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【就活の業界研究】就活のはじめに、製薬企業の現在、課題、未来を把握しておこう

就活初期にできるだけ幅広い業界・業種を理解するために、業界研究コンテンツを作りました。何故それが大事かに関しては以下の記事を参考にしてください。

「就活の答え」では製薬業界を、以下の項目に沿って簡潔に情報をまとめていますので活用してください。

製薬業界の7つのポイントを押さえよう

  •  製薬業界のビジネスモデルを理解しよう
  • 製薬企業の現状と課題・未来
  •  製薬企業にはどんな仕事があるのか、職種の情報
  •  製薬企業に働く人のモチベ―ション、「やりがい」は何か
  •  製薬企業に向く人、向かない人はどういう人か
  •  製薬業界の構造
  •  主要製薬企業各社の概況

この記事では現在の日本の製薬企業を取り巻く状況とその課題、そして製薬企業の未来について、アウトラインを解説しています。製薬業界入門編として活用してみてください。

日本の製薬企業を取り巻く状況

製薬業界の問題とは?

製薬業界の研究をしていると、必ず出てくるのが「2010年問題」、「2020年問題」などというワードです。「そんなに問題が矢継ぎ早に起こるのか?」と思われるかもしれませんが、現在の製薬業界の状況と課題、そして未来についての考えるテーマを提示しているので、何が問題かを理解しておきましょう。

2010年問題とは何だったのか

国内、海外を問わず新薬は特許とその保護期間によってその研究・開発にかかった巨額の費用を回収し、利益を出しています。新薬の対象となる疾病に悩む人が多ければ多いほど、その医薬品の市場は大きい、大型商品ということになります。

各社が特許申請し、認められた範囲の構造の化合物は、一定期間(通常20年)の間他社が勝手に製造・販売できないため,利益を独占できる訳です。

しかしこの期間が経過した後は、他社が同じ構造の薬を製造・販売することが許されます。この後発医薬品(ジェネリック医薬品)と呼ばれる医薬品は、開発費の負担がないため先発医薬品に比較すれば安く販売できる訳です。

世界的に1990年代に上市された新薬には大型医薬品(ブロックバスターと言います)が多く、それらが2010年前後に特許が切れる事象が集中したのが、医薬品の2010年問題の本質です。

特許が切れ、安価な後発医薬品に置き替わっていくと、先発医薬品メーカーは収益が減ってしまうのです。

特許が切れても、失った収益をカバーできるような大型の新薬が同じタイミングで上市できれば経営上の問題は少なくて済みますが、新薬の開発は非常に難しく、経営的にそれが欲しいタイミングで新薬の発売ができる保証はありません。

日本の製薬企業は1990年代にコレステロール低下剤や高脂血症治療薬、糖尿病治療薬などの生活習慣病に対する新薬を数多く開発し、大型医薬品となりました。

それらが2010年前後に特許切れを迎えることが分かっていたため、業界全体の「2010年問題」と呼ばれていたのです。

2020年問題も同様の構造です。2016年から2020年にかけて、日本の製薬会社の開発し稼ぎ頭とも言える薬は患者数が多く需要の高い薬が多く、具体的には統合失調症やうつ病で処方されるエビリファイ、高血圧患者に処方されるオルメテック、頻尿治療薬のベシケアといった薬が含まれていました。

大型医薬品から得意疾病領域への選択と集中

現在では生活習慣病薬などの大型医薬品の上市が難しくなり、1つのブロックバスター製品に依存する経営体制からのの脱却が業界全体の課題になっています。

製薬企業では自社の強み、今後の医療ニーズ、他社との競合性などを総合的に勘案し、成長性の高い事業がどこかを見極め、自社で保有するよりも他社への売却がよいと思われる事業は思い切って切り離しを決断し、特定疾病領域における高い専門性をもつスペシャリティファーマを目指す動きが顕著になっています。

最大手の武田薬品は国内の長期収載品(既に自社の特許が切れており、ジェネリック医薬品が販売されている薬の意味)事業を本体から切り離し、イスラエルのテバと長期収載品とジェネリック医薬品(GE薬)の合弁会社「武田テバ」を設立しました。

さらに、呼吸器疾患事業を英アストラゼネカに、診断薬子会社「和光純薬工業」を富士フイルムに売却するなどの選択と集中を行っています。

アステラス製薬は皮膚科事業をデンマークのレオファーマに譲渡。第一三共はインドのジェネリック医薬品薬大手「ランバクシー」を同じインドのサンファーマに売却し、後発薬と新薬のハイブリット型から新薬に回帰する方針に転換をしています。

