック・バスメーカーはカーボンニュートラルへの取り組みが必須であり、いすゞもトラック・バスのバッテリーEV開発や、小型・大型FCV(実証車製作中)、大型路線FCVバス、電動ピックアップトラック、北米中型BEV等、環境負荷の低い商品の開発に取り組んでいます。

更には、CASE(Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリングとサービス)、Electric(電動化)の総称)という自動車業界100年に一度とも呼ばれる大変革への対応のためには、多額の投資が必要であり、それには収益力の強化と、技術面でのアライアンスが不可欠となっています。

尚、2019年12月には、いすゞ自動車はスウェーデンのボルボグループと提携すると発表しました。2019年の時点ではボルボはUDトラックスの親会社であったため、2021年4月1日にボルボグループとの間でUDトラックスの買収手続きが完了しています。

いすゞは国内4位のUDトラックスを買収し統合し、更にボルボグループとは、2020年10月に締結した商用車分野における戦略的提携を本格的に開始しています。

また、2021年3月には、トヨタ自動車株式会社及びそのグループ会社である日野自動車株式会社と、商用車CASE領域における協業について合意しています。

同時期にトヨタ自動車との資本提携を発表し、2022年3月末現在、トヨタ自動車はいすゞ自動車の発行済み株式の5.02%を保有する第5位の株主となっています。

就活でいすゞを志望する皆さんは、この複雑な関係性をしっかり理解しておきましょう。

日野自動車株式会社

2022年3月期 連結決算 (2021年度)

売上高(百万円) 1,459,706
経常利益(百万円) 37,986
親会社株主に帰属する
当期純利益・当期純損失(百万円)
-84,732
包括利益(百万円) -74,716
従業員数(人) 34,405
外、平均臨時雇用者数(人) 8,448
子会社 75社
関連会社 21社

日野自動車及びグループ各社は、トラック・バスの製造販売及びトヨタ自動車からの受託生産を主な事業内容とし、さらに事業に関連する製品の開発、設計及びその他のサービス等の事業活動を展開しています。

「TOYOTA」ブランドの「ランドクルーザー プラド」「FJクルーザー」「ダイナ」「トヨエース」は日野自動車が受託生産を行っています。ちなみに、トヨタ自動車は日野自動車の発行済株式の50.2%を所有する筆頭株主です。

日野自動車の事業セグメントは日本、アジア、その他に分かれています。2022年3月期連結決算の各事業別の業績概要は以下の通りです。

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2022年3月期(2021年度)の連結業績の概要

2022年3月期(2021年度)における日野自動車の連結業績は、売上高が1兆4,597億6百万円でした。

国内、海外市場の連結売上の内訳については、国内トラック市場が、部品供給不足に伴う需要及び売上台数の減少により、売上高は4,219億67百万円、海外トラック・バスにつきましては、コロナ禍からの市場回復により売上台数が増加し、売上高は4,215億87百万円という結果でした。

トヨタ向け車両は、SUVの台数が減少したこと等により、売上高は975億66百万円、その他の部門の売上高、米国、タイにおけるトヨタブランド車向けユニット事業の売上高が増加したこと等により、5,185億83百万円という結果でした。

連結利益面では、部品供給不足による影響、品質費用の増加、及びエンジン認証に関する不正行為に起因する生産・出荷停止の影響により、連結営業利益が338億10百万円と前期に比べ215億60百万円の増益となったものの、コロナ禍前の2020年3月期(548億59百万円)に比べれば減益という結果になっています。

経常利益は379億86百万円と前期に比べ257億25百万円の増益となりましたが、国内認証関連損失として特別損失400億円及び、北米認証関連損失として特別損失273億円を計上したこと等により、税金等調整前当期純損失は314億84百万円になっています。(前期と比べ296億円の減益)、親会社株主に帰属する当期純損失は847億32百万円(前期に比べ772億43百万円の減益)であり、赤字を計上した決算となっています。