これらは代表的な例ですが、各社とも新薬開発をそれぞれの得意分野に集中していく戦略は共通してします。

希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)へのシフト

新薬の研究開発での選択と集中の中でも、希少疾病用医薬品(Orphan Drug)へのシフトが進んでいます。

オーファンドラッグとは対象患者数が日本において5万人未満であること、医療上特にその必要性が高いものなどの条件に合致するものとして、厚生労働大臣が指定した医薬品を指します。

バイオ医薬品の開発

多くの医薬品の基本は低分子化合物と呼ばれる化学物質から創成されていましたが、現在はバイオ医薬品と呼ばれる医薬品に注目が集まっています。

バイオ医薬品とは有効成分がタンパク質由来(成長ホルモン,インスリン,抗体など)、生物由来の物質(細胞、ウイルス、バクテリアなど)により産生される医薬品を指します。

これらは化学合成の低分子医薬品に比べて分子が大きく構造が複雑で、その特性や性質は一般に製造工程そのものに依存します。製造工程でのわずかな変化によって最終産物が変わってしまうことも起こり得ます。

非常に複雑な製造工程であることから,製品の安全性及び有効性を常に維持するため,高い精度を持って,製造品質管理基準(GMP)、そして定められた規格へ適合することが求められています。化学合成の低分子医薬品では約50種類の工程内管理試験が行われているのに対して,バイオ医薬品では約250種類の工程内管理試験が行われているのです。

このように研究・開発のハードルは非常に高いため、外資の巨大製薬企業や国内の体力のある製薬企業が有利であると言えます。ちなみに本庶佑・京都大特別教授のノーベル賞受賞で、あらためて注目が高まった免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」もバイオ医薬品です。

小野薬品がオプジーボを日本で発売したのは2014年9月であり、当初の適応は悪性黒色腫でしたが、翌15年12月に非小細胞肺がんに適応が広がったのを機に販売が急増し、現在は腎細胞がんや頭頸部がん、胃がんなど7つのがんで承認されています。

オプジーボの研究・開発ストリーや上市後の薬価の推移、小野薬品の業績や株価の推移を追っていくと、バイオ医薬品や現在の日本の製薬企業の課題が良く理解できると思います。

小野薬品を志望される方はもちろんのこと、製薬業界を目指す方はぜひ研究してみてください。

ジェネリック医薬品のシェア拡大

日本全体の医療費はおよそ43兆3,949億円(2018年度)で、前年度に比べて3,239億円程度増加しています。過去最高を記録し、国民一人当たりの費用も34万3,200円にもおよんでいます。この金額を国庫負担(税金)、保険料負担、患者負担で賄っていますが、政府としては増加していく医療費をコントロールしていかなければなりません。

医薬品は医療費全体の22%程度を占めており、厚生労働省では2013年4月に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を策定し、ジェネリック医薬品の使用を促進する取組を進めてきました。

その後2015年6月の閣議決定において、2017年央にジェネリック医薬品の使用率を70%以上とするとともに、2018年度から2020年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上とする、新たな数量シェア目標が定めています。

この80%目標の具体的な達成時期については、2017年6月の閣議決定において、「2020年(平成32年)9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する。」と定め現在に至っています。

2011年の日本におけるジェネリック医薬品のシェアは約40%しかなかったため、2020年で80%まで高めるということは、その分の長期収載品(既に自社の特許が切れており、ジェネリック医薬品が販売されている薬の意味)がジェネリック医薬品に置き替わっていくことを意味し、先発医薬品主体の製薬企業の収益に大きな影響を与えています。

日本ジェネリック製薬協会(GE 薬協)が2020年12月に発表した、2020年7月~9月の第二四半期におけるジェネリック医薬品のシェアは78.9%でした。政府の目標はほぼ達成できている状況で推移しています。

薬価の大幅な引き下げのリスク

医療用医薬品の価格の決定権は薬価制度によって国にあると言っても良いでしょう。

薬価改定は2年毎に行われてきました。2年毎での改定は、2018年、2020年と続き、2020年4月に行われたものでした薬価改定では、医療費ベースで4.38%の引き下げとなりました。

2018年の「薬価制度の抜本改革」によって、今まで「2年に1度」であった薬価改定について、中間年度においても必要な薬価の見直しを行なうこととなり、毎年度改定は2021年度から実施されます。

薬価改定は製薬企業にとっては、何もしなくても自動的に引き下げられた割合の売上を消失することになります。

日本の医薬品の価格設定が元々高すぎる、製薬企業は今までがもうけ過ぎという見方もありますが、このような経営に大きな影響を与える薬の値段に関しても国の決定に従うしかないのが現在の日本の製薬企業の現状です。

そして、特に外資系企業にとっては日本での新薬の研究開発投資や、日本への投資そのものを再考し、新薬開発にも影響を及ぼす一因となっています。

大型医薬品の特許切れや薬価の見直しは製薬企業の経営に大きな影響を与えます。給与の水準を下げることは考えにくい業界であるため、企業によっては厳しい経営環境の際はリストラ、早期退職者の募集が行われています。

製薬企業だから「安定」ということは幻想です。これから製薬企業を目指そうと考えている就活生は、志望企業を選ぶ際に考慮しておくべきでしょう。

海外への展開

製薬企業は今後一層海外市場の重要性が増していきます。日本国内の市場は人口が減少していくことが避けられません。現在の人口の推移の予想では2040年の総人口は約1.1憶人、2050年は約1億人と減っていきます。

2025年には、戦後すぐの第一次ベビーブーム(1947年~1949年)の時に生まれた、いわゆる”団塊の世代”が後期高齢者(75歳)の年齢に達し、医療や介護などの社会保障費の急増が懸念される問題を指します。2025年には後期高齢者人口が約2,200万人に膨れ上がり、国民の4人に1人が75歳以上になる計算となります。

高齢化も進み、15歳から64歳の生産年齢人口も減少していきます。反面、医療保障給付は増加していきます。政府は財政の観点から医療費全体の抑制が必須と考えており、製薬企業にとって国内市場は、多くは期待できない状況なのです。

一方政府は国内の製薬会社の海外進出を後押しするため、官民が共同で出資する支援機構「国際医薬協力推進機構(仮称)」を立ち上げる方針であり、医療・製薬分野の民間企業に出資を呼びかけています。

アジアなどの新興国では、新薬開発に必要な臨床試験技術や薬事制度が整っていないことが多く、日本企業が積極的に新興国に進出することで、現地での製薬分野を巡る環境整備や人材育成につなげるとともに、現地での生産と流通により長期的に国内の需要減を海外市場で補っていくという考え方です。

当面は技術を移転しやすいジェネリック医薬品から行い、将来的には経済発展と人口増が見込まれる海外市場での創薬までを視野にいれています。

現在でも日本の大手製薬企業は欧米の先進国を中心に海外に進出していおり、上位企業の中には国内の売上より海外市場での売上高の方が上回っている企業もあります。今後は更に新興国への進出も加速していき、グローバル企業化が進んでいくでしょう。

製薬企業、未来への進化

創薬へのAIの利用

創薬には研究・開発期間中に莫大なコストが必要であり、バイオ医薬品をはじめとして益々高度化する研究から開発、製造に至る複雑なプロセスを、AIを使用して大幅にコストダウン(時間も含めて)しようという取り組みが進んでいます。

遺伝統計解析やITを駆使して、AIにより遺伝子レベルで癌などの病気が特定できると,がん患者個人の体質や病状に従って個別化医療の提供をも可能にしていく技術です。また機械学習、ディープラーニング、進化的計算などのAI技術を組み合わせて使用し、治癒方法の決定にも効果を発揮しています。

現在AIの創薬への利用は外資系企業が先行していますが、日本では京大と理化学研究所が共同でライフインテリジェンスコンソーシアム」立ち上げています。そのコンソーシアムには日本の大手製薬企業やIT企業等、101の機関と企業が参画しており、今後の展開が期待されています。

ヘルスケアへの取り組み

製薬企業は薬をつくる企業ですが、その本質は人の健康に貢献することです。病気になった場合に治癒するための医薬品をつくるのはもちろん大変重要な事業ですが、広く考えれば「ヘルスケア」を「薬」に限定しなくても良いのです。

すでにデジタル機器を活用したリアルワールドデータの活用は現在既に行われています。この「デジタルヘルスケア」という領域は、今後新薬の臨床試験にも活用が広がっていくでしょう。

特に、超高齢化社会の先頭を走っている日本では、病気になることを防ぐ活動、健康を維持、促進する活動、病院中心の医療から在宅医療への移行の重要性が高まっています。

医療費の伸びの抑制、削減は必要であり、ヘルスケア機器ビジネスや介護ビジネスへの参入など、今までのビジネスモデルや発想にとらわれないで、製薬企業の知見やノウハウを活かせる分野を開発し、事業化することも未来へのアプローチのひとつです。IT企業とのコラボレーションで新しいビジネスを開発するなどの取り組みが、今後一層行われていくでしょう。

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まとめ

製薬業界は、なくてはならない医薬品を研究開発し、製造販売しているため安定した産業という見方をされてきた業界ですが、前述のように大きな変革期を迎えているのです。給与・待遇面では非常に高く優遇されている業界でもあるため人気も高く、ハードルは非常に高い業界であり、製薬企業は伝統的に能力重視の採用方針です。

ビジネスモデル、現在の環境や課題、近未来への方向性を理解できたら、製薬企業の職種や「やりがい」、適性についてもチェックしていきましょう。

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