2022年3月期 連結決算 セグメント別業績の概要

セグメント名 外部顧客売上高(百万円) 売上構成比 セグメント利益・損失(百万円) 利益構成比
日本 902,541 61.8% 19,778 55.1%
アジア 384,945 26.4% 22,900 63.8%
その他 172,219 11.8% -6,769 -18.9%
合計 1,459,706 100.0% 35,909 100.0%
セグメント間取引調整他 -2,098
連結合計 1,459,706 33,810

2022年3月期 連結決算 地域別別業績の概要

地域 売上高 (百万円) 地域別売上構成比
日本 794,819 54.5%
タイ 194,497 13.3%
その他 470,389 32.2%
合計 1,459,706 100.0%

日野自動車の課題

バス・トラックの物流・人流業界では、重大交通事故やCO2問題、お客様ビジネスの持続的成長、ドライバー不足等の物流危機といった 様々な社会課題が顕在化しています。

日野自動車グループは、2025年をひとつのマイルストーンに設定して、どのような方針・戦略でお客様 社会への価値提供を行い、上記のような課題を解決していくのか『Challenge2025』として定め、2018年10月に発表しています。

『Challenge2025』では以下の課題に取り組むとしています。

日野の価値提供:

日野車が関わる交通死亡事故ゼロへのチャレンジ:

  • 日野車が関わる「交通死亡事故」を2020年代に「高速道路でゼロ」に、2030年代には「一般 道でもゼロ」にすることを目指す
  • 運転時のヒューマンエラーを「減らす」ドライバーモニターや、ドライバーの運転支援活動などの取り組み および根本的にエラーを「なくす」高度運転支援などの車両開発の両面で貢献
  • 隊列走行や自動運転については、政府や他企業とも協力し、早期実用化を目指し開発を推進

 

CO2排出量の大幅削減:

  • 「日野環境チャレンジ2050」に掲げる、ビジネスの各段階 における「CO2排出ゼロチャレンジ」の推進
  • 省燃費運転支援、電動車両化、ハイブリッド車の普及、トヨタとの電気自動車や燃料電池車の開発

 

お客様ビジネスの発展支援:

  • 「トータルサポート」として、お客様車両の稼働を最 大化し、ライフサイクルコストを最小化する活動に注力

 

人流・物流の更なる効率化:

  • 車両情報に加え、ドライバー、荷物の情報を三位一体で活用し、最高に効率 化された物流の仕組みづくりを推進

 

さらなるビジネスの基盤強化

  • 新車販売については2025年までに2018年度の約5倍となる、30万台を目指す
  • 日本・ASEAN・米州を「三本柱」として、更に中南米やロシア、中近東といった地域での拡販も加え、海外諸地域でバランスの良い成長
  • 開発の徹底的な効率化と現地化 を進め、「早い開発」の体制を構築
  • 抜本的な原価低減、TRATONグループとの調達合弁会社、インド等の部品活用を通じて、価格競争力と台当たりコストの削減を実現
  • 「お客様センター」の海外展開など、お客様とのより強固な「絆」づくりに注力

 

アライアンス(仲間づくり)

  • トヨタグループでの協業 を柱としつつ、TRATONグループとの幅広い分野での戦略的協力関係、新興国に強いAshok Leyland社との協業
  • 商業における「CASE」への取り組みをトヨタグループ の中で、日野が主体となり推進
  • 独フォルクスワーゲングループと包括提携に向けた協議(その後、フォルクスワーゲングループのトラックとバス部門の「トレイトン」(TRATON)は、日野自動車との間で、調達に関する合弁会社を設立しています。新たな合弁会社は、「HINO & TRATON Global Procurement」で、出資比率はトレイトンが51%、日野が49%)

 

人財育成と抜本的な業務の効率化

  • 失敗を恐れず、変化を楽しみチャレンジできる人財やグロ ーバルに通用する高い専門性を持つ人財の育成
  • 仕事のやり方を抜本的に見直し、業務の無駄をなくして、大幅に効率性を高めることで、事業基盤の強化を推進

上記は中長期的な課題への取り組みですが、直近では日本における排出ガスおよび燃費に関するエンジン性能の現行規制である2016年排ガス規制対象の複数のエンジン機種につて、認証手続きの不正行為があったこと、エンジン性能に問題があることを国土交通省と経済産業省に報告し、公表しています。(2022年3月4日)

その後の国土交通省による立ち入り調査を経て、同月25日、別のエンジンにつきましても、性能の問題が不正行為によるものと判断したことを公表し、同月29日、不正行為が確認されたエンジン機種とその搭載車型の型式指定取り消しという行政処分を受けています。(2022年3月末時点では、北米における排出ガス認証のプロセス遵守状況上の課題に関する当局による調査は継続中)

中長期的な課題への取り組みと併せ、コンプライアンス最優先の姿勢を明確にし、組織変更や業務プロセスの見直し、ガバナンスの改善に加え、従業員一人ひとりの意識改革への取り組み等による、信頼回復に向けた抜本的な再発防止およびコンプライアンス・ファーストの企業体質再構築が急務になっています。

日野自動車を目指す皆さんは、物流業界をはじめバス事業者の事業の現状や複雑な業務提携・買収統合等の動きも併せて理解しておきましょう。

その上で『Challenge 2025』の内容をよく理解して就活に臨むことをおすすめします。

広範な内容になっているため、日本を代表する商用車メーカー全般の現状と課題、未来の姿を理解できます。

三菱ふそうトラック・バス株式会社

2021年12月期 連結決算 (2021年度)

売上高(百万円) 657,357
売上総利益 (百万円) 124,841
営業利益(百万円) 30,669
経常利益(百万円) 34,388
税引前当期純利益(百万円) 34,331
当期純利益(百万円) 24,036
従業員数(人) 約10,000人

三菱ふそうトラック・バス株式会社はその発行済株式をドイツのダイムラー社が89.29%、三菱グループ会社が10.71%を所有している企業のため、上場企業ではありません。そのため有価証券報告書の発行はされておらず、詳細なセグメント情報は開示されていません。

三菱ふそうトラック・バス株式会社は世界最大の商用車部門を持つダイムラートラックグループ(本社:ドイツ)において、商用車の製造販売におけるアジアのビジネスをリードする重要な役割を担っています。

社員(間接員)の20%が外国人という、グローバルで多様性を尊重しあう企業文化があり、日本企業というより外資系企業への就活として臨むことをお勧めします。

UDトラックス株式会社

2021年12月期 連結決算(2021年度)

売上高(百万円) 268,607
売上総利益 (百万円) 58,785
営業利益(百万円) 1,333
経常利益(百万円) 4,086
税引前当期純損失(百万円) -1,170
当期純利益(百万円) 2,017
従業員数(人)契約・派遣社員含む 6,146
国内グループ会社 2社
海外拠点 3

UDトラックスの事業:

国内事業:

  • 大型トラックの開発・生産・輸出・販売
  • 中・小型トラックの販売
  • 自動車用部品の製造・販売
  • トラック・バスの整備・補修部品などの販売
  • ボルボ・ブランド製品の輸入・販売

海外事業:

  • 新興国向けの大・中・小型トラックの開発・生産・販売
  • 自動車用部品の製造、販売
  • トラック・バスの整備・補修部品などの販売

UDトラックスのルーツは1935年にまで遡り、その後、日産自動車が資本参加し、「日産ディーゼル工業」が誕生して日本のトラック業界の一角を担ってきました。

そして2010年には、ボルボ・グループの一員として「UDトラックス」となり、新しいスタートを切って事業を行ってきました。

ボルボグループの一員として日本のみならず、アジアやアフリカ、中近東、北米などのグローバル市場での戦略の一翼を担っていましたが、その後ボルボグループといすゞ自動車の商用分野での提携関係が進み、2021年4月にいすゞ自動車による完全子会社となっています。(現在いすゞ自動車はUDトラックス株式会社の株式を100%保有

UDトラックスに限らず、トラックメーカーを就活の対象に考えている就活生は、各社の提携・再編・協働の動きを必ずフォローしていってください。

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